アパート経営がうまくいかない原因と立て直しの第一歩|関東エリアのオーナー向け
2026/01/30
目次
はじめに:「なんとなくうまくいっていない」が一番危険
「最近、空室がなかなか埋まらない」「以前より手元に残るお金が減っている気がする」「管理会社に任せているけど、これでいいのかわからない」──こうした漠然とした不安を抱えながら、賃貸経営を続けているオーナーは少なくありません。
特に東京・神奈川・千葉・埼玉といった首都圏や、茨城・栃木など北関東エリアでは、賃貸物件の供給が多く、競争が激しい市場環境にあります。
「なんとなくうまくいっていない」状態を放置していると、気づいたときには赤字が膨らみ、立て直しが難しくなるケースも珍しくありません。
この記事では、アパート経営がうまくいかない典型的な原因と、立て直しのために最初にやるべきことを整理します。
「何が悪いのかわからない」という方は、まずここからチェックしてみてください。
アパート経営がうまくいかない5つの典型パターン
「うまくいかない」と一口に言っても、原因はさまざまです。
まずは、関東エリアのオーナーがよく陥る5つのパターンを確認しましょう。
パターン1:空室が埋まらない
最も多い悩みが「空室が埋まらない」ことです。
- 退去後、次の入居者が決まるまでに2〜3ヶ月以上かかる
- 繁忙期(1〜3月)を逃すと、半年以上空室が続く
- 常に1〜2部屋は空いている状態が続いている
空室期間が長引けば、その分の家賃収入がゼロになり、収支を直撃します。
特に、東京23区外や神奈川・千葉・埼玉の郊外エリア、茨城・栃木の地方都市では、競合物件が多く、入居者の選択肢が広いため、空室が長期化しやすい傾向があります。
パターン2:賃料が相場より安い(または高い)
賃料設定のミスマッチも、うまくいかない原因になります。
- 相場より安すぎる → 入居者は決まるが、収益が上がらない
- 相場より高すぎる → 入居者が決まらず、空室が続く
築年数や設備、立地条件に見合った適正賃料になっているかどうか、定期的にチェックする必要があります。
特に、相続で物件を引き継いだオーナーの場合、親の代からの賃料設定がそのままになっていて、相場とズレているケースがよくあります。
パターン3:経費・修繕費がかさんでいる
家賃収入はあるのに、手元にお金が残らない──この場合、経費や修繕費が収益を圧迫している可能性があります。
- 管理費が相場より高い
- 修繕のたびに多額の費用がかかる
- 原状回復費用が想定以上に膨らんでいる
築年数が経過した物件ほど、設備の故障や老朽化による修繕が増え、収支が悪化しやすくなります。
パターン4:ローン返済が重すぎる
購入時に組んだローンの返済額が、現在の家賃収入に見合っていないケースもあります。
- 購入時は満室想定で計算したが、実際は空室が出ている
- 金利上昇で返済額が増えている
- 賃料が下がり、返済比率が上がっている
特に、2020年代に入ってからの金利動向や、物件価格の高騰を背景に、「買ったときは回ると思ったが、実際は厳しい」という声が増えています。
パターン5:管理会社に任せきりで状況がわからない
管理会社に一括で任せているオーナーの中には、「何がどうなっているのかよくわからない」という方もいます。
- 毎月の送金明細を見ても、内訳がよくわからない
- 空室が続いているが、どんな募集活動をしているか把握していない
- 管理会社の対応が遅い・悪い気がするが、比較対象がない
管理会社に任せること自体は悪くありませんが、オーナーとして状況を把握していないと、問題に気づくのが遅れます。
まず確認すべき「3つの数字」
「うまくいっているかどうか」を判断するには、数字で現状を把握することが第一歩です。
以下の3つの数字を、まず確認してみてください。
1. 入居率(稼働率)
入居率=入居中の部屋数 ÷ 全部屋数 × 100
例:10戸中8戸が入居中 → 入居率80%
一般的に、入居率90%以上が健全な目安とされています。
80%を下回っている場合は、空室対策を真剣に検討すべきラインです。
関東エリアでも、東京23区内と郊外、神奈川の横浜・川崎と県央部、千葉・埼玉の駅近と駅遠では、入居率の目安は異なります。
自分の物件があるエリアの「平均的な入居率」と比較してみることが重要です。
2. 表面利回り・実質利回り
表面利回り=年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100
実質利回り=(年間家賃収入 − 年間経費)÷ 物件購入価格 × 100
表面利回りだけを見ていると、「利回り8%で回っている」と思っていても、経費を差し引いた実質利回りは3〜4%しかない、ということがあります。
実質利回りで見て、ローン金利を上回っているかどうかが、収益性のチェックポイントです。
3. キャッシュフロー(税引前手残り)
キャッシュフロー=家賃収入 − 管理費 − 修繕費 − 固定資産税 − ローン返済 − その他経費
最終的に「毎月(または年間)いくら手元に残るか」がキャッシュフローです。
キャッシュフローがゼロまたはマイナスになっている場合は、何らかの改善が必要です。
原因がわからないときのセルフ診断チェックリスト
「数字を見ても、何が原因かピンとこない」という方は、以下のチェックリストで一つずつ確認してみてください。
空室に関するチェック
- □ 退去後、1ヶ月以内に次の入居者が決まっているか
- □ 募集賃料は、周辺の競合物件と比べて妥当か
- □ 募集条件(敷金・礼金・保証人など)は競合と比べて厳しすぎないか
- □ 物件の写真・情報は、ポータルサイトに十分掲載されているか
- □ 内見後の申込み率はどのくらいか(把握しているか)
収支に関するチェック
- □ 管理費は家賃収入の5〜8%以内に収まっているか
- □ 年間の修繕費・原状回復費はいくらか把握しているか
- □ 固定資産税・都市計画税はいくらか把握しているか
- □ ローン返済額は家賃収入の50%以下に収まっているか
- □ 毎月のキャッシュフローがプラスになっているか
管理会社に関するチェック
- □ 管理会社から定期的に報告を受けているか
- □ 空室時の募集活動内容を把握しているか
- □ 管理会社の対応スピード・品質に満足しているか
- □ 他社と比較して、管理費・対応内容は妥当か
チェックが付かない項目が多いほど、「現状を把握できていない」状態です。
まずは、管理会社や税理士に確認し、数字を明らかにすることから始めましょう。
一人で抱え込まず、第三者の視点を入れる重要性
アパート経営がうまくいかないとき、多くのオーナーが「自分でなんとかしよう」と考えます。
しかし、一人で考えていても、同じところをぐるぐる回ってしまうことが少なくありません。
なぜ第三者の視点が必要なのか
- 客観的に数字を見てもらえる:自分では気づかない問題点を指摘してもらえる
- 比較対象を持っている:同じエリアの他物件と比較して、良い・悪いを判断できる
- 選択肢を広げてくれる:「売却」「管理会社変更」「リノベーション」など、自分では思いつかなかった選択肢を提示してもらえる
どこに相談すればいいか
オーナーの悩みに応じて、相談先は異なります。
| 悩み | 相談先 |
| 空室が埋まらない | 管理会社、不動産仲介会社、賃貸経営コンサルタント |
| 収支が悪化している | 賃貸経営に詳しい不動産会社、税理士 |
| 売却すべきか迷っている | 不動産売買仲介会社、賃貸経営コンサルタント |
| 管理会社に不満がある | 他の管理会社、賃貸経営の相談窓口 |
| ローンの返済が厳しい | 金融機関、ファイナンシャルプランナー |
特に、**「何が原因かわからない」「どこから手をつければいいかわからない」**という状態であれば、賃貸経営全体を見てくれる専門家(賃貸経営コンサルタント、オーナー向けの相談窓口を持つ不動産会社)に相談するのがおすすめです。
関東エリアで賃貸経営に悩んでいるオーナーへ
東京23区・多摩エリア、神奈川(横浜・川崎・相模原など)、千葉(船橋・柏・千葉市など)、埼玉(さいたま市・川口・所沢など)、茨城(つくば・水戸など)、栃木(宇都宮・小山など)──関東エリアは、賃貸需要が比較的旺盛な一方で、競合も多く、「ただ持っているだけ」では収益が悪化しやすいエリアでもあります。
「何が原因かわからない」「このままでいいのか不安」という状態が続いているなら、一度、専門家に現状を見てもらうことをおすすめします。
現状を数字で整理し、改善すべきポイントを明確にするだけでも、次のアクションが見えてきます。