2024.02.20
シート防水にトップコートが必要な理由は?塩ビシート防水を長持ちさせる方法も解説
建物を雨水の影響から守るためには、防水工事が欠かせません。
自宅の屋上やベランダ・バルコニーなどに、塩ビシート防水を施工している方も多いのではないでしょうか。
今回は、塩ビシート防水においてトップコートが必要な理由や、トップコートを長持ちさせるメンテナンス方法を紹介していきます。
塩ビシート防水を採用している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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塩ビシート防水にトップコートが必要な理由
そもそも塩ビシート防水とは、塩化ビニル樹脂に可塑剤を混ぜたものを使用して作った防水シートを使用して施工する防水工事のことです。
そしてトップコートとは、防水工事において形成した防水層を保護するために使用される、コーティングのようなものです。
防水層は、歩行などの物理的刺激を受けて劣化していくことはもちろん、紫外線の刺激でも劣化していってしまいます。
防水層が劣化すれば防水機能が低下し雨漏りにつながるため、トップコートを塗装することで防水層を保護することが重要です。
塩ビシート防水は、トップコートを施工していない状態でも10年ほどの耐久性があるといわれていますが、やはり紫外線の刺激を毎日受けると劣化が早まってしまいます。
屋上やベランダ・バルコニーなどは、とくに紫外線の刺激を長時間受けやすい場所です。
塩ビシート防水にトップコートを塗布しなければ、劣化が早まり耐用年数よりも前に補修が必要となってしまうリスクが高いでしょう。
このようなリスクを予防して防水層を長持ちさせるためにも、塩ビシート防水にはトップコートが必要です。
塩ビシート防水にトップコート塗装を行うメリット・デメリット
塩ビシート防水にトップコートが必要な理由を紹介しましたが、トップコート塗装を行う際にはメリットとデメリットがあります。
トップコート塗装を行う前に、メリットとデメリットの両方を確認しておきましょう。
塩ビシート防水にトップコート塗装を行うメリットには、以下のようなものがあります。
- 自然環境などの外的要因から防水層を保護できる
- 防水層の劣化の進行を遅らせて長持ちさせられる
- 補修やリフォームまでのスパンを伸ばせる
- 塩ビシートに汚れがつきにくくなる
トップコート最大のメリットは、防水層を保護して劣化を遅らせることができるので、防水層を長持ちさせられることにあります。
防水層が長持ちすれば、補修やリフォームまでのスパンを伸ばすことができるので、結果的に防水工事にかかる費用を節約できることにもつながります。
また、塩ビシート防水は汚れがつきやすいことが弱点です。
トップコートを塗装することで塩ビシートに汚れがつきにくくなるため、弱点をカバーして塩ビシートの機能性を上げる効果があります。
メリットが多い一方で、以下のようなデメリットがあることも確認しておきましょう。
- 5年に一度を目安にトップコートの塗り替えが必要
- 塩ビシートを重ね張りする補修が難しくなってしまう
塩ビシート防水だけではなく、防水層の上に塗装するトップコートは、5年に一度を目安とした塗り替え工事が必要です。
トップコートの効果を維持して防水層を保護するためにも、定期的なトップコートの塗り替え工事が必要となってしまいます。
そしてしっかりと確認しておきたいデメリットが、「トップコート塗装を行うと、塩ビシートを重ね張りする補修が難しくなる」ということです。
塩ビシートの重ね張りを行う際は、塩ビ同士を溶かすことで接着します。
トップコート塗装を行うと、塩ビ同士を溶かして接着することができなくなってしまうため、重ね張りによる補修自体が難しくなってしまうのです。
ただし、シートのジョイント部以外では、劣化部分の下にシートを差し込むことで補修が行えます。
このように、劣化箇所には重ね張り以外の補修方法を検討することになりますが、シートのジョイント部分の劣化の場合は補修工事自体が難しくなってしまうケースもあります。
塩ビシート防水にはトップコートを施工することが理想的ですが、このようなデメリットも考慮した上で、トップコートの施工を判断してみてくださいね。
塩ビシートに適したトップコートの種類
さまざまな防水工事で用いられるトップコートですが、実はトップコートの中にも種類があります。
塩ビシートにトップコートを施工する場合には、塩ビシートに適した種類のトップコートを選ぶことが重要です。
ここでは、塩ビシートに適した2種類のトップコートについて、特徴などを詳しく紹介していきます。
トップコートの種類1.HP塩ビ用シリコントップP
「HP塩ビ用シリコントップP」は、「塩ビ防水シート用・水性1液反応硬化形アクリルシリコン樹脂系塗料」というトップコートの一種です。
この種類名も併せて知っておくと、類似物を検索する際などに役立ちます。
HP塩ビ用シリコントップPは、アクリルシリコン樹脂系の水性塗料です。
耐候性・耐水性に優れていることが特徴で、防水材の伸縮にも対応して防水層を保護してくれます。
一般的な塗料を塩ビシートに塗布すると、塩ビに含まれる可逆剤の影響を受けてベタ付きが発生し、汚れや付着しやすい状態になってしまいます。
HP塩ビ用シリコントップPは塩ビシート防水専用の設計で、このベタ付きを抑えることが可能です。
HP塩ビ用シリコントップPの塗装は、刷毛やローラーなどを使用して2回行います。
1回目と2回目の塗装は、気温23度の場合で3時間以上の間隔が必要です。
1回目に塗装したトップコートが十分に乾いているのを確認してから、2回目の塗装を行います。
トップコートの種類2.クールトップセラ塩ビ用Si
「クールトップセラ塩ビ用Si」は、「屋上防水層保護用・水性1液反応硬化形アクリルシリコン樹脂系遮熱塗料」というトップコートの一種です。
クールトップセラ塩ビ用Siは、アクリルシリコン樹脂系で、塩ビシート専用の屋上防水層専用・水性遮熱塗料です。
HP塩ビ用シリコントップPと同様に、耐候性に優れていること、塩ビに含まれる可逆剤の影響を抑えられることが特徴で、塩ビシート防水に直接塗装することができます。
また、クールトップセラ塩ビ用Siには、高反射性顔料とセラミックバルーンという材料が含まれていることが特徴です。
太陽光の近赤外波長域を反射する機能により、遮熱機能を持っています。
HP塩ビ用シリコントップPを塗布することで、太陽光によって発生する熱の影響で起こる塩ビシートの劣化を遅らせることができます。
クールトップセラ塩ビ用Siの施工方法は、基本的にHP塩ビ用シリコントップPと同様です。
ただし、下地の劣化が激しい場合には、アスファルトシーラーまたは水性アスファルトシーラーを使用した下塗りが必要となることもあります。
防水のトップコートを長持ちさせる方法
トップコートは、徐々に経年劣化していってしまうものです。
トップコートが劣化すると、防水層を保護する機能が低下してしまうので、できるだけトップコートも長持ちさせたいですよね。
ここでは、トップコートを長持ちさせるために有効なメンテナンス方法を紹介します。
ぜひ実践して、トップコートを長持ちさせましょう。
トップコートを5年に1回の頻度で塗り替える
トップコートは、一度塗装した後に長期間放置してしまうと、徐々に劣化症状が現れてきます。
トップコートの機能を十分に維持するためには、どうしても定期的な塗り替え工事が必要です。
トップコートの塗り替え工事は、5年に1回の頻度で行うことが推奨されています。
防水層を保護して雨漏りを予防するためにも、トップコートの定期的な塗り替えを行いましょう。
トップコートを定期的に塗り替えることが、建物を雨漏りから守り、建物全体の寿命を伸ばすことにもつながります。
定期的にトップコートの塗り替えを行うことで、大規模な防水工事の頻度を減らすことができるので、長期的にみると建物のメンテナンス費用を節約することができるでしょう。
排水溝周りを掃除する
屋上やベランダ・バルコニーの場合、雨水は排水溝を通って排水されます。
排水溝周りが汚かったり排水溝が詰まっていたりすると、重要な排水機能が低下してしまいます。
排水機能が低下していれば、雨水が排水されずに溜まっていってしまうでしょう。
防水層の上に水溜りができると、防水層の劣化を早めたり、継ぎ目や劣化部分から雨水が侵入して雨漏りが発生したりと、さまざまなトラブルの原因となります。
このように、排水溝の詰まりは防水層の劣化にも直結する問題なので、普段から掃除をして詰まりを予防することが有効です。
屋上やベランダ・バルコニーは、砂ほこりや落ち葉などが飛んでくることも多く、気づかずに放置していると排水溝が詰まってしまいます。
排水溝周りは定期的に掃除して、防水層やトップコートを長持ちさせましょう。
防水工事における工事単価・費用について
防水工事はマンションや建物の屋上やベランダ、外壁などにおいて水の侵入を防ぐために行う重要な工事です。適切な防水工事を行うことで、建物の耐久性を保ち、漏水や劣化を防ぐことができます。以下では、防水工事における工事単価と費用について詳しく解説します。
防水工事の種類と特徴|工事ごとの単価や費用の目安
防水工事にはいくつかの種類があり、それぞれの特徴や費用が異なります。以下に主な防水工事の種類と工事ごとの単価や費用の目安を紹介します。
防水工事の種類 | 特徴 | 費用の目安(㎡あたり) |
---|---|---|
シート防水 | ゴムシートや塩ビシートを使用して防水層を形成する方法。耐久性が高く、施工が比較的容易。 | 4,000円〜8,000円 |
ウレタン防水 | 液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する方法。柔軟性があり、複雑な形状にも対応可能。 | 5,000円〜8,000円 |
FRP防水 | ガラス繊維強化プラスチック(FRP)を使用する方法。耐久性と防水性が非常に高い。 | 5,000円〜10,000円 |
アスファルト防水 | 熱アスファルトや改質アスファルトシートを使用する方法。耐久性があり、大規模建物に適している。 | 4,000円〜8,000円 |
防水工事における注意点
防水工事を行う際には、以下の点に注意する必要があります。
項目 | 説明 |
---|---|
施工業者の選定 | 信頼できる施工業者を選定することが重要です。相見積もりでの費用の確認、業者の実績や口コミを確認しましょう。 |
材料の選定 | 建物の状況や用途に応じて適切な防水材料を選定することが重要です。 |
定期点検とメンテナンス | 防水工事後も定期的に点検を行い、必要に応じてメンテナンスを行うことで、防水効果を長持ちさせることができます。 |
特に防水工事業者を選ぶ際にはしっかり見極めて、選ぶようにしましょう。
防水工事の費用を抑える方法
防水工事の費用を抑えるためには、以下の方法が考えられます。
方法 | 説明 |
---|---|
複数業者からの見積もり取得 | 複数の業者から見積もりを取り、内容や価格を比較検討します。 |
事前の点検と小規模修繕 | 定期的な点検と小規模な修繕を行うことで、大規模な防水工事の頻度を減らし、費用を抑えることができます。 |
長期的な計画 | 長期的な視点で防水工事の計画を立て、必要な時期に適切な修繕を行うことが重要です。 |
以上が、防水工事における工事単価と費用についての解説です。防水工事を計画する際には、これらのポイントを参考にし、適切な工法と材料を選定することで、雨漏りや漏水を防ぎ効果的な防水対策を行うことができます。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
シートとトップコートの防水についてまとめ
トップコートの塗布は、防水層を保護して長持ちさせるためにも必要です。
- 塩ビシート防水においても、防水層を保護するトップコートは塗布することが理想
- トップコートは、5年に一度を目安に塗り替え工事が必要
- 塩ビシートに適した種類のトップコートを選んで塗布することが重要
塩ビシートに適した種類のトップコートを塗布すれば、防水層の寿命を伸ばしたり汚れが付きにくくなったりとメリットが多いです。
トップコートのメンテナンスをしっかり行うことで、防水工事の頻度を減らすことができ、長期的にみた場合の費用節約にもつながります。
建物を雨漏りから守るためにも、ぜひ今回の記事を参考にしてトップコート塗装を検討してみてください。