2024.05.02
塗装できない屋根材のノンアスベスト屋根とは?向かない塗料の種類やメンテナンスについて
屋根の定期的な塗装は、建物のメンテナンスのなかでも大きな役割があります。
建物の寿命や美観を維持するのに欠かせませんが、なかには塗装できないノンアスベスト屋根と呼ばれるものがあります。とくに1996年から2008年に製造された特定の屋根材は、塗装できない特徴を持ちます。
代表的なものとしてはコロニアルNEOやレサスなど、これらのスレート屋根に塗装をしても効果が期待できません。塗装ができない屋根材の見分け方は、表面の劣化状態や製造年から判断できますが、誤った判断による塗装は逆効果となる可能性もあるので注意が必要です。
そこで本記事では、塗装できない屋根材の種類や特徴から、ノンアスベスト屋根のメンテナンス方法などを解説します。詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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塗装できない屋根材とは|ノンアスベスト屋根とは?
塗装できない屋根材のほとんどは、「ノンアスベスト屋根」のことを指します。
ノンアスベスト屋根のすべてが塗装できないわけではなく、1996年〜2008年のノンアスベスト屋根の切り替え時期に製造されたものが、塗装できない屋根材に該当します。
アスベストは、強度が高いにもかかわらず安価な建材であったため、かつては多くの建築現場で使用されていました。
しかし、人体への健康被害が問題となり徐々に使用が規制され、2006年にはアスベストの使用が禁止されています。
アスベストの規制に伴って、2000年前後にはアスベストを使用しない「ノンアスベスト商品」の製造・販売が始まりました。
アスベストの規制を受けて試行錯誤しながら製造・販売されたため、1996年〜2008年頃の切り替え時期に製造されたノンアスベスト屋根は、耐久性や強度に問題がありました。
そのため、この時期のノンアスベスト屋根の耐用年数は10〜20年ほどで、早い段階で劣化して屋根材に割れや剥がれが生じてしまいます。
この時期のノンアスベスト屋根はとくに表面の層の劣化が激しく、塗装を行っても塗料ごと剥離してしまうでしょう。
そもそも塗装を行っても劣化を止めることができず強度も保てないため、この時期のノンアスベスト屋根には塗装を行う意味がありません。
塗装を行う際には屋根の上での作業が必要となるため、強度の低いノンアスベスト屋根は人の重さに耐えきれずかえって傷んでしまうケースも多いです。
このような理由から、1996年〜2008年に製造されたノンアスベスト屋根には、塗装以外の方法でメンテナンスを行う必要があります。
塗装できない屋根材の種類
1996年〜2008年の切り替え時期に製造されたノンアスベスト屋根は、塗装ができないと紹介しました。
ただし、この時期のノンアスベスト屋根のすべてが塗装できないわけではないという点に注意が必要です。
ここでは、塗装が行えない屋根材のうち代表的な7種類の屋根材についてを詳しく紹介します。
塗装できない屋根材の種類1.パミール
- 製品名:パミール
- メーカー:ニチハ株式会社
- 製造年:1996〜2008年
パミールは大手メーカーであるニチハ株式会社の製品で、塗装できない屋根材の代表的な種類のひとつです。
8〜10年が経過した頃を目安に、層状剥離と呼ばれる症状が現れてきます。
層状剥離とは、ミルフィーユのように層状に剥がれが生じることが特徴の劣化症状です。
パミールに塗装を行っても、屋根材ごと剥がれてしまうため塗装ができません。
大手メーカーの製品であるため、パミールが使用されている住宅はかなり多いようです。
塗装できない屋根材の種類2.レサス
- 製品名:レサス
- メーカー:松下電工株式会社
- 製造年:1999〜2006年
レサスを製造した松下電工株式会社は、現在のパナソニックです。
劣化症状としては、細かいひび割れや扇状の割れが生じることが多いです。
強度が低いため、屋根の上で作業を行うと屋根材が割れてしまうことがあります。
塗装工事はもちろん、屋根点検の際にも注意が必要です。
塗装できない屋根材の種類3.シルバス
- 製品名:シルバス
- メーカー:松下電工株式会社
- 製造年:2001〜2003年
シルバスは、同じ松下電工株式会社の製品である「レサス」の上位商品として発売された製品です。
大きなスリットの入ったデザインが特徴ですが、このデザインの影響もあり割れやすく、ひび割れや欠損などの劣化症状が多く現れます。
屋根塗装の際に必要となる「縁切り」や「タスペーサー」の作業時にも割れが生じやすいため、塗装はおすすめできません。
塗装できない屋根材の種類4.コロニアルNEO
- 製品名:コロニアルNEO
- メーカー:クボタ株式会社
- 製造年:2001〜不明(現在は販売中止)
コロニアルNEOは、クボタ株式会社(現ケイミュー)の製品です。
現在主流となっている屋根材である「カラーベストシリーズ」の商品ですが、全面的な細かいひび割れや崩れ、先端の劣化などの症状が現れやすいです。
ただし、コロニアルNEOは他の種類に比べて不具合の報告が少なく、状態によっては塗装工事を行うことで長持ちさせられる可能性があります。
築年数が浅いほど塗装で改善できる可能性が高いので、早めの点検を検討してみてもいいでしょう。
塗装できない屋根材の種類5.アーバニーグラッサ
- 製品名:アーバニーグラッサ
- メーカー:クボタ株式会社
- 製造年:2001〜2005年
アーバニーグラッサは、うろこのようなデザインが特徴の屋根材です。
アーバニーと略して呼ばれることもあります。
うろこのように入り組んだデザインの影響で、強度が低く細かいひび割れや欠損が生じることが多いです。
先端部が割れて滑落してしまうケースも多いので、大きな事故につながらないよう注意しましょう。
塗装だけではなく、部分差し替えや補修も難しい屋根材です。
塗装できない屋根材の種類6.ザルフグラッサ
- 製品名:ザルフグラッサ
- メーカー:クボタ株式会社
- 製造年:2001〜2005年
ザルフグラッサは、同じクボタ株式会社の製品である「コロニアルNEO」と似た形状で、コロニアルNEOよりも少しスリット幅が大きいことが特徴です。
ひび割れが生じやすいほか、劣化が進行すると層状剥離を起こすこともあります。
とくに両端部分に劣化症状が生じやすいといわれています。
塗装できない屋根材の種類7.セキスイかわらU
- 製品名:セキスイかわらU
- メーカー:積水屋根システム株式会社
- 製造年:1990〜2007年
大手ハウスメーカーである積水グループの住宅で長く使用されてきた屋根材が、セキスイかわらUです。
U瓦と呼ばれることもあります。
セキスイかわらU自体は1990年以前から製造・販売されていたものですが、1990年からアスベストを使用しないノンアスベスト屋根材へと切り替わりました。
ひび割れや表面塗装の剥がれが、主な劣化症状です。
屋根の塗装工事では初めに高圧洗浄を行うことが基本ですが、この高圧洗浄の際に表面が剥がれてしまい強度を保つことができないため、塗装はおすすめしません。
塗装できない屋根材の見分け方は?
ここまでは塗装できない屋根材を7種類紹介しましたが、自宅の屋根材の種類がわからないという方も多いでのはないでしょうか。
実は、塗装できないノンアスベスト屋根材は以下のような表面の特徴からも見分けることができます。
- 色褪せが激しい
- 表面にひび割れや欠損が多数ある
- 屋根材先端から材料の剥離
上記のような特徴がある屋根で、さらに1996年〜2008年に製造された屋根材の場合は、塗装ができないノンアスベスト屋根材である可能性が高いといえるでしょう。
塗装ができないノンアスベスト屋根材の場合は、点検や確認のために屋根に登って作業するだけでも破損してしまうリスクがあるため、注意が必要です。
このような場合は、ドローンを使用するなど屋根材に負担をかけない点検方法を検討することをおすすめします。
塗装できない屋根材のメンテナンス方法は?
屋根のメンテナンスといえば塗装工事が主流なので、塗装ができないとなるとメンテナンスはどうやって行うの?と気になっている方も多いのではないでしょうか。
塗装できないノンアスベスト屋根材に対しては、以下のような方法でメンテナンスを行います。
- カバー工法
- 葺き替え
それぞれのメンテナンス方法について、詳しく解説します。
塗装できない屋根材のメンテナンス方法|カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せずに上から重ねて新しい屋根材を設置する工事のことです。
既存屋根材の撤去を行わないため、工期が短く撤去や廃材処理のための費用も節約できることが大きなメリットになります。
新しい屋根材には、建物への負担が少ない軽い屋根材を選ぶことが基本です。
ただし、屋根の形状や既存の屋根材の状態によってはカバー工法で対応できないことがあるので、注意しましょう。
塗装できない屋根材のメンテナンス方法 |葺き替え
葺き替え工事とは、既存の屋根材をすべて剥がして撤去し、新しい屋根材で葺き替える工事のことです。
葺き替え工事は屋根のリフォームの中でも最も大規模で費用も高額となりますが、屋根を完全に新しくできることや下地までしっかり確認して補修できることが大きなメリットで、一番安心できる工事だといえます。
カバー工法に比べて費用が高額にはなりますが、今後も長く住む予定のある住宅であれば、雨漏りのリスクを減らすことのできる葺き替え工事をおすすめします。
塗装できない屋根材のメンテナンス費用を抑える方法は?
カバー工法や葺き替え工事など、塗装できない屋根材に対してもメンテナンスは必要になります。
そして、塗装工事に比べると高額な費用がかかるため、屋根のメンテナンスにかかる費用をできる限り抑えたいと考えている方が多いのではないでしょうか。
屋根のメンテナンス工事の費用を抑える方法としては、以下の3つがおすすめです。
- リフォームローンを活用する
- 屋根工事と外壁塗装工事を一緒に行う
- 自治体の補助金制度を利用する
それぞれの方法について、詳しく紹介します。
塗装出来ない屋根のメンテナンス費用を抑える方法1.リフォームローンを活用する
屋根の葺き替え工事やカバー工法では、リフォームローンを活用することができます。
塗装工事によるメンテナンスを検討していたところ、塗装ができない屋根材だったために急に高額な工事費用が必要となってしまった場合など、まとまった工事費用をすぐに用意するのが難しいという方は、リフォームローンの活用を検討するといいでしょう。
リフォームローンを活用すれば、工事費用を分割で支払っていくことができるため、一時的な負担が少なく家計も計画的にやりくりすることができます。
工事費用の一部をローンにしたり、支払い回数を30回や120回などと選択したりできるため、状況に合わせてうまくリフォームローンを活用してみてください。
塗装出来ない屋根のメンテナンス費用を 抑える方法2.屋根工事と外壁塗装工事を一緒に行う
屋根工事と外壁塗装工事を一緒に行うと、本来であれば両方の工事で必要となる足場の設置が1回で済むため、1回分の足場設置費用を節約することができます。
足場の設置には、一般的な2階建て住宅で10〜20万円ほどが必要となるため、かなりの節約になるでしょう。
足場を立てる必要がある工事は、同じタイミングですべて行うことが理想です。
ただし、複数の工事を同時に行うと足場代は節約できるもののまとまったお金が必要となるため、修繕費は計画的に積み立てておくことをおすすめします。
塗装出来ない屋根のメンテナンス費用を 抑える方法 3.自治体の補助金制度を利用する
屋根工事で条件を満たすと、自治体の補助金制度を利用できる可能性があります。
屋根工事では、主に耐震性の向上やエコ・節電などの住まい環境を向上させる工事であることが認められた場合に、補助金を受け取ることができます。
補助金制度の条件や受け取れる金額などは各自治体によっても異なるため、居住地の制度を確認してみましょう。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
塗装できない屋根材の種類やメンテナンス方法まとめ
今回は、塗装できない屋根材の種類やメンテナンス方法を詳しく紹介しました。
- 塗装できない屋根のほとんどは、1996〜2008年に製造されたノンアスベスト屋根
- とくに7種類のノンアスベスト屋根材に注意が必要
- 塗装できない屋根材のメンテナンスは、カバー工法や葺き替え工事によって行う
- 屋根工事と外壁塗装工事を一緒に行うことで、足場代の節約になる
1996〜2008年に製造されたノンアスベスト屋根は、強度が低いことが原因で塗装を行うことができません。
早い段階で劣化症状が現れてくるため、雨漏りなどの被害が出る前にメンテナンスを行うことが理想です。
今回の記事が、塗装できないノンアスベスト屋根の種類や見分け方、メンテナンス方法などについて悩む方の参考となれば幸いです。