【賃貸経営】第1回 空室が続く築古マンションオーナーへ。「見た目」と「共用部」でできる最低限のテコ入れ術

なぜ「見た目」と「共用部」だけで空室が動くのか

築古マンションで空室が続くと、「結局は家賃を下げるしかないのか」と考えがちですが、実際には**“第一印象”だけで候補から外されている**物件も少なくありません。
ポータルで反響を取れていても、現地のアプローチ・エントランス・廊下の印象が悪いと、内見の時点で「ここはやめておこう」と判断されてしまうからです。

第1回では、**大規模なリフォームや高額な投資は一旦置いて、10万〜数十万円レベルでできる「最低限のテコ入れ」**に絞って解説します。
「これならすぐできそうだ」と感じるポイントから、1つでも手を付けてみてください。

1. 空室が続く築古マンションの「よくあるNGポイント」

1-1. ポータル写真と現地のギャップ

  • 写真ではそこそこキレイに見えるのに、現地に行くと共用部が暗い・汚い・古い
  • エントランスが雑多で、郵便受け周りがごちゃごちゃしている
  • 廊下の壁・床のシミや汚れが目立つ

こうしたギャップがあると、入居希望者は「写真と違う」「管理が行き届いていない」と感じ、一気に候補から外してしまいます。
まずは自分でポータルサイトの写真と、実際の現地の印象を見比べるところから始めてみてください。

1-2. 「古い」のではなく「疲れている」状態

築年数が古いこと自体が問題なのではなく、

  • 照明が暗くて陰気な印象
  • 手すりやドアの塗装がはげている
  • サインや掲示物が古く汚れたまま

といった「疲れた印象」のまま放置されていることが、空室につながりやすい原因です。
築古でも“きちんと手を入れている物件”は、入居者から選ばれます。

2. まず見直したいのは「照明」と「明るさ」

2-1. 共用部の照明を「量と色」で見直す

最初の一手としておすすめなのが、共用部の照明の見直しです。

  • 階段・廊下・エントランスが暗く感じる
  • 夜の内見で「ちょっと怖い」と言われる
  • 写真を撮っても全体的にくすんで見える

こうした物件は、

  • 照度が足りない(そもそも暗い)
  • 照明の色が古い蛍光灯色で、黄ばんで見える

というケースがほとんどです。

LEDに交換するだけでも、

  • 明るさアップ(照度)
  • 光の色味(昼白色など)を揃えられる
  • 電気代・交換頻度の削減

というメリットがあり、「古いけれど清潔で明るい」印象に近づけることができます。

2-2. 「ここだけは明るく」の優先順位

予算を絞るなら、すべてを一度に変える必要はありません。

優先順位としては、

  1. エントランス(最初に目に入る場所)
  2. 階段・エレベーターホール
  3. 廊下の曲がり角・暗くなりやすい場所

の順に「暗さ」をつぶしていくと、比較的少ない投資で印象を変えられます。

3. 掃除と「見せ方」で変える共用部

3-1. 清掃の頻度と「やる場所」の見直し

築古物件では、清掃の質がそのまま“管理の質”の印象になりやすいです。

  • 共用廊下の隅にホコリやゴミが溜まっている
  • 手すり・階段の角に黒ずみが残っている
  • ゴミ置き場の床や壁が汚れたまま

こうした状態だと、「住んでからも放置されそう」と思われてしまいます。

まずは、

  • 清掃頻度を増やす(週1 → 週2 などではなく、「入居が決まるまでの期間限定」で増やすのもアリ)
  • 清掃範囲を明確にする(どこまでやるかを決める)

といった運用面の見直しだけでも、見た目は大きく変わります。

3-2. ゴミ置き場とポスト周りは“最優先エリア”

共用部の中でも、ゴミ置き場とポスト周りは「生活感」と「管理の丁寧さ」がもっとも出る場所です。

  • ゴミ置き場:
    • 床の汚れを高圧洗浄などで一度リセット
    • 分別表示を新しくし、見やすく貼り直す
    • カゴやネットなどの器具がボロボロなら交換
  • ポスト・掲示板周り:
    • チラシのチラばり対策(チラシボックス設置)
    • 古い貼り紙の貼り替え・整理
    • 郵便受けの錆・汚れを拭き取り、必要なら簡易補修

「きれいに保たれているゴミ置き場」と「整ったポスト周り」は、それだけで“きちんと管理されている物件”という印象を与えます。

4. 小さな「色とサイン」のテコ入れ

4-1. 古びたサイン・館名板を整える

築古物件ほど、館名板・号室表示・案内サインが、「昭和・平成のまま色あせている」ケースが多いです。

  • 錆びている館名板
  • 手書き感の強い案内プレート
  • フロアガイドや注意書きがバラバラ

こうした部分を、

  • シンプルなフォント・色味で作り直す
  • 錆や汚れが目立つものは塗装・交換を検討する

だけでも、「古さ」ではなく「レトロ感」「落ち着いた雰囲気」として見せることができます。

4-2. 色数を減らして「スッキリ見せる」

共用部は、色数が多いとそれだけで雑然とした印象になります。

  • ドア・手すり・床・壁・サインなどの色を、
    • 2〜3色に絞るイメージで考える
    • 補修や塗り替えの際に、色味を揃えていく

たとえば、

  • 壁:明るいベージュ〜白系
  • 手すり・サッシ:ダークブラウン or グレー
  • サイン:白地に黒 or グレー

など、無難な配色にまとめるだけでも「落ち着いていて清潔なマンション」に見えやすくなります。

5. 「最低限のテコ入れ術」を整理すると

ここまでの内容を、「すぐに着手しやすい順」に並べると、

1.共用部の清掃の徹底(特にゴミ置き場とポスト周り)

2.古い貼り紙・注意書きの整理・貼り替え

3.照明のLED化と、暗い箇所の照度アップ

4.館名板やサインの刷新(デザインと色味の整理)

5.必要に応じて、手すり・ドアの簡易塗装や補修

「全部まとめて」ではなく、1〜2項目ずつ、優先順位の高い場所から手を付けるだけでも、内見時の印象は確実に変わります。

6. どこから手を付けるか迷ったら

実際に現地を見ると、「気になるところが多すぎて、どこから手を付けるべきか分からない」というケースも少なくありません。
その場合は、

  • ポータルサイトでの写真映え
  • 実際の内見導線(アプローチ → エントランス → 廊下 → 玄関)

の2つを意識して、「入居希望者の目線で見たときに、一番モッタイナイ場所」を探してみてください。

第2回では、

  • 外壁・エントランス・館名板・長尺シートなどを使った“ひとつ上の”外観・共用部リニューアル
  • 賃料アップ・ターゲット変更も視野に入れた考え方

まで踏み込んでお伝えします。