コラム    

中規模修繕工事とは?施工内容や大規模修繕との違いや費用相場を解説

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マンションやビルの維持管理において、定期的な「大規模修繕」は広く知られていますが、その中間にあたる「中規模修繕」という言葉を耳にしたことはありますか?
この記事では、中規模修繕の意味や目的、大規模修繕との違い、実施時期の目安、代表的な工事内容などマンションの修繕工事とははどのようなものなのか?など、管理組合やオーナーに役立つ情報をわかりやすく解説します。

マンションの中規模修繕工事の概要

マンションの中規模修繕工事とは、大規模修繕と小規模修繕の中間に位置する規模の修繕工事です。大規模修繕のように建物全体を対象とするのではなく、一部の劣化が著しい箇所や、将来的な不具合発生が懸念される箇所を重点的に修繕するものです。

中規模修繕工事の周期は、一般的に10~15年程度とされています。これは、大規模修繕よりも短い周期で行うことで、建物全体の劣化を遅らせ、長期的な維持管理コストを削減することができるためです。

中規模修繕工事の費用は、工事内容や規模によって異なります。一般的には、1㎡あたり1,000~3,000円程度が目安とされています。

中規模修繕工事の修繕タイミングや周期と費用の目安

中規模修繕においては10年前後の周期で行うのが一般的です。基本的には以下のタイミングで判断されます。

  • 計画修繕周期:修繕の計画時期が 近づいたら検討
  • 建物の劣化状況 :定期的な点検で劣化が進行していれば前倒しで実施
修繕工事対象範囲周期費用
大規模修繕建物全体12~15年1㎡あたり10,000~15,000円程度
1戸あたり100〜150万円程度
中規模修繕一部の劣化が著しい箇所や、将来的な不具合発生が懸念される箇所10~15年1㎡あたり2,000~8,000円程度
1戸あたり20〜80万円程度
小規模修繕軽微な損傷箇所5~10年1㎡あたり1,000~3,000円程度
1戸あたり10~30万円程度

建物や設備の状況に応じて、柔軟に時期を決める必要があります。

環境により劣化の進行は異なります。

これらの費用は、修繕工事の内容や規模、使用する材料、施工方法などによって大きく異なります。また、工事を行う時期や地域によっても変動するため、事前に業者に相談して具体的な見積もりを取ることが大切です。

中規模修繕の小規模修繕・大規模修繕との違いについて紹介

小規模修繕は、経年劣化によって発生した軽微な損傷を部分的に補修する工事です。具体的には、壁や床のひび割れ補修、雨漏り対策、共用部分の照明器具交換などが含まれます。費用は数百万円程度で、修繕周期は5~10年程度です。

大規模修繕は、建物の躯体や設備など、マンションの寿命に直結する重要な部分を全体的に修繕する工事です。具体的には、外壁塗装、屋上防水、バルコニー防水、共用部分の電気設備更新などが含まれます。費用は数億円程度で、修繕周期は12~15年程度です。

中規模修繕は、小規模修繕と大規模修繕の中間に位置する工事です。小規模修繕では対応しきれないが、大規模修繕ほど大規模な工事ではない場合に実施されます。具体的には、外壁の一部塗装、屋上の部分防水、共用部分の床や壁の張替えなどが含まれます。費用は数千万円程度で、修繕周期は8~10年程度です。

中規模修繕は、小規模修繕と大規模修繕の両方の特徴を兼ね備えた工事です。小規模修繕よりも範囲が広く、大規模修繕よりも費用を抑えることができます。また、修繕周期も短いため、建物の状態を良好に保つことができます。

「修繕」「修理」「補修」「改修」の違いについて

マンション管理において、「修繕」「修理」「補修」「改修」という言葉はよく使われますが、それぞれ微妙な違いがあります。

  • 修繕: 破損や劣化によって損傷した建物を、元の状態に戻すこと。
  • 修理: 故障や不具合が生じた設備を、正常に機能するようにすること。
  • 補修: 小さな破損や劣化を、元の状態に近い状態に修復すること。
  • 改修: 建物の機能や性能を向上させるために、構造や設備を変更すること。

以下に、それぞれの具体的な例を挙げます。

  • 修繕: 壁のひび割れを埋める、屋根の瓦を交換する、防水工事をするなど。
  • 修理: エレベーターの故障を直す、給水管の漏水を止める、電気設備の不具合を解消するなど。
  • 補修: 床の傷を補修する、ドアノブの交換をする、タイルの目地を埋め直すなど。
  • 改修: バリアフリー化のために段差を解消する、耐震補強工事をする、省エネ設備に交換するなど。

このように、「修繕」「修理」「補修」「改修」はそれぞれ異なる意味を持ち、建物の管理において重要な役割を果たしています。適切な言葉を選んで使用することで、管理業務の効率化を図ることができます。

中規模修繕の工事内容を解説

中規模修繕では、建物全体に手を入れる大規模修繕とは異なり、劣化や不具合が見られる箇所を中心に、必要な工事を重点的に行うのが特徴です。
ここでは、実際に中規模修繕でよく実施される工事項目を紹介します。

外壁の部分補修・塗装

外壁全体を補修・塗装するのではなく、劣化やひび割れが目立つ箇所のみを対象にした部分的な工事が多く行われます。

  • クラック(ひび割れ)の補修
  • モルタルの浮きや欠損の補修
  • 一部タイルの張り替え
  • 部分的な塗装や再塗装

全面改修に比べてコストを抑えながら、劣化の進行を食い止める目的で実施されます。

屋上・バルコニーの防水工事(部分的または補修)

防水層の劣化が見られる箇所について、部分的な再防水や補修対応を行います。

  • 防水シートの端部補修
  • ドレン(排水口)まわりの改修
  • 既存防水層の劣化部位の再施工

屋上全体の再防水は大規模修繕で行うケースが多いですが、中規模修繕では劣化部位の早期対応で雨漏りリスクを回避することが目的です。

シーリング(コーキング)補修

サッシまわりや目地のシーリング材は、紫外線や温度変化により劣化しやすい部分です。
ひび割れや硬化が見られる箇所について、打ち替えや増し打ちが行われます。

  • 外壁目地のシーリング補修
  • 窓枠・建具まわりの打ち替え
  • 雨仕舞の強化を目的とした部分施工

雨水の侵入を防ぐ防水機能として、シーリング補修は中規模修繕でも重要な工事項目のひとつです。

鉄部の塗装・補修

廊下の手すりや階段の支柱、扉枠などの鉄部は、サビや塗膜の剥がれが目立ちやすく、部分的な塗装補修が行われます。

  • ケレン(サビ落とし)作業
  • 防錆塗料の下塗り
  • 耐候性塗料での仕上げ塗装

劣化を放置すると構造的な強度にも影響するため、定期的なメンテナンスで長寿命化を図ります。

共用部設備・仕上げのメンテナンス

中規模修繕では、住民の生活に直結する共用部の改善や安全対策もあわせて行われるケースがあります。

  • 照明器具のLED化や交換
  • インターホン設備の一部更新
  • 廊下や階段の長尺シート貼り替え
  • 転倒防止のためのノンスリップ材設置

これらの工事は、美観の向上やバリアフリー対応にもつながり、居住者満足度の向上に寄与します。

中規模修繕はいつ行う?タイミングと周期の考え方

中規模修繕は、大規模修繕の合間に建物の劣化を抑制し、資産価値の低下を防ぐための重要なメンテナンスです。
しかし、大規模修繕のように明確な周期が設定されていないため、「いつ実施すればよいのか分からない」という声も少なくありません。

実施のタイミングは「劣化の進行度」と「次回修繕までの期間」がカギ

一般的には、大規模修繕の中間時期(5〜8年後)を目安に検討されるケースが多く見られます。

例えば、

  • 築12年目に大規模修繕を実施 → 次回(築24年)までの間に、築18年前後で中規模修繕を実施
  • 大規模修繕を延期した場合の“つなぎ”として中規模修繕を実施

中規模修繕は、建物の健康診断的な意味合いもあり、予防保全としての役割を果たします。

劣化症状が見え始めたら早めに検討を

以下のような劣化が目立ち始めたら、中規模修繕を検討するサインです:

  • 外壁や鉄部の塗装の色あせ・剥がれ
  • シーリングのひび割れや硬化
  • 屋上防水層の膨れや浮き
  • 共用設備の不具合や老朽化(照明、階段床材など)

これらの兆候を放置すると、修繕範囲が広がり、結果的に費用や工期が膨らむリスクがあります。
早めの対処が、結果的に費用対効果の高い修繕につながります。

中規模修繕・分散方式のメリットについて

中規模修繕の施工方式には、一括方式と分散方式の2種類があります。分散方式は、建物をいくつかのブロックに分けて、順次修繕を進めていく方式です。この方式には、いくつかのメリットがあります。

中規模修繕には多額の費用が必要になるため、分散会計方式による修繕積立金の事前準備が一般的に行われています。

分散会計方式とは、将来の修繕費用を平準化し、計画的に準備する方式です。マンションの大規模な修繕には数千万円から億単位の高額な費用が必要です。

国土交通省が公表した標準的な修繕積立金の目安は、専有面積1㎡当たり月額350円~700円とされており 一時に多額の費用を集めることは困難であり、長期的な準備が必要不可欠です。

例えば有面積70㎡のマンションで、中規模修繕予定額が5,000万円の場合、25年で分散払いすると月額約1,500円の積立金になります。

分散会計方式には、以下のようなメリットがあります。

  • 将来の修繕費用の平準化ができ、一時金の負担が軽減される
  • 長期的な修繕計画に基づき、計画的な資金準備が可能に
  • 金利運用などにより、将来の修繕費用の一部を賄うことも可能

分散方式は、マンション管理において合理的で重要な方式と言えます。

突発的な多額の費用負担を避けられ、居住者の経済的負担が軽減されます。

一般社団法人マンション管理業協会の調査では、8割以上の管理組合で分散積立が実施されています。

分散積立額の設定

分散積立額の設定は、以下の要素を総合的に勘案して決められます。

  • マンションの規模(戸数・延べ面積など)
  • 建物の構造、設備の状況
  • 修繕工事の内容と規模
  • マンション開設時の修繕計画書
  • 前回の修繕からの経過年数
  • 居住者の年収水準

適切な積立額を設定し、計画的に準備を進めることが重要です。

過小に設定すると積立不足に伴う工事の遅延や費用のアップにつながります。 理由:として過大に設定すると、居住者の負担が重くなり資金運用の必要も生じます。

分散方式の適切な運用により、マンションの資産価値を維持できます。

修繕積立金とは?

修繕積立金とは、マンションの共用部分を将来的に修繕するために、区分所有者が毎月積み立てていくお金のことです。
外壁や屋上の防水、給排水管の更新、エレベーターの改修など、大規模修繕工事を行う際の主な財源となります。
積立金が不足すると、一時金の徴収や修繕の先送りといった問題が発生するため、長期修繕計画に基づいて適切な額を積み立てることが重要です。
また、積立金の使い道は管理規約で定められており、計画的な管理と住民の合意形成が不可欠です。

中規模修繕の工事の費用内訳

中規模修繕の費用は、工事の内容や範囲、マンションの規模などで大きく変わります。

マンションの中規模修繕にかかる費用は、修繕内容や規模、築年数、建物の構造などによって大きく異なります。一般的には、1戸当たり20〜80万円程度程度が目安とされています。

値段の振れ幅としてあるのは「外壁の一部修理や塗装の交換」などの比較的小さな工事や「エレベーターの部分的な修理や交換」などによって差があるためです。

中規模修繕工事の内容ごとの費用は以下の通りです。

修繕内容費用目安(1戸当たり)
部分的な屋根修理や葺き替え作業10万円~50万円
外壁の一部修理や塗装の交換20万円~100万円
古い配管の交換作業30万円~150万円
電気設備の更新作業20万円~80万円
エレベーターの部分的な修理や交換200万円~600万円
共有部分の床や壁の修理や交換20万円~80万円
設備機器の交換作業10万円~50万円
防水工事10万円~50万円
入口や玄関周りの改修工事20万円~80万円
バルコニーの修理や交換作業10万円~50万円

これらの費用はあくまでも目安であり、実際の費用は各施工業者によって異なります。

早期に修繕計画を立て、適切な修繕積立金を準備することが重要です。計画を立てずに修繕時期を迎えると、一時金の支払額が重くのしかかります。マンション管理業協会の調査では、修繕積立金の積み立て不足により、修繕工事が遅延したケースが2割に上ります。

予算不足が生じると、工事の遅延や分割発注による費用の増加が起こりかねません。

複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。

中規模修繕工事を依頼する際の業者選びのポイント

中規模修繕工事を依頼する際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。業者を選ぶ際には、施工実績と経験、必要な資格と許可の確認、アフターサービスと保証内容の確認、見積もりに不明瞭な部分がないか確認しましょう。信頼できる業者を選ぶことで、安心・安全な修繕工事が実現します。

施工実績と経験

中規模修繕工事には、十分な施工実績と経験を持つ業者の選定が重要です。マンションの規模や劣化状況など、それぞれの物件に適した修繕プランを提案できる実績豊富な業者を選ぶことで、より効果的な修繕工事の実施が期待できます。また、経験豊富な業者は、過去の施工例をもとに、より効率的な施工方法や材質の選定など、様々な提案を行うことができます。これにより、コストを抑えたり、修繕後の耐久性を高めたりするなど、様々なメリットが得られます。

必要な資格と許可の確認

中規模修繕工事を行う際に、業者が適切な資格と許可を持っていることを確認することは非常に重要です。 業者には、建築士、一級建築士、電気工事士、管工事士などの資格が必要となり、使用する資材や設備によっては特定の許可が必要となる場合もあります。 資格や許可の確認は、工事の安全性と品質を確保するために不可欠です。

アフターサービスと保証内容の確認

中規模修繕工事は、大規模修繕工事ほど複雑ではありませんが、それでも重要な工事です。そのため、工事完了後も安心できるアフターサービスと保証内容を確認しておくことが重要です。業者によっては、アフターサービスや保証内容が異なるため、事前にしっかりと確認し、納得した上で契約を結ぶようにしましょう。

中規模修繕は建物管理の要となる予防策

中規模修繕は、大規模修繕と日常的な軽微修繕の中間に位置するメンテナンスとして、マンションや建物の長寿命化において重要な役割を果たします。

全体を一気に改修する大規模修繕とは異なり、必要な部分だけを計画的に修繕することで、コストと労力を抑えつつ、建物の劣化進行を食い止めることが可能です。

とくに、以下のような点で中規模修繕は大きな意味を持ちます:

  • 劣化を早期に発見・対応し、大規模修繕までの**“つなぎ”の役割**を果たす
  • 小規模な修繕では対応しきれない範囲を効率的にカバーできる
  • 修繕積立金の範囲内で実施できる可能性が高く、財政的な負担を抑えやすい

適切なタイミングで中規模修繕を取り入れることは、結果的に大規模修繕の負担軽減や、建物全体の健全な維持管理につながります。

中長期的な視点に立ち、建物の状態や資金状況に応じて、柔軟かつ戦略的に中規模修繕を活用していくことが、トラブルの予防と資産価値の維持に直結するポイントです。

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