雨樋の種類はどれくらい?素材や形状ごとに特徴・交換価格・選び方を紹介 | 株式会社新東亜工業  

    コラム    

雨樋の種類はどれくらい?素材や形状ごとに特徴・交換価格・選び方を紹介

雨樋にはいくつかの種類があることを知っていますか?

雨樋といっても、その形状や素材によってさまざまな種類にわけられます。

種類によって特徴が異なるため、建物にとって最適な雨樋を選ぶためには、雨樋の種類や種類ごとの特徴を知っておくことが重要です。

今回は、そんな雨樋の種類やそれぞれの特徴、価格や選び方などを徹底解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

雨樋の種類

雨樋の種類は、主に形状と素材によってわけることができます。

ここでは、雨樋の形状と素材の種類をそれぞれ詳しく紹介していきます。

雨樋の形状は5種類

雨樋の形状は、以下の5種類にわけられます。

  • 半円型(半丸型)
  • 角型
  • リバーシブル型
  • 特殊型
  • 内樋型

それぞれの種類の特徴を詳しく紹介します。

半円型(半丸型)

半円型(半丸型)の雨樋は、雨樋の中でも最も主流で多くの一般住宅に使用されています。

筒を半分に切ったような半円の形状が特徴です。

一般住宅で多く採用されていて流通量が多いので、安価で入手できるコストパフォーマンスの良さも魅力です。

雨樋を交換する際でも、半円型(半丸型)の雨樋が定番だといえます。

とくに築20年以上の一般住宅にはこの半円型(半丸型)の雨樋が使用されていることがほとんどなので、ご自宅がこのタイプの雨樋だという方も多いでしょう。

角型

角型は、断面が四角形の形状をしていることが特徴の雨樋です。

角型の雨樋は半円型の雨樋よりも流水量が多いため、豪雨の際にも雨水をしっかりと排水できることが大きなメリットになります。

価格は半円型に比べると高額になる傾向がありますが、雨の多い地域や豪雨の影響が心配される場合には安心できるタイプの雨樋です。

デザインもスマートであることから、近年半円型に代わって人気が高まってきています。

新築の物件で多く使用されているほか、雨樋の交換の際にもおすすめの種類です。

リバーシブル型

リバーシブル型は、半円型と角型の形状を半分ずつ混ぜたような、いいところどりの雨樋です。

断面の一方は丸く、もう一方は角ばっている形状で、半円型と角型の中間の流水量が確保できます。

半円型のデザインが好みだけど、十分な流水量を確保したいという場合に主に選ばれる種類です。

特殊型

特殊型は、雨樋上部に多いを設けた形状の雨樋で、主に雪国で採用されます。

降雪量の多い地域では、屋根の雪が溶けて雨樋へと流れると、凍って雨樋が破損するケースが多いです。

覆いのある特殊型は、このような雨樋本体へのダメージを軽減できるメリットがあります。

また、雨樋に雪が詰まったり雪かきの際に雨樋を傷つけてしまったりするリスクを予防する効果も期待できます。

ただし、特殊な形状であるため流通量が少なく価格が高くなりやすいことや、流水量はあまり確保できないことに注意が必要です。

このような理由から、特殊型の雨樋はほとんどの場合雪国で使用されますが、落ち葉などのゴミが雨樋に入らないようにするために使用されることもあります。

内樋型(箱樋型)

内樋型(箱樋型)は、屋根の内側に隠すようにして雨樋を外に見せない形状が特徴です。

デザイン性が高く、住宅の外観を重視したい方によく選ばれています。

外側に雨樋を見せずすっきりとした印象になる一方で、詰まりなどの不調を発見しにくいことに注意が必要です。

詰まりなどが生じて雨水が溢れ屋根の内側を傷めていたとしても、なかなか気付けず屋根に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。

そのため、内樋型(箱樋型)を使用する場合は、雨樋の点検を通常以上に行う必要があるでしょう。

また、内樋型(箱樋型)から通常タイプの雨樋に交換する際は、大掛かりな工事が必要となります。

雨樋の素材は6種類

雨樋の素材には、主に以下のような6種類が使われています。

  • 塩化ビニール
  • スチール
  • ガルバリウム鋼板
  • アルミ・ステンレス
  • トタン(鉄)

素材によっても特徴が異なるため、それぞれについて詳しく紹介していきます。

塩化ビニール

塩化ビニール樹脂でできた雨樋は、軽量で運びやすく組み立ても簡単な上に比較的安価なので、非常に多くの建物の雨樋として使われています。

需要の高い塩化ビニール製の雨樋は種類も豊富で、形・長さ・色などさまざまなバリエーションから最適なものを選ぶことができるでしょう。

また、塩化ビニール製の雨樋は柔軟性に優れていることも特徴で、負荷がかかってもすぐには曲がらないこともメリットのひとつです。

一方で、耐熱性と耐衝撃性に乏しいことがデメリットとして挙げられます。

紫外線や雨風にも弱く劣化しやすいため、寿命が短い点に注意が必要です。

そのため、台風の被害が少ない地域やカーポート・テラスなどの雨樋として使用することもおすすめです。

スチール

スチール(鋼)の周りを樹脂で覆った、スチールと樹脂のハイブリッドタイプも人気の雨樋の一種です。

樹脂は腐食しないため錆びにくいことが大きなメリットで、さらにスチールの強度も併せ持っています。

カラーバリエーションも豊富なので、デザインを重視する方にも選ばれています。

塩化ビニール製の雨樋よりも価格は高額な傾向がある分、強度が高いことが特徴です。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とは、鋼板にアルミと亜鉛でメッキをした金属素材です。

アルミと亜鉛でメッキしているので錆びにくく、耐久性が高いことが大きなメリットだといえます。

ガルバリウム鋼板は単価が高い素材であるため、雨樋に使用すると予算オーバーだと感じる方も多いようです。

ガルバリウム鋼板製の雨樋は耐久性が高く長持ちするため、長期的にみるとおすすめできる素材です。

銅製の雨樋は、銅ならではの色味や輝きが特徴です。

独特の美しさがあるため、お寺などの雨樋によく使われています。

銅は月日とともに色味が変化していくことも特徴で、施工時には光が反射して輝いていますが、徐々に緑青色へと変化していきます。

銅は金属の中でも錆びにくく耐久性に優れているため、色の変化とともに長く使い続けることができるでしょう。

一方で、近年問題となっている酸性雨の影響を受けると穴があいてしまうリスクがあります。

他の素材に銅をメッキしたものや内側を特殊塗料で保護したものなど、穴があきにくい加工がされている雨樋を選ぶこともおすすめです。

アルミ・ステンレス

アルミ製の雨樋は熱や錆びに強く、ステンレス製の雨樋は錆びにくく耐久性に優れていることが特徴です。

どちらも耐久性の高い素材ですが、ほかの素材の雨樋に比べて比較的高額になるため、一般住宅で使用されることがあまりありません。

アルミ・ステンレス製の雨樋は強度が高いため、台風の多い地域で選ばれることが多いです。

トタン(鉄)

薄い鉄の板を亜鉛でメッキした素材を使用した雨樋もあります。

ガルバリウム鋼板と似ている金属製の素材で、軽量で加工がしやすいことが特徴です。

屋根材としてもよく使用されていたトタンですが、最近ではよく似ている上に耐久性に優れているガルバリウム鋼板の人気が高まっているため、使用されることが少なくなっています。

トタンは鉄の板なので、メッキが剥がれてくるとサビが発生することがデメリットだといえます。

雨樋に使われる素材を比較

雨樋に使われる素材ごとの特徴を紹介しましたが、結局どの素材の雨樋を選べばいいのかわからないと感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで下記の表には、雨樋の素材ごとに「費用・耐久性・デザイン」の3項目の評価をまとめました。

塩化ビニールスチールガルバリウム鋼板
費用×
耐久性
デザイン

素材ごとにそれぞれメリット・デメリットがあるので、上記の表を参考に最適な雨樋を選んでくださいね。

雨樋に使われる部品名と役割

雨樋は、たくさんの部品によって構成されています。

ここでは、雨樋に使われる部品名と役割を紹介します。

部品名役割
軒樋(のきどい)屋根から落ちてくる雨水を受け止める
軒継手(のきつぎて)軒樋同士をつなげる、軒樋の長さを調節する
軒曲がり屋根の形状に合わせて軒樋を曲げる
集水器(しゅうすいき)軒樋を流れる雨水を集め、縦樋へと誘導する
止まり軒樋の端部分から雨水がこぼれるのを防ぐ
呼び樋(よびどい)集水器と縦樋をつなぐ部分
縦樋(たてどい)雨水を地上や下水に流す
縦継手(たてつぎて)軒樋同士をつなげる、屋根の高さに合わせて縦樋の長さを調節する
エルボ壁の形状に合わせて縦樋を曲げる
寄せマス・角マス2本の縦樋を1本にまとめる・排水口の先に設置して縦樋に接続する

ひとつのように思える雨樋ですが、実はこんなにたくさんの部品で構成されています。

上記の表で紹介したように、それぞれの部品にしっかりと役割があります。

雨樋の価格

雨樋の価格は、素材や形状によって異なります。

ここでは、雨樋の中でも主流な形状である半円型と角型の雨樋について、素材別の価格目安を紹介します。

半円型の雨樋の価格は、下記の表を目安にしてみてください。

素材価格目安(1本あたり)
塩化ビニール1,000〜1,600円/軒樋1本
スチール1,600〜2,600円/軒樋1本
ガルバリウム銅板5,000〜6,000円/軒樋1本
10,000〜11,000円/軒樋1本

角型の雨樋の価格は、下記の表を目安にしてください。

素材価格目安(1本あたり)
塩化ビニール1,700〜2,700円/軒樋1本
スチール2,700〜3,700円/軒樋1本
ガルバリウム銅板6,000〜7,000円/軒樋1本
11,000〜12,000円/軒樋1本
アルミ23,000円/軒樋1本
ステンレス19,000円/軒樋1本

軒樋1本は、3.64mです。

主流な半円型、角型以外の雨樋は、製品によって価格が大きく異なるため、専門業者に見積もりを依頼することをおすすめします。

上記の表には業者利益が含まれていないため、雨樋の設置にかかる費用は業者によっても異なるでしょう。

また、実際に雨樋を設置する際には、雨樋本体の価格のほかに設置費用が必要になります。

雨樋の選び方

雨樋には多くの種類があるため、選び方にお悩みの方も多いのではないでしょうか。

ここでは、4つのケースごとにおすすめの雨樋を紹介します。

雨樋選びの参考にしてみてくださいね。

費用を抑えたい場合は塩化ビニール

雨樋の機能性やデザイン性よりも費用を抑えることを一番に考えている場合は、塩化ビニール製の雨樋が最もおすすめです。

とくに塩化ビニール製で半円型の雨樋は最もリーズナブルで、施工にかかる費用を抑えることができます。

長持ちさせたい場合は金属製

変形や破損などのトラブルが少ない強度の高い雨樋を選んで長持ちさせたい場合には、金属製の雨樋がおすすめです。

金属製の中でも、ガルバリウム鋼板製の雨樋は費用と性能のバランスが良く、種類も豊富です。

アルミ製やステンレス製の雨樋は費用が高額となるので、予算に余裕がある場合に検討するといいでしょう。

雨が多い地域は角型

雨が多く降る地域の住宅には、角型の雨樋がおすすめです。

角型の雨樋は流水量が多く排水能力が高いため、雨が多くても安心できます。

角型の雨樋の中でも大きいサイズを選ぶと、より雨水があふれにくくなるため、台風や豪雨の際でもしっかりと機能してくれるでしょう。

雪が多い地域は特殊型

雪が多く降る地域には、雪が雨樋に入らない特殊型の雨樋がおすすめです。

雪が雨樋に詰まったり、雪下ろしの際に雪が雨樋に大量にかかったりしてしまうと、雨樋が破損するケースがとても多いです。

そのため、雪が多い地域では雨樋を長持ちさせるためにも、特殊型の雨樋を選ぶといいでしょう。

雨樋にメンテナンスは必要?

雨樋の機能を十分に維持するためには、定期的なメンテナンスを行う必要があります。

雨樋は紫外線や雨風に常にさらされていて、経年劣化が生じます。

また、強風による飛来物の影響で破損したり、落ち葉などのゴミが詰まってしまったりといったトラブルが起きることも多いです。

このようなトラブルや不具合にいち早く気付いて雨樋の機能を正常に保つためにも、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。

雨樋は高い位置にあり、自分での点検や修理は危険です。

不具合は一般の方が点検しても見逃してしまう場合も多く、修理には雨樋の部品や専門的な道具が必要となるため、自分自身でメンテナンスをせずに専門業者に依頼することをおすすめします。

まとめ

今回は、雨樋の種類について詳しく紹介しました。

  • 雨樋の形状は主に5種類で、半円型もしくは角型が主流
  • 雨樋の素材は主に6種類で、リーズナブルな塩化ビニール製がよく使用される
  • 雨樋の価格は形状や素材によって異なり、10倍以上の差が出るケースもある

雨樋の種類によって、それぞれが異なる特徴やメリット・デメリットを持っています。

そのため、建物のある地域の気候や求める機能性によって最適な雨樋も異なります。

ぜひ今回の記事を、ご自宅にとって最適な雨樋を選ぶ参考にしてみてくださいね。

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