2024.04.08
陸屋根と屋上の違いとは?防水工事の費用やそれぞれのメリットやデメリットを解説
マンマンションや戸建て住宅において、ベランダは日常的に使用される場所であり、雨風や紫外線にさらされるため、経年劣化が避けられません。特にベランダの床は、劣化が進むと見た目が悪くなるだけでなく、防水性能の低下や滑りやすさなどの問題が発生することがあります。
この記事では、ベランダ床の張り替えが必要なタイミングや、費用相場、床材の種類、選び方、さらに施工時の注意点まで、徹底的に解説します。適切な床材を選ぶことで、ベランダの快適性や安全性を向上させ、長期間にわたり美観を維持することが可能です。リフォームを検討している方に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてみてください。
ベランダ床張り替えの費用相場
ベランダ床の張り替え費用は、床材の種類、ベランダの広さ、施工方法などによって大きく異なります。
それぞれの費用・価格相場を紹介し、詳しく解説していきます。
ベランダ床材ごとの価格相場
一般的なベランダ床材の価格相場は、以下の通りです。
ベランダ床材の種類 | 価格相場 |
---|---|
天然木 | 約20,000〜40,000円/㎡ |
人工木材 | 約15,000〜30,000円/㎡ |
金属 | 約10,000〜30,000円/㎡ |
樹脂 | 約10,000〜20,000円/㎡ |
タイル | 約20,000〜40,000円/㎡ |
上記の価格は、材料費のみの目安です。
施工費用は、業者やベランダの広さ、形状などによって異なります。
ベランダの広さ
ベランダの広さによって、床の張り替え費用は変わってきます。
以下の表は、広さごとの費用相場ですが、あくまで目安であり、床材の種類や施工方法によって異なります。
ベランダの広さ | 費用相場 |
---|---|
4畳(約7.3㎡) | 約10万〜40万円 |
6畳(約11㎡) | 約15万〜50万円 |
8畳(約14.6㎡) | 約20万〜60万円 |
戸建て住宅のベランダは、0.9~1.2m幅が一般的です。
一方、マンションのベランダは、築年数によって幅が異なってきます。
築15~20年以内の新築物件は、1.5~2.0m幅と広めに設計されていることが多いです。
広いベランダは、開放感を与え、多様な用途に活用できるだけでなく、資産価値向上にもつながると考えられています。
築年数が経過したマンションでは、1.0~1.2mと戸建て住宅に近い幅のものが多いですが、近年では、築年数に関わらず、2.0m以上の幅を持つマンションも増えています。
工事内容
ベランダ床のリフォームは、単に張り替えるだけではありません。
防水工事や床材の追加などの方法があり、以下のように費用も異なります。
- 防水工事:約2,500〜3,000円/㎡
- 新たな床材の追加:約10万円〜
ご家庭のベランダの状況に応じて、適切な工事を施しましょう。
ベランダ床材の種類と特徴
ベランダ床材には、種類ごとにそれぞれ異なる特徴があります。
ここでは、各床材の特徴などを紹介します。
床材選びのポイントとして、参考にしてみてください。
天然木
ベランダを温かみのある空間にしたいなら、天然木床材がおすすめです。
まるでウッドデッキのような仕上がりで、高級感あふれる空間を演出できます。
天然木床材には、ハードウッドとソフトウッドの2種類があります。
ハードウッドは、イペ、ウリン、セランカンバツなどの樹木の種類があり、耐久性に優れている床材です。
約15〜30年と長持ちし、メンテナンスも比較的簡単です。
リビングとベランダを繋げる場合、ハードウッドが適しています。
ただし、加工が難しく、価格が高いというデメリットもあります。
ソフトウッドの樹木の種類は、マツ、サイプレス、ホワイトウッドなどがあります。
加工が簡単で、比較的安価であるのが特徴です。
柔らかい材質のため、腐食やシロアリ対策や防水メンテナンスが必要となります。
人工木材
人工木床材は、木材とプラスチック樹脂を混ぜて作られた素材です。
天然木に近い質感と、プラスチックの利便性を兼ね備えています。
表面が滑らかで、ささくれが発生せず、腐食やシロアリ対策が不要です。
お手入れも簡単で、色あせや変形に強いのが特徴です。
また、天然木床材よりも安価で、豊富なカラーバリエーションがあります。
ただし、木材配合率が低いとプラスチック感が出てしまいます。
人工木材は熱伝導率が高いため、夏場は熱くなりやすいです。
金属
金属製床材は、ステンレス、スチール、アルミなどの金属を使用した床材です。
メーカー製のバルコニーに多く採用されています。
金属製の床材は耐久性が高く長持ちします。
また、施工がしやすく、お手入れも簡単です。
金属であるため熱伝導率が高く、夏は熱く冬は冷たいのがデメリットとなります。
表面の塗装が剥がれると、劣化の原因になります。
樹脂
樹脂製床材は、塩化ビニルなどの樹脂で作られた床材です。
木材を配合した人工木床材よりも安価で軽量、断熱性に優れています。
樹脂製床材は断熱性に優れており、夏は涼しく、冬は暖かいのが特徴です。
また、カラーやデザインが豊富で、容易に交換ができます。
ただし、他の床材と比べて耐久性が劣るため、紫外線による色あせ、ひび割れなどの劣化が起こる可能性があります。
タイル
タイル系床材は、石材や陶器を原料とした床材です。
豊富な種類と高いデザイン性、耐久性の高さ、防水性、お手入れのしやすさなどが特徴です。
タイルは腐食せず、長持ちします。
また、雨に強く、汚れも水で洗い流せます。
ただし、他の床材よりも重いため、ベランダの耐久性に考慮が必要です。
価格は、人工木材や金属製床材よりも高価になります。
ベランダ床材の選び方
ベランダは、外の空気を気軽に楽しめる大切な空間です。
しかし、雨風にさらされる場所なので、床材選びが重要になります。
ここでは、ベランダ床材を選ぶためのポイントを紹介します。
耐久性
ベランダ床材を選ぶ際には、耐久性を重視する必要があります。
ベランダは、雨や風、紫外線など外気の影響を受ける場所であるため、耐久性の高い床材を選ぶことが重要です。
耐久性の高い床材は、天然木(ハードウッド)、人工木材、金属製床材、タイルなどがあります。
それぞれの特性を見て、ご自宅のベランダに合った床材を選びましょう。
防水性
ベランダ床材を選ぶ際には、防水性が重要なポイントです。
雨水や雪解け水などからベランダを保護し、漏水を防いでくれます。
防水性の高い床材は、天然木(ハードウッド)、人工木材、金属製床材、樹脂製床材などです。
一方、防水性の低い床材は、天然木(ソフトウッド)、タイルなどがあります。
ソフトウッドは水分を吸収しやすく、タイルは目地部分から水分が浸透する可能性があるため注意が必要です。
メンテナンス性
ベランダ床材を選ぶ際には、メンテナンス性も重要なポイントです。
メンテナンスしやすい床材は、掃除が楽で手間がかからず、美観を保ちやすく長持ちします。
メンテナンス性の高い床材は、人工木材、金属製床材、樹脂製床材、タイルなどがあります。
表面が滑らかで汚れが落ちやすく、水拭きだけで清掃が簡単です。
デザイン
ベランダ床材を選ぶ際には、機能性だけでなく、デザインも重要なポイントです。
デザインで床材を選ぶポイントは、ベランダ全体の雰囲気や、イメージ、色、模様などがあります。
リビングとベランダが繋がっている場合は、室内の調和を重視するのがポイントです。
また、異なる素材や、色の組み合わせによって、個性的な空間を演出できます。
予算
ベランダ床材は、種類によって費用が大きく異なります。
予算を決める前に、床材の種類、ベランダの面積、施工方法などを考慮することが重要です。
比較的安価な木材は樹脂製やアルミ製、高価な床材は天然木やタイルなどがあります。
費用を抑えるためには、DIYで施工する、中古の床材を利用する、セールやキャンペーンを利用するなどの方法が有効です。
ベランダ床張替えの必要性について
ベランダは、洗濯物を干したり、日光浴をしたり、憩いの空間として利用されることが多い場所です。
しかし、雨風にさらされるため、経年劣化によって以下のような問題が発生します。
雨漏りなどの被害
ベランダの床は、常に風雨にさらされているため、経年劣化によって傷みや腐食が起こりやすい場所です。
ベランダの床が傷むと、雨漏りの原因になることがあります。
雨漏りは、建物の構造や内装を損傷させるだけでなく、カビやシロアリの発生原因にもなります。
ベランダの床が傷んで雨漏りが発生している場合は、早急に床の張替えが必要です。
見た目の劣化
ベランダは、日光や雨風にさらされるため、時間の経過とともに見た目や機能が劣化していきます。
見た目で分かる劣化で主なものは、色あせ、傷、ひび割れ、汚れなどです。
これらの劣化は、ベランダ全体の美観を損なうだけでなく、以下の問題を引き起こす可能性があります。
- カビやコケの発生:カビやコケは滑りやすく、転倒の危険性がある
- 防水性の低下:防水性が低下すると、雨漏りの原因になる
- 構造材の腐食:構造材が腐食すると、ベランダ全体の強度が低下し、危険な状態になる
また、見た目だけでなく、構造材の腐食や、ベランダ全体の強度が低下する可能性もあるため、劣化が確認できた場合は、床材の張り替えを検討しましょう。
機能の低下
ベランダ床材は、長年雨風にさらされることで、防水性、耐久性、美観などの機能低下を引き起こします。
機能低下が進行したベランダ床材は、張替えが必要です。
放置すると、漏水や建物の構造体腐食などの重大なトラブルに発展する可能性があります。
ベランダ床材は、定期的に状態を確認し、機能低下が進行する前に張替えることが重要です。
ベランダ床張り替えの注意点
ベランダ床を張り替える際には、以下の点に注意が必要です。
事前にしっかりと準備をして、注意しながら行うようにしましょう。
マンションの場合は規約を確認
マンションの場合は、ベランダが共用部分と専有部分に分けられている場合があります。
共用部分の床材を張替える場合は、事前に管理組合の規約の確認が必要です。
規約には、以下の事項が記載されている場合があります。
- 張替え可能な床材の種類
- 床材の色
- 施工方法
- 施工業者
- 費用負担
規約を確認せずに床材を張替えてしまうと、規約違反となり、修繕費用を負担させられる可能性があるため注意が必要です。
共用部分の床材は、住人の安全を守るために重要な役割を果たしています。
そのため、張替えを行う際には、管理組合の許可を得て、適切な施工方法で行うことが必要です。
以上のことから、共用部分の床材を張替える場合は、必ず事前に管理組合の規約を確認しましょう。
業者選びは慎重に
ベランダ床材の張替えは、業者選びを誤ると、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
悪徳業者の手口は、以下の通りです。
- 見積もりが無料
- すぐに契約を迫ってくる
- 高額な前払金を要求してくる
このような手口で契約を迫ってくる業者は、悪徳業者の可能性があるため注意が必要です。
もし、トラブルが発生してしまった場合は、すぐに消費者センターや弁護士に相談しましょう。
見積もりは複数取る
ベランダ床材を張替える際には、複数の業者から見積もりを取ることを強くおすすめします。
見積もりを複数取ることで、以下のようなメリットがあります。
- 費用相場を知ることができる
- 業者を比較検討できる
- 最適な業者を選ぶことができる
また、見積もりを取る際は、同じ条件で見積もりを出してもらうことが重要です。
見積もり内容には、材料費、人件費、施工費、諸経費など、すべての費用が記載されていることを確認しましょう。
見積もり内容に不明点がある場合は、必ず業者に質問しましょう。
ベランダの防水層が傷んでいる場合はリフォーム工事が必要
ベランダや屋上には、雨水などの浸入を防ぐために防水層が施工されています。
しかし、経年劣化や紫外線などの影響によって、防水層は徐々に傷んでいきます。
ベランダの床に以下のようなサインが現れていたら、リフォーム工事が必要です。
- 床面の色あせ
- 床面のひび割れや剥がれ
- 水たまり
- 床に植物や藻が繁殖する
- 雨漏り
防水層は、ベランダや屋上を雨水などの浸入から守るために重要な役割を果たすものです。
防水層が傷んでいる場合は、上記のような問題が発生する可能性があります。
これらの問題を防ぐために、防水層の劣化サインを見逃さずに、早めにリフォーム工事を行うようにしましょう。
ベランダ床リフォームの業者選び
ベランダ床リフォームを成功させるためには、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
業者選びには、以下のようなポイントがあります。
施工実績
施工実績を確認するポイントは、以下の通りです。
- ベランダ床リフォームの実績数
- 類似案件の実績
- 施工事例の写真
- 顧客満足度
施工実績を確認する方法は、業者のホームページや口コミサイトなどがあります。
業者の展示場があれば、実際に施工されたベランダ床を見ることも可能です。
施工実績は、業者の技術力や経験を判断する材料となります。
複数の業者を比較検討する際には、必ず施工実績を確認するようにしましょう。
資格
ベランダ床リフォームを行う業者には、以下の資格が必要です。
- 防水工事施工管理技:防水工事の施工管理を行うための資格
- 一級建築士:建築物の設計及び施工を行うための資格
- 二級建築士:一級建築士の補助的な業務を行うための資格
- 木造建築施工管理技士:木造建築物の施工管理を行うための資格
- 塗装技能士:塗装作業を行うための資格
これらの資格を持っている業者は、ベランダ床リフォームに関する専門知識と技術を持っていることになります。
保証内容
ベランダ床リフォームは、高額な費用がかかる工事です。
もし、施工後に不具合が発生した場合、保証がなければ修理費用を全額負担しなければならなくなる可能性があります。
そのため、万が一の不具合に備えて、充実した保証内容を提供している業者を選ぶことが重要です。
ベランダ床リフォームの保証内容は、防水保証、施工保証、材料保証などがあります。
保証期間は、業者によって異なりますが、一般的には5年~10年程度です。
業者を選ぶ際には、保証内容や保証期間、条件などを確認しましょう。
また、保証内容は書面で確認することが重要です。
見積もり内容
業者選びの際には、複数業者から見積もりを取り、内容を詳細に比較検討することが重要です。
見積もりの記載内容は以下のポイントを確認しましょう。
- 材料費:床材の種類、厚さ、色などによって費用が異なる
- 施工費:工事内容、作業員の人数、施工期間などによって費用が異なる
- 諸経費:養生費、廃材処理費、高所作業費など、工事に関わる諸経費が含まれる
- 保証内容:防水工事や施工後の保証内容を確認する
- 支払い方法:現金払い、銀行振込、クレジットカード払いなど、支払い方法を確認する
ベランダ床リフォームの見積もりは、複数の業者から取り、内容を詳細に比較検討することで、信頼できる業者を選び、納得できるリフォームを行うことが可能です。
担当者の対応
業者選びの際には、担当者の対応も重要なポイントです。
ベランダ床リフォームの経験や、知識が豊富な担当者を選びましょう。
また、担当者が見積もり内容や施工方法などを丁寧に説明してくれる、質問や要望についても迅速かつ丁寧に対応してくれることも重要なポイントです。
しかし、ごく稀に以下のような担当者もいるので気をつけましょう。
- 契約を急かしたり、無理にオプションを勧めたりする
- 質問に対して曖昧な回答をする
- 連絡が遅かったり、連絡が途切れたりする
担当者の対応によって、リフォーム後の満足度も大きく変わってくるため、慎重に判断しましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
ベランダ床の張り替えについてまとめ
ここまで、ベランダ床の張り替えについて解説してきました。
この記事の要点は、以下の通りです。
- ベランダ床の張り替えは、雨漏り、見た目・機能の劣化、安全性低下などの問題を防ぐために必要
- 費用相場は、床材の種類、ベランダの広さ、工事内容によって大きく異なる
- 床材の種類:天然木、人工木材、金属、樹脂、タイル
- ベランダ床材の選び方は、耐久性、防水性、メンテナンス性、デザイン、予算などを考慮
- ベランダ床材張り替えの注意点は、マンションの場合は規約を確認、業者選びは慎重に行う、見積もりは複数取るなど
- 防水層が傷んでいる場合はリフォーム工事が必要
- 業者選びのポイントは、施工実績、資格、保証内容、見積もり内容、担当者の対応
ベランダ床リフォームは、事前にしっかりと準備し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
記事の内容を参考に、快適で安全なベランダ空間を実現させましょう。