賃貸経営の収支を改善する|見直すべき5つのポイント|関東エリアのオーナー向け
2026/01/30
目次
はじめに:収支改善は「収入を増やす」か「支出を減らす」か
賃貸経営の収支を改善するには、シンプルに言えば**「収入を増やす」か「支出を減らす」か**の2つしかありません。
ただ、「どこから手をつければいいかわからない」というオーナーは多いです。
収入を増やすにも、賃料を上げるのか、空室を減らすのか、付加価値をつけるのか、選択肢はさまざまです。
支出を減らすにも、管理費なのか、修繕費なのか、ローンなのか、優先順位がわからないと動けません。
この記事では、賃貸経営の収支を改善するために**「見直すべき5つのポイント」**を整理し、どこから手をつけるべきかの優先順位も解説します。
関東エリア(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木)で賃貸経営をしているオーナーの方は、自分の物件に当てはめながら読んでみてください。
収支改善ポイント1:空室を減らす(入居率を上げる)
収支改善で最もインパクトが大きいのが、空室を減らすことです。
空室が1部屋あるだけで、年間数十万円の家賃収入が失われます。
例えば、家賃6万円の部屋が2ヶ月空室になると、12万円の損失です。
これが年に2〜3回続けば、年間30〜40万円が消えていきます。
空室を減らすための施策
- 募集条件の見直し:敷金・礼金ゼロ、フリーレント、保証人不要など
- 募集賃料の見直し:相場とズレていないかチェック
- 物件写真・情報の改善:プロ撮影、360°写真、設備情報の充実
- 仲介会社への働きかけ:広告料(AD)の設定、優先紹介の依頼
- ターゲットの見直し:単身→カップル可、ペット可、外国人可など
特に、東京23区外や神奈川・千葉・埼玉の郊外エリアでは、募集条件の柔軟さが入居率に直結します。
「うちは敷金・礼金1ヶ月ずつ」と決めているオーナーも多いですが、競合がゼロゼロ物件ばかりなら、条件を見直す余地があります。
費用対効果
- 初期費用:ほぼゼロ〜数万円(写真撮影費など)
- 期待効果:空室1ヶ月短縮で家賃1ヶ月分の収入増
最も低コストで効果が出やすい施策なので、まず最初に取り組むべきポイントです。
収支改善ポイント2:賃料を見直す
空室率は悪くないのに収支が改善しない場合、賃料が相場より安すぎる可能性があります。
賃料を見直すタイミング
- 新規募集時(退去が出たタイミングで、相場に合わせて賃料を設定し直す)
- 契約更新時(既存入居者に対して、更新のタイミングで値上げを打診する)
賃料値上げの進め方
- 周辺の競合物件の賃料を調査する
- 自分の物件の「強み」と「弱み」を整理する
- 妥当な賃料水準を算出する
- 入居者に対して、値上げの理由とともに打診する
賃料値上げは入居者との交渉が必要になりますが、物価上昇・固定資産税上昇などの合理的な理由があれば、応じてもらえるケースも増えています。
費用対効果
- 初期費用:ゼロ
- 期待効果:月3,000円の値上げ × 10戸 × 12ヶ月 = 年間36万円の収入増
コストゼロで収入を増やせる可能性があるので、見落としがちですが重要なポイントです。
収支改善ポイント3:管理費を見直す
管理会社に支払う管理費が、家賃収入に対して高すぎないかをチェックしましょう。
管理費の相場
- 一般的な管理費の相場:家賃収入の5〜8%
- 管理内容によって異なる(入金管理のみ、クレーム対応込み、募集業務込みなど)
例えば、家賃収入が月50万円の場合、管理費は月2.5〜4万円程度が目安です。
これを大幅に超えている場合は、管理内容と費用のバランスを確認しましょう。
管理費を見直す方法
- 他の管理会社から見積もりを取り、比較する
- 管理内容を見直し、不要なサービスを外す
- 管理会社を変更する
管理会社の変更は手間がかかりますが、年間数十万円のコスト削減につながることもあります。
費用対効果
- 初期費用:ゼロ(変更に伴う手間は発生)
- 期待効果:管理費1%削減 × 年間家賃収入600万円 = 年間6万円の支出減
収支改善ポイント4:修繕費を見直す
築年数が経過した物件では、修繕費が収支を圧迫しがちです。
修繕費を見直すポイント
- 相見積もりを取る:管理会社経由だけでなく、複数の業者から見積もりを取る
- 必要性を見極める:「今すぐ必要な修繕」と「先送りできる修繕」を区別する
- 予防保全を意識する:壊れてから直すのではなく、定期的なメンテナンスで大きな出費を防ぐ
管理会社経由の修繕は、管理会社のマージンが乗っていることが多いです。
直接業者に発注することで、2〜3割コストを下げられることもあります。
費用対効果
- 初期費用:ゼロ(相見積もりの手間は発生)
- 期待効果:修繕費20%削減 × 年間修繕費50万円 = 年間10万円の支出減
収支改善ポイント5:ローンを見直す
ローン返済が重い場合、金利の見直し・借り換えで返済額を下げられる可能性があります。
ローンを見直すポイント
- 現在の金利を確認する:変動金利の場合、最近の金利動向と比較
- 借り換えを検討する:他の金融機関でより低い金利が出ないか確認
- 返済期間の見直し:返済期間を延ばして毎月の返済額を下げる(総返済額は増える)
特に、5年以上前に組んだローンは、借り換えで金利が下がる可能性があります。
借り換えには諸費用がかかりますが、金利差が0.5%以上あれば、メリットが出るケースが多いです。
費用対効果
- 初期費用:借り換え諸費用(数十万円)
- 期待効果:金利0.5%低下 × 借入残高3,000万円 = 年間15万円の支出減
改善の優先順位の決め方
5つのポイントを紹介しましたが、どこから手をつけるかは物件の状況によって異なります。
優先順位の考え方
| 優先度 | 施策 | 理由 |
| 高 | 空室を減らす | 最もインパクトが大きく、低コストで着手できる |
| 高 | 賃料を見直す | コストゼロで収入増の可能性がある |
| 中 | 管理費を見直す | 手間はかかるが、継続的なコスト削減になる |
| 中 | 修繕費を見直す | 相見積もりで即効性のあるコスト削減が可能 |
| 低〜中 | ローンを見直す | 効果は大きいが、手続きに時間がかかる |
まずは**「空室対策」と「賃料見直し」**から着手し、それでも収支が改善しない場合に「管理費」「修繕費」「ローン」を順番に見直していくのが、効率的な進め方です。
まとめ:「見える化」して優先順位をつける
収支改善の第一歩は、現状を数字で「見える化」することです。
- 入居率は何%か
- 賃料は相場と比べてどうか
- 管理費は家賃収入の何%か
- 修繕費は年間いくらかかっているか
- ローン返済額は家賃収入の何%か
これらを把握したうえで、改善余地が大きいポイントから優先的に取り組むことで、効率よく収支を改善できます。
「どこから手をつければいいかわからない」「自分では判断できない」という場合は、専門家に相談して、一緒に優先順位を整理してもらうのも有効です。