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アスファルト防水の押さえコンクリートとは?改修工事の種類や流れなどを解説

防水工事を行う際に耳にすることもある「押さえコンクリート」というワード。

「押さえコンクリートってなんだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、アスファルト防水における押さえコンクリートとは何かを解説していきます。

また、押さえコンクリート仕上げの改修工事の種類や流れなど、押さえコンクリートに関する情報をたくさん紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

押さえコンクリートとは

そもそも押さえコンクリートとは、防水工事によって形成する防水層を保護するためのコンクリートのことです。

防水層の保護や劣化の抑制を目的として、防水層の上から打つコンクリートのことを、「押さえコンクリート」と呼びます。

昔からの呼び方である「シンダーコンクリート」、または「保護コンクリート」などと呼ばれる場合もあるでしょう。

屋上やバルコニーを歩行用にする目的で、押さえコンクリートを施工することもあります。

押さえコンクリートが重すぎると建物に大きな負担をかけてしまうため、押さえコンクリートには軽量コンクリートが採用されることが一般的です。

アスファルト防水とは

アスファルト防水とは、主に屋上に施工されるアスファルトを使用した防水工法です。

数ある防水工法の中でも最も耐久性に優れていて、商業施設などの屋上にもよく採用されています。

アスファルト防水には、以下の2種類の仕上げ方法があります。

  • 押さえコンクリート仕上げ
  • 露出防水仕上げ

押さえコンクリート仕上げは、防水層の上からコンクリートを打つ仕上げ方法で、アスファルト防水の中でもとくに耐久性が高いです。

露出防水仕上げとは防水層が露出して見える仕上げ方法で、押さえコンクリート仕上げに比べて重量を抑えられるため、建物への負担を減らすことができます。

押さえコンクリート仕上げを採用する屋上のタイプ

アスファルト防水の中でも、押さえコンクリート仕上げを採用する屋上のタイプには、以下のようなものがあります。

  • 不特定多数の人が出入りする屋上
  • 屋上菜園
  • 洗濯物を干すスペースとして活用する屋上
  • 屋上駐車場

屋上といっても使い方はさまざまあるため、押さえコンクリートが必要な場合もあればそうではない場合もあります。

押さえコンクリート仕上げを採用する場合とは、屋上にとくに高い耐久性を求める場合です。

上記リストで紹介したような、人の出入りや歩行が多い場合や駐車場として利用する場合など、耐久性が必要となる使い方をする屋上では、押さえコンクリートが採用されます。

押さえコンクリート仕上げの改修方法

すでにアスファルト防水の押さえコンクリート仕上げが施工されている防水層の改修方法としては、以下の2つの工法があります。

  • かぶせ工法
  • 撤去工法

かぶせ工法とは、押さえコンクリートの上から新しい防水層をかぶせる形で施工する工法です。

既存防水層のうち、劣化や損傷などの問題がある部分だけを取り除き、下地処理をしてから新しい防水層をかぶせて施工します。

この際、劣化した部分をしっかりと補修してから新しい防水層を形成することが重要なポイントです。

かぶせ工法による改修工事では、既存防水層全体を撤去する必要がないため、工期が短く工事費用も抑えられることがメリットです。

また、既存防水層を下層防水層として利用し、その上から新規防水層をかぶせるため、高い防水効果と耐久性を発揮します。

一方で撤去工法とは、既存防水層を撤去して新しい防水層を新設する工法です。

既存防水層の劣化が激しい場合に採用される工法で、劣化が深刻な防水層を一新することができます。

ただし、既存防水層を撤去してから新しい防水層を形成するため、工期が長く最も費用がかかる工法です。

防水層を形成する費用に加えて、既存防水層を撤去するための工事費や廃材処分費も必要となります。

コンクリートの撤去がかなりの労力と費用が必要となるため、コンクリートの劣化が激しい場合を除いては、改修工事にはかぶせ工法が採用されることが一般的です。

押さえコンクリート仕上げの改修工事の流れ

押さえコンクリート仕上げの改修を、かぶせ工法で行う際の流れを説明します。

かぶせ工法では、既存防水層の上から防水工事を施工していきます。

伸縮目地の撤去・シーリング材の充填

目地は、コンクリートに一定の間隔で設けられている継ぎ目のことを指します。

伸縮目地は、温度変化による膨張や収縮で発生するコンクリートの動きに合わせて伸縮し、クッションの役割をしてくれます。

伸縮目地があることにより、動きによって発生しやすいコンクリートのひび割れや損傷、防水層の劣化や破損などの予防が可能です。

改修工事を行う際には、すべての伸縮目地を撤去します。

伸縮目地も経年劣化していくため、古い伸縮目地を残したまま改修工事を行ってしまうと、古い伸縮目地が劣化して反り上がり、新しい防水層を傷付けてしまうリスクが高いです。

そのため、改修工事の際に劣化が見られないものを含むすべての伸縮目地を、一度完全に撤去します。

伸縮目地を撤去した部分には、新しいシーリング材を充填して平らに整えます。

下地処理

防水層を形成する前に、下地となるコンクリートが平らになるよう、慎重に下地処理を行います。

下地処理をしっかりと行わなかった場合、防水層の不具合や勾配不良など、さまざまな施工不良が発生するリスクが高まります。

そのため、かぶせ工法の場合でも下地処理は欠かせない工程です。

下地のコンクリートにひび割れなどが見られる場合も、下地処理の工程で補修しておきます。

防水層の形成

下地がしっかりと調整できたら、いよいよ防水層を形成します。

かぶせ工法で行う防水層の形成では、以下のような工法が採用されることが一般的です。

  • 通気緩衝工法
  • 脱気工法

通気緩衝工法とは、通気性能のある「通気緩衝シート」の上に防水層を形成していく工法です。

通気緩衝シートの働きにより水蒸気の逃げ道を作ることができます。

脱気工法とは、脱気筒などの脱気装置を設置して水蒸気の逃げ道を作る工法です。

このような工法が採用される理由は、水分や湿気の逃げ道を確保して防水層の膨れを予防することができるからです。

コンクリートは水分を含むので、その水分が太陽の熱で温まると、水蒸気へと変わります。

防水層とコンクリートが密着する工法で防水層を形成すると、防水層とコンクリートの間で発生した水湿気の逃げ道がなくなってしまいます。

逃げ道のない水蒸気がコンクリートと防水層の間に留まると、防水層に膨れが発生するリスクがとても高いです。

防水層の膨れは劣化のサインで、膨れた部分の防水層はやぶれやすくなってしまいます。

このような事態を防ぐために、水分や湿気の逃げ道を作れる工法が採用されるのです。

通気緩衝工法や脱気工法を採用できる防水工法は、アスファルト防水のほかにもウレタン防水やシート防水があります。

押さえコンクリートの劣化症状

防水層と同様に、押さえコンクリートの部分も経年劣化が避けられません。

押さえコンクリートの劣化がすぐに雨漏りにつながるわけではありませんが、押さえコンクリートの劣化により防水層を保護する機能が低下するため、防水層の劣化が進んで雨漏りが発生するリスクが高まってしまいます。

このような理由から、押さえコンクリートに劣化症状が現れた場合は、補修やメンテナンスを検討することがおすすめです。

押さえコンクリートは、劣化すると以下のような症状が現れます。

  • コンクリートのひび割れ
  • コンクリートの浮き
  • 伸縮目地のひび割れ・剥がれ
  • 水たまり
  • 植物の繁殖

このような劣化症状が現れたら、専門業者に依頼して点検してもらい、必要な補修やメンテナンスを行ってくださいね。

まとめ

押さえコンクリートとは、防水層を保護する目的で施工される、防水層の上から打つコンクリートのことです。

  • 押さえコンクリート仕上げは、高い耐久性が求められる屋上で採用される
  • 人の歩行が多い場合や駐車場として利用する場合におすすめ
  • 改修工事は、既存防水層を撤去しないかぶせ工法で行うことが多い
  • 押さえコンクリートも劣化するので、適切な補修やメンテナンスをしよう

もともと耐久性の高いアスファルト防水ですが、押さえコンクリート仕上げで施工することでさらに耐久性を高めることができます。

屋上を有効活用するためにおすすめの工法なので、ぜひ今回の記事を参考に、施工を検討してみてくださいね。

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