2024.04.04
大規模修繕工事における建物の躯体の補修・修繕工事内容は?
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大規模修繕において、建物の躯体は重要な要素です。躯体は建物の骨格であり、建物の強度や耐久性を支えています。大規模修繕では、躯体の劣化状況を調査し、必要に応じて補修・修繕を行います。
このページでは、大規模修繕における躯体の補修・修繕工事について詳しく解説します。躯体とは何か、RC造とはどのような構造か、大規模修繕の範囲や躯体の補修内容、躯体の劣化と修繕方法などについて説明します。また、外壁下地コンクリートの「ひび割れ」や「爆裂」の修繕方法の手順についても紹介します。
大規模修繕を検討しているマンションの管理組合や、躯体の補修・修繕について詳しく知りたい方は、ぜひこのページをご覧ください。
建物の躯体とは?
建物の躯体とは、建物の骨格となる部分を指します。
つまり、建物の荷重を支え、強度と耐久性を確保する最も重要な構造体全般のことを言います。
結論からいえば、躯体は建物の安全性や長寿命化を左右する極めて重要な部位なので、定期的な点検と適切な補修が不可欠になるのです。
躯体を構成する主な部材は以下の通りです。
- 基礎(コンクリートくい、布基礎など)
- 柱(鉄筋コンクリート柱、鉄骨柱など)
- 梁(鉄筋コンクリート梁、鉄骨梁など)
- 壁(鉄筋コンクリート壁、補強コンクリートブロック壁など)
- 床(コンクリート床スラブ、根太・野縁など)
- 屋根(小屋組み、トラス、コンクリート屋根など)
このように、様々な部材が有機的に連携し合うことで、建物全体の強度と安全性が確保されています。
中でも、基礎、柱、梁は特に重要な骨格部分であり、これらに不具合が生じると建物が傾くなどの重大な事態に繋がる可能性があります。
実際、国土交通省の調査では、築後25年を経過したマンションの約7割で何らかの躯体劣化が確認されており、適切な維持管理の重要性が指摘されています。
躯体部分の劣化は、コンクリートの中性化による鉄筋の発錆、アルカリ骨材反応によるひび割れ、凍結融解作用による剥離など、様々なケースが考えられます。
以上のように、柱や梁、基礎などの躯体部分は、建物の骨格を成す重要な役割を担っています。
建物の長期にわたる安全性と耐久性を確保するためには、躯体の定期点検と早期の補修対応が不可欠なのです。
特に集合住宅では、専門家の指導の下、躯体の維持管理に万全を期す必要があります。
大規模修繕工事における躯体補修工事とは?
躯体補修工事とは、建物の骨格である躯体部分の劣化に対して、適切な補強や一部取り換えを行う工事のことを指します。
結論から言えば、躯体は建物の安全性を最も左右する重要な部位なので、早期の専門的な補修工事が不可欠となります。
躯体の主な劣化事例としては、以下のようなものが挙げられます。
- コンクリートの中性化による鉄筋の発錆と抜け落ち
- アルカリ骨材反応によるコンクリートのひび割れ
- 凍結融解作用によるコンクリートの剥離
- 鉄骨部材の腐食による断面欠損
- 基礎の地盤沈下によるひび割れや傾き
このような劣化が放置されると、建物の耐力や耐久性が低下し、最悪の場合、倒壊に至るリスクもあります。
実際、国土交通省の調査では、築後25年を経過したマンションの約7割で何らかの躯体劣化が確認されており、早期発見と適切な補修工事が求められています。
躯体におきる建物の劣化症状の例を紹介
躯体部分で発生しやすい主な劣化事例としては、以下のようなものがあります。
結論から言えば、これらの劣化は建物の安全性に重大な影響を及ぼすため、早期発見と適切な補修工事が不可欠になります。
【コンクリート部分】
・中性化による鉄筋の発錆と抜け落ち ・アルカリ骨材反応によるひび割れ ・凍結融解作用による剥離・ひび割れ
コンクリート中の鉄筋が発錆すると、体積が6~10倍に膨れ上がり、ひび割れやコンクリートの剥離が生じます。
鉄筋が露出すると、腐食が進行し建物の耐力低下に繋がります。
また、アルカリ骨材反応は、骨材とコンクリートの反応によりひび割れが入る劣化現象です。
凍結融解作用は、コンクリート内部の水分が凍結・融解を繰り返すことで、ひび割れや剥離が生じる現象を指します。
【鉄骨部分】
・腐食による断面欠損 ・高力ボルトの緩み
鉄骨部分では、腐食による断面欠損が大きな問題となります。
腐食が進行すると、鉄骨の強度が低下し、最悪の場合は折損に至るリスクがあります。
また、高力ボルト接合部の緩みも発生しがちで、これが放置されると接合部がずれて建物が傾くおそれがあります。
【基礎部分】
・地盤沈下によるひび割れ・傾き
基礎部分の劣化では、地盤沈下によるひび割れや建物の傾きが起こり得ます。
地盤沈下が進行すると、基礎の支持力が低下し、上部構造に影響を及ぼします。
このように様々な劣化事例があり、国土交通省の調査でも、築後25年を経過したマンションの約7割で何らかの躯体劣化が確認されています。
一見して分かりづらい躯体の劣化は放置が危険なため、専門家による定期点検と早期の補修対応が重要不可欠なのです。
大規模修繕の躯体工事の流れ
躯体補修工事の一般的な流れは以下の通りです。
- 事前調査・診断
- 足場設置・養生工事
- 劣化部分の除去作業
- ひび割れ部分の穴あけ・削り
- 鉄筋の防錆処理
- 新しいコンクリートの打設
- 後施工アンカーの設置(必要に応じて)
- 防水工事
- 足場解体・後片付け
補修の際は、まず専門業者による事前調査で劣化状況を正確に把握します。
次に足場を組み、劣化した部分を適切に除去・処理した後、新しいコンクリートを打設して、既存の躯体と一体化させていきます。
最後に防水工事などの仕上げを行います。
躯体補修は高度な技術を要する作業なので、十分な実績と信頼のおける専門業者に依頼することが重要です。
コストは建物の規模により変動しますが、一般的に高額になります。
しかし、躯体の補修を怠ると将来的に重大な事故に繋がるリスクがあるため、適切な時期に確実に実施する必要があります。
以上のように、躯体の劣化事例は様々であり、マンションでは特に定期点検と早期補修に万全を期す必要があります。
長期修繕計画に基づき、躯体の維持管理に努めることが建物の安全性を守る上で不可欠なのです。
大規模修善工事でのよくある質問
ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。
Q
大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?
A
A: 10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう
Q
マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?
A
大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。
Q
マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?
A
大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。
Q
大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?
A
大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。
Q
大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?
A
大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。
この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください
まとめ|大規模修繕における躯体の重要性と修繕のポイント
大規模修繕において、躯体の補修・修繕は重要なポイントです。躯体とは、建物の骨格にあたる部分で、建物の耐久性や安全性にとって欠かせません。躯体が劣化すると、建物の耐震性や防水性が低下し、最悪の場合、倒壊の危険性も出てきます。
そこで、大規模修繕では躯体の状態をしっかり確認し、必要に応じて適切な補修・修繕を行います。主な補修・修繕方法としては、ひび割れや爆裂などの補修、鉄筋の腐食対策、コンクリートの剥落対策などがあります。
躯体の劣化を防ぐためには、定期的な点検と適切なメンテナンスが重要です。また、大規模修繕の際には、専門家による調査と診断を行い、最適な補修・修繕方法を選択することが大切です。