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大規模修繕の建物診断とは?必要な理由と内容について

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大規模修繕の建物診断とは?

大規模修繕の建物診断は、マンションやビルなどの建物全体の健康状態をチェックし、必要な修繕や改修の範囲、優先順位、方法などを明確にするための詳細な調査です。

 建物診断は、劣化や不具合の早期発見、修繕計画の精度向上、予算の適正化に寄与します。

事前の建物診断により、不要な修繕を避け、コスト削減に成功した事例が多数報告されています。

したがって、建物診断は大規模修繕を効率的かつ効果的に進めるために不可欠です。

大規模修繕の建物診断が必要な理由

大規模修繕の建物診断が必要な理由は、以下のようなものです。

  • 建物の現状把握と工事内容に反映させる目的:現在の建物の状態を正確に把握し、工事の内容や工法を適切に判断するため
  • 大規模修繕工事の適切な時期を判断するため:長期修繕計画との相違やズレを正確に把握し、適切なタイミングで修繕を行うため
  • 長期修繕計画の見直しのため:定期的な建物診断により、計画と実際の状況のズレを把握し、計画の見直しを行うため

建物診断の項目と調査内容

建物診断の項目と、調査内容は基本的に以下のような内容です。

項目調査内容
図面などの確認建物の特徴と使用材料の確認、劣化傾向の分析
アンケート調査居住者からの劣化や不具合に関するフィードバック収集
目視や打診調査外部・内部の劣化状況の目視確認と打診による詳細調査
仕上材の付着力試験仕上材がコンクリートに十分に付着しているかの確認
赤外線外壁劣化調査外壁の温度分布を測定し、異常箇所の発見
シーリング材物性試験シーリング材の伸び率測定による劣化状態の判断
コンクリート中性化試験コンクリートの中性化状況の確認
コンクリート簡易圧縮強度調査コンクリートの強度測定
鉄筋位置・かぶり厚調査鉄筋の位置とコンクリートの保護層厚さの測定

無料診断と有料診断の違い

無料診断は概要的なチェックに留まりますが、有料診断では詳細な分析と具体的な修繕提案が行われます。

無料診断は、建物の大まかな状態を把握するための基本的な調査を提供します。

一方、有料診断は、専門的な機器を使用して詳細なデータを収集し、具体的な修繕計画を立案します。

あるマンションでは、無料診断では見逃された外壁のひび割れが有料診断で発見され、早期の修繕により大きなコスト削減が実現しました。

したがって、無料診断は予備的な情報を得るために有用ですが、詳細な計画には有料診断が必要です。

建物診断の流れと期間

建物診断は、業者選定から報告書の提出まで、一連のプロセスを経て行われます。

建物診断は、専門家による現地調査、データ分析、報告書作成というステップを踏みます。

これには通常、数週間から数ヶ月の期間が必要です。

最近のあるプロジェクトでは、建物診断に2ヶ月を要し、その結果が修繕計画の精度を大幅に向上させました。

したがって、建物診断は時間を要するプロセスですが、その価値は計画の質を高めることにあります。

建物診断にかかる費用の目安

建物診断の費用は、建物の規模や診断の範囲によって異なりますが、一般的には数十万円から数百万円程度が目安です。

診断の範囲が広ければ広いほど、また使用する機器が高性能であればあるほど、費用は高くなります。

中規模のマンションで行われた全面的な建物診断では、約300万円の費用がかかりました。

したがって、建物診断には適切な予算計画が必要です。

これらの情報が、大規模修繕の建物診断に関する理解を深め、適切な判断を行うための参考になれば幸いです。

建物の健全性を維持し、将来的なリスクを回避するためにも、定期的な診断が重要です。

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