2024.02.21
ルーフィングシート(防水シート)を解説|種類は?屋根における役割とは?
屋根の工事に欠かせないのが、防水シートとなるルーフィングシートです。
屋根の仕上材の下地に必ず使う材料として有名ではありますが、どの様な役目をしているのかの詳細を知らない方も多いと思います。
ルーフィングシートとはどのようなものなのか、種類や屋根上での役割など把握してほしい様々なポイントをご紹介します。
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ルーフィングシートとは?防水シートの効果とは
ルーフィングシートとは、瓦や板金などの屋根の仕上材の下地に使う材料です。
別名、「防水紙」や「防水シート」とも呼ばれています。
防水性効果が高いシート状の材料であり、ルーフィングシートにより屋根からの雨漏りを防止しています。
そのため、屋根からの雨漏りを防止するためには、ルーフィングシートの存在が重要となります。
ルーフィングは、瓦やトタンなどの屋根仕上げ材の下に隠れている材料なので、普段は目につきません。
屋根仕上げ材に不具合が発生し、雨などの外的刺激がルーフィングシートにかかってしまった場合、雨漏りへと発展してしまいます。
ルーフィングシートというのは、常に万全な状態でい続けないといけない、大事な材料です。
ルーフィングシートの種類
ルーフィングシートには様々な種類があり、性能や原材料の違いがあります。
代表的なルーフィングシートは7つあり、以下ではそれぞれの特徴などを紹介します。
- アスファルトルーフィングシート
- 改質アスファルトルーフィング
- 透湿防水ルーフィング
- 高分子系ルーフィング
- 粘着層付きルーフィング
- 不織布ルーフィング
アスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングというのは、厚みがある段ボールにアスファルトを浸み込ませたルーフィングシートです。
ルーフィングシートの中で1番需要があり、代表的なのは「アスファルトルーフィング940」です。
このアスファルトルーフィングは、住宅の屋根の大半に使われています。
アスファルトルーフィングのメリットやデメリットを、以下にご紹介します。
- 水を止める効果が高い
- 普及率が高い
- 費用が安価
- 耐用年数が10年程度と短い
- 頻繁なメンテナンスが必要
- 破れやすいので雨漏りが発生しやすい
改質アスファルトルーフィング
改質アスファルトルーフィングは、上記でご紹介したアスファルトルーフィングと同じ材料で作られているルーフィングシートです。
アスファルトルーフィングとの明らかな違いは、耐久性の高さです。
アスファルトルーフィングと比較すると、2倍もの耐用年数の長さを発揮します。
アスファルトルーフィングの耐用年数が約10年であり、改質アスファルトルーフィングの耐用年数は約20年です。
改質アスファルトルーフィングのメリットやデメリットを、以下にご紹介します。
- 耐用年数が長い
- 止水性の高さにより雨漏りしにくい
- 防水性がより高い片面延着性のものがある
- 費用が高価
- 湿気を逃しにくいので室内に湿気が溜まり安くなる
- 湿気を放出しにくいことで凍ってしまう場合がある
透湿防水ルーフィング
透湿防水ルーフィングとは、室内の湿気を逃しやすい仕様で作られたルーフィングシートです。
余分な室内の湿気を逃しやすい状態とすることができるので、室内に湿気が溜まりにくくなることにより、家の傷みの進み具合を遅くすることができます。
「タイベックルーフライナー」は、透湿防水ルーフィングの代表として有名な材料です。
透湿防水ルーフィングのメリットやデメリットを、以下にご紹介します。
- 高い防水性
- 透湿性の高さにより余分な湿気を室内に発生させない
- 耐用年数が50年以上と長い
- 費用が高価
- 施工に手間がかかる
- 施工に時間がかかる
高分子系ルーフィング
高分子系ルーフィングは塩化ビニルを主原料としており、アスファルトを一切含んでいないルーフィングシートです。
アスファルトを一切使っていないことにより、素材が軽いので屋根を含む建物に大きな負担を賭けません。
軽いことにより耐震性にも優れており、近年地震が多くなった日本で注目されるようになりました。
代表的な材料は、ケイミューの「遮熱ノアガード」があります。
高分子系ルーフィングのメリットやデメリットを、以下にご紹介します。
- 耐久性が高い
- 伸縮性に富んでいるのでヒビ割れしにくい
- 安価な費用で施工可能
- 下地の状態により使用できない場合がある
- 紫外線の影響を受けてしまうと劣化が進みやすい
- 耐用年数約15年であり一般的な長さまたは短め
粘着層付きルーフィング
粘着層付きルーフィングとは、貼り付けをする面に粘着剤が付着しており、シールのように貼ることができるルーフィングシートです。
ルーフィングシートの通常の止め方であるタッカー止めは行わないので、余計な穴を開けないことにより防水性などの様々な機能性を発揮することができます。
代表的な材料は、田島ルーフィングの「タディスセルフ」があります。
粘着層付きルーフィングのメリットやデメリットを、以下にご紹介します。
- 密着性が高いので防水力に富んでいる
- 粘着貼り付けなので雨漏りしにくい
- 耐用年数が50年と長め
- 特殊なルーフィングシート仕様のため高価
- 通気を逃しにくいので室内に湿気が溜まりやすくなる
- 他のルーフィングとシート施工方法が異なるので職人さんにより仕上がり方が異なる
不織布ルーフィング
不織布ルーフィングというのは、名称通り不織布をメインとして作られたルーフィングシートです。
ルーフィングシートというのは紙をベースに作られたものが殆どですが、使われている材料が全て布なので高級感があります。
破れにくく劣化しにくいということで、近年人気のルーフィングシートです。
不織布ルーフィングのメリットやデメリットを、以下にご紹介します。
- 耐久性が高く破れにくい
- 布製なので柔軟性があり様々な屋根の形に合わせやすい
- 耐用年数が30年と長め
- 布製なので高価
- 布製なので紙のルーフィングよりも重さがあるので、耐震性を低くさせる
- 施工経験がある職人さんが少なく職人さんにより仕上がりにムラが出てしまう
ルーフィングシートの費用相場
ルーフィングシートの費用相場は、1㎡あたり900円〜1,200円程度です。
また、屋根の工事を行う際は足場が必要になることがあります。
足場の設置費用は1㎡あたり700円〜1,200円程度です。
これらに加え、
- 既存の屋根材やルーフィングシートなどの撤去費用・処分費用
- 補修費用
- 新品の屋根材への張替え費用
などが発生します。
100㎡の屋根のルーフィングシートの費用相場は、約1,500,000円〜2,000,000円になります。
屋根の面積や選ぶルーフィングシートや屋根材の種類、屋根の劣化状態により、費用には差が発生します。
ルーフィングシートの選び方
ルーフィングシートの選び方は、難しくはありません。
実にシンプルであり、簡単なポイントさえ掴んでおけば理想のルーフィング選びができます。
ルーフィングシートの選び方を、以下にご紹介します。
屋根材よりも寿命が長いものを選ぶ
ルーフィングシートを張り替える際は、必ず屋根材の撤去作業を行います。
寿命が短いルーフィングシートを選んだ場合、ルーフィングシートの貼り替えのために、まだ使い続けることができる屋根材を撤去しなければならず、余計な撤去費と屋根材代がかかってしまいます。
そのため、ルーフィングシートは屋根材よりも寿命が長い物を選ぶとよいでしょう
コストパフォーマンスに優れたものを選ぶ
ルーフィングシートを選ぶ際、1㎡あたりのの単価が安い物を選んでしまいがちです。
しかし、1㎡あたりの単価が安いルーフィングシートの場合のほとんどは、耐用年数が短いです。
耐用年数が高いルーフィングシートの方が張替え回数が少なくなるので、結果的にコストパフォーマンスが優れた屋根リフォームになります。
どうしても1回ごとのリフォームの費用を安くしないと思いがちですが、長い目で見てどのルーフィングシートを使うとコストパフォーマンスが良くなるのかを調べて選びましょう。
迷う際は、業者に相談してみましょう。
屋根材とルーフィングシートの相性を考慮して選ぶ
ルーフィングシートは様々な種類がありますが、どのルーフィングシートを、どの屋根材に使っても良いというわけではありません。
屋根材によって、相性が良いルーフィングシートというものがあります。
屋根材との相性を考えてルーフィングシートを選ぶようにしましょう。
ルーフィングシートの施工方法
ルーフィングの施工方法を、以下にご紹介します。
ルーフィングシートを貼る
ルーフィングシートを、軒先から棟先に向かって貼っていきます。
屋根の棟や谷部分のような雨水がたまりやすい部分には、ルーフィングを重ね貼りします。
タッカーで固定
ルーフィングシートを、タッカーを使って貼っていきます。
タッカーの留め付け間隔は、300ミリ程度です。
タッカーとは、ホッチキスをまっすぐにしたような道具です。
野地板に対して90度直角に釘を打ち込みます。
ルーフィングシートの交換工事をする際の注意点
ルーフィングシートの交換をする際には、様々な注意点に目を向けなくてはいけません。
どのような部分に目を向けるべきなのか、以下にご紹介します。
業者指定のルーフィングシートは耐用年数を確認する
業者が指定したルーフィングシートの、耐用年数を調べましょう。
その上で納得ができない耐用年数の場合、業者に相談をして他のルーフィングシートに変えてもらうなど対応をしてもらいましょう。
業者がルーフィングシートを含む屋根工事の見積書を作成する際、ほとんどの業者の場合、ルーフィングシートは普及品の安価なアスファルトーフォングで見積りしてきます。
アスファルトルーフィングは、ある程度の機能しか備えておりません。
そのため、普及品であるアスファルトルーフィングから機能性を多く備えているルーフィングシートにグレードアップした場合、費用は高くなってしまいます。
その分アスファルトルーフィングに無い機能性や寿命の長さを得ることができるので、費用対効果は得ることはできます。
ルーフィングシート選びの際は、よく考えて決めましょう。
相見積もりで業者を決める
屋根工事では、相見積もりを取ることは必要な行為です。
その理由は、1社から見積もりを取っても正確なのか否かがわかりにくいからです。
相見積もりにて複数社から見積書を作ってもらうことにより、正確な費用を把握することができます。
相見積もりを取る際に大事なのは、多くの業者にお願いしすぎない事です。
最低3社に依頼するようにするようにしましょう。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
ルーフィングシートでの防水についてまとめ
ルーフィングシートについて、解説してきました。
まとめると、
- ルーフィングシートは雨漏りを防ぐ重要な材料
- 様々な種類があるので屋根のリフォームの際には理想のルーフィングシートを使うべき
- ルーフィングと屋根の相性を踏まえて選ぶ
- 1回のルーフィングシート工事費用の安さよりもコストパフォーマンスを重要視すべき
- 業者がルーフィングシートを指定してきた場合、自分の理想の物なのか確かめる
- 相見積もりを3社ほど取り理想の業者に工事を依頼する
こちらの記事を読んでいただき、現在ルーフィングシートを含めた屋根の工事を検討している方の参考になれば幸いです。
長く大切に住み続けるためにも、定期的な屋根工事により雨などの外的刺激から建物を守りましょう。