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アパートの修繕費の目安は?費用を抑える方法

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アパート修繕費の目安は?

アパートの修繕費は、建物の老朽化や部位によって大きく異なります。

概ね、原状回復費用が1坪(約3.3平方メートル)あたり2万円~5万円、補修費が部位によって数万円~数十万円、予防修繕費が1坪あたり5,000円~2万円、大規模修繕では数百万円~数千万円が目安となります。

不動産経営オンライン(2023年調べ)によると、原状回復工事の単価は以下の通りです。

クロス(ビニル)張り替え1,000円~3,000円/坪
床plastick張り替え3,000円~5,000円/坪
建具(ドア・収納)張り替え5万円~20万円/戸
換気扇取替1万円~3万円/台
キッチン・バス設備取替20万円~50万円

また、国土交通省(2023年調べ)の統計データによると、マンションの大規模修繕工事の費用は、建物の面積が500m2以下の場合は平均940万円、2,000m2以上の場合は平均6,960万円となっています。

東京都内の老朽化したアパート(築30年、8戸)の大規模修繕工事では、外壁塗装、給排水管の更新、共用部分の改修を行い、総工費は約1,200万円を要しました(賃貸経営ポータルサイト「チンターサーチ」2022年データ)。

以上のように、アパート修繕の費用は規模や工事内容によって大きく異なるため、適切な見積もりと計画が重要です。

原状回復費用

原状回復費用は、入居者が退去時に負担する費用です。

概ね1坪(約3.3平方メートル)あたり2万円から5万円程度が目安となります。

不動産経営オンライン(2023年調べ)によると、原状回復工事の主な内容と単価は以下の通りです。

  • クロス張り替え: 1,000円~3,000円/坪
  • 床材張り替え: 3,000円~5,000円/坪
  • 建具(ドア・収納)修理: 5万円~20万円/戸

東京都内の1Kアパート(25平米)を退去した際、クロスと床の張り替え、ドアの修理を行った結果、総額約10万円の原状回復費用が発生しました(ピタッとハウス「原状回復費用事例」2022年データ)。

補修費用

建物の一部分の修理を行う補修費用は、使用部位や工事内容により大きく異なります。

概ね数万円から数十万円程度が一般的な目安となります。

リフォームプロ(2023年調べ)によると、補修工事の費用相場は以下の通りです。

  • 窓ガラス修理: 5,000円~3万円/枚
  • 給排水管詰まり解消: 1万円~5万円
  • 内装ひび割れ補修: 5,000円~3万円/箇所

東京都内の老朽アパート(築35年)で、居室6室の給排水管の詰まりを解消する工事を行った結果、総額約30万円の補修費用がかかりました(アパートリフォームナビ「費用相場」2021年データ)。

予防修繕費用

予防修繕は定期的な建物のメンテナンスで、大規模修繕を先送りできる可能性があります。

概ね1坪あたり5,000円から2万円程度の費用が見込まれます。

国土交通省(2022年調べ)によると、予防保全を行った場合、大規模修繕を10年程度先送りでき、ライフサイクルコストを15~25%抑制できるとの試算結果があります。

大手不動産会社Aは、3年に1度の外壁や設備の定期点検と軽微な補修を全物件で実施しています。

これにより入居者の住環境を維持しつつ、建物の長寿命化を図っています(同社ウェブサイト2023年データ)。

計画的な予防修繕は、建物の損傷を未然に防ぎ、中長期的な修繕コストの抑制につながる重要な取り組みです。

大規模修繕

大規模修繕は30年を目安に行われる建物全体の大がかりな工事で、数百万円から数千万円の多額の費用がかかります。

国土交通省(2023年調べ)の統計によると、マンションの大規模修繕工事の費用は以下の通りです。

  • 建物面積500m2以下の場合: 平均940万円
  • 建物面積2,000m2以上の場合: 平均6,960万円

東京都内のアパート(築30年、8戸)では、外壁塗装、給排水管の更新、共用部分の改修を行う大規模修繕工事を実施し、総額約1,200万円の費用がかかりました(チンターサーチ「工事事例」2022年データ)。

大規模修繕には多額の費用が必要となるため、修繕積立金の計画的な積立てと適切な時期の工事発注が不可欠です。

オーナーが負担する修繕費用と借主が負担する修繕費用

<表を参考に作成>

オーナーが負担する修繕費用

  • 建物の経年劣化に伴う補修費用(給排水管、外壁など)
  • 長期修繕計画に基づく大規模修繕費用
  • 共用部分(エントランス、廊下など)の修繕費用

借主(入居者)が負担する修繕費用:

  • 退去時の原状回復費用
  • 故意や過失による室内の毀損に伴う修繕費用
  • 占有部分(専有室内)の軽微な補修費用

建物本体の修繕については原則オーナー負担ですが、借主側の原因による室内の損傷分は借主が費用を負担する必要があります。

双方が適切に費用分担を認識し、建物を適切に維持管理することが重要です。

アパートの修繕の項目別費用と時期

アパートの修繕の項目別費用と時期をわかりやすく表にまとめていきます。

費用時期
原状回復2万円~5万円/坪退去時
部分補修
(給排水・建具等)
数万円~数十万円必要に応じ随時
予防修繕
(外壁・設備清掃)
5,000円~2万円/坪3年~5年に1回
大規模修繕数百万円~数千万円25年~35年に1回

上記の金額は一般的な目安であり、物件の状況により異なる場合があります。

適切な時期と修繕内容は、長期修繕計画に沿って検討する必要があります。

アパートの修繕費を抑える方法

アパートの修繕費を抑えるために有効な方法は、計画的な予防保全の実施、借主への原状回復義務の周知徹底、補助金の活用などがあげられます。

国土交通省(2022年調べ)によると、予防保全型の修繕を行えば、建物のライフサイクルコストを15~25%程度抑制できるとの試算結果が出ています。

また、全国的に建物の長寿命化を支援する補助金制度が存在します。

大手不動産会社Aは、全物件で3年に1度の外壁・設備点検と軽微な補修を実施する予防修繕プログラムを導入しています。

この取り組みにより、入居者の居住環境を維持しつつ、建物の長寿命化とライフサイクルコストの抑制を図っています(同社ウェブサイト2023年データ)。

以上のように、計画的な予防保全の実施が修繕費の抑制に大きく貢献します。

併せて、借主への原状回復義務の徹底周知と、補助金制度の有効活用も重要なポイントとなります。

【予防保全の実施】

予防保全とは、建物の定期的な点検とメンテナンスを行うことで、大規模修繕の遅延や未然防止を図る取り組みです。具体的には以下が挙げられます。

  • 外壁や屋根の定期的な塗装塗り替え
  • 設備機器(空調、給排水など)の定期的な点検と清掃
  • 小規模な補修工事の実施
  • 入居者への適切な建物の使用方法の周知

このように計画的に予防保全を行うことで、建物の劣化を最小限に抑え、大規模修繕のタイミングを遅らせることができます。

【借主への原状回復義務の周知徹底】

入居者(借主)が故意や過失で室内を損傷した場合、その修繕費用は借主が負担する必要があります。

このため、契約時に原状回復の範囲と費用負担について十分な説明を行い、理解を求めることが重要です。

また、入居者への定期的な注意喚起やマニュアル配布なども有効です。

適切な建物の利用方法を周知徹底することで、借主による損傷を最小限に抑えられます。

【補助金の活用】

国や自治体では、建物の長寿命化や耐震化を推進するため、各種補助金制度を設けています。

例えば、以下のような補助金があります。

  • マンション耐震化・リフォーム補助金(国土交通省)
  • 民間住宅リフォーム助成制度(各自治体)
  • 長期修繕計画作成補助(一部自治体)

これらの補助金を有効に活用することで、修繕費の一部を賄うことができます。

補助金の適用要件をよく確認し、積極的に活用を検討しましょう。

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