コラム    

ウレタン塗膜防水とは?メリット・デメリット・工法の種類を徹底解説

以前はバルコニーやバルコニーに使用されることが多かった方法が、近年は陸屋根に使用されることが増えています。

しかし、「ウレタン塗膜とは何なのか」、「費用はどのくらいかかるのか」といった疑問を持っている方も多のではないでしょうか。

そこで今回は、ウレタン塗膜防水について、特徴や工法、他の工事との違いなどを詳しく解説します。

ウレタン塗膜には様々なメリットがあるため、特徴を知り、大規模修繕を成功させましょう。

ウレタン塗膜防水とは

ウレタン塗膜防水とは、ウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を作る防水工事の一種です。

日本の防水工法の半分を占めている「主流の防水工事」として定着しています。

また、できあがった防水層を保護するために、仕上げとして表面にトップコートを塗ります。

なお、ウレタン樹脂は液状のため、複雑な形状の場所でも施工が可能です。

ウレタン塗膜防水の工法

ウレタン塗膜防水には、通気緩衝工法、密着工法の2つがあります。

それぞれの特徴、施工手順を解説します。

通気緩衝工法

通気緩衝工法は、下地に通気緩衝シート(自着シート)という材料を貼り、上からウレタンを塗布する工法です。

絶縁工法とも呼ばれています。

密着工法よりコストはかかりますが、下地とウレタンの間にシートを挟むことで、水蒸気による膨れを防ぐことができます。

施工手順

通気緩衝工法の手順は次のとおりです。

  1. 下地をきれいにする
  2. 下地材の塗布
  3. 通気緩衝シートを全面に敷く
  4. 端とジョイントにテープを貼る
  5. 必要な部分にコーキングを打つ
  6. 脱気弁と脱気筒の設置
  7. シートを押さえる
  8. 1回目のウレタン防水
  9. トップコートを塗装して完成

通気緩衝工法の特徴は、施工予定地で同じ工法が使われていた場合、既存の古いシートを再利用することが多いことです。

状況によっては、古いシートを剥がさず、上から防水工事を行うこともあります。

密着工法

密着工法は、下地に防水ウレタン樹脂材を直接塗布し、上にメッシュ補強布を貼り付けます。

ウレタン樹脂材が一定の厚みになるまで何度も塗り重ね、仕上げのトップコートを塗る工法です。

短時間で施工が完了するため、工事費を抑えることができます。

一方、夏場などの暑い季節に塗膜となるウレタン樹脂が熱を持つ点に注意が必要です。

施工する下地に水分が含まれていると、防水層が水分で膨れることがあります。

施工手順

密着工法の施工手順は次のとおりです。

  1. 下地調整
  2. プライマー塗布
  3. 1層目のウレタン塗装
  4. 2層目のウレタン塗装
  5. トップコートを塗る

最後に、紫外線からポリウレタンを守るためのトップコート(保護・耐摩耗塗料)を塗布します。

ウレタン塗膜防水のメリット・デメリット

ウレタン塗膜防水以外にもいくつかの防水工事があるため、適した防水工事を選ぶためにも、メリットとデメリットを知っておくことが大切です。

ここでは、ウレタン塗膜防水のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。

ウレタン塗膜防水のメリット

ウレタン塗膜防水のメリットは、工事費が安いことです。

ウレタン塗膜防水は防水工事のなかで最も一般的な工法といわれています。

ウレタン樹脂材料の材料費の安さも影響しますが、施工できる職人が多いため、工事費が安く抑えられます。

また、施工のしやすさ、取り回しのしやすさも特徴のひとつです。

特に密着工法の場合、狭い範囲の防水工事にも柔軟に対応できます。

さらに、ウレタン塗膜防水の場合、トップコートの段階である程度好みの色を選ぶことが可能です。

要望に応じて仕上がり色を変更できるのは、デザインを重視する方にとってメリットだといえるでしょう。

ウレタン塗膜防水のデメリット

ウレタン塗膜防水のデメリットは、ウレタン樹脂材を手作業で塗布するため、シート防水と比べると職人の技量によって仕上がりに差が出ることです。

例えば、同じ防水工事をした建物でも、ウレタン樹脂塗膜が厚い部分と薄い部分があるなどです。

特に、立ち上がりの部分に職人の技術力の差が出ます。

ウレタン塗膜防水と他の防水工事の違い

ウレタン塗膜防水と他の防水工事では、どのような点に違いがあるのでしょうか。

防水工事を比較するためのポイントを4つに分けて紹介します。

施工可能箇所

ウレタン塗膜防水は、比較的面積が小さいところほど効果が大きいといえます。

具体的には、施工範囲50~100㎡であればウレタン塗膜防水がおすすめです。

なお、シート防水は大きなシートで防水層を形成するため、ビルの屋上など広い面積を効率よく施工できます。

一方、ウレタン塗膜防水は手作業での塗装が必要なため、広い範囲の施工は効率が悪いのです。

100~300㎡程度の広い屋上であれば、シート防水をおすすめします。

ただし、シート防水だとシートとシートの間に継ぎ目ができてしまいます。

広範囲の施工かつ継ぎ目のない仕上がりにしたい場合は、ウレタン塗膜防水を視野に入れ、専門業者に相談しましょう。

施工費用

ウレタン塗膜防水は、シート防水やFRP防水に比べて安価というメリットがあります。

防水工事ごとの施工費用の相場は次のとおりです。

防水工事の種類施工費用
ウレタン防水3,000~8,000円/㎡
FRP防水4,000~8,000円/㎡
シート防水(塩ビ)3,500~7,500円/㎡
シート防水(ゴム)2,500~7,000円/㎡

ウレタン塗膜防水はシート防水に比べて耐用年数が短いですが、塗膜防水なら寿命が来ても塗り直すだけで補修が可能です。

シート防水と異なり廃材が出ないため、長い目で見ればメンテナンス費用も安く済みます。

耐久性

住宅の外壁や屋根に使われる材料は、重くなればなるほど応力がかかり、耐震性が低下します。

防水工事ごとの耐用年数の目安は次のとおりです。

防水工事の種類耐用年数
ウレタン防水10~12年
FRP防水10~12年
シート防水(塩ビ)10~15年
シート防水(ゴム)10~15年

ウレタン防水やFRP防水は軽量で、耐震性が高いことが特徴です。

ただし、マンションやビルなど屋上が広い場合は、メンテナンスコストを考えるとアスファルト防水の方が良いかもしれません。

施工内容

ウレタン塗膜防水を均一かつスムーズに施工するためには、熟練した技術と防水工事の知識が必要です。

そのため、職人によって仕上がりに差が生じやすいというデメリットがあります。

一方、シート防水は既製品のシートをつないで施工するため、技術力に大きな差はありません。

また、防水工事に使われるウレタン塗料は、FRP防水よりも硬化が遅いという特徴があります。

FRP防水は1日程度で施工できますが、ウレタン塗膜防水は通常4~5日かかります。

加えて、硬化中に雨が降れば乾燥までの時間を要し、スケジュール調整が必要になるでしょう。

ウレタン防水を検討する場合は、必ず施工業者の実績を確認し、天候で予定が変わることも理解しておく必要があります。

ウレタン塗膜防水のタイミング

防水層の劣化症状が現れた際は、防水工事を検討しましょう。

ウレタン塗膜防水のタイミングを見極めるための劣化症状と、それぞれの問題点を紹介します。

塗膜の膨れ

密着工法の場合、下地コンクリート中の水分が排出されずに防水層の下に溜まり、蒸発して塗膜が部分的に膨れることがあります。

水が溜まりやすい場所は常に湿度が高く、水を含んだ防水塗膜が膨れたり、波打ったりします。

また、防水層が劣化して水が浸入した場合も同様の現象が起こるでしょう。

放置しておくと加水分解してしまい、防水性が保てなくなります。

膨張が直接雨漏りの原因になるわけではないものの、膨張と収縮を繰り返すと耐久性が低下し、ひび割れや破損のリスクが高まります。

修繕を急ぐだけではなく、再発防止のためにも根本的な工事が必要かもしれません。

塗膜の剥がれ

歩行が多い場所では、塗膜が徐々に剥がれてきます。

放置しておくと、塗膜そのものが剥がれてしまうことも少なくありません。

また、塗膜が薄くなると本来の防水機能が失われるため、早めの塗り替えが必要です。

塗膜のひび割れ

直射日光の当たる場所では、防水層は常に温度による伸縮の影響を受けやすいため注意が必要です。

耐久性が低下し、伸縮目地やコンクリート下地の下地処理が不十分だと、防水層がその部分に追従できなくなり、ひび割れや最終的には破断を起こします。

大きな破断やひび割れは雨漏りの原因となるため、早急な対応が求められるでしょう。

トップコートの劣化

トップコートの劣化を放置すると防水層の劣化につながり、最悪の場合、防水層を完全に作り直さなければなりません。

主な劣化現象としては、表面が粉状になる「チョーキング」、藻やコケが繁殖する、小さな傷などがあります。

また、チョーキングや傷などが発生しない場合でも、防水層の耐久性を維持するために、5年に1回程度トップコートを塗り直すことをおすすめします。

ウレタン塗膜防水は部分補修やDIY可能? 

ウレタン塗膜防水は、塗装で防水層を作るため、劣化症状が軽度であれば部分的な補修は可能です。

ただし、部分補修で改善できるかどうかは一般の方には判断が難しく、現状をしっかりと調査する必要があり、安易にDIYで解決するのは危険です。

また、劣化が進行し、すでに防水層より下まで水が浸入している場合や劣化範囲が広い場合は、補修ではなく完全交換が必要になります。

DIYによる部分補修のリスク、デメリットは3つです。

  • 一般的な塗装剤(塗料)に比べ、材料や施工の取り扱いが難しい
  • ホームセンターなどで簡単に購入できる材料を使用した場合、防水層が剥がれる可能性がある
  • 不具合についてメーカーや施工業者の保証が受けられなくなる

上記の理由から、費用を抑えようとして自分で防水補修を試みるのは非常に危険といえます。

最初は小さな問題であっても、補修方法を誤ると大きな問題に発展する可能性が高いためです。

修理が必要と思われる箇所を見つけた場合でも、「DIYで修理ができそうだ」と自己判断せず、早めに専門業者に相談しましょう。

ウレタン塗膜防水を長持ちさせるコツ

ウレタン塗膜防水工事を行う場合、防水層をできるだけ長持ちさせたいものです。

防水層の劣化は避けられませんが、コツを知ると寿命を延ばせます。

ここでは、ウレタン塗膜防水層を長持ちさせる2つのコツをチェックしていきましょう。

トップコートの塗り替え

トップコートには、防水層を紫外線などの刺激から守る役割があります。

しかし、トップコートも防水層と同様に経年劣化します。

定期的にトップコートを塗り直すと、防水層の保護効果を維持でき、結果的に防水層の寿命を延ばせるでしょう。

なお、一般的にトップコートは5年ごとに塗り直す必要がありますが、耐久性が高く10年程度塗り直す必要がないタイプのトップコートもあります。

定期的な点検と清掃

屋上に設置されている排水溝は、雨水を排水する役割を持っています。

排水溝が詰まっていたり汚れていたりすると、排水機能が下がり、水溜まりができることがあります。

防水層の上に水が溜まると、破損や劣化が早まる危険性が高いです。

そのため、定期的に排水溝を清掃し、排水機能を維持しましょう。

結果として、防水層の寿命を延ばすことにつながります。

ウレタン塗膜防水工事を成功させる方法

納得できるウレタン塗膜防水工事を行うためには、事前の準備が大切です。

ここでは、ウレタン塗膜防水工事を成功させる方法、コツを紹介します。

数社から見積りを取る

適正価格で工事を行うためには、相見積りが不可欠です。

複数の業者から見積もりを取ることで、大まかな費用を把握でき、不当に高い単価で依頼せずに済むでしょう。

そのため、塗装業者に見積もりを依頼する際は、必ず「他の業者にも見積もりを依頼している旨」を伝えることがポイントです。

見積書の詳細を確認

見積書には、詳細な作業内容を記載するようにしましょう。

リフォームの見積書に決まった書き方はありませんが、一般的には商品名、材料名、施工面積、単価、数量、その他雑費など、可能な限り詳細に記載されています。

特に、工事面積が小さく単価を出しにくい場合や雑費が含まれる場合を除き、単価が不明瞭な場合は注意が必要です。

施工実績豊富な業者に依頼

専門業者に依頼する場合は、ウレタン塗膜防水の実績が豊富な業者を選びましょう。

均一な防水塗装を施すためには、技術と知識が必要です。

ホームページを確認し、どのくらいの実績があるか、写真を使って詳しく紹介しているかどうかに注目しましょう。

当然、実績が豊富な業者であれば技術力も期待できます。

また、施工履歴が詳しいほど信頼できる業者といえるでしょう。

保証やアフターフォローをチェック

防水工事保証制度は、基本的には材料メーカーと施工業者の連名で、元請業者がいる場合は元請業者と施工業者、材料メーカーの連名で保証が行われます。

アフターフォローの有無や内容は業者によって異なるため、見積もり段階でどのようなフォローが含まれているか確認しなければなりません。

一般的なアフターフォローは、定期点検と、保証期間内に不具合が見つかった場合の無償修理などです。

また、アフターフォローの期間を数年から10年程度に設定している業者もあります。

ウレタン塗膜防水工事は専門業者に依頼しよう

ウレタン塗膜防水について解説してきました。

まとめると、

  • ウレタン塗膜防水はバルコニーや屋上に施工されることが多い
  • 仕上がりの美しさとコストパフォーマンスの良さが魅力
  • ウレタン塗膜防水の塗膜形成はプロでも難しい

きれいに仕上げて防水効果を得るためにも、ウレタン塗膜防水に詳しく実績のある業者に依頼しましょう。

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