2024.04.09
ビル防水工事の種類は?費用や実施時期の目安
大規模修繕や防水工事のご相談は実績豊富な新東亜工業へ
ビルの防水工事は、建物を雨水や湿気から守り、その寿命を延ばすために不可欠です。防水工事にはさまざまな種類があり、それぞれに適した施工方法や材料が選ばれます。
本記事では、ビル防水工事の主な種類とその特徴、工事費用の目安について詳しく紹介します。さらに、最適な実施時期についても解説し、計画的な防水対策の重要性をお伝えします。防水工事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ビル防水工事の種類と特徴とは?
ビル防水工事の種類と特徴について、解説していきます。
ビル防水工事の種類|アスファルト防水
アスファルト防水は、伝統的な工法として長年にわたり使用されてきました。
防水層にアスファルトを使用する最も一般的な工法です。
- 施工が比較的簡単で工期が短い
- 価格が安価なのが特徴
- 耐用年数は15年~20年程度
一方で、アスファルトの劣化が進むと防水性能が低下するデメリットがあります。
また、重量物の設置には不向きです。建物の用途に合わせた採用が求められます。
ビル防水工事の種類|FRP防水工法
FRP防水工法は、ガラス繊維をプラスチック樹脂でコーティングした複合材料を使用する工法です。
- 伸縮性と耐久性に優れている(30年以上)
- 軽量で重量物の設置も可能
- 施工が高度で費用が高額
優れた性能が売りですが、下地の状態によっては施工できない場合があるなど、適用条件が厳しい面もあります。高い施工技術が要求されます。
ビル防水工事の種類|シート防水工法
シート防水工法は、ゴムやプラスチックのシートを敷設する比較的単純な工法です。
- 施工が容易で工期が短い
- 耐久性が15年~25年程度
- 耐候性に優れている反面、伸縮性が低い
シートの種類によって性能は変わりますが、全般に施工のしやすさと低コストが特徴です。
ただし、大規模な改修工事が必要な場合は不向きです。
ビル防水工事の種類|ウレタン防水工法
ウレタン防水工法は、ウレタンゴム系の塗膜を形成する工法で伸縮性に優れています。
- 伸縮に強く、20年~30年の耐用年数
- 防水性と耐久性に優れる
- 下地調整が必要で施工が難しい
高い防水性と長期間の保護が売りですが、下地調整など施工面での手間が多く、施工技術が必要とされます。
各工法の中では中間的な価格帯です。
このように各工法にはメリット・デメリットがあり、ビルの用途や予算、工期などに合わせて適切な工法を選ぶ必要があります。
特に高い防水性と長期間の耐久性が求められる場合は、FRPやウレタン工法などの高性能な工法を採用するのが賢明でしょう。
ビル防水工事の費用と保証期間
ビル防水工事にかかる費用は、主に使用する工法によって異なります。
各工法の一般的な費用と保証期間は、以下の通りです。
工法 | 費用(1㎡あたり) | 保証期間 |
---|---|---|
アスファルト防水 | 2,000円~4,000円 | 5年~10年 |
FRP防水工法 | 6,000円~12,000円 | 10年~20年 |
シート防水工法 | 3,000円~6,000円 | 5年~15年 |
ウレタン防水工法 | 4,000円~8,000円 | 10年~15年 |
一般的にFRP防水工法が最も高額ですが、長期間の耐久性が見込めます。
一方、アスファルト防水は比較的安価で工期も短いものの、耐用年数は15年程度と短めです。
シート防水工法やウレタン防水工法は中間の価格帯に位置し、費用対効果の高い選択肢と言えるでしょう。
また、施工面積が広ければ広いほど、単価は安くなる傾向にあります。
大規模物件の場合は、さらに低価格での発注が可能です。
保証期間は施工業者によっても異なるため、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。
長期保証がついている業者を選ぶことで、将来的なコストメリットが期待できます。
ビル防水工事の実施する時期は?
ビルの防水工事を実施するタイミングには、以下のような目安があります。
【新築の場合】
建設時に一括して全面的な防水工事を実施
【既存ビルの場合】
15年~20年を目安に定期的に全面的な工事を実施
5年ごとに目視点検を行い、部分補修の必要性を検討
新築の場合は建設時に防水工事を行うのが一般的です。
一方の既存ビルでは、15年から20年を周期として全面的な工事を行う必要があります。
また、ビル屋上やベランダ部分など、劣化が早い部位については5年ごとに専門家による目視点検を行い、部分補修や部分的な工事の適用を検討します。
さらに、大規模修繕工事を控えている場合は、その際に併せて防水工事を行うのが賢明です。
コストを抑えつつ、集中的な工事で手間を省くことができます。
このように状況に応じて工事時期を計画的に立てることで、将来的な修繕コストの最小化を図ることができます。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
ビル防水工事の注意点
ビルの防水工事を実施する際の注意点は、以下の通りです。
- 事前に複数業者から見積もりを取り、費用の相場を確認する
価格だけでなく、工法の内容や保証期間なども比較検討が必要です。 - 防水工事に実績と技術力のある専門業者に発注する
実績のない業者に発注すると、施工不良のリスクが高まります。 - 施工中の安全対策と養生が適切に行われているか確認する
作業エリアへの立ち入り制限や、粉塵対策など万全な配慮が欠かせません。 - 保証期間や点検体制、アフターフォローをしっかり確認する
長期保証と定期点検、不具合時の対応体制を事前に確認しましょう。
特に業者選定は重要なポイントです。
防水工事は高度な専門技術が要求されるため、実績と信頼性のある業者を選ぶ必要があります。
また工事期間中の安全管理にも気を付けなければなりません。
入念な養生対策と、作業エリアへの立入制限など、リスク回避のための対策が欠かせません。
防水工事は建物の重要な資産価値を守る上で、極めて重要な工事です。
事前の検討をしっかりと行い、安心して作業を依頼できる優良業者を選ぶことが何より大切なのです。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
ビルの防水工事についてのまとめ
ビルの防水工事は、建物の寿命を延ばし、快適で安全な環境を提供するために不可欠なプロセスです。適切な材料選びや施工方法を用いることで、長期的な効果を期待できます。ビルの防水工事を計画する際は、信頼できる専門業者に相談し、最適な工法を選択することが重要です。