2024.03.03
鉄筋コンクリート(RC)造建物に屋上防水は必要?雨漏り対策・種類・費用を解説
頑丈で長持ちするイメージのある鉄筋コンクリート建物ですが、実は雨漏りやひび割れなどのトラブルも発生しやすい側面があります。
快適な住環境を守るためには、定期的な防水工事が必要不可欠です。
この記事では、鉄筋コンクリート建物の防水工事について徹底解説します。
雨漏りの原因と対策や、防水工事の種類と費用、工事の流れ、業者選びのポイントなど、知っておきたい情報を網羅しています。
雨漏りの不安を解消して、安心安全な暮らしを実現しましょう。
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鉄筋コンクリート(RC)とは
鉄筋コンクリート(RC)とは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた複合材料です。
鉄筋は引張力に強く、コンクリートは圧縮力に強いため、これらの材料を組み合わせることで、互いの弱点を補い、強度と耐久性を向上させることができます。
鉄筋コンクリートは、建物の構造体や壁、床、スラブなど、さまざまな部位に使用されています。
また、トンネルや橋、ダムなどのインフラ施設にも広く用いられています。
RC鉄筋コンクリート造建物の構造
鉄筋コンクリート造(RC造)は、鉄筋とコンクリートを組み合わせることで建物の骨格を構成する構造です。
それぞれの素材が持つ特性を活かし、高い強度と耐久性を備えた建物を実現します。
引っ張る力に強い鉄筋と圧縮力に強いコンクリートを一体化させることで、それぞれの素材の弱点を補い、建物の荷重を効率的に支えます。
鉄筋コンクリートRC造建物のメリット
鉄筋コンクリート造(RC造)は、鉄筋とコンクリートを組み合わせることで高い強度と耐久性を備えた建物の構造です。
木造や鉄骨造に比べて多くのメリットがあり、さまざまな用途で利用されています。
- 耐震性:鉄筋とコンクリートの組み合わせにより、地震による倒壊や損傷に強く、高層建築にも適している
- 耐火性:コンクリートは燃えにくいため、火災に強く、火災時の延焼を防ぐ
- 自由な形状:曲線や円形など、さまざまな形状の建物に対応し、デザイン性の高い建築が可能
- 遮音性:コンクリート壁は音を遮断する効果があり、騒音の少ない快適な空間を実現
- 気密性:外気の影響を受けにくく、省エネ効果が期待できる
- 安全性:強度が高いため、安全性が高く、耐用年数は47年
それ以外にも、大きな窓や吹き抜けなど開放的な空間を設計できる、重い荷重にも耐えられるため、屋上庭園やプールなどの設置も可能などのメリットが挙げられます。
鉄筋コンクリートRC造建物のデメリット
鉄筋コンクリート造(RC造)は、高い強度と耐久性を備えた優れた構造ですが、いくつかのデメリットも存在します。
以下のデメリットを理解した上で、鉄筋コンクリート造の建物を検討することが重要です。
- 材料費:鉄筋やコンクリートは木造や鉄骨造に比べて高価
- 施工費:高い技術力が必要なため、施工費が高くなる
- 重量:建物の重量が重くなるため、基礎工事や地盤改良が必要になる場合があり、コストがかかる
- 技術力:高い技術力を持つ施工業者が必要で、施工不良は建物の安全性に影響を与える
- 工期:木造や鉄骨造に比べて工期が長くなる
- 騒音:施工中に騒音が発生する
上記の他にも、コンクリートは結露しやすく、カビやダニの発生源となる、コンクリートは熱伝導率が高いため夏は暑く冬は寒い、構造体を変える増改築は難しいなどのデメリットがあります。
鉄筋コンクリートRC造建物の防水工事
鉄筋コンクリート造建物の屋上は、保護押さえ工法で防水されていることがほとんどです。
保護押さえ工法は、防水層の上にコンクリート保護層を設置することで、紫外線による劣化や外的損傷から防水層を守ります。
ただし、保護層があっても経年劣化は避けられず、防水材の寿命が過ぎた場合は、既存の防水層の上から新たな防水工事を施します。
防水工事の種類
鉄筋コンクリート造(RC造)建物の屋上防水は、建物の長寿命化と快適な居住空間を維持するために不可欠です。
ここでは、代表的な3種類の防水工法とそれぞれの特徴などを解説します。
ウレタン防水
ウレタン防水は、ウレタン樹脂を塗布して防水層を作る工法です。
液体なので、複雑な形状にも施工しやすく、軽量で弾力性に優れています。
鉄筋コンクリート造建物の屋上やバルコニーなどに用いられることが多いです。
アスファルト防水
アスファルト防水は、古くから用いられている信頼性の高い防水工法です。
シート状のルーフィングを貼り重ねて防水層を形成します。
重なり部が厚く仕上がりがフラットではないため、頻繁には歩行しないところに施工されることが多いです。
また、既存の防水層がアスファルト防水の場合に重ね張りすることも可能です。
シート防水
シート防水は、塩化ビニールやゴムなどの防水シートを貼り付けて防水層を形成する工法です。
軽量で施工性に優れており、鉄筋コンクリート造建物の屋上やバルコニーなど、幅広い部位に使用されています。
塩化ビニール樹脂でできたシート状の防水材1枚で防水層を形成します。
重なり部の段差が少ないので、歩行する部分にも施工可能です。
ただし、屋上に付帯設備があり、施工場所の形状が複雑な場所への施工は困難です。
費用相場
鉄筋コンクリート造建物の屋上防水の費用相場を、以下にまとめました。
防水工事の種類 | 耐用年数 | 費用相場 |
ウレタン防水 | 約10〜15年 | 約4,500〜5,500円 |
アスファルト防水 | 約15〜25年 | 約5,000〜7,500円 |
シート防水 | 約10〜15年 | 約4,000〜5,000円 |
費用は、防水方法、使用する材料、屋上の面積、形状、付帯設備の有無などによって大きく異なります。
鉄筋コンクリートRC造の建物における雨漏り対策
鉄筋コンクリート建物は、耐久性に優れている一方で、雨漏り発生のリスクも存在します。
雨漏りは建物の構造を損傷させ、カビや腐食などの原因となるため、早急な対応が必要です。
雨漏りの原因、修理費用相場、雨漏り防止のポイントについて解説します。
雨漏りの原因
鉄筋コンクリート建物は耐久性に優れていますが、以下のような雨漏り発生のリスクも存在します。
- 防水層の劣化:経年劣化、紫外線による劣化、亀裂、剥離
- ひび割れ:地震、地盤沈下、乾燥収縮によるひび割れ
- サッシ廻りの劣化:シーリング材の劣化、サッシ枠の腐食
- 排水管の詰まり:落ち葉、ゴミによる詰まり
- 施工不良:防水層、サッシの取り付け不良
また、鉄筋コンクリート建物特有の原因として、コンクリートのひび割れ、鉄筋の腐食なども考えられます。
特に、屋根がないバルコニーは雨漏りリスクが高く、ベランダ・バルコニーの手すりの上側に被せてある部材の笠木が原因となる雨漏りもかなり多いです。
笠木が原因の雨漏りは、固定するビスの浮きや、ジョイント部分の隙間から雨水が侵入します。
雨漏り修理費用相場
鉄筋コンクリート造建物の雨漏りは建物の構造を損傷させ、カビや腐食などの原因となるため、早急な対応が必要です。
雨漏り修理費用は、原因や被害状況によって大きく異なります。
以下は、一般的な費用相場です。
雨漏りの修理内容 | 費用相場 |
ひび割れ補修 | 1ヵ所あたり1~2万円前後 |
コーキングの打ち直し | 1㎡あたり900~1,200円前後 |
屋上の防水層の再施工 | 1㎡あたり7,500~9,000円前後 |
外壁塗装 | 1㎡あたり1,200円~5,800円前後 |
上記以外の費用として、足場架設費用10万~20万円、調査費用5万~10万円がかかります。
雨漏り防止のためのポイント
鉄筋コンクリート建物における雨漏りは、建物の構造を損傷させ、カビや腐食などの原因となるため、早急な対応が必要です。
雨漏り防止のポイントは、定期的な点検・メンテナンスと早めの対応が重要です。
また、雨漏り保険への加入も検討し、雨漏りに関する知識を身につけましょう
鉄筋コンクリートRC建物のメンテナンス
鉄筋コンクリート建物は、適切なメンテナンスを行わないと、劣化や損傷が進み、雨漏りや構造体の安全性低下などの問題が発生する可能性があります。
ここでは、定期点検の重要性、メンテナンスの種類について解説します。
定期点検の重要性
専門業者による定期的な点検は、建物の状態を把握し、早期に異常を発見するために重要です。
点検項目は、外壁、屋上、バルコニーなどの防水層のひび割れや剥離、サッシ廻りの劣化、排水管の詰まり、鉄筋の腐食などがあります。
雨漏り被害を防ぐためには、定期的な点検と適切なメンテナンスが重要です。
雨漏りの兆候を発見したら、すぐに専門業者に相談しましょう。
メンテナンスの種類
鉄筋コンクリート造建物のメンテナンス方法は、以下のようなものがあります。
- 防水工事
- 塗装工事
- 補修工事
- 鉄筋の腐食対策
メンテナンスは、建物の耐久性の向上、雨漏りなどのトラブルを防ぐ、美観を維持、安全性を確保するうえで重要です。
また、建物の種類、構造、使用状況などを考慮して、適切なメンテナンス計画を立てることが重要です。
専門業者に相談して、最適なメンテナンスプランを作成してもらいましょう。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
鉄筋コンクリートRC造建物の防水についてのまとめ
ここまで、鉄筋コンクリート造建物の屋上防水工事について解説してきました。
この記事の要点は、以下のとおりです。
- 鉄筋コンクリート建物の構造
- 防水工事の種類と費用
- 雨漏りの原因と対策
- メンテナンス方法
鉄筋コンクリート建物は、鉄筋とコンクリートを組み合わせることで高い強度と耐久性を備えた構造です。
屋上防水工事は、保護押さえ工法が主流で、代表的な防水工法は、ウレタン防水、アスファルト防水、シート防水があります。
雨漏りの原因は、防水層の劣化、ひび割れ、サッシ廻りの劣化などが考えられます。
定期的な点検と適切なメンテナンスを行い、雨漏り被害を防ぎましょう。
また、雨漏り保険への加入も検討し、鉄筋コンクリート建物のメンテナンスは、専門業者に依頼するのがおすすめです。