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マンションの小規模修繕とは?実施のタイミングや費用も紹介

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マンションの小規模修繕とは?

マンションの小規模修繕とは、建物の日常的な維持・補修を目的とした、比較的小規模な工事のことを指します。

結論から申し上げますと、小規模修繕は大規模修繕に比べると規模が小さいものの、居住環境の維持や建物の長期的な資産価値を守るうえで欠かせない重要な取り組みなのです。

その理由は、建物は経年とともに様々な部分で劣化が進行するため、適切なメンテナンスが必要となるからです。

国土交通省の調査によれば、マンション共用部分の建具や電気設備は5~10年程度の使用で、給排水設備は10~15年程度で部分的な不具合が生じ始めるとされています。

こうした小さな劣化や不具合を放置すれば、やがて大きな損傷につながってしまいます。

例えば、実際に排水管の詰まりを放置したマンションでは、いずれ排水トラブルが発生し、水漏れ被害が複数の住戸で発生しました。

適切な時期に小規模修繕を行っていれば、こうした被害は防げたはずです。

このように小規模修繕は、将来の大規模修繕を視野に入れながら、建物の機能や資産価値を維持するための重要な取り組みなのです。

マンションの小規模修繕の工事内容は?

マンションの小規模修繕で行われる工事内容は様々ですが、代表的なものとしては以下のようなものが挙げられます。

結論から申し上げますと、小規模修繕は建物の共用部分における日常的な補修や部分的な設備更新が中心となります。

  • 共用廊下の塗装工事
  • 共用部分の建具(ドア・サッシ等)の修理・部分取り替え
  • 共用部エアコンや照明器具等の電気設備の取り替え
  • 共用部排水管や給水管の部分的な取り替え
  • エントランスやエレベーターホールの内装修繕

その理由は、こうした共用部分が日常的に使用され劣化が進行しやすいところであり、居住性や防犯・防災面でも重要な部位だからです。

マンション管理適正化推進機構の資料でも、上記の項目が小規模修繕の代表的な工事項目として挙げられています。

実例として、築15年のマンションで行われた小規模修繕では、共用廊下の塗装がはげ落ちている箇所があり、一部の排水管が詰まりがちになっていました。

そこで廊下の塗装工事と排水管の高圧洗浄およびライニング工事が行われ、共用部の美観と機能が回復しました。

このように、小規模修繕は建物の維持管理に欠かせない重要な取り組みなのです。

マンションの小規模修繕を実施する時期・タイミングは?

マンションの小規模修繕の実施時期は、部位によって異なりますが、一般的には数年に一度のペースが望ましいとされています。

結論から申し上げますと、早期発見・早期対応が重要です。定期的な点検を行い、異常が見つかれば速やかに対処する必要があります。

その理由は、建物の劣化は年月とともに徐々に進行していくものの、放置し続ければ深刻な損傷に至ってしまうためです。

国土交通省の資料によれば、建具や設備機器は5年~15年程度の使用で不具合が出始め、排水管は10年程度で詰まりや漏水のリスクが高くなるとされています。

つまり、部位に応じて適切な時期に修繕を行わなければ、大きな被害を招いてしまうのです。

実際に、マンション管理組合アンケート調査では、小規模修繕を「年に数回」実施している割合が最も多く、次いで「2~3年に1回」が多くなっています。

つまり、共用部分の状況を踏まえて、数年おきを目安に小規模修繕を実施することが一般的な対応となっているようです。

一方で、早期発見・早期対応の重要性を物語る事例もあります。

ある老朽マンションでは、排水管の詰まりを放置した結果、複数住戸で水漏れ被害が発生し、大規模な修繕が必要となってしまいました。

このように、異常の初期段階で小規模修繕を行えば、将来の大規模修繕を回避できる可能性もあるのです。

マンションの小規模修繕の費用

マンションの小規模修繕には、工事の規模に応じてある程度の費用がかかります。

結論から申し上げますと、特に大がかりでない範囲の小規模修繕であれば、概ね1住戸あたり数万円~数十万円程度が一般的な費用目安とされています。

この根拠として、マンション管理組合を対象にした調査結果があります。

それによると、小規模修繕の費用は、工事内容によって金額は変動するものの、多くの組合で1住戸あたり2万円~10万円程度の範囲に収まっているようです。

また、民間の事例でも、共用廊下の塗装工事や一部の排水管更新工事など、比較的小規模な工事であれば、1住戸あたり10万円前後が相場となっているようです。

もちろん、規模が大きくなれば費用もそれに比例して高額になります。

例えば、共用部のエアコン取替工事などでは、1住戸あたり30万円を超える事例もあります。

しかし、一般的な小規模修繕については、数万円~数十万円程度の範囲に収まることが多いようです。

なお、小規模修繕の費用は修繕積立金から支出されるのが一般的です。

つまり、組合運営費の中から毎年一定額を修繕積立金に積み立て、その中から小規模修繕費を賄うという形になります。

大規模修繕と小規模修繕の違いについて

大規模修繕と小規模修繕は、マンション管理において密接に関係しながらも、その目的や規模が全く異なる2つの修繕工事です。

結論から申し上げますと、大規模修繕は建物全体の大がかりな性能回復を目的とした工事であるのに対し、小規模修繕は日常的な維持・補修工事を指します。

まず工事の内容が大きく異なります。

大規模修繕は建物の主要構造部分(躯体、屋上防水、外壁など)や設備の一括更新を行う大規模な工事です。

一方、小規模修繕は共用部分の補修(塗装工事、建具の部分取替えなど)や部分的な設備更新が中心となります。

次に工事規模も全く異なります。

大規模修繕は建物全体に及ぶ大がかりな工事であり、費用も1住戸あたり数百万円から数千万円の高額なものとなります。

これに対し、小規模修繕は比較的小規模な工事で、費用は1住戸あたり数万円から数十万円程度が一般的です。

さらに大規模修繕は長期的な資金計画が必要となり、築25年から35年ごとに実施されます。

一方、小規模修繕は日常的なメンテナンスのため、共用部分の状況に応じて年に数回程度の頻度で実施されます。

国土交通省の調査でも、大規模修繕では躯体や設備の一括更新、小規模修繕では共用部の部分補修や部分更新が代表工事と位置付けられるなど、両者の違いが明確に区分されています。

このように大規模修繕と小規模修繕は、目的、内容、規模、費用、実施時期が全く異なるものです。

マンション管理においては、この2つの修繕を上手く使い分けながら、建物の適切な維持管理を図っていく必要があります。

大規模修繕による性能回復と、小規模修繕による日常的な維持補修を組み合わせることで、質の高い住環境を長期的に維持できるのです。

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