2024.02.12
防水工事の保証期間は何年?修繕工事とは異なる?内容や対象条件を解説
雨漏りは、建物の劣化を早め、住人の健康や生活環境にも悪影響を及ぼす深刻な問題です。
大切な住まいを守るために、定期的な防水工事は欠かせません。
しかし、いざ防水工事を検討しようとしても、保証期間や内容の違いに悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、雨漏りの不安を解消するために、防水工事の保証期間と内容について徹底解説します。
防水工事の保証とは?
防水工事の保証とは、施工会社が工事の品質を一定期間保証することを指します。
万が一、保証期間内に雨漏りなどの不具合が発生した場合、施工会社が無料で修理を行うものです。
防水工事には、防水工事保証制度というものがあり、これは元請け会社、防水施工会社、防水材料メーカーの3社が連帯責任で防水工事の品質を保証する制度です。
保証期間内に雨漏り・漏水が発生した場合、施工や材料に問題があると判断されると、無料で再工事・修繕を受けることができます。
防水工事の保証期間
防水工事の保証期間は、一般的に5年~10年です。
保証期間は、工事内容、建物の状況、材料メーカー、施工会社によって異なります。
保証期間を左右する要素は、以下のようなものが挙げられます。
- 材料:高耐久な材料ほど保証期間が長い
- 施工方法:適切な施工方法ほど保証期間が長い
- 定期的なメンテナンス:定期的なメンテナンスで保証期間が延長される場合がある
防水工事の保証期間は様々な要素によって異なるため、自分に合った工事を選ぶために、保証期間だけでなく、保証内容や業者選びも重要です。
防水工事の保証条件と内容
防水工事の保証は、雨漏りの不安を解消し、安心して住まうために重要な役割を果たします。
保証条件・内容をしっかり理解し、自分に合った防水工事を選びましょう。
防水工事の保証条件
保証を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 建物や下地の状態に沿った工事を行うこと
- 材料メーカーの規定に則った工法・工程であること
- 材料メーカーで規定された材料を使用すること
- 保証書を発行する施工業者であること
防水工事は専門性の高い工事です。
保証内容について迷う場合は、専門家に相談することをおすすめします。
防水工事の保証内容
雨漏りなどの不安を解消してくれる防水工事。
しかし、いざ保証書を確認してみると、「工事一式」としか記載されていないなど、詳細が不足している場合も多く見られます。
詳細な記載がない保証書の問題点は、施主側が保証内容を把握できないため、後から保証対象外とされ、トラブルに発展する可能性があることです。
具体例として、トップコートの塗り替えを挙げます。
防水層を守るために重要な役割を果たすトップコートは、紫外線による劣化を防ぐために、4年に一度の塗り替えが必要です。
しかし、保証書に「トップコート」としか記載されていない場合、塗り替え費用が保証対象外となる可能性があります。
防水工事の保証は、雨漏りなどのトラブルから住まいを守るために重要な役割を果たします。
保証内容をしっかり理解し、詳細な記載がある保証書を発行する信頼できる業者を選びましょう。
防水工事が保証されないケース
雨漏りなどの不安を解消するために重要な防水工事ですが、万が一不具合が発生しても、必ずしも保証が適用されるとは限りません。
保証対象外のケースは、以下のようなものが挙げられます。
- 自然災害による損傷(台風・洪水・地震・火山の噴火など)
- 経年劣化による損傷
- 他の施工業者が行なった工事によるもの
- 施工範囲以外に不具合・雨漏りの原因があるもの
- 建物の構造・躯体部分の欠落で不具合・雨漏りが発生している場合
- メンテナンス(4〜5年に一度に行うトップコートの塗り替えなど)を怠っている場合
- 建物の用途変更など、不適切な使用によるもの
- 過失により防水層に損傷を与えた場合
上記で挙げた自然災害による損害は、火災保険や地震保険で補償される可能性があります。
ご自身の加入状況を確認してみましょう。
火災保険や地震保険の補償内容は各社によって異なるため、詳細については各保険会社にご確認ください。
また、自然災害による損害が補償されるかどうかは、損害の状況や原因によっても異なります。
防水工事の保証期間を伸ばす方法
防水工事の保証期間は、一般的に5年~10年です。
防水工事の保証期間を延ばすためには、以下のような方法があります。
自分に合った方法を選び、安心な防水工事をしましょう。
耐用年数が長い材料を使用する
防水工事の保証期間は、使用する材料によって15年~20年程度と長期間の保証を受けることも可能です。
防水工事に使用される材料には、それぞれメーカーが定めた耐用年数があります。
耐用年数とは、適切な施工・メンテナンスを行った場合に、その材料が機能を維持できる目安となる期間です。
一般的に、耐用年数の長い材料ほど、保証期間も長くなります。
これは、高耐久な材料を使用することで、防水層の劣化を抑制し、長期間にわたって防水性能を維持できるためです。
主要な防水材料の耐用年数を表にまとめたので、参考にしてください。
防水材料 | 耐用年数 |
ウレタン防水 | 8〜10年 |
シート防水 | 10〜15年 |
アスファルト防水 | 15〜25年 |
FRP防水 | 10〜12年 |
日本防水協会に加入している業者に依頼する
日本防水協会は、防水工事に関する技術指導や情報提供、資格認定などを行っている団体です。
協会に加入している業者は、厳しい審査基準を満たしており、高い技術力と信頼性を備えていると認められています。
日本防水協会では、独自の保証制度を設けており、協会に加入している業者が施工した防水工事は、協会が保証期間内に漏水が発生した場合に、無料で修繕を行います。
日本防水協会に加入している業者に依頼することで、高品質な防水工事を受けられるだけでなく、万が一のトラブルにも安心です。
独自の保証期間を持つ業者を選ぶ
一般的な防水工事の保証期間は5年~10年ですが、独自の保証制度を持つ業者であれば、15年~20年など、より長期間の保証を受けることができます。
長期間の保証を提供するということは、業者が自社の施工技術と防水材料に自信を持っている証です。
長期間の保証を受けることで、万が一漏水が発生した場合でも、自己負担で修繕を行う必要がなく、将来的な修繕費も抑えられます。
複数の業者を比較検討する際、独自の保証制度の内容は、業者を選ぶ際の重要な指標となるでしょう。
アフターフォローや定期点検がある業者を選ぶ
防水工事は、施工後のアフターフォローが非常に重要です。
万が一、漏水などのトラブルが発生した場合でも、迅速に対応してくれる業者を選ぶことで安心です。
定期的な点検を行うことで、防水層の劣化を早めに見つけ、早期に補修することができるため、長期的な防水性能の維持が可能になります。
防水工事は、施工後のアフターフォローと定期点検が非常に重要です。
複数の業者を比較検討する際、アフターフォローや定期点検の内容を確認しましょう。
防水工事を依頼する際の注意点
防水工事は、建物の劣化を防ぎ、雨漏りなどのトラブルを未然に防ぐために重要な工事です。
しかし、業者選びや契約内容などを誤ると、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。
ここでは、防水工事依頼時の注意点を以下にまとめました。
耐用年数が長い修理は長期保証がつきやすい
耐用年数が長い修理は、長期保証がつきやすいです。
長期保証をつけることで、業者が施工技術と材料に自信を持っていることを示せます。
また、顧客満足度や顧客のリピート率も向上するでしょう。
ただし、耐用年数が長い修理は長期保証がつきやすいですが、必ずしも安心できるわけではありません。
保証内容をよく確認し、悪徳業者に注意して業者を選ぶことが重要です。
保証書に工事内容がくわしく記載されているか
万が一、トラブルが発生した際に、保証を受けるためには工事内容が詳細に記載されていることが必要です。
曖昧な記載では、保証を受ける際にトラブルになる可能性があります。
確認するポイントは、以下のとおりです。
- 工事内容:どのような工事が行われたのか
- 使用材料:どのような材料が使用されたのか
- 保証期間:どの期間保証されるのか
- 保証内容:どのような内容が保証されるのか
- 免責事項:どのような場合保証が受けられないのか
以上のポイントを、見積書と照らし合わせて内容を確認することが重要です
口頭での説明のみではなく書面で確認し、不明点は遠慮なく質問しましょう。
保証書は、トラブル発生時に重要な役割を果たします。
工事内容が詳しく記載されているか、しっかりと確認しましょう。
保証だけではなくアフターサービスもチェック
保証期間内であっても、すべてのトラブルが保証対象になるわけではありません。
保証期間を過ぎた場合、修理費用は自己負担となるので、注意が必要です。
アフターサービスが充実している業者を選ぶことで、トラブル発生時に迅速かつ丁寧に対応してもらえます。
アフターサービスの内容は、以下のとおりです。
- 定期点検:定期的に点検を行い、問題があれば早期に発見・対応
- 修理対応:保証期間外であっても、迅速かつ丁寧に対応
- 相談窓口:トラブル発生時に相談できる窓口
業者選びは、アフターサービスの内容が充実しているか、担当者の対応が丁寧か、実績があるかというポイントが重要です。
防水工事保証のまとめ
ここまで、防水工事の保証期間・内容について解説してきました。
この記事の要点は、以下のとおりです。
- 防水工事の保証は、雨漏りなどの不安を解消し、安心して住まうために重要な役割
- 保証期間と内容をしっかり理解し、自分に合った防水工事を選ぶ
- 保証期間は、一般的に5年~10年
- 工事内容、建物の状況、材料メーカー、施工会社によって異なる
- 耐用年数が長い材料を使用すれば、15年~20年程度に延長可能
- 保証内容は工事内容が詳細に記載されていることを確認する
- 確認ポイントは、工事内容、使用材料、保証期間、保証内容、免責事項
- 保証期間を伸ばす方法は、耐用年数が長い材料を使用する、日本防水協会に加入している業者に依頼する、独自の保証期間を持つ業者を選ぶ、アフターフォローや定期点検がある業者を選ぶ
- 防水工事依頼時の注意点は、複数の業者から見積もりを取り、契約内容をしっかりい確認する
- 耐用年数が長い修理は長期保証がつきやすい
- 保証書はトラブル発生時に重要な役割
- 保証だけではなくアフターサービスもチェック
ポイントは、保証期間と内容をしっかり理解し、複数の業者から見積もりを取ることです。
業者選びは慎重に行い、契約内容はしっかり確認する、不明点は遠慮なく質問しましょう
防水工事は高額な工事なので、慎重に業者を選び、安心できる工事を依頼することが重要です。