2024.04.04
マンション大規模修繕工事で行う外壁塗装や塗り替えの内容を解説!塗料の種類別の費用や耐用年数も紹介
マンションの大規模修繕工事において外壁塗装は建物の美観を保つだけでなく、劣化防止や耐久性の向上にも重要な役割を果たします。
外壁塗装を行う目的や、工事にかかる費用の目安、具体的な施工の流れについて知ることで、計画的な修繕を進めるための判断材料が増え将来的なコスト削減にもつながります。
この記事では、外壁塗装の基本的な工程や費用相場を詳しく解説し、マンション管理者やオーナーが効率的に資産価値を守るためのポイントを紹介します。修繕工事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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マンションの大規模修繕の塗装工事の目的は?
マンションの大規模修繕における塗装工事の主な目的は、美観の維持と建物の長寿命化にあります。
結論からいえば、適切な塗装工事を行うことで、マンションの資産価値を維持し、居住環境を良好に保つことができるのです。
まず、マンションの外観美化について説明しましょう。
経年劣化によりマンションの外壁は汚れや傷みが生じ、美観が損なわれます。
このような状態が長く放置されると、建物の印象が悪化し、入居者の不満が高まり、空室増加やマンション評価の低下に繋がりかねません。
実際、外壁の劣化による景観問題は入居者の不満要因の約3割を占める重要な課題だと言われています。
そこで塗装工事によって外壁を美化することで、建物に新築時の外観を取り戻すことができるのです。
次に、構造体の長寿命化について見ていきましょう。
国土交通省の調査によると、マンションの使用可能年数は60年~70年と言われていますが、中性化による鉄筋の腐食が進行すると構造体の劣化が加速し、修繕費が高額になる恐れがあります。
マンションの維持管理において、中性化対策は重要な課題となっています。
塗装工事では、下地処理によってコンクリートの中性化を遅らせるとともに、塗膜の付着により外壁の保護を図ることができます。
一例として、高耐久性塗料によって塗り直しを10年以上先延ばしできた事例もあります。
こうした長寿命化対策により、大規模修繕費の削減や長期修繕計画の見直しにも繋がるのです。
以上のように、マンションの大規模修繕における塗装工事は、美観維持と構造体の長寿命化を通じて、マンション価値の維持・向上に重要な役割を果たしています。
マンションの大規模修繕で塗装工事が必要な場所
マンションの大規模修繕では、主に外壁やバルコニー手摺、雨とい部分などの塗装工事が必要となります。
結論として、これらの部位の塗装は、美観維持や躯体保護の役割があり、マンション資産価値の維持に不可欠な工事なのです。
外壁の塗装工事は、最も重要な工事の一つです。
外壁は、建物の顔とも言える部分であり、劣化が進むと景観が損なわれ、賃貸マンションでは入居者の満足度が下がる恐れがあります。
実際、国土交通省の調査では、外壁の劣化が入居者の不満要因の約3割を占めています。
また、モルタル外壁の場合、雨風にさらされることで中性化が進行し、最終的には鉄筋が錆びて構造体の劣化に繋がります。
このように、外壁の塗装は、美観保持のみならず、躯体の長寿命化にも大きな役割を果たすのです。
次に、バルコニー手摺や雨とい部分の塗装も重要です。
これらの部位は、外気に直接さらされるため、劣化が進みやすく、塩害や排気ガスの影響も受けます。
手入れが行き届かない場合、手摺の錆びや雨といの詰まりなどのトラブルが発生しがちです。
バルコニー手摺は安全面での重要な設備であり、雨といは排水不良につながるため、適切な塗装とメンテナンスが欠かせません。
その他、共用部分のエントランスやロビー、階段室なども、第一印象を左右する重要な場所です。
賃貸マンションでは、こうした共用部分の美装性が、入居者の満足度に影響するとされています。
このように、塗装工事が必要な場所は、マンション内の多くの箇所に及びます。
以上を踏まえ、マンション管理組合では、長期修繕計画に沿って、優先順位をつけながら、計画的な塗装工事を行っていく必要があります。
適切な塗装サイクルを守ることで、マンションの資産価値を維持し、良好な居住環境を保つことができるのです。
マンションの大規模修繕での塗装の種類と耐用年数と費用目安
塗装の種類と耐用年数と費用目安を見ていきましょう。
塗装の種類 | 耐用年数 | 費用目安(1平米あたり) |
---|---|---|
弾性塗料 | 10年程度 | 2,000円~4,000円 |
弾性リシン | 10年程度 | 4,000円~6,000円 |
ユメニウム | 15年程度 | 6,000円~8,000円 |
フッ素樹脂 | 20年程度 | 10,000円~15,000円 |
これらはあくまで一般的な目安で、立地条件や建物の状況により変動します。
マンションの大規模修繕工事には助成金・補助金の利用が可能か
マンションの大規模修繕工事には、費用を抑える方法として助成金や補助金の利用が検討できます。これらの制度は、自治体や国によって設けられており、それぞれ条件や対象工事が異なります。国土交通省が実施しているマンション大規模修繕等支援事業は、耐震性能向上、省エネ対策、バリアフリー化などの工事に対して助成金を交付しています。また、耐震性が不十分なマンションの建替えや耐震補強工事に対して補助金を交付するマンション建替え等促進事業も実施しています。
多くの自治体では、独自の助成金・補助金を設けており、助成対象となる工事や申請条件は自治体によって異なるため、お住まいの自治体のホームページなどを確認する必要があります。
助成金・補助金の利用には、申請書類の作成や一定の基準を満たす工事の実施など、様々な条件があります。事前に制度の詳細を確認し、専門家などに相談することをおすすめします。
マンション大規模修繕の外壁塗装工事の流れ
外壁塗装工事は、以下のような流れで行われます。
- 事前調査
- 足場設置
- 下地調整(ケレン作業)
- 下塗り塗装
- 中塗り塗装
- 上塗り塗装
- 足場解体
- 後片付け
マンションの外壁塗装のメリットとは何か?
マンションの外壁塗装のメリットは、建物の美観を保ち、資産価値を維持することです。 しかし、他にも多くのメリットがあります。
- 建物の劣化を防ぐ
- 防水効果を高める
- 断熱効果を高める
- 防音効果を高める
- 美観を保つ
マンションの外壁塗装は、建物を保護し、快適な生活環境を維持するために重要な役割を果たしています。適切な時期に外壁塗装を行うことで、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持することができます。
マンションの大規模修繕の鉄部塗装工事の流れ
鉄部塗装工事は、以下のような流れで行われます。
- 事前調査
- 養生
- 素地調整(ケレン作業)
- 下塗り塗装
- 上塗り塗装
- 後片付け
マンションの大規模修繕で塗装工事の注意点
マンションの大規模修繕における塗装工事では、以下の点に注意が必要です。
- 工期の設定 塗装工事は天候に左右されるため、雨季を避けた適切な時期に行う必要があります。
- 入居者への事前説明 騒音や振動が発生するため、事前に分かりやすく説明し、理解を求める必要があります。
- 安全対策 高所作業が多いため、手すり設置や安全ネットの使用など、十分な安全対策が求められます。
- 施工業者の選定 塗装工事は専門的な技術を要するため、実績のある施工業者を選ぶことが大切です。複数社から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
以上のように、適切な計画と準備を行い、安全性と品質を重視した施工を心がける必要があります。
マンション管理組合は、大規模修繕工事の中でも塗装工事に注力し、居住環境の維持・向上に努める必要があるのです。
大規模修善工事でのよくある質問
ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。
Q
大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?
A
A: 10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう
Q
マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?
A
大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。
Q
マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?
A
大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。
Q
大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?
A
大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。
Q
大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?
A
大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。
この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください
マンション大規模修繕の塗装についてまとめ
マンションの大規模修繕工事で外壁塗装を行う目的は、建物の美観を保つ、建物を保護する、防水性を高めることです。
外壁塗装を行うことで、建物の資産価値を維持し、寿命を延ばし、雨漏りを防ぐことができます。大規模修繕工事の計画時には、外壁塗装をしっかりと検討することが大切です。