コラム    

ウレタン防水の通気緩衝工法(絶縁工法)は屋上におすすめ!施工手順・費用を解説

ウレタン防水は、数ある防水工事のなかでも、日本で最も選ばれている種類です。

住宅をはじめ多くのマンションやアパートでも選ばれており、身近な防水工法といえます。

ウレタン防水には密着工法と通気緩衝工法(絶縁工法)の2種類があります。

それぞれに特徴が異なるため、施工予定の建物や状況で使い分けなければなりません。

これからウレタン防水を検討する方は、それぞれの特徴を知っておくと専門業者との相談がしやすくなるでしょう。

そこで今回は、ウレタン防水の工法のうち、通気緩衝工法に焦点を当て、特徴や施工手順などを紹介します。

ウレタン防水通気緩衝工法とは

防水工事にはいくつかの種類があります。

工法の種類ごとに、適した建物と適していない建物があるため、どの種類の防水工事が適しているかを判断してから実施しましょう。

ウレタン防水通気緩衝工法の特徴

通気緩衝工法とは、通気緩衝シートと呼ばれる特殊なシートを下地に接着し、脱気筒と呼ばれる装置を取り付けます。

さらに、上からウレタン樹脂を塗布する工法です。

ベースと防水層が密着しないため、断熱工法といわれることもあります。

通気緩衝工法は、施工面積が広い現場や下地がコンクリートの場合に適しているといわれています。

ただし、密着工法に比べて工程が多く、完成までに時間がかかる点を理解しておきましょう。

ウレタン防水通気緩衝工法のメリット

通気緩衝工法は、下地が水分を含む場合でも膨れを防ぐことができます。

通気性緩衝シートが膨れの原因となるベース内の水分の逃げ道をつくり、脱気して排出させるためです。

また、膨れができにくいということは、修理のリスクが減るということでもあります。

さらに、コンクリート下地であれば通気緩衝シートを接着するため、ひび割れ防止効果も期待できます。

つまり、通気緩衝シートは密着工法に比べて、下地の状態に左右されずに柔軟に施工できる点がメリットです。

ウレタン防水通気緩衝工法のデメリット

通気緩衝工法は、密着工法に比べて施工費用が高くなる点がデメリットです。

理由は、脱気筒のような資材を使用することと、施工自体の難易度が高いためです。

さらに、脱気筒を設置することで、歩行や車の運転が困難になるケースもあります。

また、脱気筒は工事現場の中央付近に設置されるため、工事現場の環境によっては様々な問題が発生する可能性があるでしょう。

通気緩衝工法を選択する際は、コスト面や施工後の環境面でのデメリットを理解しておく必要があります。

通気緩衝工法と密着工法との違い

通気緩衝工法は、塗布した防水材の内部に水蒸気が発生し、膨れ上がる現象を抑える最適な工法です。

屋上、バルコニーの床で膨れが発生する理由は、下地に含まれる水蒸気が逃げ場を失い、床と塗膜の間に滞留するためです。

通気緩衝工法は、通気性能のある通気緩衝シートを貼り、上から防水材を塗ります。

そのため、水蒸気が外部に逃げ、膨れることなく安定した施工が可能です。

一方、密着工法は下地に直接防水材を塗ります。

通気緩衝シートを挟まないため「密着」工法と呼ばれ、凹凸がある場所でも施工しやすいことが特徴です。

新築時や防水性に問題がない場所では、密着工法が使われます。

密着工法は工程が単純で材料も少ないため安価ですが、通気緩衝工法は密着工法よりも費用がかかることが一般的です。

ウレタン防水通気緩衝工法の施工手順

ウレタン防水通気緩衝工法の施工手順を知っておくと、工事のスケジュールを把握できます。

ここでは、ウレタン防水通気緩衝工法の大まかな施工手順を紹介します。

高圧洗浄

最初に、高圧洗浄で下地の汚れを落とします。

汚れが付着したままでは均一な防水層にならず、すぐに劣化するため丁寧な洗浄作業が必要です。

下地調整(ひび割れ補修・ケレン作業)

サンドペーパーや、ケレン用のハンマーなどを使用し、ケレン作業を行います。

防水下地材を使用し、ひび割れ補修や調整をして防水材の密着度を高める重要な工程です。

プライマー塗布

通気緩衝シートとの密着性を高めるために、プライマーと呼ばれる下地を塗ります。

立ち上がり部分に均一に塗布することがポイントです。

プライマーを塗った後は、完全に乾くまで待ちます。

通気緩衝シート(自着シート)の敷設

次に、通気緩衝シートを敷きます。

継ぎ目の幅は1cm程度にして、ジョイントテープで隙間がないようにすることが大切です。

サイドの立ち上がり部分には通気緩衝シートが貼れないため、メッシュシートで補強します。

脱気筒の設置

通気緩衝シートに丸穴を開け、シートの下にこもった空気が抜けるように脱着筒を設置します。

50平方メートルに1カ所が目安です。

湿気を逃がすため、できるだけ水面より上に設置するのがポイントです。

ウレタン防水材塗布

立ち上がり部分から、ウレタン防水塗料を塗ります。

十分に乾燥させて、1回目と同じ要領でもう1度塗ります。

2度塗りすることで、厚く強固な防水層の完成です。

トップコート塗布

仕上げのトップコート(上塗り塗料)を塗ります。

紫外線から防水層を守り、経年劣化を極力抑える塗料です。

完成 

十分に乾燥させて、ウレタン防水工事が完了します。

工期は、仮設足場も含め7日間が目安です。

ウレタン防水工事が必要な症状

ウレタン防水工事を先延ばしにしていると、雨漏りや躯体の劣化など、建物全体に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

ここでは、ウレタン防水工事をすべきタイミング、注意したい劣化症状を紹介します。およぼ

表面の変色

表面の変色は最も軽い劣化現象ですが、放置していると防水層の劣化につながります。

最悪の場合は防水層を完全に作り直さなければなりません。

主な風化現象には、表面が粉状になる「チョーキング」、コケや藻の繁殖、表面の傷などがあります。

なお、これらの現象が発生しない場合でも、防水層の耐久性を維持するために、5年に1回程度にトップコートの塗り替えがおすすめです。

歩行が多い場所は、トップコートが徐々に剥がれてきます。

放置しておくと、塗膜自体が剥がれてしまうケースも珍しくありません。

また、塗膜が薄くなると本来の防水機能が失われるため、早めの塗り替えが必要です。

防水層の膨れ

防水層が劣化し、水が浸入した場合に膨れの現象が起こります。

膨張が直接雨漏りの原因になるわけではありません。

しかし、膨張と収縮を繰り返すことで耐久性が低下し、ひび割れや破損のリスクが高まります。

ひび割れ

直射日光が当たる場所では、防水層は温度による伸縮の影響を受けます。

耐久性が低下し、伸縮目地やコンクリート下地の下地処理が不十分だと、部分的に防水層が追従できません。

結果、ひび割れややがて破断の原因となります。

大きなひび割れや破断は雨漏りの直接の原因になるため、早急な対応が求められるでしょう。

雨漏り

すでに雨漏りが発生している場合は、速やかに修理を行いましょう。

雨漏りは建物内部にも影響を及ぼすため、放置しておくと建物全体の補修が必要になることも少なくありません。

なお、密着工法は湿気を含んだ基礎に施工すると、劣化の原因になることがあります。

経年劣化で雨漏りしやすい建物には、通気緩衝工法が適しているでしょう。

ウレタン防水通気緩衝工法の費用

ウレタン防水通気緩衝工法には、どの程度の費用がかかるのか、予算以内に収まるかなど、不安を覚える方もいるでしょう。

そこで、ウレタン防水通気緩衝工法の費用相場と、ほかの工法との比較を見ていきましょう。

通気緩衝工法の費用相場

通気緩衝工法の平均コストは、5,500~6,500円/㎡程度です。

なお、ウレタン防水工事は、塗布工事だけではなく、高圧洗浄費用や表面処理など、施工後の耐久性を左右する重要な作業も行います。

高圧洗浄費150~300円/㎡
下地処理・ケレン費200~500円/㎡
改修ドレン設置20,000~25,000円
脱気筒設置20,000~25,000円
廃材処分費20,000~30,000円
昇降階段費120,000円~

見積りを依頼した際は、相場と大幅に異なる金額ではないかを確認しましょう。

密着工法の費用と単価の差

密着工法は1㎡あたり4,000~5,500円程度であり、通気緩衝工法に比べると費用を抑えられます。

予算を加味して、どちらの工法が良いのかを検討しましょう。

通気緩衝工法は防水工事のまとめ

ウレタン防水の通気緩衝工法について解説してきました。

まとめると、

  • 通気緩衝工法は下地に左右されない
  • 長寿命で防水性が高い
  • 防水層の膨れを防げる
  • ほかの工法よりも費用が高い

ウレタン防水通気緩衝工法の特徴、メリットとデメリットを把握したうえで、工事を依頼しましょう。

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