2023.10.18
外壁塗装をおしゃれな塗り壁にするメリット・デメリットや仕上げ方法などの種類・費用を解説!
外壁塗装において、塗り壁を選ぶことでおしゃれな雰囲気を演出することが可能です。
塗り壁にはさまざまな顔があり、家の外壁の色や模様は家によって異なります。
最近では、家の個性を出すために外壁を塗り壁にする家庭も増えているようです。
この記事では、外壁塗装を考えている方に向けて、塗り壁のメリット・デメリットや費用相場について解説していきます。
外壁の塗り壁とは
塗り壁とは、建物の外壁や内壁に塗られた仕上げ材料のことです。
一般的には、石灰やセメントなどの材料を混ぜて作られたモルタルを壁面に塗り、その上から仕上げ塗料を施すことで、美しい仕上がりや耐久性を持たせることができます。
塗り壁は、建物の外観を彩るだけでなく、防水や断熱効果も持たせることが可能です。
塗り壁と塗装の違いは?
塗装とどう違うのかといえば、塗装は、建物や構造物の表面に塗料を塗ることで、耐久性や美観を向上させることを目的としています。
一方、塗装は木材や金属などの材料に対して行われることが多く、塗り壁とは異なる特徴を持ちます。
外壁塗装を塗り壁にするメリット
塗り壁のメリットには、次の4つが挙げられます。
- デザイン性が高くオリジナリティがある
- 独特の手ざわりが楽しめる
- 高い耐火性と防火性
- 継ぎ目がなくメンテナンスも簡単
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきましょう。
デザイン性が高くオリジナリティがある
塗り壁には、仕上げ塗料を施すことで、色や質感を変化させることができます。
塗り方や塗料の種類によっても、表情を変えることができ、建物に個性的な印象を与えることが可能です。
また、塗り壁にタイル模様やストライプ柄、花柄など、デザイン性の高い模様や図案を描くことができます。
建物の外壁に、ロゴやイラストなどを描くことも可能です。
さらに、テクスチャーを変化させることができ、凹凸のある表情や、石目調の表情を出すことができ、建物に立体感を与えてくれます。
これらの方法を組み合わせることで、建物にオリジナリティを出すことができますが、建築基準法や地域の条例に適合するように注意が必要です。
独特の手ざわりが楽しめる
塗り壁は、独特の手ざわりを持つ仕上がりが特徴です。
塗り壁には、天然の材料やモルタルが使用されることが多く、自然な風合いを持ちます。
触れると石灰やセメントの質感を感じることができ、建物に温かみや自然な雰囲気を与えてくれるでしょう。
また、塗り壁の表面は、均一ではなく粗いことも特徴の一つです。
モルタルを塗り広げる際には、ムラや凹凸が生じるため、手で触れるとざらざらとした感触があり、この粗い表面が塗り壁の独特の手ざわりを生み出します。
塗り壁は硬質な材料である石灰やセメントが主成分ですが、仕上げに石灰塗料を使用する場合や仕上げ工程によって柔らかな触感を持つこともあります。
これらの特徴によって、塗り壁は他の外装材とは異なる独自の手ざわりを持つことが可能です。
高い耐火性と防火性
塗り壁は、一般的に石灰やセメントを主成分とするモルタルを使用し、その上から仕上げ塗料を施すことで仕上げられます。
この構造により、一定程度の耐火性や防火性が得られることがあります。
塗り壁には一定の耐火・防火効果がありますが、完全な耐火性や防火性を持つわけではないのです。
具体的には、塗り壁が燃えにくい性質を持っているため、火災の拡大を抑える役割を果たすことがあります。
しかし、塗り壁自体が完全に燃えないわけではなく、火災の熱や炎に対して限定的な耐火性しか持ちません。
建物の防火対策としては、塗り壁だけでなく、耐火構造や防火壁などの専用の設計や材料が必要であり、建築基準法や消防法に基づき、適切な耐火・防火対策を施すことが重要です。
継ぎ目がなくメンテナンスも簡単
塗り壁に継ぎ目がなくメンテナンスも簡単です。
塗り壁は、モルタルを均一に塗り広げることで一体的な表面を作れるため、継ぎ目がなく壁面全体が一つの大きな表面となります。
継ぎ目がないことで、特定の箇所だけをメンテナンスする必要がなくなるのです。
継ぎ目のない塗り壁は、外部からの侵入や劣化のリスクを低減させ、水や湿気が継ぎ目から侵入することが少なくなります。
塗り壁は一体的な表面を持つため、均一な仕上がりを保ちやすいのが特徴です。
メンテナンス時に全体的に塗装や補修を行うことで、一貫性のある外観を維持することができます。
外壁が塗り壁のデメリット
次に、塗り壁のデメリットを挙げていきます。
- コストが高く施工期間も長い
- 汚れが付きやすく目立ってしまう
- ひび割れが起こりやすい
- 仕上がりには職人の技術力が問われる
以上のデメリットについても、詳しく解説していきましょう。
コストが高く施工期間も長い
塗り壁はコストが高く、施工期間が長い点がデメリットに挙げられます。
その理由は、技術力を持つ職人の手配など、賃金面でのコストがかかることがあるからです。
また、塗り壁の施工には、複数の工程が必要であり、下地処理、下塗り、中塗り、仕上げ塗装など、段階的な作業が手作業で行われます。
それぞれの工程には時間と手間がかかり、施工期間を長くする要因となるのです。
さらに、塗り壁には特殊な材料や塗料が使用されることがあり、これらの材料は高品質で価格も高いです。
汚れが付きやすく目立ってしまう
塗り壁は、他の外壁材に比べて汚れが付きやすいというデメリットがあります。
その理由は、塗り壁の表面が粗いため、汚れが付きやすくなるからです。
塗り壁の表面には凹凸や微細な細部があるため、汚れが溜まりやすく、掃除が難しくなります。
汚れの問題を軽減するためには、適切なメンテナンスと定期的な清掃を行うこが重要です。
ひび割れが起こりやすい
塗り壁の外壁はひび割れが起こりやすいという点もデメリットの一つです。
塗り壁がひび割れが起こりやすい理由は、塗り壁が、建物の基礎や骨組みと比べると柔軟性が低いため、地震や風雨などの外力によってひび割れが生じやすくなるからです。
また、施工技術の問題もあり、未熟な施工技術が原因で下地に水分が残っている場合にも、塗り壁の密着性が悪くなり、ひび割れが生じやすくなります。
さらに、急激な温度変化や湿度変化がある場合には、塗り壁の変形が生じ、ひび割れが発生する可能性もあります。
塗料の経年劣化によって弾力性や耐久性が低下し、劣化した塗料は、ひび割れや剥離などの問題を引き起こすことがありますが、定期的なメンテナンスを行うことで、塗料の劣化を防止することが可能です。
仕上がりには職人の技術力が問われる
塗り壁の仕上がりは、職人の技術力が非常に重要な要素となります。
塗り壁は、均一な仕上がりが求められ、表面の凹凸やムラが目立つと、美観や質感に影響を与える可能性があります。
職人の技術力が高ければ高いほど、塗り壁の仕上がり品質は向上し、美しい外観や耐久性を実現することが可能です。
外壁の塗り壁の種類・費用相場
塗り壁の種類は、一般的に次の5つが挙げられます。
- 漆喰
- 珪藻土
- モルタル
- 土壁
- ジョリパット
また、上記に挙げた塗り壁の費用相場は以下の表の通りです。
塗り壁の種類 | 費用相場 |
漆喰 | 約9,000円〜10,000円/㎡ |
珪藻土 | 約5,000円〜8,000円/㎡ |
モルタル | 約7,000円〜8,000円/㎡ |
土壁 | 約20,000円〜25,000円/㎡ |
ジョリパット | 約8,500円〜9,500円/㎡ |
この表に挙げた塗り壁の費用相場は、あくまでも目安です。
塗り壁の費用には、使用する塗料の費用だけでなく、足場代や養生代、仕上げ方法などが含まれます。
詳細については、施工業者から出される見積もりをご確認ください。
漆喰(しっくい)
漆喰は、石灰や砂、水などの天然素材から作られています。
そのため、環境に優しく、人体に害を与える化学物質が含まれていないのが特徴です。
調湿効果が高いとされており、空気中の湿度を吸収して蓄え、乾燥した空気中では湿気を放出することで、室内の湿度を調整する効果が期待できます。
漆喰は、硬化すると非常に強固な素材となり、塗り壁やクロスなどと比べて傷や汚れに強く、長期間にわたって美しい仕上がりを保つことが可能です。
施工方法も多彩であるため、様々なデザイン性を実現することができます。
漆喰は、天然素材から作られており、廃棄物として出た場合にもリサイクルすることが可能です。
そのため、環境に配慮した建築材料として注目されています。
珪藻土(けいそうど)
珪藻土とは、化石化した海洋プランクトンの殻からできた微粒子状の土壌であり、化学物質を含まず、環境に優しい自然素材の塗料です。
人体に害を与える化学物質が含まれていないため、アレルギー体質の方でも安心して利用することができます。
珪藻土は、微細な穴が多数存在するため、空気中の湿気を吸収することができ、室内の湿度を調整し、カビやシロアリの繁殖を防ぐ効果が期待できます。
施工も比較的容易であるため、DIYでも取り組む方も増えているようです。
珪藻土には、天然素材ならではの色合いや質感があります。そのため、様々なデザイン性を実現することができます。
モルタル
モルタルは、セメントや砂、水などを混ぜ合わせて作られた素材であり、防水性や耐久性に優れています。
施工方法が多彩であるため、様々なデザイン性を実現することができます。
また、色・質感のバリエーションが豊富であり、様々なデザイン性を実現することが可能です。
モルタルは、施工後に定期的なメンテナンスが必要であり、雨風や紫外線にさらされる屋外の場合は、劣化や剥落の原因となるため、定期的な点検と補修が必要です。
土壁
土壁は、自然素材である土や砂、麦わらなどから作られる壁材です。
そのため、環境に優しく、人体に害を与える化学物質が含まれていないのが特徴です。
土壁は、呼吸する性質を持っており、空気中の湿気を吸収し、蓄え、乾燥した空気中では湿気を放出することで、室内の湿度を調整する効果が期待できます。
土壁は、打ち込み土壁や塗り土壁など、施工方法が多彩であり、職人の技術や知識が求められます。
適切な施工とメンテナンスが行われた土壁は、耐久性が高いです。
適切な厚みや補修を行うことで、長期間にわたって美しい仕上がりを保つことができます。
ジョリパット
ジョリパットは、砂などを塗料に混ぜたモルタル外壁用意匠性塗材の一種で、フランスで生まれ、日本では1975年にアイカ工業から発売されました。
ジョリパットは、粘性のある半固形物で、モルタルの下地に塗って外壁を形成する塗り壁材です。
漆喰やモルタルのような仕上げ材として使用され、簡単に言えば、モルタルの下地に塗って外壁を仕上げることができます。
塗り壁の仕上げ方法
塗り壁の仕上げ方法は、次のような種類があります。
- コテ波仕上げ
- ハケ引き仕上げ
- コテバケ仕上げ
- 扇仕上げ
- スタッコ仕上げ
- スポンジローラー仕上げ
- スパニッシュ仕上げ
- ゴムローラー仕上げ
- マーブル仕上げ
塗り壁の仕上げには、専用のコテやローラーが使われます。
また、各仕上げの特徴は次の通りです。
仕上げ方法 | 特徴 |
コテ波仕上げ | ・波模様の美しい質感 |
ハケ引き仕上げ | ・ツヤ感のある美しい質感 |
コテバケ仕上げ | ・波模様と均一な光沢が特徴 |
扇仕上げ | ・扇形のハケを使って扇の模様に仕上げる |
スタッコ仕上げ | ・モルタルを均一に塗り、表面を磨いて仕上げる |
スポンジローラー仕上げ | ・スポンジローラーを使った自然な風合いと柔らかい質感に仕上げる |
スパニッシュ仕上げ | ・石灰モルタルを均一に塗り、表面を磨いて仕上げる・微妙な凹凸と光の角度によって見え方が変わる |
ゴムローラー仕上げ | ・ゴムローラーの特性により表面に微細な模様がつき、外壁に温かみを生む |
マーブル仕上げ | ・大理石のような美しい模様が特徴 |
塗り壁のポイント・注意点
ここでは、外壁を塗り壁で施工する場合のポイントや注意点を紹介します。
- 相見積もりで業者を比較する
- 職人の技術を直接確認する
- デザインや色の相談は徹底的にする
- 確かな技術があり評判の高い左官職人がいる会社を選ぶ
- 塗り壁はDIYもできるが注意点もある
上記のポイント・注意点について詳しく解説していきます。
相見積もりで業者を比較する
複数の業者から相見積もりを取ることはとても重要です。
最低でも3社以上から相見積もりを取りましょう。
見積もりに書かれている内容を比較して、理想に近い業者を選ぶことが大切です。
職人の技術を直接確認する
塗り壁は、ほとんどの工程を手作業で行うため、職人の経験と高い技術力が仕上がりを左右します。
実際に職人が施工した外壁を見る機会があれば、しっかり見せてもらいましょう。
また、職人と直接対話し、自分の希望や不明点について何でも質問することが大切です。
デザインや色の相談は徹底的にする
塗り壁のデザインや色については、サンプルや色見本を参考にすることが多いです。
デザインや色の相談では、自分の希望やイメージを詳しく伝えましょう。
また、職人からの提案やアドバイスをしてくれることもあるので、積極的に聞くことをおすすめします。
塗り壁の施工実績が多く技術力の高い会社を選ぶ
塗り壁の施工を依頼する会社は、施工実績が多く技術力の高い職人がいる会社を選ぶことが重要です。
会社選びによって、仕上がりに差が出ると言っても過言ではないでしょう。
塗り壁はDIYもできるが注意点もある
最近では、塗り壁を自分で行う人も増えてきました。
塗り壁の塗料自体は自然素材で安全なものが使用されていますが、100%安全かといえばそうでもありません。
取り扱いには十分注意が必要です。
また、仕上がりに不満がある場合や自信のない方は業者に頼みましょう。
外壁塗装の塗り壁についてのまとめ
ここまで、外壁塗装における塗り壁について以下の内容を解説してきました。
- 塗り壁の塗料の違い
- 塗り壁のメリット・デメリット
- 塗り壁の種類・費用相場
- 塗り壁の仕上げ方法
- 塗り壁のポイント・注意点
各内容を参考に、ご自宅の外壁を塗り壁にしたいと思っていただければ幸いです。