コラム    

マンション大規模修繕の費用相場を解説|価格・金額・単価の違いや工事の費用・修繕費不足の際の対処法とは

マンション大規模修繕の工事の費用相場や工事別でかかる費用相場はいくら?中規模修繕と小規模修繕との差は?

マンション大規模修繕は、建物の資産価値や住民の快適な暮らしを守るために欠かせない重要な工事です。しかし、いざ修繕を検討しようとすると、「いったいどのくらいの金額がかかるのか?」「修繕積立金で足りるのか?」「相場や単価の目安がわからない」といった不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

本記事では、マンション大規模修繕にかかる費用相場や平均金額、㎡単価・坪単価の目安について、最新のデータや具体的なシミュレーションをもとに詳しく解説します。また、「費用」「相場」「単価」「価格」「目安」など、似た言葉の違いも明確にしながら、正しく修繕計画を立てるための知識を整理しています。

これから大規模修繕を控える管理組合の方や、住民として費用負担を把握しておきたい方にとって、有益な情報を網羅した内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

マンション大規模修繕とは?費用がかかる理由と目的

マンションの大規模修繕とは、外壁や屋上、共用部、給排水設備など、マンションの構造や機能の維持に不可欠な部分を計画的に修繕・更新する大規模な工事を指します。多くの場合、築10〜15年を目安に初回修繕が行われ、以後は12〜15年ごとに繰り返されます。

この修繕は単なる美観回復にとどまらず、建物の資産価値維持、安全性の確保、快適な居住環境の維持といった目的があります。特に、雨漏りや外壁の剥落、給排水の不具合などを未然に防ぐことで、将来的な高額修理やトラブルを避ける役割も担っています。

また、大規模修繕は長期修繕計画に基づいて計画されるため、管理組合が主体となって資金計画・工事内容・業者選定などを事前に整える必要がある点も特徴的です。

なぜ高額になる?主な費用の内訳とは

マンションの大規模修繕が高額になる理由は、工事項目の多さと、建物全体を対象とするスケールの大きさにあります。下記に代表的な費用項目をまとめました。

費用項目内容費用割合(目安)
外壁補修・塗装工事ひび割れ補修、再塗装、防水処理など約20〜30%
屋上・バルコニー防水工事雨漏り防止のための防水層改修約15〜25%
給排水・電気設備更新配管の更生、ポンプ・照明等の更新約10〜20%
エレベーター改修モーター・制御盤・内装更新約10〜15%
共用部修繕廊下・階段・エントランスの修繕約10〜20%
仮設・足場工事足場・安全設備・現場事務所設置約10〜15%
コンサル費用・管理費等設計監理、工事監理、契約補助等約5〜10%

このように、目に見える工事だけでなく、仮設工事やコンサルタント報酬など目に見えにくい費用が重なるため、1回あたりの修繕でも1戸あたり100万円前後の支出が発生するのが一般的です。

また、物価や人件費の上昇、建材価格の変動も修繕費に直結するため、早めの資金計画とコスト見直しが重要となります。

マンション大規模修繕の目的と内容

マンションの大規模修繕とは、建物の構造や設備の重要部分を全面的に修繕・更新する工事のことを指します。外壁や屋上、共用部分など、マンションの長期間にわたる使用に伴い、劣化した部分を修復または更新することを目的としています。この修繕は、マンションの価値を維持し、居住者の安全・快適さを守るために欠かせないものです。

大規模修繕の主な目的と内容は以下の通りです。

建物の耐久性の確保

外壁や屋上などの構造部分は、風雨や紫外線などの影響を受けやすく、年月とともに劣化します。大規模修繕により、これらの部分を修復・更新することで、建物の耐久性を高め、将来的な大きな損傷を防ぐことができます。

設備の更新

マンションには、共用部の電気設備、給排水設備、エレベーターなど、日常生活に欠かせない設備があります。これらの設備も時間の経過とともに劣化し、機能が低下することがあります。大規模修繕では、これらの設備の更新や点検を行い、住民が安全で快適に暮らせるようにします。

外観の美観維持

外壁の塗装やタイルの補修、防水工事などを行い、マンションの外観を美しく保つことも大規模修繕の一環です。外壁の劣化を放置すると、見た目が悪くなるだけでなく、建物の保護機能が低下します。

住民の安全の確保

大規模修繕は、建物の老朽化による安全面での問題を防ぐためにも重要です。特に、耐震性の強化や防火対策の強化など、住民の生命を守るための修繕が行われます。

中規模修繕とは

中規模修繕とは、マンションの長期的な維持管理を目的として、大規模修繕と小規模な補修の中間に位置する工事を指します。建物全体に及ぶ大規模な更新ではなく、劣化や不具合が見られる箇所に絞って部分的・計画的に行うのが特徴です。

たとえば、共用廊下や階段の防水・塗装工事、給水ポンプや照明器具などの設備交換、エントランスやゴミ置き場の部分補修などが中規模修繕に該当します。工事の対象は比較的限定的ですが、居住環境の快適性や安全性の維持に直結するため、計画的な実施が重要です。

中規模修繕は、長期修繕計画において大規模修繕の合間に挟まれるようなタイミングで行われることが多く、突発的なトラブルの防止や次回の大規模修繕工事の範囲縮小にも貢献します。

二回目の中規模修繕について

マンションの管理において、中規模修繕は大規模修繕の合間を埋める重要なメンテナンスです。特に二回目となる中規模修繕は、築20年〜25年ごろに実施されるケースが多く、設備機器や配管の劣化、局所的な外装の不具合など、経年劣化による不具合が目立ち始める時期です。

この段階では、共用廊下の防水や鉄部の再塗装、給水ポンプや照明設備の交換といった、比較的限定された範囲の修繕が中心となります。ただし、これらを適切なタイミングで行っておくことで、次に控える二回目の大規模修繕における工事項目を精査・圧縮でき、結果的にコスト削減にもつながります。

長期修繕計画の見直しとあわせて、的確な劣化診断と住民合意による中規模修繕の実施が、安定したマンション管理の鍵となります。

大規模修繕の主な工事内容

マンションの大規模修繕には、建物の構造や設備を保守・更新するために必要なさまざまな工事が含まれます。主な工事内容は以下の通りです。

  • 外壁工事:塗装やタイルの修復、防水工事などを行い、外壁の劣化を防ぎ、建物を保護します。
  • 屋上防水工事:雨漏りを防止するために、屋上の防水層を修復・更新します。
  • 設備の更新:給排水設備や電気設備、エレベーターなどを新しくし、住民が快適に過ごせるようにします。
  • バルコニー・共用部の修繕:防水工事や塗装、ガラスの修理などを行い、共用部の機能性と美観を保ちます。
  • 耐震補強工事:建物の耐震性能を向上させるため、必要な補強工事を実施します。

大規模修繕は、マンションの長期的な維持に欠かせない取り組みであり、住民の安全や快適な生活環境を守るために重要な役割を果たします。

マンション大規模修繕は基本的には12年周期

マンションの大規模修繕工事は、一般的に「12年周期」での実施が推奨されています。この目安は、国土交通省が策定した「長期修繕計画作成ガイドライン」でも示されており、外壁や屋上防水、鉄部塗装といった共用部の防水・保護機能が、おおよそ12年で劣化することを前提としたスケジュールです。

特に外壁の塗膜やシーリング材は、紫外線や風雨の影響を受けやすく、経年とともにひび割れや剥離といった劣化が進行します。また、屋上やバルコニーの防水層も、防水性能の低下によって雨漏りのリスクが高まるため、12年前後での再施工が必要とされます。

ただし、12年というのはあくまで「目安」であり、実際の修繕タイミングは、建物の立地条件・施工品質・使用材料などによって前後することもあります。そのため、定期的な建物診断を行い、実際の劣化状況に応じて柔軟に計画を見直すことが、費用対効果の高い修繕につながります。

マンションの大規模修繕工事全体の費用相場を紹介

大規模修繕にかかる費用は、マンションの大きさ、構造で異なります。

一般的な目安として、国土交通省が発表している大規模修繕の費用相場を紹介します。

マンション大規模修繕では一戸当たりの費用は約100万円

大規模修繕で1戸当たりにかかる費用は約75万~125万円です。

この価格については国土交通省が2021年に実施した「マンション大規模修繕工事実態調査」によると、半数以上のマンションで1戸あたり75万円以上の費用が発生していることがわかりました。

50~75万円負担の割合全体の13.8%
75~100万円負担の割合全体の30.6%
100~125万円負担の割合全体の24.7%

マンションの大規模修繕全体にかかる費用目安は、約7,600万円~8,700万円です。

なお、金額には共通仮設費用は含まれていません。

大規模修繕工事でマンションの規模別にかかる費用相場

マンションの規模に応じた、大規模修繕工事の平均費用を紹介します。

「小規模マンション」と「大規模マンション」の価格帯を紹介するため、マンションの規模に応じて工事価格を確認してみてください。

大規模修繕工事でマンションの規模別にかかる費用相場|小規模マンションの場合

小規模マンションとは、50戸以下の場合を指します。

小規模マンションの大規模修繕工事にかかる平均費用は約3,240万円~4,000万円です。

入居者が少ないものの、費用は高額になります。

大規模修繕工事でマンションの規模別にかかる費用相場|大規模マンションの場合

100戸以上の場合は、大規模マンションに該当します。

大規模マンションの場合、大規模修繕工事の平均費用は約1億6,200万円~2億円です。

つまり、工事費が1億円を超えることが多いでしょう。

そのため、大規模修繕工事には十分な資金を確保しておく必要があります。

マンションの修繕積立金の平均金額

国土交通省の「マンション総合調査(2018年)」によると、駐車場使用料等からの充当額を除く修繕積立金の平均は、1戸あたり12,268円でした。

大規模修繕工事の場合、「工事の時期、内容、費用」は長期修繕計画によってある程度決定されます。

修繕積立金は、着工までに工事費が確保できるように逆算して決めることが一般的です。

参考:国土交通省 平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状

大規模修繕でのコンサルティングの費用相場

マンションの大規模修繕では、建物の調査、診断、設計、施工業者の選定協力、工事監理などを外部の設計コンサルタントに委託するケースがあります。

第三者に依頼する場合、別途コンサルタント料を支払わなければなりません。

コンサルタント報酬は、コンサルタントの人数や期間に応じて累計で計算されることが「国土交通省告示第98号」に定められています。

コンサルティング会社によっても異なり、委託業務の内容や工期によって関与する期間も異なることがポイントです。

具体的な金額は一概にはいえませんが、数十戸のマンションで数百万円、数億円というケースもあります。

大規模マンションでは、1,000万円以上かかることもあるでしょう。

大規模修繕の「費用・相場・平均・目安・単価」の違いを解説

「費用」「相場」「平均」「目安」「単価」など、似たような言葉が並ぶと混乱しがちですが、意味と使われ方には明確な違いがあります。大規模修繕の予算計画や業者との交渉をスムーズに進めるためにも、それぞれの違いを正しく理解しておきましょう。

相場とは?市場全体の慣習価格

「相場」は、複数の工事実績や業者が提示する見積もりから導き出された**“現在の一般的な価格帯”**を指します。
たとえば「マンション1戸あたり大規模修繕の相場は100万円前後」などと表現され、市場で広く認識されている価格感覚のことです。相場は時期や地域、物価の変動に左右されるため、常に一定とは限りません。

平均とは?調査統計に基づく実数値

「平均」は、行政や団体、コンサル会社などが実際に実施された修繕工事のデータを集計し、統計的に算出された数値を指します。
たとえば、国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕実態調査」では、1戸あたりの平均費用が約100〜125万円とされています。

このように「平均」は具体的かつ客観的な数値であり、信頼性の高い指標として活用できます。

目安とは?予算計画の参考値

「目安」は、あくまで計画やシミュレーションを立てる際の概算基準です。
「50戸マンションで約4,000万円が目安」といった表現がされますが、これは実際の見積もり額とは異なる可能性がある点に注意が必要です。

「まだ業者に見積もりを依頼していない」「これから予算組みをする」という段階で活用されることが多く、指標というより参考情報という位置づけです。

単価・坪単価とは?面積・棟数ごとの費用算出の基本

「単価」「坪単価」は、面積や戸数に応じて算出される費用の計算基準です。
以下のように表現されます。

  • ㎡単価:例)屋上防水工事 → 5,000円/㎡
  • 坪単価:例)大規模修繕 → 50万円/坪(※共用部面積により異なる)

単価は工事種類ごとに異なり、建物構造や階数によっても変動するため、精密な積算には建物図面と専門的知見が必要です。

この「単価」情報をもとに、次のセクションでマンション規模別のシミュレーションを行います。

マンション規模・構造別の修繕費用シミュレーション

ここでは、「㎡単価」「坪単価」「戸数」などを用いて、実際の修繕費用がどのくらいになるかを建物規模ごとにシミュレーション形式で紹介します。
あくまで目安ではありますが、費用感を掴むうえで大変参考になります。

㎡単価・坪単価で見る費用の目安表【建物別】

工事項目単価(㎡)単価(坪換算)備考
外壁塗装3,000〜6,000円約10万〜20万円/坪足場費用含む場合あり
屋上防水5,000〜8,000円約16万〜26万円/坪ウレタン・アスファルト等
給排水管更新棟あたり70万〜200万円設備老朽化による差大
共用部修繕10万〜50万円/区画廊下・階段・照明など
エレベーター改修500万〜1,000万円/基築20年超で必要になる傾向

※地域・構造・階数により変動あり

マンション大規模修繕シミュレーション1:10戸の小規模RCマンション

  • 延べ床面積:約800㎡
  • 想定単価:8,000円/㎡(平均的な工事項目一式)
  • 想定工事費:約640万円〜800万円

小規模マンションは戸数が少ないため、1戸あたりの負担は大きくなりやすいです(約80万〜100万円/戸)。一方で工事の簡略化や調整の柔軟さがある場合もあります。

マンション大規模修繕シミュレーション2:50戸の中規模SRCマンション

  • 延べ床面積:約4,000㎡
  • 想定単価:9,000円/㎡
  • 想定工事費:約3,600万円〜4,500万円

中規模マンションは、1戸あたりの費用が75〜90万円程度に収まることが多く、相場的にも安定しやすいゾーンです。足場や仮設工事の費用が分散されやすい点もメリットです。

マンション大規模修繕シミュレーション3:100戸以上の大規模マンション

  • 延べ床面積:約8,000㎡〜10,000㎡
  • 想定単価:10,000円/㎡
  • 想定工事費:約8,000万円〜1億円超

大規模マンションでは、1戸あたりの費用は100万〜120万円程度になるのが一般的です。工事項目の多様化により、エレベーターや消防設備、セキュリティ設備の改修が追加されるケースもあります。

実録!7階建てマンションの大規模修繕工事の流れと費用・施工事例

東京都墨田区にある7階建てマンションにて、ワンオーナー物件の大規模修繕工事を新東亜工業が対応しました。外壁の塗装やシーリングの補修、防水工事の必要性、見積比較の不安など、オーナー様の悩みに対しどのような提案と判断を行ったのか——その一連の流れを、実際の会話を交えながらご紹介します。

お問い合わせ〜現地調査|過去施工の確認と細部の劣化診断

工事のきっかけは「前回の色選びに失敗した」「屋上防水は5年前に済ませたが今回も必要か不安」といったメール相談でした。

お客様とのやり取り
お客様:「屋上の防水は5年前にやってるんですけど、それでもやるべきですか?」
新東亜工業:「一度状態を拝見してから判断しましょう。無理にやる必要がなければ省く判断もできます」

現地では図面をもとにバルコニーや外壁、庇などを細かく確認。シーリングの劣化が目立ったため、全撤去と打ち替えの提案を行いました。

お客様とのやり取り
新東亜工業:「ここのシーリング、かなりひび割れてます。全て打ち替えですね」
お客様:「これ全部やるとなると…かなりの距離ですよね?」
新東亜工業:「ざっと見ても1000mは超えてきます」

見積り提示|屋上防水の有無で2プラン提案+実数精算の説明

調査後は「屋上防水あり・なし」2パターンの見積を作成。各項目の違いと予算の幅をわかりやすく提示しました。

お客様とのやり取り
新東亜工業:「下地補修は“実数精算”になります。今見えてない部分も足場を組んでから補修範囲を確定します」
お客様:「100万円とか一気に増えることもありますか?」
新東亜工業:「状態は悪くないので10〜20万円程度の上下です。むしろ減る可能性もありますよ」

他社と比較されることも想定し、工事項目の説明や「新規打設」のリスクも正直に伝えました。

契約成立|「新規打設」との違いを丁寧に解説し信頼獲得

価格では他社より若干高めだったものの、工法や保証内容の丁寧な説明でご納得いただきました。

お客様とのやり取り
お客様:「他社には“新規打設”って書いてあります」
新東亜工業:「それは既存シールを撤去せず上からかぶせる方法で、密着不良やひび割れの原因になります。当社では必ず撤去・打ち替えを行います」

結果、「屋上防水なしプラン(852万円)」でご契約いただきました。

着工前の打ち合わせ|色決め・足場・近隣への配慮も徹底

工事前の打ち合わせでは、オーナー様が特に重視されたのが「色の選定」。過去2回の失敗を経て、今回は慎重に。

お客様とのやり取り
新東亜工業:「今回は色のイメージをどうされたいですか?」
お客様:「前の2回、どちらもイメージと違って…。今回は絶対に失敗したくない!」

色見本板を用意し、納得のいく色を選定。中学校敷地への足場越境や1階テナントのバイク駐輪スペース確保など、周辺環境への配慮も抜かりなく実施しました。

工事中の対応|トラブルの早期発見と柔軟な対応で信頼感

施工中には、前回業者が「増し打ち」を行っていた痕跡を確認。

お客様とのやり取り
新東亜工業:「やはり前回は増し打ちでしたね。しっかり撤去してから打ち換えますのでご安心ください」
お客様:「やっぱり!最初に“それはダメ”って言ってもらえて良かったです」

さらにバルコニー防水ではガス配管の位置により仕上げ調整を行うなど、現場での判断力も発揮。仕上がりにはご満足いただけました。

お客様とのやり取り
お客様:「本当にイメージ通りの外壁色で嬉しいです。母も喜んでました!」

引き渡しと今後の対応|最終確認と事務手続きまで丁寧に対応

完工後は外回りも含めた最終チェックを実施。仕上がりの満足度は非常に高く、保証書や請求書もスムーズに手配されました。

お客様とのやり取り
新東亜工業:「この庇も塗装・防水完了済みです」
お客様:「本当にきれいになってよかった。ありがとうございました!」

工事概要まとめ

  • 契約金額:852万円(屋上防水なしプラン)
  • 施工期間:約50日間

本事例を通じて、オーナー様の不安や悩みに寄り添いながら、適切な判断と施工を提供することの重要性が見えてきます。

「前回の修繕に不満がある」「見積内容が適正か判断できない」とお感じの方は、ぜひ一度ご相談ください。

2025年最新!国交省データを基にしたマンション大規模修繕費用の推移

マンションの大規模修繕工事にかかる費用は、建物の規模や築年数、工事内容によって異なります。国土交通省が実施した「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、1戸あたりの工事費用は以下のような分布となっています。

戸あたり工事費用の分布

  • 100〜125万円:最も多くの割合を占める
  • 75〜100万円:次に多い
  • 125〜150万円:続いて多い

この調査では、200社から818件の工事事例を集計し、工事金額や内訳、修繕周期などを分析しています。平均的な修繕周期は13年で、1回目の修繕は平均15.6年、2回目は14.0年、3回目は12.9年と、回数を重ねるごとに周期が短くなる傾向が見られます。

工事費用の内訳

大規模修繕工事の総工事費用の内訳は以下の通りです。

  • 建築系工事:60.3%
    • 外壁塗装・タイル・シーリング工事:49.4%
    • 屋根・床防水工事:32.0%
  • 仮設工事:22.8%
  • 諸経費(現場管理費・一般管理費・法定福利費等):10.3%

これらのデータは、修繕計画を立てる際の参考として活用できます。また、工事費用の推移を把握することで、将来的な費用の見通しを立てやすくなります。

参考文献・出典

マンション大規模修繕工事の工事内容別の費用相場を解説

大規模修繕の際には、工事ごとにどの程度の費用がかかるのか、内訳を把握しておくことが大切です。

ここでは、工事内容ごとの費用相場を紹介します。

マンション大規模修繕の劣化診断の費用

大規模修繕には多額の費用がかかるため、無駄な費用をかけないことが重要です。

本当に修繕が必要な箇所を見極めるためにも、大規模マンションは専門家による劣化診断(建物診断)を受けましょう。

施工業者やマンション管理士が行う無料劣化診断もありますが、無料診断は主に目視と打診のみです。

試験機を用いてコンクリートの耐久性を診断するためには、有償で劣化診断を行う必要があります。

劣化診断の費用目安は次のとおりです。

戸数費用相場
約30戸約15万~40万円
約50戸約30万~50万円
約100戸約30万~80万円
約200戸約5万円~100万円

劣化診断を受けることで、無駄なく修繕工事を行うことができ、より良い状態を長く維持できるでしょう。

マンション大規模修繕の工事の諸費用

大規模修繕工事には、外壁工事、防水工事、給排水工事などの修繕工事以外にも、複数の費用がかかります。

足場の設置、現場事務所を仮設する費用、産業廃棄物処理、安全対策にかかる費用などです。

例えば、1,000万円~3,000万円程度の大規模修繕の場合、諸費用の金額は次のとおりです。

工事内容費用相場
足場設置約300万円~400万円
現場事務所の仮設工事約10万円~20万円
産業廃棄物処理約10~70万円
安全対策費約20~50万円

現場事務所とは、長期間にわたる大規模修繕工事を円滑に進めるために設置します。

マンションのエントランスの一角に間仕切りを設けたり、会議室を利用したりすることが多いです。

安全対策費は、工事期間中の安全を確保するために配置する警備員の人件費や、工事関係者以外の人が工事現場に入らないようにする柵などを指します。

マンション大規模修繕の仮設工事の費用相場

仮設工事とは、工事をスムーズに行うための設備や施設の設置工事のことで、足場工事が大半を占めます。

仮設工事費の平均は、中小規模マンションで600万円~800万円、大規模マンションで3,000万円~5,000万円が相場です。

足場工事の平均的な費用は1平方メートル当たり700~1,500円ですが、足場の種類によって価格帯は異なります。

特に、高層マンションの工事で使用するゴンドラや可動昇降式足場は高額です。

マンション大規模修繕の防水工事の費用相場

屋上防水工事の平均的な費用は、アスファルト防水工法で1㎡あたり約5,000~8,000円、シート防水工法で約3,000~6,500円です。

アスファルト防水工法は水漏れが少なく耐久性・信頼性が高いですが、重量があるため鉄筋コンクリート造のマンションの屋上に使用されます。

屋上を防水せずに放置しておくと、雨漏りや漏水が発生し、マンションの鉄筋を腐食させ、建物の耐久性を低下させる危険性があります。

適切な時期に、屋上防水工事を行いましょう。

一般的な防水工事のメンテナンス期間は10~15年程度なため、多くのマンションでは最初の大規模修繕として行われます。

マンション大規模修繕の外壁工事の費用相場

外壁に関する修繕工事は多くのマンションで実施されており、大規模修繕のメインとなる工事です。

外壁関連工事の平米単価は、塗装工事が約3,000~7,000円、鉄部の防錆工事で約1,000~3,000円、修繕工事が約1,500~6,500円です。

マンションは戸建てとは異なり、形や高さ、窓の数や玄関の大きさなどが様々で、単純な計算式で平米数を決めることはできません。

単純な長方形のマンションであれば比較的簡単に面積を割り出すことができますが、複雑な形状のマンションでは業者による入念な採寸が必要となります。

マンション大規模修繕の給排水管工事の費用相場

設備工事としては、給排水設備が挙げられます。

工事費用は、1棟あたり約70万~200万円です。

 配管の太さやマンションの規模によって大きく異なることから、概算を知るには調査を行わなければなりません。

給排水管の耐用年数は約20年と長いものの、大規模な工事となるため、大規模修繕工事と合わせて交換することをおすすめします。

建物の老朽化に伴い、給排水管も経年劣化し、放置しておくと水道水の変色や水量の減少などのトラブルにつながるため、給水管の状況に応じた工事を行わなければなりません。

また、工事中は、水道が使えません。

トラブルを避けるため、工事日程が決まったら早い段階で入居者に通知をしましょう。

マンション大規模修繕の共用部補修工事の費用相場

エントランス、会議室、屋内廊下などの共用部分は、建物の老朽化に伴い、設備の老朽化や機能の低下により修繕が必要です。

例えば、オートロック機能を新たに追加する、手動ドアから自動ドアに交換する、照明をLEDに変えるなどがあります。

共用部の改修工事の平均費用は、次のとおりです。

工事内容費用相場
エントランスのオートロック設置約50万~130万円
エントランスの自動ドア設置約70万~180万円
階段の手すり設置約20万~50万円
LED照明への交換費用1箇所あたり約3,000~6,000円

共用部は毎日多くの人が利用する場所なため、居住者の年齢や時代のニーズに合わせて柔軟に改修しましょう。

2回目以降のマンション大規模修繕の費用とポイント

マンションの2回目以降の大規模修繕は、初回修繕とは異なる視点や考慮点が必要です。以下に、押さえておくべきポイントを表を使いつつ解説します。

マンション修繕内容の見直しと優先順位の設定

初回修繕後の経過年数や使用状況に応じて、修繕内容を見直すことが重要です。また、緊急性や重要性に応じて優先順位を設定します。

項目説明
外壁の劣化外壁のひび割れや塗装の剥がれが目立つ場合は、修繕の優先度が高いです。
防水工事屋上やベランダの防水処理は、漏水リスクを低減するために重要です。
給排水設備給排水管の劣化や漏水は、迅速に対応する必要があります。
エレベーターエレベーターの老朽化による故障や安全性の低下に対する対応が求められます。

マンション修繕費用の確保と資金計画

大規模修繕には多額の費用がかかるため、事前に修繕積立金の状況を確認し、資金計画を立てることが重要です。

項目説明
修繕積立金の確認修繕積立金の残高や今後の積立計画を確認し、費用が不足する場合は追加積立や借入れを検討します。
予算の見積もり修繕項目ごとに費用を見積もり、総額を把握して予算計画を立てます。
資金調達の方法必要に応じて金融機関からの借入れや特別徴収を行い、資金を確保します。
事前準備修繕に伴う一時的な費用(仮住まい費用など)も考慮しておく必要があります。

業者選定と契約

信頼できる修繕業者を選定し、適切な契約を結ぶことが大切です。業者選定時には複数の業者から見積もりを取り、比較検討します。

項目説明
業者の選定基準経験や実績、技術力、価格、対応力などを総合的に評価します。
見積もりの比較複数の業者から見積もりを取り、内容や価格を比較検討します。
契約内容の確認契約書の内容を詳細に確認し、曖昧な点がないようにします。
工事監理の体制工事の進捗管理や品質管理を適切に行うための監理体制を構築します。

居住者への説明と合意形成

修繕工事に伴う居住者への影響や費用負担について、事前に説明し、合意を得ることが重要です。説明会やアンケートを実施し、意見を反映させます。

項目説明
説明会の実施修繕計画や工事内容、費用負担について説明会を開催し、居住者の理解を得ます。
アンケートの実施居住者の意見や要望を収集し、修繕計画に反映させます。
合意形成の手続き居住者の合意を得るために必要な手続きを行い、スムーズに修繕工事を進めます。
影響の最小化居住者への影響を最小限に抑えるための工夫(工事の時間帯や騒音対策など)を行います。

修繕後のメンテナンス計画

修繕工事が完了した後も、定期的なメンテナンスを行うことで、次回修繕までの劣化を最小限に抑えることができます。

項目説明
定期点検の実施定期的に建物の点検を行い、早期に問題を発見し対応します。
小修繕の実施小さな不具合や劣化は早めに修繕し、大規模修繕を遅らせる努力をします。
維持管理の体制維持管理の責任者や体制を明確にし、効率的な管理を行います。
住民の協力居住者に対して日常的な管理の重要性を啓発し、協力を得ます。

以上が、マンションの2回目以降の大規模修繕で押さえておくべきポイントです。修繕計画を立てる際には、これらのポイントを考慮し、適切な対応を行うことで、建物の寿命を延ばし、居住環境の維持・向上を図ることができます。

マンション2回目の大規模修繕工事の費用相場

マンションの2回目の大規模修繕工事には、初回修繕とは異なる費用がかかることが多いです。修繕内容や規模、物価の変動などが影響し、費用は変動します。以下に、一般的な費用相場と具体的な内訳を表を使って解説します。

2回目の大規模修繕工事の費用相場について

2回目の大規模修繕工事の費用相場は、1戸あたり100万円から150万円程度が一般的とされています。ただし、建物の規模や修繕内容によって大きく異なる場合があります。

修繕回数1戸あたりの費用相場
初回50万円〜100万円
2回目100万円〜150万円

マンション大規模修繕工事の具体的な費用内訳

修繕工事の具体的な内訳について、以下の表に示します。これはあくまで一例であり、実際の費用は個別のマンションの状況により異なります。

修繕項目費用割合 (%)説明
外壁補修・塗装20%〜30%外壁のひび割れや塗装の劣化を修復・再塗装します。
防水工事15%〜25%屋上やベランダの防水処理を行い、漏水リスクを低減します。
給排水設備更新10%〜20%給排水管の老朽化を防ぐため、更新や修理を行います。
エレベーター改修10%〜15%エレベーターの老朽化対応や安全性向上のための改修です。
共用部の修繕10%〜20%共用廊下やエントランスの修繕や美化を行います。
その他5%〜10%駐車場や外構、その他の修繕が含まれます。

マンション大規模修繕の費用を左右する要因について

修繕工事の費用を左右する要因についても押さえておくことが重要です。

要因説明
建物の規模大規模マンションは修繕費用も高額になりやすいです。
修繕内容の詳細修繕項目やその範囲によって費用が大きく変動します。
物価の変動物価や材料費、人件費の変動が費用に影響します。
業者選定業者の選定によっても費用が異なります。信頼できる業者を選ぶことが重要です。
資金計画修繕積立金の状況や資金調達方法によっても修繕費用の負担が変わります。

以上が、マンション2回目の大規模修繕工事の費用相場とその内訳についての解説です。修繕工事を計画する際には、これらのポイントを参考にし、事前に十分な資金計画を立てることが重要です。

マンションの3回目以降の大規模修繕の費用とポイント

マンションの3回目以降の大規模修繕は、建物の老朽化が進んでいるため、より綿密な計画と管理が求められます。以下に、押さえておくべきポイントを表を使いつつ解説します。

修繕履歴の確認と長期修繕計画の見直し

過去の修繕履歴を確認し、長期修繕計画を見直すことが重要です。過去の工事内容や結果を踏まえ、必要な修繕項目を再評価します。

項目説明
修繕履歴の確認過去の修繕履歴を確認し、問題点や改善点を把握します。
長期修繕計画の見直し修繕履歴を踏まえ、今後の修繕計画を見直し、適切な時期と内容を設定します。

予防保全と延命措置の強化

建物の老朽化が進む中で、予防保全や延命措置を強化することが求められます。これにより、次回修繕までの期間を延ばし、修繕費用の抑制を図ります。

項目説明
予防保全定期点検や小規模な修繕を継続的に行い、大規模修繕の頻度を減らします。
延命措置老朽化した設備や部材の交換、補強を行い、建物の寿命を延ばします。

修繕費用の見積もりと資金計画の再検討

修繕費用の見積もりを正確に行い、資金計画を再検討します。修繕積立金の残高や追加の資金調達方法を確認し、必要な資金を確保します。

項目説明
費用見積もりの精査修繕項目ごとに詳細な費用見積もりを行い、正確な総額を把握します。
資金計画の再検討修繕積立金の状況を確認し、不足する場合は追加積立や借入れを検討します。

高齢化対策とバリアフリー化の推進

居住者の高齢化に伴い、バリアフリー化や高齢者に配慮した修繕を行うことが重要です。これにより、居住者の安全性と快適性を向上させます。

項目説明
バリアフリー化共用部や各戸のバリアフリー化を推進し、高齢者が安心して住める環境を整備します。
高齢者対応設備の導入エレベーターや手すりなど、高齢者に配慮した設備を導入します。

環境対策とエネルギー効率の向上

環境対策やエネルギー効率の向上も重要なポイントです。省エネルギー設備の導入やリニューアルにより、環境負荷を低減し、居住者の光熱費を抑制します。

項目説明
省エネルギー設備導入LED照明や高効率エアコンなど、省エネルギー設備を導入します。
環境配慮型修繕環境負荷を低減する材料や工法を採用し、持続可能な修繕を実施します。

居住者とのコミュニケーション

修繕工事の計画段階から、居住者とのコミュニケーションを密に行い、理解と協力を得ることが重要です。説明会やアンケートを通じて、意見を反映させます。

項目説明
説明会の開催修繕計画や工事内容について説明会を開催し、居住者の理解を得ます。
アンケートの実施居住者の意見や要望を収集し、修繕計画に反映させます。

以上が、マンションの3回目以降の大規模修繕で押さえておくべきポイントです。建物の老朽化や居住者のニーズに応じた適切な対応を行い、快適で安全な住環境を維持することが求められます。

マンション3回目の大規模修繕工事の費用相場

マンションの3回目の大規模修繕工事は、初回や2回目と比較してさらに費用がかかることが一般的です。これは建物の老朽化が進んでいるため、修繕箇所が増えたり、修繕内容が複雑化したりするためです。以下に、3回目の大規模修繕工事の費用相場とその内訳を表を使って解説します。

3回目の大規模修繕工事の費用相場について

3回目の大規模修繕工事の費用相場は、1戸あたり150万円から200万円程度が一般的です。ただし、建物の規模や修繕内容によって大きく異なる場合があります。

修繕回数1戸あたりの費用相場
初回50万円〜100万円
2回目100万円〜150万円
3回目150万円〜200万円

大規模修繕工事の具体的な費用内訳

3回目の修繕工事では、修繕箇所が増え、内容が複雑になるため、以下のような内訳が考えられます。

修繕項目費用割合 (%)説明
外壁補修・塗装20%〜30%外壁のひび割れや塗装の劣化を修復・再塗装します。
防水工事15%〜25%屋上やベランダの防水処理を行い、漏水リスクを低減します。
給排水設備更新15%〜20%給排水管の老朽化を防ぐため、更新や修理を行います。
エレベーター改修10%〜15%エレベーターの老朽化対応や安全性向上のための改修です。
共用部の修繕10%〜20%共用廊下やエントランスの修繕や美化を行います。
電気設備の更新5%〜10%照明や電気配線の更新を行い、安全性を向上させます。
その他5%〜10%駐車場や外構、その他の修繕が含まれます。

大規模修繕で修繕費用を左右する要因

3回目の修繕工事では、以下の要因が費用に影響を与えます。

要因説明
建物の規模大規模マンションは修繕費用も高額になりやすいです。
修繕内容の詳細修繕項目やその範囲によって費用が大きく変動します。
物価の変動物価や材料費、人件費の変動が費用に影響します。
業者選定業者の選定によっても費用が異なります。信頼できる業者を選ぶことが重要です。
資金計画修繕積立金の状況や資金調達方法によっても修繕費用の負担が変わります。
高齢化対策高齢者向けのバリアフリー化や設備導入が追加される場合、費用が増加します。
環境対策環境配慮型の設備導入や工事を行う場合、初期費用がかかることがあります。

以上が、マンション3回目の大規模修繕工事の費用相場とその内訳についての解説です。修繕工事を計画する際には、これらのポイントを参考にし、事前に十分な資金計画を立てることで、適切な修繕を行うことができます。

マンション大規模修繕1戸にかかる単価平均は?

マンションの大規模修繕工事は、建物全体の維持管理を行うために不可欠な作業です。その費用はマンション全体の規模や修繕内容によって異なりますが、1戸あたりの単価を知ることで、各居住者が負担する費用の目安を把握することができます。以下に、マンション大規模修繕の1戸あたりの単価について解説します。

大規模修繕の工事内容ごとの費用目安

マンションの大規模修繕では、老朽化や劣化が進んだ箇所を対象に、さまざまな工事が行われます。以下では、主要な工事項目ごとに、その内容と目的、そして費用の目安を解説します。

工事項目内容費用の目安(㎡単価・参考値)
外壁補修・塗装外壁のひび割れや塗膜の劣化を補修し、塗装を施して防水性と美観を回復約3,000〜5,000円/㎡
屋上・バルコニーの防水工事雨水の浸入を防ぐため、防水層の張り替えや塗膜再施工を実施約4,000〜8,000円/㎡(ウレタン・シート等)
給排水設備の更新配管の更生や交換で漏水・赤水のリスクを低減。室内外に及ぶ場合もあり数十万〜数百万円/棟(規模による)
エレベーターの改修モーター・制御盤・かご内装の更新により、安全性と快適性を強化約500万〜1,000万円/基
共用部分の修繕廊下・階段・エントランスなどの床・照明・手すりなどの補修約10万〜50万円/区画(範囲により変動)

これらの工事は、単なる見た目の改善だけでなく、建物の機能性・安全性・耐久性の維持に直結します。また、劣化の程度や使用材料によって費用は大きく変動するため、定期的な調査と見積もり取得が重要です。

マンション大規模修繕1戸あたりの単価の目安

1戸あたりの単価は、修繕工事の規模や内容、地域によって異なりますが、一般的な目安として以下のように分類できます。

初回の場合75万円〜120万円ほどが、マンション1戸にかかる費用相場です。

ですので、10戸ある場合は750~1200万円前後かかる計算となります。

修繕回数1戸あたりの費用相場
初回75万円〜120万円
2回目100万円〜150万円
3回目150万円〜200万円

マンション大規模修繕費用を左右する要因

1戸あたりの単価に影響を与える要因には以下のようなものがあります。

要因説明
建物の規模大規模マンションは修繕費用も高額になりやすいです。
修繕内容の詳細修繕項目やその範囲によって費用が大きく変動します。
物価の変動物価や材料費、人件費の変動が費用に影響します。
業者選定業者の選定によっても費用が異なります。信頼できる業者を選ぶことが重要です。
資金計画修繕積立金の状況や資金調達方法によっても修繕費用の負担が変わります。

マンション大規模修繕の費用負担の方法

大規模修繕の費用負担は、修繕積立金を利用する場合が一般的ですが、積立金が不足する場合は追加徴収や借入れを検討する必要があります。

方法説明
修繕積立金毎月積み立てられる修繕積立金を利用して修繕費用を賄います。
追加徴収積立金が不足する場合、各戸から追加徴収を行います。
借入れ金融機関からの借入れを行い、後に返済していく方法です。

以上が、マンション大規模修繕の1戸あたりの単価についての解説です。修繕計画を立てる際には、これらのポイントを参考にし、適切な費用負担方法を検討することが重要です。

築年数別・階数別の大規模修繕費用相場一覧

マンションの大規模修繕費用は、築年数や階数によって異なります。以下は、一般的な相場の目安です。

築年数10〜15年16〜25年26年以上
修繕費用(1戸あたり)約80万円〜100万円約100万円〜150万円約150万円〜200万円
階数〜5階建6〜10階建11階以上
修繕費用(全体)約3,000万円〜6,000万円約6,000万円〜1億円1億円以上

※実際の費用は、地域や建物の構造、工事内容によって異なります。管理組合は、事前に複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。

大規模修繕でよくある失敗とその対策(業者選び、積立不足)

大規模修繕での失敗は、費用増大や住民トラブルの原因にもなります。以下は代表的な失敗例と、その対策です。

大規模修繕でよくある失敗とその対策1. 信頼性の低い業者選び

【失敗例】価格の安さだけで業者を選んだ結果、施工不良や追加費用が発生。

【対策】複数業者の実績・口コミを確認し、適正価格かつ信頼性の高い業者を選定。建築士など第三者の意見を取り入れるのも効果的です。

大規模修繕でよくある失敗とその対策2. 積立金不足への対応遅れ

【失敗例】積立金が不足してから対策を検討し、住民の負担が急増。

【対策】長期修繕計画を定期的に見直し、早めに資金計画を立てる。不足が見込まれる場合は、事前にローンや助成金の可能性を検討しましょう。

大規模修繕でよくある失敗とその対策3. 住民間の合意形成不足

【失敗例】工事内容や費用について住民の理解が得られず、計画が遅延。

【対策】説明会やアンケートを実施し、住民の意見を反映した計画作りを行う。透明性の高い情報共有がカギになります。

マンション大規模修繕費用を抑える方法

マンションの大規模修繕費用は、工夫次第で抑えることが可能です。

修繕費用が不足するといった事態自体を避けるためにも、修繕費用を抑える方法をチェックしておきましょう。

業者に一任しない

一棟マンションの修繕は、管理会社、設計会社、施工業者等の主導で行われることがあります。

依頼すること自体は問題ないですが、すべて任せきりにするとコスト意識が希薄になりがちです。

また、業者任せにするのではなく、オーナーが内容をチェックすることも重要です。

工事箇所の確認

大規模修繕の対象となる箇所は、以下のように複数箇所あります。

  • 屋根
  • 外壁
  • 階段・廊下
  • 給湯器
  • エアコン
  • 給排水管

修繕箇所は、必ずしも長期修繕計画に基づいて修繕する必要はありません。

状態を確認し、修繕の必要がないと判断することで、大規模修繕の費用を抑えることができます。

ただし、必要な修繕は遅滞なく行うことが重要です。

建物診断を実施

大規模修繕工事を行う際には、建物の点検を行い、状態を確認する必要があります。

工事の効果を効率よく上げるためには、建物の状態を正確に把握することが何よりも大切です。

適切な内容を工事や見積もりに反映させるためにも、マンションの状態を診断し、補修が必要な箇所を考えるようにしましょう。

信頼できる業者に依頼

初めて大規模修繕を行う場合は、見積書を見ても専門用語が多く、すべてを理解するのは難しいかもしれません。

分からない点をアドバイスしてくれるような、信頼できる施工業者にお願いすることが大切です。

大規模修繕は、準備段階から施工まで2年以上かかる大掛かりな工事です。

2年以上かかる大工事のため、工事の詳細設計や見積もりなどの段階で何度も打ち合わせをする必要があります。

信頼できない施工業者に依頼をすると、後々トラブルに発展することもあるため、必ず信頼できる会社に依頼しましょう。

相見積もりを取る

適正価格を得るために最も重要なことは、相見積もりです。

最低でも3社から見積もりを取ることで、適正価格を確認できます。

修理内容の内訳、価格の比較などを行うことで、大まかな相場を知ることが可能です。

同じような会社に依頼しても、同じような見積もりになってしまうため、できるだけバラつきのないように、様々なタイプの会社に見積もりを依頼しましょう。

見積もりを取り、適正価格を把握したら、検討段階に移ります。

中間マージンをなくす

大規模修繕工事の費用を抑えるためには、中間マージンを可能な限り少なくすることが重要です。

中間マージンとは、施工業者が下請け業者に依頼をする場合に支払う仲介手数料を指します。

余計な中間マージンを払わないためには、下請け業者を利用していない施工業者を選びましょう。

工事内容を再検討

大規模修繕工事の内容を再検討することで、コストを抑えることができます。

再検討すべき工事内容は、主に足場の設置方法です。

外壁塗装の場合、足場を組まないブランコ工法があります。

塗装する場所にもよりますが、足場の設置費用が抑えられるため工事費は安くなります。

ただし、建物の構造によっては工法を変更ができないことから、検討する際は施工業者と相談することが大切です。

定期的なメンテナンス

定期的な建物のメンテナンスは、劣化を遅らせ、損傷を防ぐことにつながります。

劣化や破損が少なければ、大規模修繕時の手間も省けるでしょう。

一方、定期的なメンテナンスを受けていないマンションの場合、大規模修繕の際に工事すべき場所が増える可能性が高いです。

工事量が増え、工期が長くなれば、当然修繕費も高くなります。

そのため、定期的なメンテナンスを心がけましょう。

大規模修繕工事費用が不足した際の対処法

大規模修繕工事の内容が増える、資金計画が適切ではないなどの理由で、費用が不足することがあります。

万が一工事費用が不足した場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

ここでは、費用の補填方法を紹介します。

一時金を徴収

修繕積立金の不足分を 「一時金」 として徴収する方法ですが、総会決議が必要です。

金額によっては各区分所有者の負担が大きくなるため、多数決で否決される可能性があります。

一括徴収のメリットは、利息がかからず、不足分をすぐに補填できることです。

不足分の借り入れ

修繕積立金の不足額を金融機関から借り入れる方法もあります。

総会決議が必要ですが、一時金で回収するよりも決議しやすく、現実的な方法といえるでしょう。

ただし、お金を借りるため、当然利息がかかります。

返済のために、修繕積立金の増額が必要になることも理解しておきましょう。

積立金の値上げ

毎月の修繕積立金を増やす方法で、不足分をカバーできます。

総会決議を行いますが、一時金徴収と同様、反対運動が起きやすいでしょう。

また、不足額の補填には時間がかかるため、工事が差し迫っていないマンションに限られます。

工事の周期を調整

大規模修繕自体を延期する方法もあります。

しかし、修繕積立金が足りないからといって大規模修繕を先延ばしにすることは、決して良いことではありません。

マンションの状況にもよりますが、工事を先延ばしにすると劣化が進み、工事費がさらにかさむ可能性が高くなります。

そのため、大規模修繕の延期を選択せざるを得ない事態を極力避けることが重要です。

十分な積立金を確保し、マンションが古くならない時期から計画的に適切な修繕を行うようにしましょう。

大規模修繕工事でよくある質問

ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。

Q

大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?

A

10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう

Q

マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?

A

大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。

Q

マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?

A

大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。

Q

大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?

A

大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。

Q

大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?

A

大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。

この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください

マンション大規模修繕費用を抑えるなら優良業者に依頼しよう

マンションを良好な状態に保つためには、大規模修繕工事を約12年ごとに定期的に実施する必要があります。

修繕に着手するには、計画や業者選定を含めて2年以上かかるため、長期的な視点も大切です。

定期点検や小修繕と違い、1戸あたり約100万円と非常に高額になるため、信頼できる業者との連携が欠かせません。

費用を抑えたいのであれば、工事内容を丁寧に説明し、アドバイスをしてくれる優良業者を選びましょう。

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