防水工事の費用相場はいくら?種類ごとの価格や安くする方法を解説 | 株式会社新東亜工業  

    コラム    

防水工事の費用相場はいくら?種類ごとの価格や安くする方法を解説

大切な家や建物を雨漏りから守るために、定期的な防水工事は欠かせません。

しかし、いざ工事を行おうとすると、「費用がどのくらいかかるのか」、「どの防水方法を選べばいいのか」など、さまざまな疑問が湧いてきます。

そこで、この記事では、防水工事の費用相場を種類ごとに詳しく解説し、さらに安くする方法もご紹介します。

雨漏りの不安を解消し、快適な住環境を守るために、この記事が参考になれば幸いです。

防水工事の種類と費用相場

防水工事には、主にウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水の4種類が用いられます。

各防水工事の費用相場、耐用年数は、以下の通りです。

防水工事の種類費用相場耐用年数
ウレタン防水約4,000〜7,000円8〜10年
シート防水約5,000〜7,000円10〜12年
アスファルト防水約5,500〜8,000円15〜25年
FRP防水約6,000〜8,000円10〜15年

上記の費用、年数はあくまで目安であり、実際の費用は、施工面積、下地の状態、使用する材料、業者によって異なります。

ウレタン防水

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布して、硬化させることで防水層を形成する防水工事です。

ウレタン防水の工法は、主に以下の3種類があります。

工法の種類費用相場
密着工法約4,000〜6,000円/㎡
密着メッシュ工法約4,500〜6,500円/㎡
通気緩衝工法約5,500〜7,000円/㎡

密着工法は、下地にプライマーを塗布し、その上にウレタン防水材を塗布する方法です。

ウレタン防水の中では、工期が短く、比較的安価な工法として用いられています。

メッシュ工法は、ウレタン防水にメッシュシートを組み合わせて行う防水工法です。

ウレタン防水とメッシュシートの組み合わせによって、高い防水性、耐裂性、耐久性を備えています。

通気緩衝工法は、下地にプライマーを塗布し、その上からウレタン防水材と通気緩衝シートを交互に重ねて塗布する方法です。

下地の状態による影響を受けにくく、ひび割れが発生しにくい工法として用いられています。

シート防水

シート防水は、塩ビやゴム製の防水シートを下地に貼り付けて防水層を形成する工法です。

シート防水の工法は、密着工法、機械的固定工法の2種類があります。

工法の種類費用相場
密着工法約4,000〜6,000円/㎡
機械的固定工法約5,500〜7,000円/㎡

密着工法は、シート材を下地に接着剤で貼り付ける工法です。

施工費用は比較的安価で、施工が簡単という特徴があります。

機械固定工法は、防水シートを専用の機械で固定する工法です。

シートを直接密着させないため、下地の状態に影響を受けにくく、高い耐久性が期待できます。

アスファルト防水

アスファルト防水は、アスファルトを溶かして防水層を形成する防水工法です。

施工方法によって熱工法、常温工法(冷工法)、トーチ工法の3種類に分かれます。

工法の種類費用相場
熱工法約6,000〜8,000円/㎡
常温工法(冷工法)約5,500〜7,500円/㎡
トーチ工法約6,500〜8,000円/㎡

熱工法は、熱で溶かしたアスファルトを使用して防水層を形成する工法です。熱で溶かしたアスファルトは、密着性が高く、高い防水性を発揮しますが、火を扱うため周辺環境への配慮が必要となります。

常温工法は、加熱せずに防水材を付着させるアスファルト防水工法です。火を使わないため、煙や臭いの問題がありません。

トーチ工法は、改質アスファルトルーフィングと呼ばれるシート材をバーナーで加熱しながら貼り付ける防水工法です。改質アスファルトルーフィングは、防水性の高い材料でできており、耐久性に優れ、長持ちします。

FRP防水

FRP防水とは、繊維強化プラスチック(FRP)を用いた防水工法です。

FRPはガラス繊維とポリエステル樹脂を組み合わせた素材で、軽量で強靭、耐水性・耐候性に優れています。

屋上をはじめ、バルコニー、ベランダ、外壁、プール、水槽など、施工可能な場所が多岐に渡っています。

FRP防水の費用は、1㎡あたり4,000~7,500円程度です。

防水工事の付帯費用

防水工事には、材料費や人件費以外にも、高圧洗浄や下地処理などの付帯費用が発生します。

工事内容費用相場
足場仮設約700〜900円/㎡
高圧洗浄約100〜300円/㎡
下地処理約200〜500円/㎡
下地補修約1,000〜2,000円/㎡
改修用ドレン設置約10,000〜20,000円/基
発生材処分費約10,000〜30,000円/式
諸経費約10,000〜30,000円/式

これらの付帯費用は、施工業者によって大きく異なるため、見積書の項目ごとに確認することが重要です。

費用相場以外にチェックすべきポイント

防水工事の見積もりは、単に費用相場だけを確認すれば良いわけではありません。

見積もりの詳細や保証内容など、重要なポイントを確認する必要があります。

見積もりの詳細

費用相場以外にもチェックすべきポイントは、見積もりの詳細内容です。

適切な工法が選択されているか、使用する材料の種類、グレード、耐久性など、項目ごとに詳細な費用が記載されているか確認しましょう。

見積書でチェックすべきポイントは、以下の通りです。

  • 材料費:使用する材料の種類、数量、単価
  • 人件費:作業員の人数、作業時間、単価
  • 付帯費用:足場架設費、高所作業費、養生費用、撤去費用など、各費用の内容と単価

曖昧な表現や不明瞭な項目がないか確認し、疑問点は業者に遠慮なく質問しましょう。

保証内容

防水工事の見積もりでは、費用相場だけでなく、保証内容についても確認することが重要です。

防水工事の保証期間は、一般的に5~10年で、防水層の漏水、剥がれ、亀裂などを保証します。

ただし、地震や台風などの自然災害による損害は保証されない場合があります。

契約書の内容や支払い方法をよく確認し、不明点があれば質問しましょう。

また、クーリングオフ制度や、アフターサービスがあるかについても確認が必要です。

上記のポイントを参考に、慎重に業者を選び、見積もり内容を確認しましょう。

防水工事業者選びのポイント

防水工事は、専門知識と技術が必要な工事であり、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

防水工事業者を選ぶ際のポイントについて、以下に紹介します。

防水工事資格の有無

防水工事を行う業者は、防水施工技能士などの国家資格が必要です。

防水施工技能士には1級と2級があり、1級防水施工技能士は、高い技能を有している証拠となります。

1級防水施工技能士の受験資格は、実務経験が7年以上必要です。

実績と経験を積まなければ受験できないため、資格を保有しているということは、信頼性が高い業者であるといえます。

防水工事の経験

防水工事は、専門知識と技術が必要な工事であり、防水工事の経験豊富な業者を選ぶことが重要です。

防水工事業者の経験を確認するポイントは、施工実績や施工事例などがあります。

過去にどのような防水工事を行ってきたのか、施工事例を見せてもらい、仕上がり具合を確認しましょう。

保証・アフターサービスの有無

業者を選ぶ際には、費用相場や経験・実績だけでなく、保証内容も重要な チェックポイント です。

保証期間は、防水工事の品質を判断する指標の一つです。

一般的に、保証期間は5~10年が主流ですが、業者によって異なります。

また、長期間の保証を提供している業者 は、施工技術に自信を持っていると考えられます。

保証内容は、防水層の漏水、剥がれ、亀裂などを保証するのが一般的ですが、細部まで確認することが重要です。

どのような不具合を保証するのか、保証期間中の修理費用は誰が負担するのか、免責事項は何かなどを明確にしておきましょう。

見積もりや契約書に、保証内容が明確に記載されているかをしっかり確認しましょう。

安全対策

防水工事は、高所作業や重機の使用など、危険を伴うため、安全対策に力を入れている業者を選ぶことが重要です。

安全対策に力を入れている業者の特徴は、以下の通りです。

  • 安全教育を徹底している
  • 安全装備を着用している
  • 足場や仮設設備がしっかりしている
  • 安全管理体制が整っている
  • 過去に事故やトラブルを起こしていない

安全対策を確認する方法は、業者に直接聞くか、ホームページなどで確認できます。

業者の口コミや評判について、インターネットなどで調べてみるのも有効です。

また、実際に現場を見学して、安全対策が徹底されているか確認してみましょう。

担当者の知識

防水工事は、専門知識と技術が必要な工事であり、担当者の知識は、防水工事業者選びにおいて重要なポイントの一つです。

担当者の現場経験が豊富で、防水工事の種類、材料、施工方法など、防水工事に関する幅広い知識を持っていることを確認しましょう。

防水施工技能士などの資格・免許を持っていることも業者選びのポイントとなります。

また、質問に対して分かりやすく説明できること、顧客のニーズに合った最適な防水工事プランを提案できることも重要です。

信頼できる担当者を選ぶことが、満足度の高い防水工事につながります。

防水工事をDIYで行うリスク

防水工事をDIYで行うことは可能です。

ただし、専門知識と技術が必要な工事であるため、DIYで行う場合は以下のようなリスクが伴うことを認識しておきましょう。

自信のない方は、業者に施工してもらうことをおすすめします。

施工の難易度が高い

防水工事は、適切な材料や道具を揃える必要があり、下地処理やプライマー塗布など、手順通りの作業が重要です。

経験や知識がない人がDIYで行うと、材料選びや施工方法の誤りで失敗する可能性があります。

また、専用の道具を正しく使わないと、材料がうまく塗布できなかったり、下地に傷を付けてしまう可能性があります。

施工の失敗は、雨漏りなどの二次被害に繋がる原因になるでしょう。

雨漏りが発生した場合、建物の構造体や内装が損傷し、修繕に多額の費用がかかる場合があります。

施工後の仕上がりにムラが出る

防水工事をDIYで行った場合、仕上がりにムラが出ることがあります。

防水工事は、材料を均一に塗り、しっかりと密着させることが重要です。

しかし、DIYで防水工事を行う場合は、経験不足や技術不足により、材料の塗り方にムラが出たり、空気が入ったりして、防水性が低下する可能性があります。

防水性に問題があると、雨漏りが発生し、建物の構造体や内装を傷める可能性が高いです。

また、雨漏りは、建物の価値を大きく下げる原因にもなります。

失敗しても保証がない

防水工事は、材料選び、下地処理、施工方法などに注意が必要で、知識や経験がないと失敗する可能性が高いです。

防水工事が失敗すると雨漏りなどのトラブルが発生する可能性があり、雨漏りによって建物の構造躯体を腐食させたり、カビやダニの発生原因になったりするなど、深刻な被害につながります。

また、防水工事に失敗した場合の保証がないと知っておきましょう。

雨漏りが起きてしまったら、業者に補修してもらうことになり、防水工事より高額の修繕費用がかかります。

防水工事の費用を安くする方法

防水工事は、費用が高額になる場合があります。

費用を安く抑えるためには、以下の方法が有効です。

トップコート塗装のみで対処可能か確認する

防水層が劣化していない場合は、トップコート塗装のみで対処が可能です。

トップコート塗装は、防水工事よりも費用が安く済みます。

トップコート塗装のみで対処できるかどうかは、専門業者に確認する必要があります。

ただし、トップコート塗装のみで対処できる条件は、以下の通りです。

  • 防水層が劣化していないこと
  • ひび割れや穴などの損傷がないこと
  • 表面の汚れや苔などをしっかりと清掃していること

トップコート塗装は、あくまでも応急処置であり、防水層が劣化している場合は、根本的な解決のために防水工事が必要です。

相見積もりを行って見積書を比較する

防水工事の費用は、業者によって異なります。

費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取り、比較することが重要です。

また、複数の見積もりを比較することで、適正価格を知ることができます。

見積もり内容を比較することで、費用だけではなく、各業者の強みや弱みを把握することも可能です。

さらに、複数の見積もりを提示することで、値引き交渉をすることができます。

自社施工を行う業者に依頼する

防水工事は、自社施工を行う業者に依頼することで費用が安くなる場合があります。

なぜなら、下請け業者に依頼せず、自社の職人が施工を行うため、中間マージンが発生しないからです。

また、自社の職人が施工を行うため、品質管理が徹底され、責任の所在が明確になります。

防水層を定期的にメンテナンスする

防水工事の費用を抑える方法はいくつかありますが、最も効果的な方法は、防水層を定期的にメンテナンスすることです。

メンテナンスによって防水層の劣化を抑制し、長持ちさせることができます。

また、早期に異常を発見・修繕することで、結果的に、防水工事の費用を抑えることができます。

防水の種類や使用状況によって異なりますが、一般的には5~10年に1回程度です。

防水工事のメンテナンス方法

建物に施されている防水層は、経年劣化によって徐々に機能が低下するため、定期的なメンテナンスが必要です。

防水工事のメンテナンスには、以下のようなものがあります。

排水溝の掃除

排水溝が詰まると水が溜まり、防水層の劣化を早めます。

排水溝の掃除方法は、落ち葉やゴミを取り除き、水を流して汚れを洗い流します。

掃除の頻度は、少なくとも年に2回は行いましょう。

落葉が多い地域では、もっと頻繁に掃除が必要です。

トップコートの塗り替え

トップコートは、防水層を保護するために塗布される塗料です。

トップコートの塗り替えは、防水層の劣化を防ぎ、防水性能を維持するために行われます。

トップコートの塗り替え時期は、種類や使用状況によって異なりますが、一般的には5~10年に1回程度です。

また、チョーキング現象や防水層のひび割れ、色あせ、剥がれなどの症状が現れた場合は、早めに塗り替えを検討しましょう。

【収益物件の経営者向け】防水工事費用の計上方法

マンション・ビル・アパートの防水工事費用は、修繕費または資本的支出のいずれかとして計上することが可能です。

修繕費と資本的支出の区分は、工事の内容、費用の要素に基づいて判断されます。

修繕費と資本的支出、それぞれの計上方法は、以下の表の通りです。

修繕費資本的支出
工事内容既存の防水層の補修や部分的な改修全面的な改修や新規に防水層を設ける場合
工事費用30万円未満30万円以上
計上方法一括で費用計上資産計上し、耐用年数に応じて減価償却
費用計上のタイミング工事完了時工事完了時
損益計算への影響当期の損失に計上当期の損失に計上しない
税務上の影響経費として計上できる減価償却費を経費として計上できる

どちらの計上方法が適切かは、個々の工事の内容や費用によって異なります。

判断に迷う場合は、税理士に相談することをおすすめします。

まとめ

ここまで、防水工事の費用について解説してきました。

この記事の要点は、以下の通りです。

  • 防水工事の種類:ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水
  • 費用相場は㎡単価で約4,000円〜8,000円、耐用年数は8〜25年
  • 付帯費用: 足場架設費、高圧洗浄費、下地処理費など
  • 費用を抑える方法:トップコート塗装のみで対処可能か確認する、相見積もりを行って見積書を比較するなど
  • 業者選びは、防水工事資格の有無、実績と経験、保証内容が重要
  • DIYの注意点は、難易度が高く、仕上がりにムラが出る、失敗しても保証がない
  • マンション・アパート経営者向けの費用は修繕費と資本的支出のいずれかで計上できる

防水工事は、専門知識と技術が必要な工事であり、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

防水工事に関する疑問を解決し、最適な業者を選びましょう。

関連記事
LINE TEL MAIL