2023.11.08
55坪外壁塗装の費用相場・料別の費用や安くなる方法を解説|屋根工事も同時に行うのがお得?
外壁が劣化し、防水機能が衰えたときに行うのが外壁塗装ですが、住宅にお住まいの方が検討することもあるでしょう。ただ、どのくらいの費用がかかるのだろうかと不安に思っているかもしれません。
そこで今回は、55坪住宅の外壁塗装の費用相場と費用を安くする方法など、55坪の住宅の外壁塗装費用について役立つ情報をお届けするので、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装55坪の費用相場について
外壁塗装における塗装料金のみの金額では、調査の結果、55坪住宅の外壁塗装費用相場は126万~193万円でした。平均は161万円です。
塗料の種類によって費用は異なり一般的にはアクリル塗料は安く、無機塗料や断熱塗料などは費用が高い傾向があります。
外壁塗装の費用が変動する理由
55坪住宅の外壁塗装費用相場を紹介しましたが、外壁塗装の費用は様々な理由により変動します。どのような理由で変動するのか、詳しく解説しましょう。
外壁塗装の費用の変動理由①外壁塗装の面積
外壁塗装の費用は外壁塗装の面積によって変動します。一口に外壁塗装といっても、各住宅で外壁面積が違うので、使用する塗料の量も作業量も異なります。
外壁面積が広くなれば、塗料も多く使わなければならず、職人の作業も増えますから、費用が高くなるのです。
外壁塗装の費用の変動理由②選ぶ塗料の価格
選ぶ塗料の価格により外壁塗装の費用は変動します。外壁塗装で使用できる塗料の種類はいろいろあり、皆価格が違います。当然のことですが、価格の高い塗料を使えば、費用は高くなりますね。
ただ、価格の高い塗料は耐用年数が長く、外壁塗装を行う頻度を減らすことができます。そのときは負担が大きいと思っても、長い目で見れば経済的です。
外壁塗装で使用する主な塗料の種類と価格をチェックしてみましょう。
塗料別の費用相場
塗料の種類 | 外壁塗装55坪の費用相場 | 単価相場(/㎡) |
アクリル塗料 | 102万円 | 1,500~1,800円 |
ウレタン塗料 | 120万円 | 1,800~2,200円 |
シリコン塗料 | 128万円 | 2,500~3,200円 |
フッ素塗料 | 142万円 | 3,200~4,500円 |
無機塗料 | 189万円 | 3,500~5,500円 |
外壁塗装の費用の変動理由③工事内容
外壁塗装と一緒に行う工事内容によって費用が変動します。屋根塗装や、雨どいのメンテナンス、ベランダ防水工事なども同時に行えば、別途費用が発生します。
付帯部の補修・修繕、塗装にかかる費用目安
付帯部修理項目 | 施工費目安 |
シーリング(コーキング)打ち替え | 900円~1,200円/m |
ひび割れ補修 | 2,000円〜4,000円/m2 |
軒天塗装 | 800円〜2,000円/m2 |
破風板(はふいた)・鼻隠し塗装 | 800円~2,000円/m2 |
雨どい塗装 | 650円~1,500円/m2 |
雨戸塗装 | 2,000円~3,000円/m2 |
ベランダ・バルコニー | 2,000円~8,000円/m2 |
※上記金額はあくまでも目安です。実際の施工費は、修理する箇所の状態、規模、工法などによっても変わってきます。
外壁塗装で55坪の住宅の場合の費用内訳
55坪住宅の外壁塗装でかかる費用の内訳を解説します。次のような内訳になっています。
項目 | 費用の割合 |
材料・塗料費 | 20% |
工事代・人件費 | 30% |
足場の費用 | 20% |
その他工事費・運営費 | 30% |
それぞれの費用の内容を見てみましょう。
材料・塗料費には塗料・ビニール養生・飛散防止ネット・下地調整材、ローラー刷毛等道具類、シーリング充填材などが含まれます。
工事代・人件費は職人さんの作業に対して支払われるお金。
55坪住宅の外壁塗装費用では足場を設置するので、足場設置代が必要です。
その他工事費・運営費は外壁塗装をする際にかかる雑費の費用。現場(家)まで向かうための交通費や許可取得費用などが含まれます。
55坪住宅の外壁塗装費用の求め方
55坪住宅の外壁塗装にかかる費用を計算する方法があるので、紹介しましょう。計算式は以下の通りです。
「外壁面積×工事代の単価(塗料代・足場代等)+その他諸経費」
各項目の計算方法を見てみましょう。
外壁面積の算出方法
住宅の外壁面積は次のような計算式で算出できます。
「外壁面積=延べ床面積(㎡)×1.1~1.3(係数)」
延べ床面積とは、住宅の各階の面積を合計したものです。2階建てなら、1階の面積と2階の面積と足すと、延べ床面積になります。
係数は窓やベランダなど塗装しない箇所を計算に入れるための数値です。
工事代の単価
工事代の単価のうち、塗料代についてはすでに紹介しました。
→ 塗料別の費用相場
足場代などの費用は以下のようになっています。
工事工程 | 単価(㎡)*3回塗りの合計 |
---|---|
飛散防止ネット | 150~250円/㎡ |
高圧洗浄 | 200~250円/㎡ |
足場設置 | 850~1,1,20円/㎡ |
下地補修 | 600~1,000円/㎡ |
コーキング | 500~1,000円/m |
屋根塗装 | 2,400~2,600円/㎡ |
その他諸経費
その他諸経費は、工事費の10%程度を見込んでおいてください。
以上の計算方法で得られた数値を最初に紹介した計算式に埋め込めば、自分で55坪住宅の外壁塗装費用を求められるでしょう。
外壁塗装の費用が相場より高くなる要因
外壁塗装費用には相場がありますが、実際には相場よりも費用が高くなることもよくあります。では、どのような要因で相場より費用が高くなるのでしょうか。いくつか具体的な要因を見てみましょう。
高くなる要因①3階建ての家
3階建ての家では、外壁塗装費用が相場よりも高くなります。
3階建ての家の場合、2階建てに比べて、足場を高く、強固に築かなければいけないからです。使う資材も多くなるし、手間も増えます。職人さんの作業も増えることから、費用が高くなるのです。
高くなる要因②道路使用許可・道路占用許可が必要になる場合
50坪住宅の外壁塗装では足場を組みますが、足場の設置で「道路使用許可」「道路占用許可」が必要になるケースがあり、ここで費用がかかります。
道路使用許可とは
足場の組み立て・解体時に使うトラックを施工する住宅の敷地内や前に駐車する場合はいいのですが、状況により駐車禁止の場所や交通量の多い大通りに駐車せざるを得なくなるときがあります。その際には、「道路使用許可」を受けなければいけません。「道路使用許可」を得るには費用がかかるのです。
- 申請手数料:3,000円前後(都道府県による)
- 誘導員(ガードマン)が必要な場合は人件費も追加
- 人件費・手数料などが1万円~
余計な費用がかかれば、外壁塗装の費用も高くなります。
道路占用許可とは
足場が敷地外にはみ出す場合は、「道路占有許可」を取得しないといけませんが、ここでも費用がかかります。
- 占用料×専用面積(㎡)×期間(月):占用料は市区町村によって異なります
- 人件費・手数料などが1万円~
「道路使用許可」「道路占用許可」 ともに状況に応じて必要な許可ですから、費用がかかっても申請しないといけません。
高くなる要因③外観のデザインが凝った家
外観のデザインが凝った家は、外壁塗装の費用が高くなりやすいです。
理由は手間がかかる、作業が増える、別色の塗料を使わなければならなくなるなどです。
シンプルなデザイン、形の家の外壁塗装なら、職人も作業を進めやすいです。
一方、外観のデザインが凝っている、形が複雑である家になると、必要以上に外壁塗装の手間が増え、作業も複雑化します。別色の塗料を準備しなければいけなくなることもあるでしょう。
そうなれば、職人の負担も増え、準備するものも多くなり、費用も高くなります。
高くなる要因④外壁の劣化が進んでいる場合
外壁の劣化が進んでいる住宅の外壁塗装では、費用が高くなります。
理由は外壁塗装以外の補修作業が生じるからです。例えば、ひび割れの場合は、コーキングやパテで補修。ひび割れが多い場合は、サイディングボードの交換・モルタルの作り直しなどで対応することになります。
いずれの作業も外壁塗装費用とは別費用になるので、追加費用で施工費が高くなります。
高くなる要因⑤仲介料
外壁塗装をどこに依頼するかによっては、仲介料が発生します。ハウスメーカーや工務店、大手リフォーム会社に外壁塗装を依頼した場合、多くの場合下請け業者が施工するのですが、ここで仲介料という余分な料金が発生するのです。
仲介料が発生すれば、本来の外壁塗装の費用よりも高くなります。
55坪外壁塗装の費用を安くする方法
55坪住宅の外壁塗装費用はかなりの高額になります。負担が大きいなと思っている方もいることでしょう。そこで、外壁塗装費用を安くする方法を紹介しますから、ぜひ参考にしてください。
助成金・補助金を利用する
お住まいになっている自治体が外壁塗装の助成金や補助金制度を提供している場合があるので、利用すれば費用が安くなります。助成金・補助金は融資と違って、返却の必要がありません。受け取った金額はそのまま外壁塗装費用に充てられます。
ただ、各自治体で助成金・補助金を受け取るための条件を設けているので、確認してください。確認した結果、助成金・補助金をもらえそうだということなら、ぜひ申請をしましょう。
屋根塗装を同時に行う
外壁塗装と屋根塗装を同時に行えば、かえって費用が高くなるようにも思えるでしょうが、足場設置費用を節約できます。
もし外壁塗装と屋根塗装を別の時期に行うとすると、2回足場を設置することになり、そのたびごとに費用がかかるのです。足場代は20万円以上するものなので、2回設置すると40万円以上になり、かなりの負担に。
外壁塗装と屋根塗装を同時に行えば、足場の設置回数は1回で済むので、費用が少なくなります。
ハウスメーカーではなく塗装専門業者に依頼する
55坪住宅の外壁塗装を依頼できるところはいろいろありますが、できればハウスメーカーではなく、塗装専門業者に依頼しましょう。
ハウスメーカーに依頼しても実際に施工をするのは下請けの専門業者になります。ということは、ハウスメーカーから下請け業者に通すときに仲介料が発生することになるのです。
仲介料は依頼主が負担しなければいけませんから、費用が高くなります。直接塗装専門業者に依頼すれば、そのような仲介料を支払う必要がないので、費用も安くなります。
55坪住宅の外壁塗装を行う際の注意点
55坪住宅の外壁塗装を行う際には注意すべき点がいくつかあります。以下にまとめてみましょう。
注意点①優良業者を選ぶ
どこに55坪住宅の外壁塗装を依頼するか大いに迷うところでしょうが、優良業者を選んでください。優良業者なら適正価格で確実な施工をしてくれます。
優良業者を選ぶポイントは以下のようになっています。
- 外壁塗装の実績が豊富
- 口コミ評判が高い
- 依頼主の悩みに真摯に対応してくれる
- 施工内容について丁寧に説明してくれる
もし優良業者ではなく、悪徳業者に依頼してしまうと、次のようなトラブルが発生する可能性があります。
- 施工が雑
- 塗装回数が少ない
- 品質の悪い塗料を使う
- 後で法外な追加料金を請求してくる
悪徳業者にはくれぐれもご注意ください。
注意点②一社の見積もりで決めない
外壁塗装の費用などの見積もりをしてもらう場合は、最初から一社だけに絞ってはいけません。一社の見積もりだけだと、他社と比較ができないので、提案された施工内容や施工価格が適正なものかどうかがわからないでしょう。
したがって、見積もりは複数社にお願いし、各社が提案する条件を比較した上で、選択するのが大事。複数社の提案があれば、どこが優れているのかの目星もつけやすくなります。
注意点③参考価格を鵜呑みにしない
外壁塗装業者のホームページを見ると、参考価格が掲載されていることが多いです。参考価格を見ると、「うちの外壁塗装の費用もこれくらいかな」と思いたくもなるでしょう。
しかし、参考価格だけを見て、鵜呑みにしてはいけません。参考価格は参考にすることはできても、あくまでも一般的な話です。皆さんの住宅に当てはまるとは限らないのです。
実際の外壁塗装の費用は様々な要因で変動するので、参考価格よりも見積もりをしてもらって、価格を見る方がいいです。
注意点④格安工事
「格安価格で外壁塗装をします」という業者がありますが、要注意です。普通は格安では外壁塗装ができないからです。
外壁塗装には当然かけるべき材料代、工事費、人件費、諸費用などがあります。それらを合計すると、それなりの費用になります。
それが格安で施工できるというのは、何らかの欠陥施工を行っているせいかもしれません。手抜き施工、雑な施工、品質の悪い塗料の使用などがあれば、後々困るのは依頼主の方。
外壁塗装で後悔はしたくありませんから、格安工事業者は避けておいた方が無難です。
55坪の外壁塗装の費用についてまとめ
今回は、55坪住宅の外壁塗装の費用相場などを紹介しました。
外壁塗装にはかなりの費用がかかり、家計への負担が大きくなります。そのため、あらかじめ費用相場を確認し、自分でも費用の計算をして、これくらいの予算になりそうだと予想しておくのがおすすめ。
そのうえで、優良業者を選んで適切な施工をしてもらえば、満足いく出来栄えになるでしょう。