ウレタン防水が劣化する原因は?補修方法・費用・メンテナンスを解説 | 株式会社新東亜工業  

    コラム    

ウレタン防水が劣化する原因は?補修方法・費用・メンテナンスを解説

防水にはいくつかの工法がありますが、なかでもウレタン防水は多くの建物で採用されています。

ウレタン防水は戸建てやマンション、施設などで使用されており、生活にも身近なものです。

ウレタン防水について知っておくと、今後防水工事を行う際にも役立つでしょう。

そこで今回は、ウレタン防水が劣化する原因や最適な補修方法を紹介します。

ウレタン防水とは?

ウレタン防水とは、液状のウレタン樹脂を塗り、化学反応によって硬化させることで防水機能がある膜を作る工事です。

液状のウレタン樹脂を塗布する工法のため、施工部は継ぎ目のないきれいな仕上がりになります。

また、他の防水工法に比べて施工費が安く、複雑な部分にも施工でき、劣化した際も重ね塗り補修が可能など、さまざまなメリットがあります。

そのため、ウレタン防水は日本の防水工事の約4割を占める定番の工事となっています。

ただし、施工時に職人がウレタン樹脂を塗布するため、職人の技術によって仕上がりに差が出る可能性がある点には注意が必要です。

経験の浅い職人に依頼すると、施工直後からトラブルが発生することもあります。

ウレタン防水には施工不良リスクが伴うため、依頼する際は信頼できる業者を選ぶことが大切です。

ウレタン防水が劣化した際の症状

ウレタン防水は経年劣化するため、状態を見極めて補修をしなければなりません。

ここでは、ウレタン防水が劣化した際に起こる主な症状を紹介します。

チョーキング現象

チョーキングとは、防水材が経年劣化により粉状になる現象で、ウレタン防水材の防水性能が低下している証拠です。

チョーキングが発生した場合、長期間放置すると防水層が崩壊する恐れがあるため、すぐに補修をしなければなりません。

また、防水材が粉状になると塗膜の光沢が失われ、ひび割れや剥離を起こすことがあります。

ひび割れ

防水層のひび割れは、建物の防水性を低下させる劣化症状です。

ひび割れは、主に防水層の上に塗られたトップコートから始まり、地下水や雨水が建物内部に浸水する恐れがあります。

また、凍結や融解でひび割れが拡大することもあるため、ひび割れが見られる場合はすぐに補修をしましょう。

剥がれ

ウレタン防水は屋外で塗装されることが多いため、紫外線や雨、風などの影響で劣化します。

防水層の剥離とは、防水膜が下地または前の防水層から浮いている状態を指します。

防水層が剥がれている場合は、防水膜にひび割れや剥がれが生じている可能性が高いです。

膨れや浮き

防水層の浮きや膨れは、防水層と既存の下地の間に水が入り込んで起こることが多い劣化症状です。

防水層の膨れは、ウレタン防水などの密着施工で起こります。

防水層内部の水分によるもので、目視で確認が可能です。

膨れた部分を触ってみると、内部に水が溜まっているでしょう。

膨れや浮きが見られても防水効果を発揮しますが、表面がふやけている場合は早急に補修が必要です。

破断や亀裂

防水層が破れる原因は、防水層の中に雨水が入り込むためです。

雨水が侵入すると、熱で気化してシートや塗膜が膨張し、膨張した部分が破れることがあります。

剥がれた部分から雨水が侵入し、下地に亀裂が入り防水層が破れる現象は、作業目地など動きのある部分で発生することが多いです。

ウレタン防水が劣化した際の補修方法

 ウレタン防水では起こる劣化の種類ごとに、適切な補修方法が異なります。

ウレタン防水の劣化症状補修方法
チョーキング現象トップコート塗装
ひび割れ小さなひび割れ:劣化箇所を埋めてトップコート塗装
大きなひび割れ:防水層の再施工
剥がれ膨れ・浮き断裂・亀裂防水層の再施工

それぞれどのような補修方法なのか、特徴も合わせて紹介します。

トップコートの塗装

ウレタン防水の表面には、トップコートと呼ばれる防水層を保護する層があります。

トップコートは防水層の上に塗られ、紫外線や摩耗による劣化から防水層を保護しているものです。

ウレタン防水が劣化した場合、軽微な劣化であればトップコートを塗り替えることで補修ができます。

防水層を施工するのではなく、表面のみを塗装するため、防水工事よりも費用を抑えられることが特徴です。

防水層の再施工

防水層にひび割れがあると、雨水から建物を守ることができず建物内に水が浸入し続け、深刻な事態を招きます。

水が侵入している状態を放置すると、建物の寿命を著しく縮めるため早急に対処をしましょう。

また、地震や経年劣化によるひび割れや亀裂が防水層まで達している場合も注意が必要です。

放置すると亀裂から雨水が浸入し、下地を腐食させる恐れがあるため、防水層を作り直す必要があります。

ウレタン防水で防水層を作り直したい場合は、通気緩衝工法で施工するがおすすめです。

ウレタン防水の通気緩衝工法とは、通気緩衝シートと呼ばれる特殊なシートを下地に接着し、脱気筒と呼ばれる装置を取り付けてウレタン樹脂を塗布する工法です。

防水層の浮きが起こりにくいのが特徴です。

ウレタン防水の劣化を防ぐ方法

ウレタン防水が劣化すると、補修工事を行わなければなりません。

しかし、劣化を防ぐことも可能です。補修費用を抑え、建物の寿命を延ばすためのポイントを紹介します。

劣化は早めに補修する

劣化症状のなかでも、防水層の膨れや浮きは下地が水分を含むことで現れます。

そのため、雨が漏れており、土台も腐食している可能性が高いです。

補修を行わないと、防水層のひび割れから水が浸入する恐れがあります。

また、ウレタン防水の耐用年数は、約8~12年です。

早めに補修をすることで、雨漏りを防ぐことができます。

近くで見ると状態が悪くなっていることが多いため、劣化の兆候を感じたら早めに専門業者に連絡して状態を確認してもらいましょう。

適度にメンテナンスをする

定期的なメンテナンスで、ウレタン防水の大がかりな工事をする前に、簡単な補修で対処ができます。

建物の状態に応じて適切な間隔で点検・補修を行うことが大切です。

優良業者に依頼をする

ウレタン防水の耐久性は施工業者の技術力に左右されるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

ウレタン防水は適切な厚さに施工すること、均一に塗ることで、長期間の耐久性を確保できます。

適切な厚みを出すためには、職人の技術が必要です。

施工実績や口コミ、技術力を確認し、信頼できる業者を選びましょう。

ウレタン防水が劣化した際の対処法まとめ

今回は、ウレタン防水の劣化症状、補修方法、対策について説明してきました。

まとめると、

  • 耐久性や施工のしやすさから広く普及している
  • 経年劣化が進むと漏水のトラブルが発生しやすい
  • トップコートの塗り替え、防水層の塗り替えで補修できる

ウレタン防水で長期耐久性を確保するためには、高品質な施工、定期的なメンテナンスなどに留意することが重要です。

ウレタン防水の性能を長持ちさせるために、適切な対策を行いましょう。

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