マンション屋上の防水工事を徹底解説!費用相場は?種類や耐用年数は? | 株式会社新東亜工業  

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マンション屋上の防水工事を徹底解説!費用相場は?種類や耐用年数は?

マンション屋上の防水工事は、大規模修繕の中でも重要な工事のひとつです。

マンションを雨漏りの被害から守るためにも、屋上の防水工事が欠かせません。

今回は、そんなマンション屋上の防水工事について、費用相場や耐用年数、防水工事の種類やそれぞれの特徴などを徹底解説していきます。

マンションの屋上防水工事についてお悩みの方や興味がある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

マンションの大規模修繕で行う屋上防水とは?

屋上防水とは、雨の影響を強く受ける屋上に防水層を形成し、建物を雨漏りの被害から守るための工事です。

マンションの屋上は、平らな形状をしている「陸屋根」というタイプであることが多いです。

陸屋根の特徴である平らな形状は雨水が溜まりやすいため、雨漏りリスクの高い屋根でもあります。

もともと屋上は常に雨風にさらされる場所であるため雨漏りのリスクが高く、その上雨風や紫外線の影響を受けるので防水層が劣化しやすい場所です。

防水層が劣化して雨漏りが発生すれば、建物全体に大きなダメージを与えることにつながります。

劣化の早い屋上の防水層の機能を正常に保って雨漏りを予防するためにも、マンションの屋上に対する定期的な防水工事は欠かせません。

屋上防水は、マンションの大規模修繕工事の全体の費用のおよそ10%という大きな割合を占める、重要な工事です。

マンションにおける屋上の種類

マンションの屋上は、その形状や利用目的によっていくつの種類にわけることができます。

屋上の種類によって適切な防水工事が異なるため、まず始めにマンションの屋上がどのような種類に分類されるのかを知っておくことが重要です。

ここでは、マンションの屋上について主流な3種類を解説します。

使用を目的とした陸屋根

陸屋根は平らな形状をしているため、人の歩行やエアコンの室外機、看板などの設置をすることもできます。

使用を目的とした陸屋根の場合、歩行や設置物の重さに耐えられるよう、コンクリートなどの保護材が施工されています。

歩行などの刺激は防水層にもダメージを与えるため、保護材でしっかりと防水層を保護することが重要です。

歩行を想定していない陸屋根

陸屋根は平らな形状をしていますが、歩行などの使用を想定されていない陸屋根の場合は使用目的が限定されています。

歩行や設備の設置などの使用が想定されていない陸屋根は、保護材が施工されておらず防水層が露出していることも多いため、なるべく刺激や負担をかけないことが重要です。

歩行を想定していない陸屋根を頻繁に歩行すれば、防水層に大きなダメージを与えてしまい劣化が早まり、雨漏りにもつながってしまうでしょう。

露出した防水層は、保護材が施工されているものに比べて雨漏りの原因箇所が発見しやすいというメリットがあります。

勾配がついた屋根

陸屋根は勾配がほとんどない平らな形状をした屋根でしたが、勾配がついた屋根を採用しているマンションもあります。

勾配がついた屋根はデザインの一環でもありますが、勾配があることで雨水が溜まりにくく排出されやすいことがメリットです。

陸屋根に比べると雨漏りリスクが低く防水層のメンテナンスサイクルも長い傾向がありますが、材質によって塗装の塗り替え工事や、屋根材が破損した場合の交換などのメンテナンスが必要になります。

防水工事の種類

防水工事とは、雨漏りを防ぐ役割のある防水層を形成する工事のことです。

防水工事といっても種類があり、種類ごとに使用する材料や特徴などが異なり、施工場所によってどの種類の防水工事が最適なのかを判断する必要があります。

ここでは、以下の4種類の防水工事について、特徴などを詳しく解説します。

  • ウレタン防水
  • FRP防水
  • シート防水
  • アスファルト防水

施工を考えている屋上にとってどの種類の防水工事が適しているのか知りたい方は、参考にしてみてくださいね。

ウレタン防水

ウレタン防水は、液体状のウレタン防水材を塗布することで防水層を形成する工事です。

液体状の防水材を使用するので、複雑な形状に対しても施工できることが特徴です。

既存防水層を選ばず重ねて施工できるため、リフォームの際にもよく使用されます。

ウレタン防水で形成した防水層は紫外線の刺激に弱いので、紫外線から防水層を保護する役割のあるトップコートを表面に塗布します。

トップコートは、5年に一度を目安に塗り替えを行うメンテナンスが必要です。

FRP防水

FRP防水とは、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)を使用して防水層を形成する工事のことです。

FRPは、水族館の水槽やロケットなどにも使用される、防水性や耐久性に優れている素材です。

素材が軽量で建物への負担が少ないにもかかわらず強度が高いことがメリットで、駐車場として使用する屋上の防水工事としても施工されます。

塗料の効果スピードが早いため、工期が1日ほどと短いことも特徴です。

FRP防水で形成される防水層は軽量で建物への負担が少ないので、高層マンションや世帯数の多い大規模なマンションの屋上防水にもおすすめです。

シート防水

シート防水とは、防水性に優れた防水シートを貼り付けることで防水層を形成する工事です。

合成ゴムや塩化ビニールでできた防水シートを、接着剤やビスなどを使用して屋上の床面に固定します。

塗料や火を使わずに施工できるので、工事中ににおいが発生しません。

シート防水は、凹凸の多い複雑な形状の場所や、室外機などの設置物が多い場所に対しては施工できないので注意が必要です。

アスファルト防水

アスファルト防水は、液体状に溶かしたアスファルトを染み込ませた「ルーフィング」と呼ばれるシート状の防水材を重ねることで、防水層を形成する工事のことです。

ほかの防水工事に比べても耐久性に優れているため耐用年数が長く、一回の工事にかかる施工費用は高額なものの、将来的な施工回数を減らすことができます。

アスファルトを使用するため重量があり、建物への負担が大きいことに注意が必要です。

また、アスファルトが溶ける際ににおいが発生するので、周辺環境への配慮も必要となります。

屋上防水の費用相場

屋上の防水工事は、建物を雨漏りの被害から守るために定期的に必要となるため、費用が気になる方も多いのではないでしょうか。

防水工事にかかる費用は、施工面積はもちろん、防水工事の種類によっても異なります。

下記の表には、防水工事の種類ごとの費用相場をまとめました。

防水工事の種類1平米あたりの単価相場施工面積80㎡の屋上の費用相場
ウレタン防水3,000円~7,000円/㎡50〜70万円程度
FRP防水4,000円~7,500円/㎡60〜80万円程度
シート防水2,500円~7,500円/㎡30〜60万円程度
アスファルト防水5,500円~8,000円/㎡60〜80万円程度

防水工事全体にかかる費用は、既存防水層の劣化状態や施工環境などによって左右されることもあります。

実際に防水工事を検討するにあたって具体的な費用を知りたい場合は、専門業者に見積もりを依頼することをおすすめします。

屋上防水の選び方

先ほども触れたように、屋上防水には以下のような4種類があります。

  • ウレタン防水
  • FRP防水
  • シート防水
  • アスファルト防水

どの防水工事が適しているかは、施工環境や屋上の使用目的などによっても異なります。

防水工事の効果を長持ちさせるためにも、最適な工事の種類を選んで施工することが重要です。

下記の表には、防水工事の種類ごとに適している屋上のタイプをまとめているので、防水工事の種類を選ぶ参考にしてください。

防水工事の種類適している屋上のタイプ
ウレタン防水タンクや室外機などの設置物が多い屋上
FRP防水比較的狭い面積で紫外線の影響を受けにくい屋上
シート防水タンクや室外機などの設置物が少ない屋上
アスファルト防水建物の耐荷重が十分にある屋上

ウレタン防水は、複雑な形状の場所にも施工できることが強みであるため、凹凸があったり設置物が多かったりする屋上への施工に適しています。

FRP防水は、広い面積への施工に向いていない点と紫外線に弱い点に注意が必要です。

比較的施工面積が狭く、紫外線の影響を受けにくい場所であればFRP防水のメリットを最大限に発揮できるでしょう。

シート防水は、複雑な形状の場所に施工できないため注意が必要です。

床面に凹凸や設置物がなく単純な形状をしている屋上には、シート防水が適しています。

アスファルト防水は、防水層が重く建物に負担をかけてしまうため、建物の強度をしっかりと確認する必要があります。

耐荷重や強度が十分であれば、防水性や耐久性に優れた防水層が形成できるでしょう。

このように、それぞれの防水工事には特徴や弱点が存在しています。

防水工事の効果を最大限に発揮するためにも、特徴と同時に弱点も知って最適な工法で防水工事を行うことが重要です。

屋上に防水工事が必要になるタイミング

屋上の防水工事は一度施工したら終わりではなく、適切なタイミングで再工事を行う必要があります。

屋上に防水工事が必要になるタイミングは、主に以下の2つです。

  • 耐用年数が経過したとき
  • 劣化症状が現れたとき

それぞれのタイミングについて詳しく紹介するので、防水工事のタイミングにお悩みの方はぜひ参考にしてみてくださいね。

耐用年数が経過したとき

防水層は一度施工しても徐々に経年劣化してしまい防水機能が低下するため、耐用年数が経過したタイミングで再工事が必要になります。

耐用年数を超えて使用すると、雨漏りが発生するリスクが高いので注意が必要です。

防水層の耐用年数は、防水工事の種類によっても異なります。

屋上防水の4種類それぞれの耐用年数は、以下の通りです。

  • ウレタン防水:10〜12年程度
  • FRP防水:12〜20年程度
  • シート防水:10〜15年程度
  • アスファルト防水:15〜25年程度

どの種類の防水工事を施工したのか把握し、それぞれの耐用年数に合わせて定期的に防水工事を実施することで、雨漏りを予防することができるでしょう。

すでに耐用年数を超えている場合は、早めの工事を検討してくださいね。

劣化症状が現れたとき

耐用年数を超えていない場合でも、防水層に劣化症状が現れていたら防水機能が低下しているサインです。

劣化症状を放置すると雨漏りにつながるため、防水工事を検討する必要があります。

劣化症状の中には軽度なものもあれば、雨漏りリスクの高い進行した症状もあり、緊急度が異なります。

防水工事の実施を検討したほうがいい状態
  • 表面の色褪せ
  • ひび割れ
  • 排水溝(ルーフドレン)の周りにゴミが溜まっている
  • 水溜り
  • 雑草・苔・藻が生えている

上記のような症状が現れている場合は、劣化が始まってきているサインなので防水工事の実施を検討しましょう。

放置していると、雨漏りのリスクが高まります。

近いうちに防水工事を実施したほうがいい状態
  • 雨漏りが発生している
  • 防水層が膨れている
  • 排水溝(ルーフドレン)が詰まっている

上記のような症状が現れている場合は、すでにかなり劣化が進行しているため早めに防水工事を行う必要があります。

劣化が進めば進むほど雨水が内部に浸透するリスクが高まり、建物全体に大きなダメージを与えてしまう可能性が高いです。

雨漏りが発生する前に防水工事を行うためにも、劣化症状が比較的軽度なうちに工事を実施することをおすすめします。

防水層の改修以外にも必要になるそのほか工事とは?

屋上防水というと防水層の改修ばかりに気を取られがちですが、防水層以外にも防水工事が必要となる部分があります。

  • 笠木
  • パラペット
  • 塔屋などの目地部分

以上のような屋上の設備も、劣化が進行すれば雨漏りの原因となる箇所です。

ここでは、それぞれの工事について詳しく紹介していきます。

笠木の防水工事

笠木は、塀や手すりなどの最上部に設置される仕上げ材のことです。

笠木が劣化すると腐食や浮きなどの症状が現れて、雨水の侵入経路を作ってしまいます。

そのため、劣化症状に合わせてシーリング工事や笠木の交換などを行い、防水性能を保つことが重要です。

パラペットの防水工事

パラペットは、屋上の外周の立ち上がり部分のことです。

パラペットは雨漏りのリスクが高い部分でもあるので、定期的なメンテナンスや防水工事が欠かせません。

防水層の工事や笠木の交換などと同時にパラペットの工事を行うことが一般的です。

塔屋などの目地部分の工事

塔屋とは、屋上に突出して設けられた部分のことで、貯水槽や空調・換気設備などで使用されています。

目地部分や配管が貫通している部分などが雨漏りの原因となる場合があるため、劣化に合わせて防水工事を行う必要があります。

目地部分のメンテナンスとしては、シーリングの補修工事を行うことが一般的です。

マンションの屋上防水を成功させるポイント

マンションの屋上防水を成功させるためには、以下の4つのポイントを押さえましょう。

  • 優良業者に依頼する
  • 見積書の内容は必ずチェックする
  • 保証やアフターサービスがある業者に依頼する
  • 目視チェックによる完了検査

屋上防水は、マンションを雨漏りから守る大切な工事です。

施工後のトラブルをなくし完成度の高い工事を実施するためにも、屋上防水を成功させるポイントを押さえて行動していきましょう。

4つのポイントについて、詳しく解説します。

優良業者に依頼する

屋上防水を成功させるために最も重要ともいえるポイントが、優良業者に依頼することです。

防水工事の工法によっては完成度が職人の技術に大きく左右されますし、悪徳業者に依頼して施工後にトラブルが発生するケースも少なくありません。

以下のような特徴に当てはまる業者を探して、優良業者に工事を依頼するようにしましょう。

  • 施工実績が豊富
  • 問い合わせに対する対応が丁寧
  • 資本金が豊富な会社

上記のような信頼性の高い業者に依頼することで、悪徳業者に依頼してしまうリスクを軽減することができるでしょう。

また、高額な費用が必要となる防水工事はできるだけ節約したいものですが、相場より大幅に費用が安い業者には注意が必要です。

グレードの低い材料を使用していたり手抜き工事をされたりするリスクもあるため、慎重に検討してくださいね。

見積書の内容は必ずチェックする

見積書の記載内容は、必ずしっかりとチェックすることが大切です。

防水工事全体の金額だけではなく、どのような材料を使用するのか、どの工程でいくらかかるのかという詳細な内容をチェックするようにしましょう。

「一式」などの記載で見積もり内容が明確ではない場合、注意が必要です。

費用が安い業者に依頼したつもりが、追加費用をどんどん請求されて結果的に高額になるというケースもあります。

見積書の内容について疑問点がある場合は問い合わせをして、基本的には追加費用がかからないことや、追加費用が必要となるケースとその値段についてを明確にしておくと安心です。

見積書について問い合わせた時の対応によっても、信頼できる業者かどうかを判断することができるでしょう。

保証やアフターサービスがある業者に依頼する

防水工事施工後の保証やアフターサービスは、業者によって内容が大きく異なります。

工事後に不具合が生じるケースもあるため、保証やアフターサービスがある業者に依頼するようにしましょう。

保証やアフターサービスの期間が短かったり対象となるケースが限定されていたりすると、工事費用が安い場合もあります。

費用だけで決めずに、保証やアフターサービスの期間や内容についてもしっかりと確認し、必要な保証やアフターサービスが受けられる業者を選ぶことが重要です。

目視チェックによる完了検査

屋上防水の施工が完了したら、自分自身で目視チェックを行うことが重要です。

「見ても素人にはわからない」と適当に済ませてしまいがちですが、目視チェックによって見つけられる不具合もあります。

とくに防水層のひび割れは、素人でも目視チェックで確認できる症状です。

ひび割れがあるとすぐに雨漏りが発生してしまい、建物全体に大きなダメージを与えることにつながるので、ひび割れがないかどうかを中心にチェックを行いましょう。

まとめ

今回は、マンション屋上の防水工事について詳しく紹介しました。

  • マンションの屋上に多い陸屋根は雨漏りリスクが高く、定期的な防水工事が欠かせない
  • 屋上の使用目的によって、最適な防水工事の種類が異なる
  • 屋上の防水工事は、「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」「アスファルト防水」の4種類
  • 屋上の防水工事は、耐用年数が経過したときまたは劣化症状が現れたタイミングで行う
  • 某水槽だけではなく、笠木やパラペット、塔屋などの目地部分に対しても劣化に合わせた工事が必要
  • 屋上防水を成功させるためには、業者選びがとても大切
  • 見積書の内容や保証・アフターサービスの有無と内容は必ず確認する

マンションを雨漏りの被害から守るためには、定期的な防水工事が必須です。

今回の記事が、マンションにとって最適な防水工事を選択したり優良業者を選んだりするための参考となれば幸いです。

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