2024.04.02
雨漏りは防水工事で防げる?屋上の対策が重要?原因や防水層の役割などを解説
雨漏りは、天井や壁のシミ、カビ、家具の損傷など、さまざまなトラブルを引き起こします。
放置すると建物の構造体を腐食させ、深刻な被害につながる可能性もあるのです。
しかし、防水工事を施すことで雨漏りを防ぎ、建物を長持ちさせられます。
特に、雨漏りの発生しやすい屋上の対策は重要です。
この記事では、雨漏りの原因や防水層の役割、そして屋上の対策について詳しく解説します。
雨漏りの不安が解消され、安心できる暮らしを実現するために、この記事が参考になれば幸いです。
雨漏りの原因とは?
雨漏りは、建物のさまざまな箇所から発生する可能性があります。
雨漏りの主な原因は、以下のとおりです。
防水層の劣化
雨漏りの原因はさまざまですが、特に重要なのが防水層の劣化です。
防水層は、建物の屋上や外壁、ベランダ・バルコニーなどの表面に施され、雨水の浸入を防ぐ役割を担っています。
しかし、経年劣化によって防水層が劣化すると、雨水が侵入しやすくなり、雨漏りを引き起こします。
防水層の劣化は、以下のとおりです。
- 防水層のひび割れ
- 剥がれ
- 膨れ
- 色あせ
- コケやカビの発生
- 水たまり
上記のような症状を見かけたら、早めに専門業者に調査を依頼することをおすすめします。
防水層の施工不良
防水層の施工不良は、材料の不適切な選択や施工方法の誤りなどが原因で起こります。
防水層の施工は、熟練した技術が必要です。
技術不足の施工者によって施工された場合、防水層にムラや剥がれが生じ、雨漏りに繋がる可能性があります。
また、施工後も定期的なメンテナンスが必要です。
経年劣化によって防水性が低下するため、適切なタイミングで補修や塗り替えを行う必要があります。
排水設備の詰まり
排水設備が詰まると雨水がスムーズに排出できなくなり、溢れ出した水が建物内部に浸入して雨漏りを引き起こします。
雨漏りが発生する場所は、ベランダやバルコニー、屋上など排水設備の近くであることが多いです。
また、雨が降った後すぐに雨漏りが発生することが多く、排水口から水が溢れ出してしまいます。
排水設備にゴミや落ち葉などが溜まると詰まりの原因となるので、適時掃除しましょう。
建物の構造体のひび割れ
建物の構造体、特にコンクリート部分にひび割れが発生すると、雨漏りの原因となることがあります。
ひび割れは、建物の老朽化や地震などの外力によって生じます。
コンクリートの構造体には微細な隙間が存在しており、ひび割れによって、これらの隙間が繋がってしまうのです。
雨水がひび割れと繋がった隙間を通って、建物内部に浸入すると、天井や壁のシミ、カビ、腐食などの被害を引き起こします。
雨漏りの修理方法
雨漏りは、原因の特定が難しいため、DIYでの修理はできません。
雨漏りの修理は、経験豊富で技術力のある業者に任せるのが得策です。
雨漏りの修理方法は、以下のようなものがあります。
防水層の補修
雨漏りの原因が防水層の劣化による場合、防水層の補修が可能です。
部分的に防水層が劣化している場合は、部分補修を行います。
例えば、シート防水の場合、劣化した部分のみを剥がして新しいシートを貼り付けます。
新しいシートを貼り付けた後、パッチと呼ばれるシール材を使用して劣化した部分を覆って完了です。
また、塗膜防水の場合は、劣化部分のみを剥がして新しい塗膜を塗り重ねます。
防水層の張替え
防水層の劣化が酷く、根本的に解決するためには、防水層の張替えが必要です。
補修よりも施工費用は高くなりますが、雨漏りの再発リスクを低減できます。
また、長期的な安心感が得られるので、業者と相談して適切な施工方法を見つけましょう。
排水設備の清掃
雨漏りの原因が、雨樋や排水管など排水設備の詰まりというケースも少なくありません。
排水設備が詰まると、雨水がスムーズに排出されず、溢れて雨漏りに繋がる可能性があります。
雨樋や排水管は、落ち葉やゴミなどで詰まりやすいので、定期的な清掃が必要です。
雨樋や排水管の掃除口を開け、ゴミを取り除きます。
排水設備の清掃は自分で行うこともできますが、高所作業が必要な場合や、詰まりがひどい場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
建物の構造体の補修
建物の構造体、特にコンクリート部分のひび割れによる雨漏りの修理方法は、ひび割れの大きさや深さ、原因によって異なります。
軽微なひび割れの補修は、エポキシ樹脂を注入したり、セメント系ひび割れ補修材を用いて固化させることで補修します。
深刻なひび割れの場合は、建物の内部まで影響を与える可能性があるため、部分的に解体し、新たにコンクリートを打設する方法が取られることが多いです。
費用は高額になりますが、確実に雨漏りを止めることができます。
防水工事の種類
雨漏りを防ぐためには、定期的な点検と適切な防水工事が必要です。
防水工事には、大きく分けて4種類の工法があります。
防水工事の種類 | 耐用年数 | 費用相場 |
ウレタン防水 | 8〜10年 | 約4,000〜7,000円 |
シート防水 | 10〜12年 | 約5,000〜7,000円 |
アスファルト防水 | 15〜25年 | 約5,500〜8,000円 |
FRP防水 | 10〜15年 | 約6,000〜8,000円 |
耐用年数や費用相場はあくまで目安であり、施工面積や環境によって変動します。
ウレタン防水
ウレタン防水は、高い防水性と耐久性を持つ防水工事です。
継ぎ目がないシームレスな防水層を形成するため、高い防水性を発揮します。
ウレタン防水は、他の防水材に比べて軽量で、複雑な形状にも施工可能です。
乾燥が早いため工期が短く済み、比較的安価で、費用を抑えられます。
ただし、紫外線対策のために、定期的なトップコートの塗り替えが必要です。
また、ウレタン防水の施工には、専門知識と技術が必要であり、業者の選定が重要です。
シート防水
シート防水は、塩ビ製やゴム製の防水シートを用いて防水性を高める工法です。
シート自体に高い防水性があり、雨水の浸入を防ぎます。
また、シートを貼り付けるだけの簡単な施工で、工期が短いです。
シートにはさまざまな色や柄があり、デザイン性にも優れています。
ただし、下地が平滑でないと、シートが破損する可能性があります。
シート防水は、適切な施工技術が必要となるため、信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。
アスファルト防水
アスファルト防水は、100年以上続く長い歴史を持つ防水工事の定番です。
比較的安価で施工が簡単、耐久性にも優れているため、多くの建物の屋上などで採用されています。
アスファルト防水の工法には、熱工法、常温工法、トーチ工法の3種類があります。
いずれも高い防水性と耐久性があり、信頼できる工法です。
ただし、アスファルトを溶かす際や、接着する際に火を用いて施工するため、周辺環境への配慮が必要となります。
FRP防水
FRP防水は、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)を用いた防水工法です。
強靭な防水層を形成するため、屋上やバルコニーなどの雨漏り対策に適しています。
FRP防水は、強靭な防水層を形成するため、高い防水性を発揮します。
また、他の防水工法に比べて軽量です。
FRP防水は、水密性が高いので、水回りの防水にも適しています。
ただし、他の防水工法に比べて、費用が高くなります。
さらに、衝撃などでひび割れる可能性があるため注意が必要です。
防水工事のポイント
雨漏りを防ぐためには、定期的な点検と適切な防水工事が必要です。
ここでは、防水工事のポイントについて解説します。
下地処理
下地処理は、防水材をしっかりと接着させるために必要な作業です。
下地が汚れていたり、凹凸があったりすると、防水材が密着せず、剥がれや浮きが発生しやすくなります。
下地処理の方法は、下地の汚れや苔、油分などを徹底的に清掃し、ひび割れや穴があった場合は適切な材料を使用して補修します。
また、下地が完全に乾燥してから、防水材を施工することが重要です。
防水材の選定
防水材にはさまざまな種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
防水材の選定には、専門知識が必要です。
施工箇所、予算、耐久性、デザイン性などを考慮して、業者と相談しながら最適な防水材を選びましょう。
施工業者
防水工事は、専門知識と技術が必要となります。
信頼できる施工業者選びのポイントは、以下のとおりです。
- 実績:防水工事の実績が豊富かどうか
- 資格:防水施工技能士などの資格を持っているかどうか
- 保証:工事の保証内容
- 見積もり:複数の業者から見積もりを取り、比較検討する
- 説明:工事内容や工程について、丁寧に説明してくれる業者を選ぶ
以上のポイントを踏まえて、実績と信頼のある業者を選びましょう。
雨漏り予防のために必要なこと
雨漏りは、住まいの健康を脅かす深刻な問題です。
構造材の腐食やシロアリの発生など、取り返しのつかない被害をもたらす可能性もあります。
しかし、適切な対策を講じることで、雨漏りを防ぎ、住まいを長く快適に保つことができます。
雨漏り予防のために必要なことは、以下のとおりです。
定期的な点検
定期的な点検によって、雨漏りを未然に防ぎ、快適な住環境を守ることができます。
点検するポイントは、以下のとおりです。
- 屋根: 瓦のズレや欠け、漆喰の剥がれ、コケの繁殖など
- 外壁: ひび割れ、塗装の剥がれ、コケの発生など
- 内壁: シミ、カビ、水滴の跡など
- 天井: シミ、水滴の跡など
- 床: 水濡れ、カビなど
点検の頻度は、年に1~2回が目安となります。
台風や大雨などの悪天候後に行うと、雨漏りの原因となる劣化や損傷を早期発見できます。
メンテナンス
適切なメンテナンスを行うことで、雨漏りを未然に防ぎ、快適な住環境を維持できます。
特に屋上は、紫外線や風雨などの影響で徐々に劣化していくものです。
定期的なトップコートの塗り替えで防水性を強化し、住まいの防御力を高めましょう。
また、雨樋が詰まると、雨水が溢れ、雨漏りの原因となることが多いです。
定期的に雨樋の掃除を行い、水の流れをスムーズに保ちましょう。
ひび割れが見つかった場合は定期的なシーリング工事を行い、隙間を塞いで雨漏りを防ぐことが重要です。
まとめ
ここまで、雨漏りと防水工事について解説してきました。
雨漏りは、建物の構造体を腐食させ、シロアリの発生など深刻な被害をもたらす可能性があります。
雨漏りを防ぐためには、以下の3つの対策が重要です。
1. 定期的な点検
- 年に1~2回、屋根、外壁、内壁、天井、床などを点検し、劣化や損傷がないか確認する
- 台風や大雨などの悪天候後には、特に注意深く点検を行う
2. 適切なメンテナンス
- 屋上は、定期的にトップコートを塗り替え、防水性を強化する
- 雨樋は、定期的に掃除を行い、水の流れをスムーズに保つ
- ひび割れには、定期的なシーリング工事を行い、隙間を塞ぐ
3. 信頼できる業者への依頼
- 雨漏り修理や防水工事は、専門知識と技術が必要となるため、実績と信頼のある業者に依頼する
- 複数の業者から見積もりを取り、比較検討する
- 工事内容や工程について、丁寧に説明してくれる業者を選ぶ
雨漏り予防は、建物の寿命を守るために重要です。
定期的な点検と適切なメンテナンスで、雨漏りを防ぎ、快適な住空間を保ちましょう。