天井の防水工事とは?屋上防水が重要?施工の種類や雨漏りの補修方法を解説 | 株式会社新東亜工業  

    コラム    

天井の防水工事とは?屋上防水が重要?施工の種類や雨漏りの補修方法を解説

天井からの雨漏りを防いで建物を守るためには、防水工事が必要です。

今回は、天井の防水工事とはどんな工事なのかを解説していきます。

また、天井からの雨漏りの原因や雨漏りの初期症状、そして補修方法など、天井を雨漏りから守るための情報を詳しく紹介します。

天井の防水工事について知りたい方や、天井からの雨漏りに悩んでいる方などは、ぜひ参考にしてみてくださいね。

天井から雨漏りが起きる原因

天井から雨漏りが発生する原因には、さまざまなものが考えられます。

天井の劣化や雨漏りを放置すると建物全体に悪影響を与えてしまうため、できるだけ早く対処することが理想です。

雨漏りの原因を知っていれば、劣化症状に早く気づいて雨漏りが生じる前に対応することもできるでしょう。

ここでは、点検にも役立つ天井から雨漏りが起きる原因を5つ紹介するので、ぜひチェックしておきましょう。

屋上の防水層の劣化

屋上は紫外線や雨風の影響を強く受けてしまうため、屋上の防水層もどうしても劣化スピードが早い箇所です。

そのため定期的なメンテナンスや補修が必須ですが、手入れを怠ると雨漏りにつながってしまいます。

防水層の劣化が進むとひび割れや剥がれなどが生じるため、その部分が雨水の侵入経路となり、天井からの雨漏りが発生します。

屋根材の劣化

日本の屋根には、瓦・スレート・トタン・ガルバリウム鋼板など、さまざまな屋根材が使用されています。

ほとんどの屋根材の耐用年数は20年程度といわれていて、劣化していたり耐用年数を超えていたりすると、亀裂や穴などの損傷が生じて天井からの雨漏りにつながります。

また、地震などの衝撃によって屋根材が破損した場合でも、雨水を防げなくなるため天井から雨漏りが発生してしまうでしょう。

シーリング材の劣化

外壁とバルコニーの接合部や屋根に設置された天窓など、天井付近の接合部分はシーリング材を使用して隙間が埋められています。

シーリング材の効果によって本来は雨水が侵入しないようになっていますが、このシーリング材が劣化してしまうことにより、雨漏りが生じることがあります。

シーリング材の耐用年数は5〜10年ほどと短く、定期的なメンテナンスが欠かせません。

紫外線の刺激を受けたり耐用年数を超えたりしてシーリング材が劣化すると、ひび割れや剥離などが生じて雨水の侵入経路となってしまうため、雨漏りにつながります。

外壁のひび割れ

外壁に発生したひび割れの影響を受けて、天井から雨漏りが発生するケースもあります。

外壁の亀裂は雨水の侵入経路となり、建物内に雨水が侵入してしまいます。

そのため建物内部が大きなダメージを受け、カビが発生したり腐食や劣化が起きたりするでしょう。

外壁の中でも屋根に近い部分がこのようなダメージを受けた場合、天井からの雨漏りにつながります。

天井からの雨漏りが起きた場合には、屋根に近い部分の外壁にひび割れが生じている可能性があることを知っておきましょう。

天窓の劣化

天窓がある建物の場合、天窓からも雨漏りが生じる場合があります。

天窓から雨漏りする原因としては、以下のようなものが考えられます。

  • 天窓に使用されたコーキング材が劣化している
  • 天窓の枠組みやガラス接合部などの隙間
  • 天窓の設計や取り付けの不具合

とくに天窓に施工不良がある場合は、新築であっても雨漏りが発生することもあります。

天窓付近から雨漏りが生じている場合は、天井だけではなく天窓にも劣化や不具合がないか点検することが重要です。

天井防水につながる工事とは?

天井以外の箇所に施工する場合でも、結果的に天井防水につながる工事があります。

ここでは、天井防水につながる工事について、それぞれの種類ごとに詳しく紹介するので、参考にしてみてください。

屋上の防水工事

屋上の防水層の劣化は天井からの雨漏りの原因となるため、屋上の防水工事は結果的に天井防水につながります。

屋上には雨水が溜まりやすいため、その分雨漏りのリスクが高いです。

紫外線や雨風の刺激を強く受ける屋上はどうしても経年劣化してしまい、劣化が進むと雨水が建物内に侵入し、雨漏りが発生します。

屋上の防水層が劣化したことによって発生した雨漏りは、天井部分を伝わって室内に被害を及ぼすことも多いです。

屋上の防水工事には、以下のような種類があります。

  • ウレタン防水
  • FRP防水
  • シート防水
  • アスファルト防水

屋上は、定期的なメンテナンスを行わなければ、雨漏りを起こすリスクが高い場所です。

屋上の防水層に色褪せやひび割れ、剥がれや膨れなどの劣化症状が起きている場合は、補修を検討しましょう。

屋上防水の改修方法には、大きくわけて以下の2種類の工法があります。

  • 撤去工法
  • かぶせ工法

撤去工法とは、既存の防水層を撤去して、新しい防水層を作る工法です。防水機能が比較的長持ちするのが特徴です。既存防水層の傷みが激しい場合は、撤去工法で防水層を作り直すのがよいでしょう。

一方のかぶせ工法は、既存の防水層の上に新しい防水層を作る工法です。防水層の撤去作業がないため、工期は短く、費用を抑えられるのがメリットです。

以下の表に、撤去工法とかぶせ工法のメリット・デメリットをまとめました。

かぶせ工法撤去工法
工期短い
(1〜2日)
長い
(1〜2週間)
費用安価高価
重量重量が増加する重量が軽くなる
下地処理不要必要
騒音・振動少ない大きい
排水性悪くなる可能性がある適切な施工で問題ない
効果既存の防水層の状態による確実な防水性

屋上の状態によってはかぶせ工法ができない場合があります。

どの工法を用いるかは業者とよく相談して決めましょう。

屋根の防水工事

屋根に不具合があると天井からの雨漏りにつながるため、天井からの雨漏り予防のためには屋根の防水工事も効果的です。

屋根の防水工事としては、以下のような3種類の工事があります。

  • 葺き替え工事
  • カバー工法
  • 棟板金交換

それぞれの工事について、詳しく紹介します。

葺き替え工事

屋根の葺き替え工事とは、古い屋根材や下地を完全に撤去してから、新しい下地に屋根材を葺き替える工事のことです。

既存屋根材の劣化が激しい場合は、葺き替え工事を行います。

葺き替え工事を行うことで下地や屋根材が新しいものになるため、下地や屋根材の劣化症状や雨漏りを根本的に解決することができます。

ただし、屋根の防水工事の中でも最も大規模な工法なので、工期が長く費用も高額です。

葺き替え工事の際には、断熱材を追加するなど性能面を向上して居住環境を改善することもできます。

カバー工法

カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材をかぶせる工法です。

葺き替え工事に比べると工期が短く、費用も安いことが大きなメリットです。

ただし、既存防水層の撤去を行わないため、下地や屋根材の劣化が激しかったり大きな損傷がある場合には、カバー工法では問題を解決できない可能性やカバー工法を採用できない可能性があります。

新規屋根材をかぶせて施工するため、屋根の重量が増して建物への負担が大きくなる点にも注意が必要です。

棟板金交換

棟板金交換は、屋根の接合部に設置されている棟板金を交換する工事のことです。

棟板金の下地である貫板も、同時に取り替えを行います。

貫板は基本的に木材で作られているため、棟板金から雨漏りが生じている場合は、貫板にも浸水して腐食を起こしているケースが多いです。

貫板と棟板金を新しいものに交換することで、屋根の隙間を塞いで雨漏りを予防することができます。

ベランダ・バルコニーの防水工事

ベランダ・バルコニーも、防水層が劣化すると雨漏りにつながる部分です。

建物内部や躯体に雨水が侵入すれば、建物全体に大きなダメージを与えることになるため、定期的にメンテナンスや補修が必要です。

ここでは、ベランダ・バルコニーの防水工事と、笠木の工事について詳しく紹介します。

防水工事

ベランダ・バルコニーの防水層が劣化し防水機能が低下している場合は、防水層の補修を行います。

施工する防水工事の工法によって、既存防水層を撤去する場合もあれば上から重ねて施工する場合もあります。

すべに雨漏りが発生してしまっている場合でも、劣化箇所を補修する防水工事を行うことでベランダ・バルコニーからの雨漏りが解消できるでしょう。

また、排水設備が機能しているかどうかを確認することも重要です。

ベランダやバルコニーの排水溝が詰まっているなどの原因で排水機能が低下していると、床面に水が溜まり防水層の劣化を早めたり雨漏りが生じたりします。

排水溝が詰まっていないか、設備に不具合がないかなどをしっかりと確認し、問題がある場合は新しい排水設備の設置を行います。

笠木の交換

笠木とは、塀や手すり、パラペットなどを保護するために、それらの上部にかぶせて施工されるものです。

ベランダ・バルコニーの笠木は雨風や紫外線の影響を強く受けるため劣化しやすく、劣化した笠木の部分から雨漏りが生じることがあります。

劣化の激しい笠木は、交換を行うことで雨漏りを解消することができます。

また、笠木と外壁の隙間にシーリング材を充填することで、雨水の侵入を予防することが大切です。

外壁や窓サッシのシーリング工事

外壁や窓サッシに隙間があると雨水の侵入経路となるため、雨漏りにつながります。

外壁や窓サッシに隙間がある場合は、シーリング材を充填する補修を行って隙間を塞ぎましょう。

外壁や窓の周辺の隙間からの雨漏りを防ぐためには、シーリング材の充填が有効な補修方法です。

ひび割れを起こしやすい部分でもある外壁や窓の周辺には、定期的にシーリング補修をすることで雨漏り対策をしてください。

雨漏りの初期症状

雨漏りの被害が大きくなると、どんどん建物の内部や躯体にまで悪影響を与えてしまい、大規模な工事が必要になったり建物の寿命を縮めてしまったりと、デメリットが多いです。

建物を守るためには、雨漏りを早期発見してすぐに適切な補修を行うことが重要になります。

ここでは、雨漏りを早期発見するために役立つ、雨漏りの初期症状を4つ紹介します。

シミ・変色

天井の今までなかったシミや変色の出現は、雨漏りの初期症状のひとつです。

天井に雨水が染み込んできてシミや変色を起こしていることが考えられるため、早めに対処するようにしましょう。

雨水がすでに建物の構造材や断熱材に浸透している場合に、シミや変色などが現れます。

壁紙の剥がれやカビの発生

壁紙の剥がれやカビの発生は、単なる壁紙の劣化だけれはなく雨漏りの疑いがある症状のひとつです。

外壁や窓などの周辺から雨漏りが発生した場合、周辺の構造材や断熱材に雨水が浸透したり湿気を含んだりすることで、壁紙の剥がれやカビの発生などの症状が現れます。

カビを吸い込むことによる健康被害も懸念されるため、早めに適切な対処をしてください。

異臭や湿気の増加

異臭や湿気などの異変を感じた場合、雨漏りが発生している可能性が高いです。

外壁や屋根などから発生した雨漏りは、内部の構造材や断熱材に染み込んでいきます。

この状態が長く続くことで、湿気が増加したりカビが発生して異臭がしたりなどの異変が起こります。

放置すると、カビによる健康被害や建物内部の劣化が進んでしまうなどのリスクがあるので、早めの対処が必要です。

雨漏りの被害が出ていなくても、内部で浸水していたりカビが発生していたりする場合もあります。

異臭や湿気の増加を感じた際は、目に見える被害がなくても点検やメンテナンスを依頼することをおすすめします。

温度変化

突然室温が変化した場合は、雨漏りによって断熱材の性能が低下している可能性があります。

雨水が外壁や屋根から侵入した場合、内部の断熱材が濡れて性能が落ちてしまうでしょう。

実際には雨漏りの被害が出ていなくても、内部で雨漏りが発生している可能性が高いので、突然の温度変化を感じた場合には早めに点検を行ってください。

雨漏りで劣化した天井の補修方法

天井が雨漏りで劣化してしまった場合には、劣化した部分に適切な補修を行い、さらに防水工事を施して防水性能を回復することが重要です。

補修工事は、以下のような流れで行われます。

  1. 天井の解体
  2. 屋上または屋根の防水工事
  3. 天井の復旧

雨漏りによる天井の劣化が激しい場合は、天井を解体して劣化した部分を取り除きます。

解体することで、天井の内部の状況までしっかりと確認することが可能です。

次に、実際に雨漏りを起こした原因箇所を特定し、補修を行います。

屋上や屋根に対しては、ウレタン防水などの防水工事を施工することで防水性能を回復します。

雨漏りの原因箇所を修復したら、天井を復旧して補修は完了です。

天井の復旧は、屋上や屋根の防水工事を施工した後、雨が降っても雨漏りが発生しないことを確認してから行います。

まとめ

今回は、天井の防水工事について詳しく紹介しました。

  • 一般住宅で行われる天井の防水工事は、シート防水が主流
  • 天井からの雨漏りは、屋上・屋根・シーリング材・外壁・天窓などさまざまな部分の劣化によって発生する
  • 屋上や屋根、ベランダ・バルコニー、外壁や窓などの防水工事が、天井防水につながる
  • 雨漏りは早期発見し、早急に適切なメンテナンスや補修を行うことが大切

天井からの雨漏りは、さまざまな原因によって発生します。

雨漏りを放置してしまうと、建物全体の寿命を縮めてしまうことにもつながるでしょう。

今回の記事を参考に、雨漏りを早期発見して適切な補修を行ってくださいね。

\あわせて読みたいおすすめ記事/

関連記事
LINE TEL MAIL