外壁塗装の色選び|人気色からよくある失敗・組み合わせ方・選び方・費用相場まで徹底解説

外壁塗装の色選びで「どの色にすれば失敗しないだろう」「周囲から浮いてしまわないか不安」とお悩みではありませんか?

外壁は住まいの印象を大きく左右する重要な要素です。

一度塗装すると10年以上その色と付き合うことになるからこそ、慎重に選びたいものです。

しかし、色見本だけでは実際の仕上がりがイメージしにくく、カラーシミュレーションと実物が違って見えることもあります。

そんな不安を抱える方のために、本記事では外壁塗装の人気色ランキングから失敗しない色の選び方、組み合わせのコツまで、株式会社新東亜工業の豊富な施工実績に基づいて徹底解説いたします。

この記事を読めば、自信を持って理想の外壁色を選べるようになります。

外壁塗装とは?」と基本的な流れや外壁塗装の費用相場、業者選びのポイントなどについて総合的なことを知りたい方は解説記事もぜひ一読ください。

目次

外壁塗装で人気の色ランキング10選|メリット・デメリット

外壁塗装では、どのような色が選ばれているのでしょうか。

ここでは実際の施工実績と最新のトレンドをもとに、人気の高い色をご紹介します。

汚れの目立ちにくさ色あせのしにくさメリットデメリット
グレー・都会的でモダンな印象
・汚れが最も目立たない
・明度によっては暗く感じる
ベージュ・柔らかく温かい雰囲気
・幅広い住宅に合う
・やや地味に見えることも
ホワイト・清潔感があり明るい印象・汚れが目立ちやすい
ブラウン・落ち着いた高級感
・土埃が目立ちにくい
・暗めの色は重く見えることも
ブラック・高級感とシャープな印象・白汚れが目立つ
・熱を吸収しやすい
グリーン・自然で癒しの雰囲気・鮮やか過ぎると周囲から浮く
ネイビー・上品で落ち着いた印象・暗く見える場合がある
イエロー・明るく元気な印象・色あせしやすい
・派手に見えることも
ブルー・爽やかで清潔感がある・周囲と合わせにくい場合も
ピンク・優しく可愛らしい印象・色選びを間違えると悪目立ちする

上記の表は、外壁塗装で人気の色を多角的に比較したものです。

ご自宅の立地や周囲の環境、ご希望のイメージに合わせて、最適な色を選びましょう。

次章からは、各色の詳細な特徴を解説していきます。

1.グレー|汚れが目立ちにくく都会的な印象

グレーは、外壁塗装で最も人気の高い色です。

メリット
  • 汚れが最も目立ちにくい色(コケ・カビ・排気ガス汚れなど中間色の汚れに強い)
  • 無彩色のため色あせしにくい
  • 都会的でモダンな印象を演出できる
  • 住宅地・都市部どちらの環境にも調和しやすい
  • ツートンカラーのベースとして使いやすい
  • 幅広い屋根色・サッシ色と相性が良い
デメリット
  • 明度が低い(濃い)グレーは、曇天時や北側で暗く重い印象になることがある
  • 個性を出しにくく、無難すぎると感じる場合も
  • 周囲にグレーの住宅が多い場合、没個性的に見えることがある

汚れや色あせが目立ちにくく、メンテナンス性に優れている点が大きな魅力です。

淡いグレーから濃いチャコールグレーまで幅広い色合いがあり、都会的で洗練された印象を与えます。

どんな建築スタイルにもマッチしやすく、周囲の景観にも自然になじむため、初めての外壁塗装でも失敗しにくい色といえます。

特に近年は、グレージュ(グレー×ベージュ)が注目を集めています。

2.ベージュ|どんな住宅にもなじむ定番カラー

ベージュは、長年愛され続けている定番カラーです。

メリット
  • 汚れが目立ちにくい(土埃・砂埃・黄砂など)
  • 柔らかく温かみのある優しい印象
  • どんな街並みにも自然に調和する
  • 定番色で失敗が少ない
  • 和風・洋風どちらの住宅にも合わせやすい
  • 屋根・サッシ・玄関ドアとのコーディネートがしやすい
デメリット
  • 定番すぎて地味に見えることがある
  • 個性や特徴を出しにくい
  • 経年により色あせてさらに淡く見える場合がある

温かみがありながら落ち着いた印象を与え、和風・洋風どちらの住宅にも調和します。

汚れが目立ちにくく、色あせもしにくいため、美観を長期間保ちやすい色です。

膨張色のため家を大きく見せる効果も期待できます。

周辺環境になじみやすく、近隣とのトラブルも避けやすいため、安心して選べる色といえるでしょう。

クリーム色やアイボリーなど、同系色のバリエーションも豊富です。

3.ホワイト|清潔感と高級感を演出

ホワイトは、清潔感と高級感を演出できる人気色です。

メリット
  • 清潔感があり明るい印象を与える
  • 建物全体が大きく見える視覚効果
  • 無彩色で色あせしにくい
  • 光を反射するため熱の吸収を抑え、省エネ効果が期待できる
  • シンプルで洗練された外観
デメリット
  • 汚れが非常に目立ちやすい(コケ・カビ・排気ガス・雨だれなど)
  • チョーキング(白亜化)が目立つ
  • 眩しさを感じることがある
  • メンテナンス頻度が高くなる可能性

明るく開放的な印象を与え、家を実際より大きく見せる効果があります。

色あせしにくく、光を反射するため外壁の温度上昇を抑える効果も期待できます。

ただし、真っ白な純白は汚れが目立ちやすいため、オフホワイトやアイボリーに近い白を選ぶことをおすすめします。

また、単色ではなくグレーやブラウンとの組み合わせにすることで、汚れの目立ちを軽減できます。

4.ブラウン|落ち着いた温かみのある雰囲気

ブラウンは、自然な温かみと落ち着きを演出できる色です。

メリット
  • 落ち着いた高級感と安定感を演出
  • 土系の汚れ(土埃・砂埃)が目立ちにくい
  • 自然素材(木・石・レンガ)との相性が良い
  • 和風住宅にも洋風住宅にも合う
  • 温かみのある印象
  • 緑の多い環境に馴染みやすい
デメリット
  • 暗めのブラウンは重厚感が出過ぎて暗く見えることがある
  • コケ・カビなど緑系の汚れは目立つことがある
  • 色のトーン選びを間違えると古臭く見える

木材や土などの自然素材を連想させ、安心感のある雰囲気を作り出します。

汚れが比較的目立ちにくく、周囲の環境にもなじみやすいのが特徴です。

濃いブラウンはシックで重厚感のある印象に、明るいブラウンは柔らかく優しい印象になります。

ただし、艶ありの塗料を選ぶと光沢が目立ちすぎる場合があるため、艶の調整には注意が必要です。

5.ブラック|モダンでスタイリッシュな外観

ブラックは、高級感とモダンな印象を与える人気色です。

メリット
  • 高級感とシャープでモダンな印象
  • 無彩色で色あせしにくい
  • スタイリッシュでかっこいい外観
  • ホワイトやグレーとの組み合わせで洗練されたデザインに
  • 個性的な外観を演出できる
デメリット
  • 白い汚れ(鳥の糞・花粉・白カビ)が非常に目立つ
  • 熱を吸収しやすく、夏場の室温上昇や外壁の劣化を早める可能性
  • 周囲の環境によっては威圧感や悪目立ちすることがある
  • チョーキング(白亜化)が目立ちやすい

洗練されたスタイリッシュな外観を実現でき、他の住宅との差別化を図れます。

色あせしにくく、黒ずみなどの経年劣化も目立ちにくいメリットがあります。

ただし、真っ黒は威圧感を与える可能性があるため、濃いグレーに近いブラックを選ぶことをおすすめします。

また、汚れは目立ちやすく、紫外線の影響を受けやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。

6.グリーン|自然との調和を楽しむ

グリーンは、自然との調和を楽しめる個性的な色です。

メリット
  • 自然で穏やかな癒しの雰囲気
  • 緑地や自然が多い地域に非常に馴染む
  • 個性を出しつつも派手すぎない
  • 近年人気上昇中でトレンド感がある
  • 淡いグリーンは汚れが目立ちにくい
デメリット
  • 鮮やか過ぎる緑は周囲から浮いて悪目立ちする
  • 原色に近いグリーンは色あせしやすい
  • 都市部では合わせにくい場合がある
  • 屋根やサッシとの色合わせが難しいことも

庭の植物や周囲の緑と調和しやすく、落ち着いた癒しの空間を演出できます。

コケ汚れが目立ちにくいという実用的なメリットもあります。

淡いグリーンは優しく柔らかい印象に、深いグリーンは重厚で落ち着いた雰囲気になります。

ただし、濃い原色系のグリーンは色あせが目立ちやすいため、彩度を抑えたトーンを選ぶことが重要です。

7.ネイビー|上品で洗練された印象

ネイビーは、上品で知的な印象を与える人気色です。

メリット
  • 上品で洗練された落ち着いた印象
  • 近年人気が高まっているトレンドカラー
  • ホワイトやグレーとの相性が非常に良い
  • 高級感を演出できる
  • 比較的汚れが目立ちにくい
  • 色あせしにくい
デメリット
  • 暗く見える場合があり、建物が小さく見えることも
  • 日当たりの悪い場所では重い印象になる
  • 周囲の環境によっては合わせにくい
  • 白い汚れ(鳥の糞など)が目立つ

ブラックよりも柔らかく、落ち着いた雰囲気を演出できます。色あせしにくく、汚れも比較的目立ちにくいのが特徴です。

白やグレーとの組み合わせでマリンスタイルの爽やかな外観も実現できます。

ただし、濃すぎるネイビーは重たい印象になる場合があるため、明るさのバランスを考慮して選ぶことが大切です。

8.イエロー|明るく元気な雰囲気

イエローは、明るくフレッシュな印象を与える色です。

メリット
  • 明るく元気で活発な印象
  • 建物が明るく見える
  • 個性を出しやすい
  • 淡いイエローは汚れが比較的目立ちにくい
  • 周囲に差をつけたい方に最適
デメリット
  • 鮮やかな黄色は色あせしやすい
  • 派手に見え、周囲から浮くことがある
  • 景観ガイドラインに抵触する可能性
  • 屋根やサッシとの色合わせが難しい
  • 好みが分かれやすい色

欧米風のおしゃれな外観を実現でき、個性的な住まいを演出できます。汚れが目立ちにくいというメリットもあります。

ただし、鮮やかな原色系のイエローは周囲から浮いてしまう可能性があるため、淡いクリームイエローやベージュに近いイエローを選ぶことをおすすめします。

彩度を抑えたトーンであれば、街並みにも自然になじみます。

9.ブルー|爽やかで個性的な外観

ブルーは、爽やかで開放的な印象を与える色です。

メリット
  • 爽やかで清潔感のある印象
  • 個性的でおしゃれな外観
  • 青系は比較的色あせしにくい
  • 海や空を連想させ開放感がある
  • 淡いブルーは汚れが目立ちにくい
デメリット
  • 鮮やか過ぎると周囲から浮きやすい
  • 住宅地では合わせにくい場合がある
  • 屋根やサッシとのコーディネートが難しい
  • 好みが分かれやすい色

空や海を連想させ、清涼感のある雰囲気を演出できます。色あせしにくいというメリットもあります。

淡いブルーは優しく柔らかい印象に、濃いブルーは落ち着いた上品な印象になります。

ただし、鮮やかな原色系のブルーは色あせが目立ちやすいため、彩度を抑えたスモーキーブルーやグレーがかったブルーを選ぶと良いでしょう。

10.ピンク|優しく柔らかな印象

ピンクは、優しく柔らかな印象を与える色です。

メリット
  • 優しく柔らかい印象
  • 可愛らしく個性的な外観
  • 淡いピンクは意外と周囲に馴染む
  • 女性や家族に人気
  • 汚れが比較的目立ちにくい
デメリット
  • 鮮やか過ぎると悪目立ちする
  • 色選びを間違えると安っぽく見える
  • 好みが分かれやすい色
  • 周囲の環境によっては合わせにくい
  • 色あせしやすい傾向がある

温かみがあり、親しみやすい雰囲気を演出できます。淡いピンクベージュであれば、派手すぎず上品な外観を実現できます。

ただし、鮮やかなピンクは周囲から浮いてしまう可能性があるため、ベージュに近いトーンやサーモンピンクなど、落ち着いた色合いを選ぶことが重要です。

白やグレーとの組み合わせも相性が良く、バランスの取れた外観になります。

もっと詳しく知りたい方は、「外壁塗装の種類」や「外壁材 種類」の記事もぜひご覧ください。

外壁塗装で汚れが目立ちにくい色・色あせしにくい色

外壁塗装では美観を長期間保つために、汚れや色あせに強い色を選ぶことが重要です。

ここでは、メンテナンス性の高い色についてご紹介します。

汚れが目立ちにくい色はグレー・ベージュ・アイボリー

外壁の汚れの多くは、土埃や砂、黄砂といった茶色や黄土色、薄緑色系統のものです。

そのため、これらの汚れの色と近い中間色を選ぶことで、汚れが付着しても目立ちにくくなります。

汚れが目立ちにくい色
  • 薄いグレー:最も汚れが目立ちにくい色。都会的な印象も演出できる
  • ベージュ・アイボリー:土埃などの汚れと同系色のため目立ちにくい
  • クリーム色:温かみがありながら汚れも目立ちにくい
  • 薄いブラウン:自然な風合いで汚れが馴染みやすい
  • 薄いグリーン:コケ汚れが特に目立ちにくい

これらの色は落ち着いた中間色のため、長期間美しい外観を保ちやすく、メンテナンスの手間も軽減できます。

色あせしにくい色は無彩色と青系

色あせは、紫外線の影響を受けることで発生します。

色によって紫外線への耐性が異なるため、色あせしにくい色を選ぶことで美観を長持ちさせることができます。

色あせしにくい色
  • 白:紫外線の影響を受けにくい無彩色
  • 黒:顔料が安定しており変色しにくい
  • グレー:無彩色で紫外線に強い
  • 青:顔料が紫外線に強く退色しにくい
  • ベージュ:淡い色で変化が目立ちにくい

これらの色は紫外線に対する耐性が高く、塗りたての美しさを長期間維持しやすいのが特徴です。

特にベージュやグレーは汚れにも強いため、総合的なメンテナンス性に優れています。

避けるべき色|白・黒・原色系の注意点

一方で、汚れが目立ちやすい色や色あせしやすい色もあります。

目立ちやすい・色あせしやすい色
  • 真っ白、真っ黒:汚れが非常に目立ちやすく、こまめなメンテナンスが必要
  • 赤や黄色などの原色系:紫外線の影響を受けやすく、色あせが早く進行する

白は黒ずみや雨だれの跡が、黒は白っぽい汚れやほこりが目立ちます。

また、赤や黄色などの鮮やかな原色系は顔料が劣化しやすいため、塗りたての鮮やかさが数年で失われてしまう可能性があります。

これらの色を選ぶ場合は、定期的なメンテナンス計画を立てることが重要です。

失敗しない!外壁塗装の色の選び方・流れ

外壁塗装の色選びは、正しい手順を踏むことで失敗を防げます。

ここでは、プロが実践する色選びの具体的な流れをご紹介します。

  1. STEP

    イメージを固める(理想の雰囲気を明確に)

    雑誌やインターネットで気に入った住宅の写真を集めると、自分の好みが明確になります。

    家族全員の意見を聞いて、共通するイメージを見つけることも大切です。

    この段階で「明るい印象にしたい」「落ち着いた雰囲気にしたい」など、方向性を決めておくことで、後の色選びがスムーズになります。

  2. STEP

    周辺環境との調和を確認する

    近隣の住宅や街並み、自然環境との調和を考えることが重要です。

    周囲を散歩しながら、近隣3〜4軒の外壁色を写真に撮り、全体の雰囲気を把握しましょう。

    また、お住まいの地域に景観ガイドラインがないか、自治体のホームページで確認することも忘れずに。

    周辺環境に配慮することで、後悔のない色選びができます。

  3. STEP

    カラーシミュレーションで候補を絞る

    実際の住宅写真をもとに複数の色パターンを試すことで、全体のバランスを視覚的に確認できます。

    この段階で3〜5色程度に候補を絞り込みます。ただし、シミュレーションはあくまで参考程度です。

    画面の設定や光の加減によって実際の色と異なって見えることがあるため、この段階での決定は避けましょう。

  4. STEP

    色見本で実物確認する

    小さな色見本では、面積効果により実際の仕上がりと印象が大きく異なるため、必ずA4サイズ以上の実物で確認しましょう。

    また、色見本は必ず屋外の自然光の下で確認しましょう。

    異なる時間帯や天候で色の見え方がどう変わるかをチェックします。

    実際の外壁に色見本を当てて、少し離れた位置から見ることで、より正確なイメージを掴めます。

  5. STEP

    試し塗りで最終決定する

    最終決定の前に、可能であれば試し塗りを依頼しましょう。

    実際の外壁に候補色を塗ることで、色見本では分からない質感や光沢感、周囲との調和を確認できます。

    試し塗りは追加費用が発生する場合もありますが、10年以上付き合う色を決める重要な投資です。

    この最終確認を経て、自信を持って色を決定しましょう。

外壁塗装の色選びで失敗しないための5つのポイント

色選びの流れを理解したら、次は失敗を防ぐための重要なポイントを押さえましょう。

以下の5つのポイントを意識することで、後悔のない色選びが実現できます。

ポイント1.面積効果を理解して色を選ぶ

面積効果とは、同じ色でも面積の大きさによって明るさや鮮やかさの見え方が変わる現象です。

小さな色見本で見た色と、実際の外壁に塗った色では印象が大きく異なります。

ポイント!
  • 明るい色は、面積が大きくなるほどより明るく鮮やかに見える
  • 暗い色は、面積が大きくなるほどより暗く重く見える

そのため、明るい色を選ぶ場合は色見本より少し暗めのトーンを、暗い色を選ぶ場合は少し明るめのトーンを選ぶと、イメージに近い仕上がりになります。

ポイント2.周囲の景観や近隣との調和を考える

周囲の住宅や自然環境との調和を考慮しないと、悪目立ちしてしまい近隣トラブルの原因になることもあります。

特に住宅密集地では、周囲の色調に合わせることで安心感が生まれます。

緑が多い地域では自然と調和する色、海が近い地域では明るく爽やかな色など、立地に応じた色選びを心がけましょう。

また、景観地区に指定されている地域では、使用できる色に制限がある場合があるため、事前に自治体に確認することをおすすめします。

ポイント3.屋根・サッシ・玄関ドアとの相性を確認

外壁の色だけでなく、屋根やサッシ、玄関ドアとの色の組み合わせも重要です。

これらの要素がちぐはぐだと、全体のバランスが崩れてしまいます。

特に屋根は外壁と同じくらい目立つ部分のため、相性を慎重に確認しましょう。

一般的に、外壁が明るい色の場合は屋根を暗い色にすると引き締まった印象になります。

サッシが白なら外壁も明るい色、サッシが黒なら外壁はグレーやブラウンなど落ち着いた色が相性良く仕上がります。

カラーシミュレーションでこれらの要素を含めて確認することが大切です。

ポイント4.汚れの目立ちにくさと色あせしにくさを考慮

美観を長期間保つためには、汚れの目立ちにくさと色あせのしにくさを考慮することが重要です。

立地条件によって汚れの種類も異なります。

ポイント!
  • 交通量の多い道路沿いであれば、排気ガスによる黒ずみ
  • 緑が多い場所では、コケや藻の緑色の汚れ

それぞれの環境に応じて、汚れが目立ちにくい色を選びましょう。

また、日当たりの良い場所では紫外線による色あせが進みやすいため、色あせしにくい色を選ぶことも大切です。

機能性と美観のバランスを考えた色選びが、満足度の高い仕上がりにつながります。

ポイント5.時間帯や天候による見え方の違いを確認

外壁の色は、時間帯や天候によって見え方が大きく変わります。

晴れた日の昼間に美しく見えた色が、曇りの日や夕方には暗く沈んで見えることもあります。

色見本を確認する際は、必ず複数の時間帯と天候条件で確認しましょう。

朝の柔らかい光、昼間の強い日差し、夕方の斜光、曇りの日の自然光など、さまざまなシチュエーションで色の変化を観察します。

特に北向きの外壁は日光が当たりにくいため、暗めに見えがちです。

一日を通して納得できる色を選ぶことで、後悔のない色選びができます。

「外壁塗装の時期」や「外壁塗装はまだするな」の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装の色の組み合わせ|ツートンカラー・アクセントカラーのコツ

単色だけでなく、複数の色を組み合わせることで、より個性的でおしゃれな外壁塗装を実現できます。

ここでは、外壁塗装のツートンカラーやアクセントカラーの上手な使い方をご紹介します。

基本は6:4または7:3の配色バランス

ツートンカラーを成功させる基本は、配色の比率です。理想的なバランスは、ベースカラー6〜7割セカンドカラー3〜4割の割合です。

この比率により、メリハリがありながらもまとまりのある外観になります。

5:5の同じ比率にすると、どちらの色も中途半端な印象になり、落ち着きのない仕上がりになってしまいます。

また、8:2以上の比率では変化が少なすぎて、ツートンカラーの効果が薄れます。

配色の分け方は、上下で分ける方法とベランダや出っ張り部分で分ける方法があります。

同系色でまとめると失敗しにくい

初めてツートンカラーに挑戦する場合は、同系色でまとめると失敗しにくくなります。

例えば、明るいベージュと濃いブラウン、淡いグレーと濃いグレーなど、トーンの違いで変化をつける方法です。

同系色の組み合わせは統一感があり、落ち着いた上品な印象になります。

色相の違う組み合わせ(例:青と黄色)は上級者向けで、バランスを取るのが難しいため避けた方が無難です。

白やグレーなどの無彩色と、ベージュやブラウンなどのアースカラーの組み合わせも相性が良く、失敗しにくい配色です。

アクセントカラーで個性を演出する方法

アクセントカラーとは、外壁の一部に異なる色を使って個性を演出する手法です。

玄関周り、ベランダの手すり、窓枠、雨樋などにポイント的に使用します。

アクセントカラーの面積は全体の5〜10%程度に抑えることが基本です。

ベースカラーがシンプルな場合、アクセントカラーで個性を出すことができます。

アクセントカラーを選ぶ際のポイント
  • ベースカラーとの調和:補色ではなく類似色または無彩色を選ぶ
  • 建物の形状を活かす:出っ張りや凹凸部分に使用すると効果的
  • 色の濃淡で変化をつける:ベースが明るいなら濃い色、ベースが暗いなら明るい色
  • 小さな面積から始める:失敗のリスクを抑えられる

アクセントカラーは、シンプルな外観に変化と奥行きを与え、センスの良い住まいを演出できます。

人気の組み合わせ実例

実際に人気の高い色の組み合わせをご紹介します。

これらは多くの住宅で採用されており、バランスの良い仕上がりが期待できます。

ベースカラーセカンドカラー印象
ホワイトグレー清潔感があり洗練された印象
ベージュブラウン温かみがあり落ち着いた雰囲気
グレーホワイトモダンで都会的な印象
クリームダークブラウン上品でエレガントな雰囲気
ネイビーホワイト爽やかでマリン風の印象

これらの組み合わせは、周囲の環境にもなじみやすく、長期間飽きのこない配色として多くの方に選ばれています。

ツートンカラーで避けるべき組み合わせ

一方で、避けるべき組み合わせもあります。

鮮やかな原色同士の組み合わせ(例:赤と青、黄色と緑)は、まとまりがなく落ち着きのない印象になります。

また、明度が近い色同士(例:淡いベージュと淡いグリーン)は境界がぼやけて見え、ツートンの効果が薄れます。

トレンドカラーだけで選ぶと、数年後に古臭く感じる可能性もあるため注意が必要です。

彩度の高い色を多用すると、周囲から浮いてしまい悪目立ちすることもあります。

色選びに迷った場合は、施工実績の豊富な業者に相談することをおすすめします。

外壁塗装における色見本の正しい使い方と注意点

色見本は色選びの重要なツールですが、正しく使わないと実際の仕上がりとのギャップが生じます。

ここでは、色見本を効果的に活用する方法をご紹介します。

色見本の種類|色見本帳・塗り板・カラーシミュレーション

色見本には主に3つの種類があります。

色見本の主な種類
  1. 色見本帳
  2. 塗り板
  3. カラーシミュレーション

色見本帳は、小さな紙の見本が束になったもので、多くの色を一度に比較できるのが特徴です。

ただし、見本の面積が小さいため、実際に外壁へ塗装した際の印象とは異なって見える場合があります。

塗り板は、実際の外壁材に塗料を塗ったサンプルで、質感や艶感まで確認できる最も正確な見本です。

A4サイズ以上の大きさで確認することで、仕上がりのイメージをより正確につかめます。

カラーシミュレーションは、パソコンやタブレット上で住宅全体の配色を試せるツールで、外観全体のバランスや周囲との調和を確認するのに適しています。

それぞれの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることが大切です。

A4サイズ以上の色見本で確認する

色見本を確認する際は、必ずA4サイズ以上の大きさで確認しましょう。

小さな色見本では、面積効果により実際の外壁とは色の印象が大きく異なります。

明るい色は実際より暗く、暗い色は実際より明るく見えてしまうため、小さな見本だけで判断すると後悔する可能性が高くなります。

複数の候補色を大きなサイズで比較することで、より正確な判断ができます。

追加費用がかかる場合もありますが、満足のいく仕上がりのために必要な投資です。

必ず屋外の自然光で確認する

蛍光灯やLED照明は色温度が太陽光と異なるため、色の印象が変わってしまいます。

晴れた日の午前中や午後の自然光で確認することで、最も正確な色を判断できます。

さらに、曇りの日の見え方も確認すると、より安心です。朝、昼、夕方と時間帯を変えて複数回確認することで、一日を通しての色の変化も把握できます。

手間はかかりますが、この確認作業が後悔のない色選びにつながります。

実際の外壁に当てて離れた位置から見る

色見本を外壁に当て、3〜5メートルほど離れた位置から見ることで、実際に塗装した際の印象に近い見え方を確認できます。

正面からだけでなく、斜めからの見え方もチェックしましょう。

また、屋根やサッシ、玄関ドアとの相性も同時に確認できます。ご近所の目線からどう見えるかも意識すると、客観的な判断ができます。

この確認作業を丁寧に行うことで、イメージとのギャップを最小限に抑えられます。

外壁塗装のカラーシミュレーション活用法と限界

カラーシミュレーションは便利なツールですが、万能ではありません。

その特性を理解して正しく活用することが重要です。

カラーシミュレーションでできること

カラーシミュレーションは、住宅全体の色のバランスを視覚的に確認できる優れたツールです。

実際の住宅写真に複数の色を当てはめることで、仕上がりのイメージを事前に把握できます。

屋根や玄関ドア、サッシとの色の組み合わせも一度に確認でき、ツートンカラーやアクセントカラーの配置も試せます。

短時間で何十通りものパターンを比較できるため、色選びの初期段階で方向性を決めるのに非常に有効です。

シミュレーションの限界を理解する

一方で、カラーシミュレーションには限界があることも理解しておく必要があります。

パソコンやスマートフォンの画面は、光の三原色(RGB)で色を表現しますが、実際の塗料の色とは発色の仕組みが根本的に異なります

また、画面の明るさ設定や色温度の調整によって、同じシミュレーション画像でも見え方が変わります。

外壁の質感や艶感、光の反射具合はシミュレーションでは再現できません。

時間帯や天候による色の変化も表現できないため、あくまで参考程度と考えましょう。

シミュレーションだけで最終決定するのは危険です。必ず実物の色見本で確認することが不可欠です。

シミュレーションと実物確認を併用する

最も効果的な色選びの方法は、カラーシミュレーションと実物確認を併用することです。

まずシミュレーションで全体のバランスを見ながら候補を5色程度に絞り込みます。

次に、絞り込んだ色のA4サイズ以上の色見本を用意してもらい、実際の外壁で確認します。

この二段階のプロセスにより、効率的かつ正確な色選びが可能になります。

シミュレーションは「イメージを固める」ため、実物確認は「最終決定をする」ために使用するという役割分担を明確にしましょう。

外壁塗装の色見本と違う仕上がりになる原因と対策

色見本で確認したはずなのに、実際の仕上がりが違って見えることがあります。

その原因と対策を理解しておきましょう。

原因1.面積効果による色の見え方の違い

最も多い原因が面積効果です。同じ色でも、小さな面積で見た場合と大きな面積で見た場合では、明るさや鮮やかさの印象が大きく異なります。

明るい色は大きな面積になるほどより明るく鮮やかに見え、暗い色は大きな面積になるほどより暗く重く見えます。

これは人間の視覚の特性によるもので、避けることはできません。

対策としては、A4サイズ以上の大きな色見本で確認することが基本です。

さらに、明るい色を選ぶ場合は色見本より1〜2トーン暗めを、暗い色を選ぶ場合は1〜2トーン明るめを選ぶことで、イメージに近い仕上がりになります。

原因2.光の当たり方や時間帯による変化

外壁の色は、光の当たり方や時間帯によって見え方が大きく変化します。

室内の照明の下で見た色見本と、屋外の自然光の下で見る実際の外壁では、色の印象がまったく異なります。

また、晴れた日の強い日差し、曇りの日の柔らかい光、朝の斜光、夕方の赤みがかった光など、時間帯や天候によっても色の見え方は変化します。

特に北側の外壁は日光が当たりにくいため、南側よりも暗く見えがちです。

対策としては、色見本を必ず屋外で確認し、複数の時間帯と天候条件で見え方をチェックすることが重要です。

原因3.塗料の艶の有無による印象の違い

塗料には艶あり、艶なし、三分艶、五分艶、七分艶など、艶の度合いが異なる種類があります。

艶の種類艶の度合い見た目の特徴メリット注意点
艶あり非常に強い光沢がはっきりしている汚れが付きにくく耐久性が高い光の反射が強く、好みが分かれる
七分艶やや強い艶ありに近い自然な光沢耐久性と落ち着きのバランスが良い艶感はやや目立つ
五分艶中程度控えめで上品な艶見た目と機能性のバランスが良い完全なマット感は出ない
三分艶弱いしっとりと落ち着いた印象高級感・落ち着いた外観艶ありより汚れが目立ちやすい
艶なし
(マット)
ほぼなし光沢がなく重厚感がある反射が少なく自然な仕上がり汚れが付着しやすく耐久性は低め

塗料の艶は、見た目の印象だけでなく耐久性や汚れの付きにくさにも影響します。

一般的に艶が強いほど防汚性や耐久性は高く、反対に艶を抑えるほど落ち着いた高級感のある仕上がりになります。

ただし、艶なしに近づくほど汚れが目立ちやすくなるため、外観の好みと機能性のバランスを考えて選ぶことが大切です。

対策:試し塗りで最終確認する

最も確実な対策は、本塗装の前に試し塗りをすることです。

実際の外壁に候補色を1平方メートル程度塗ってもらい、数日間観察することで、色見本では分からない実際の仕上がりを確認できます。

試し塗りでは、色だけでなく質感、艶感、光の反射具合、周囲との調和まで総合的にチェックできます。

晴れの日、曇りの日、朝、昼、夕方と、さまざまな条件で観察しましょう。

試し塗りには追加費用がかかる場合もありますが、10年以上その色と付き合うことを考えれば、必要な投資といえます。

外壁塗装の色選びでよくある失敗例と対処法

実際によくある失敗例を知ることで、同じ失敗を避けることができます。

ここでは、代表的な失敗例と対処法をご紹介します。

失敗例1「思っていたより明るい(暗い)色になった」

色見本で確認したときは良いと思ったのに、実際に塗装してみたら「思っていたより明るすぎた」「暗すぎて重たい印象になった」という失敗は非常に多いです。

これは面積効果が原因です。小さな色見本で見ると、明るい色は実際より暗く、暗い色は実際より明るく見えてしまうため、仕上がりとのギャップが生じます。

対処法としては、希望の色より1〜2トーン調整することです。

明るい色を希望する場合は少し暗めのトーンを、暗い色を希望する場合は少し明るめのトーンを選びましょう。

失敗例2「周囲から浮いて悪目立ちしてしまった」

個性を出そうと鮮やかな色や珍しい色を選んだ結果、周囲の街並みから浮いてしまい、悪目立ちしてしまうケースもあります。

対処法としては、色を決める前に必ず周辺環境を観察することです。近隣の住宅の外壁色を写真に撮り、全体の色調を把握しましょう。

景観ガイドラインがある地域では、事前に自治体に確認することも大切です。

個性を出したい場合は、ベースカラーは周囲に合わせ、アクセントカラーで個性を表現する方法がおすすめです。

失敗例3「汚れや色あせが目立ちやすい色を選んでしまった」

真っ白や真っ黒、鮮やかな原色など、見た目の美しさだけで色を選んだ結果、数年後に汚れや色あせが目立ってしまう失敗も多いです。

  • 「白色」▶黒ずみや雨だれの跡が目立つ
  • 「黒色」▶白っぽい汚れが非常に目立つ
  • 「赤色」「黄色」▶原色は紫外線の影響で色褪せが早く進行する

汚れが目立ちにくいグレーやベージュ、色あせしにくい無彩色や青系の色を選ぶことで、美観を長期間保てます。

立地条件に応じて、汚れの種類を予測することも重要です。

失敗例4「ツートンカラーのバランスが悪い」

ツートンカラーに挑戦したものの、色の比率や組み合わせが悪く、ちぐはぐな印象になってしまう失敗もあります。

5:5の同じ比率にすると落ち着きがなく、彩度の高い色同士を組み合わせるとまとまりがなくなります。

対処法としては、6:4または7:3の配色比率を守ることです。また、初めての場合は同系色の組み合わせから始めると失敗しにくくなります。

カラーシミュレーションで複数のパターンを試し、家族や施工業者の意見も聞きながら決めましょう。

【施工事例】ビルの外壁塗装工事の実例|新東亜工業

杉並区の4階建てビルを購入したオーナー様から、外壁の劣化と雨漏りの不安についてご相談をいただきました。

築年数の古いビルの外壁塗装と屋上防水工事を、限られた予算内で最大限の効果を実現した施工事例です。

工事の概要|費用・期間

今回の工事は、築古ビルの外壁塗装と屋上防水を中心とした大規模修繕工事です。

内装工事と並行して進めるため、雨漏りを防ぐことが最優先課題でした。

項目 内容
建物種別 4階建てビル
施工場所 東京都杉並区
工事金額 510万円(税込)
主な工事内容 ・外壁塗装
・タイル補修
・シーリング工事
・屋上防水工事
・鉄部塗装
使用塗料 シリコン塗料(色:N-93)
防水工法 塩ビシート機械固定工法+ウレタン密着工法(ハイブリッド工法)
下地補修 実数精算(浮き・剥がれ箇所の補修)
特記事項 予算制約により階段室を施工対象外、1階周りを削減

外壁は打診調査により塗膜の浮きやタイルの剥がれを確認し、下地補修を実施しました。

お客様のご要望でタイル面を白色に塗装仕上げとしましたが、元の濃い色のため完全な白にはならないことを事前に説明し、ご了承いただきました。

屋上防水は、既存の塗料が劣化していたため撤去せず、平場部分には塩ビシートの機械固定工法を採用し、立ち上がりと天端部分はウレタン密着工法で施工するハイブリッド工法を提案しました。

この工法により費用を抑えながらも高い防水性能を確保しています。

予算は当初400〜500万円を希望されていましたが、優先順位を調整し階段室を別見積とし、1階周りを削減することで510万円(税込)に調整しました。

お問い合わせ・ご依頼内容

築年数の古いビルを購入されたオーナー様から、外壁の劣化と雨漏りへの不安について緊急のご相談をいただきました。

内装工事も並行して進めているため、早急な対応が必要な状況でした。

お客様:「杉並区のビルを購入したんですけど、そちらが古くて修繕工事の見積をお願いしたいのですが可能でしょうか?」

事務員:「はい、もちろん、大丈夫ですよ! こちらは受付となっておりますので、詳しい話は担当者からの折り返しさせていただきます。」

お客様(担当者へ):「今回ビルを購入したんですけど、修繕工事をする前でとても古いのです。外壁塗装をメインで防水も見てもらいたいです。今内装の工事の方も同時で進めていて、もう既に内装は入っている状況です。工事を急いでいるのですが早急に見てもらうことは可能でしょうか?」

ご依頼の背景には、築年数が経過したビルの外壁劣化と雨漏りリスクという2つの大きな課題がありました。

特に内装工事が既に始まっているため、外壁から雨漏りが発生すると新しく張ったクロスを張り替える必要が出てしまいます。

そのため「クロスを貼る前に外を塞ぐ」という明確な目的があり、スピード対応が求められました。

初動レスポンスの早さを重視し、お問い合わせ翌日の10時に現地調査を設定することで、お客様の緊急性に応えました。

図面がない状況でしたが、現地で寸法を計測することで対応可能とお伝えし、迅速な対応への安心感をご提供しました。

現地調査から工事開始までの流れ

現地調査では屋上から1階まで詳細に状態を確認し、外壁の浮き・タイルの剥がれ・塗膜劣化などを打診調査で特定しました。

屋上は既存の塗料が劣化しており、費用対効果の高いハイブリッド防水工法を提案しました。

高井:「(屋上にて)あー結構屋上の状態ひどいですね!」

お客様:「やっぱりそうですか。」

高井:「これなんか塗料ウレタンじゃなくて違う塗料塗ってますね。これ、この上からウレタン塗料を塗っても乗らないですし状態も悪いので一回本当なら撤去してウレタンの通気緩衝工法という方法がいいんですけど費用もかかるので今回は平場を塩ビシートの機械固定工法でやります。それとこの立ち上がりから天端の部分はウレタンの密着工法でやりますね。」

お客様:「ありがとうございます。費用は内装の関係もあって400-500万程度で納めたいんですよね。」

調査の結果、外壁は打診調査で塗膜の浮きが多数確認され、タイルの剥がれも目立ちました。

下地補修は実数精算方式を提案しましたが、お客様から「金額を確定してほしい」とのご要望があり、フルスペックで見積を作成し、優先順位の低いものを後から削減する方式を提案しました。

見積作成は翌日までに完成させ、お急ぎのため電話とメールで説明する方式を採用しました。

見積は予算500万円を超えてしまったため、階段室を別見積とし、1階周りを削減することで510万円(税込)に調整しました。

お客様から「税込み500万は厳しいですかね?(笑)」と最後の交渉がありましたが、既にベストプライスであることを丁寧に説明し、ご納得いただきました。

工事中の流れ・やり取り

工事は足場組立後の下地調査から始まり、シーリング工事、洗浄、塗装、防水の順で進めました。

各工程で定期的に進捗報告を行い、屋上扉の塗膜厚トラブルにも臨機応変に対応しました。

熊倉:「(電話)下地調査のご報告なんですが、やはり塗膜の方がかなり劣化してます。ご予算はいただけてるので、今日からどんどん悪いところは剝がしていって直していきます。」

お客様:「(電話)雨漏りも凄いので大変ですけどお願いします。」

熊倉:「(電話・塗装中)とりあえず外壁の塗装が終わって鉄部塗装に入っています。屋上の扉を塗ってみたのですが、塗装の厚みがついてドアを閉めたら外から開かなくなっちゃいました。一度削ってもう一度ハンマーで少し叩きます。厚みがやはりつけられないのでご了承ください。」

お客様:「(電話)最初に聞いてるんで大丈夫です。屋上に出てから入れなくなるのは困るのでよろしくお願いします。」

足場組立後の打診調査では、予想通り塗膜の劣化が広範囲に確認されました。

ご予算をいただいていたため、すぐに下地補修を開始しました。

シーリング工事と高圧洗浄を経て塗装工事に入り、お客様ご希望の白色(N-93)で仕上げました。

屋上扉は歪みがあり開けにくい状態でしたが、塗装すると膜厚で更に開きにくくなるリスクを事前説明していました。

実際に塗装後、扉が外から開かなくなるトラブルが発生しましたが、削って調整することで解決しました。

防水工事では塩ビシートとウレタンのハイブリッド工法を施工し、トップコートは汚れにくいグレー色で仕上げました。

工事期間中は週に数回進捗報告を行い、お客様からは「もうお任せしてるのでよろしくお願いします」と信頼をいただきました。

まとめ

全工程を完了し、外壁塗装・屋上防水ともに高品質な仕上がりとなりました。

屋上扉の開閉も改善され、防水性能も大幅に向上したことで、お客様にご満足いただきました。

お客様:「先に来てちょっと見てたんですけど、すごくきれいになってますね。ありがとうございました。」

熊倉:「ありがとうございます。屋上とかもご覧になりました?」

お客様:「見ました。ドアも開くようになっていたので安心しました。防水もきれいに仕上がってましたね。」

熊倉:「うちは腕のいい職人が多いんで僕も安心して任せられるんですよ。なにか気になるところありました?」

お客様:「特になかったですね。色々とありがとうございました。綺麗になって本当に良かったです。」

今回の工事では、築古ビルの外壁劣化と雨漏りリスクという緊急課題に対して、スピーディーな現地調査と柔軟な予算調整で対応しました。

お問い合わせ翌日の現地調査、優先順位を明確にした見積提案、予算に応じた工事範囲の調整など、お客様のニーズに寄り添った対応を徹底しました。

屋上防水は費用対効果の高いハイブリッド工法を採用し、塩ビシートとウレタンを使い分けることで高い防水性能を確保しました。

外壁は下地補修を丁寧に行い、タイル面の白色塗装も実現しました。

工事中は定期的な進捗報告を欠かさず、屋上扉のトラブルにも迅速に対応し、お客様との信頼関係を構築しました。

内装工事と並行して進める中で、雨漏りを防ぎながら高品質な仕上がりを実現し、「綺麗になって本当に良かった」とのお言葉をいただけたことが何よりの成果です。

新東亜工業では、このような緊急性の高い修繕工事にも迅速かつ丁寧に対応し、お客様の大切な資産をお守りしています。

▶参考元:【実録】4階建てビルの外壁塗装工事の流れを完全公開!

外壁塗装の色選びに関するよくある質問【FAQ】

外壁塗装の色選びでよく寄せられる質問にお答えします。

Q

外壁の色で一番いい色はなんですか?

A

「一番いい色」は、住宅の立地や建築スタイル、周辺環境、お客様の好みによって異なるため、一概には言えません。

ただし、失敗しにくく多くの方に選ばれている色としては、グレー、ベージュ、ホワイトが挙げられます。

これらの色は汚れが目立ちにくく、色あせもしにくいため、美観を長期間保ちやすいのが特徴です。

また、周囲の景観にもなじみやすく、どんな建築スタイルにも合わせやすいため、安心して選べる色といえます。

最終的には、ご自身の理想とする雰囲気や、メンテナンス性を考慮して選ぶことが重要です。

Q

外壁の色でやめたほうがいい色はありますか?

A

絶対に避けるべき色はありませんが、注意が必要な色はあります。

真っ白や真っ黒は汚れが非常に目立ちやすく、こまめなメンテナンスが必要です。

赤や黄色などの鮮やかな原色は、紫外線の影響で色あせが早く進行します。

また、濃い色は日光を吸収しやすく、外壁の劣化が進みやすい傾向があります。

さらに、周囲の景観と調和しない派手な色は、近隣トラブルの原因になることもあります。

これらの色を希望する場合は、彩度を抑えたトーンを選ぶ、アクセントカラーとして少量使用する、定期的なメンテナンス計画を立てるなどの工夫が必要です。

Q

今年(2025年)で人気だった色はなんですか?

A

2025年の外壁塗装のトレンドカラーは、グレージュ(グレー×ベージュ)やチャコールグレー(濃いめのグレー)などの洗練された中間色が人気です。

また、アイボリーやスモーキーブルーといった柔らかく落ち着いたトーンの色も注目されています。

近年は、派手な色よりも、長期間飽きのこないナチュラルで上品な色が好まれる傾向にあります。

ただし、トレンドだけで色を選ぶと、数年後に古臭く感じる可能性もあるため、流行に左右されすぎず、ご自身の好みや住宅の特性に合わせて選ぶことが大切です。

Q

長持ちする外壁の色はありますか?

A

外壁の色の長持ち度は、汚れの目立ちにくさと色あせのしにくさで決まります。

最も長持ちする色は、グレーとベージュです。これらの色は汚れが目立ちにくく、色あせもしにくいため、美観を長期間保ちやすいのが特徴です。

次いで、白、黒、青系の色も色あせしにくい傾向があります。

ただし、白と黒は汚れが目立ちやすいため、総合的な長持ち度ではグレーやベージュに劣ります。

また、塗料のグレード(シリコン、フッ素など)も耐久性に大きく影響するため、色と合わせて塗料の品質にもこだわることをおすすめします。

Q

外壁に高級感を出す色はなんですか?

A

高級感を演出できる色としては、ブラック、ネイビー、ダークグレー、ダークブラウンなどの深みのある色が効果的です。

これらの色は重厚感と洗練された印象を与えます。また、ホワイトも清潔感と上品さがあり、高級感を演出できます。

さらに、単色ではなくツートンカラーにすることで、より洗練された印象になります。

例えば、ホワイト×チャコールグレー、ベージュ×ダークブラウンなどの組み合わせがおすすめです。

艶ありの塗料を選ぶことで、光沢感が加わり高級感がさらに増します。ただし、色だけでなく、施工の丁寧さも高級感に大きく影響します。

まとめ

外壁塗装の色選びは、住まいの印象を大きく左右する重要な決断です。

人気の色ランキングを参考にしながら、汚れの目立ちにくさや色あせのしにくさなど、機能性も考慮することが大切です。

失敗しないためには、面積効果を理解し、周囲との調和を考え、色見本とカラーシミュレーションを併用して慎重に選びましょう。

ツートンカラーやアクセントカラーで個性を出すこともできますが、基本的な配色ルールを守ることが重要です。

最終的には試し塗りで確認することで、後悔のない色選びが実現できます。

外壁塗装は10年以上その色と付き合うことになりますが、だからこそ慎重になりすぎず、楽しみながら選ぶことも大切です。

ご家族で意見を出し合い、理想の住まいをイメージしながら色を選んでください。

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