屋根断熱塗料で室内温度が3〜5度下がる?遮熱との違いや選び方と効果をわかりやすく解説

夏の暑さや冬の寒さ対策として、屋根の断熱塗料は注目を集めています。室内の温度を快適に保ち、電気代の節約にもつながるとして人気です。

塗るだけで効果が得られる手軽さがメリットですが、遮熱塗料との違いを理解し、防水性能も考慮した選び方が重要です。DIYでの施工も可能ですが、外壁や断熱材との組み合わせで、より高い効果を発揮することも。

本記事では、断熱塗料の基礎知識から実践的な使い方まで、快適な室内環境づくりのポイントを分かりやすく解説します。

目次

屋根の断熱塗料の基礎知識

「断熱効果」「断熱性が高い」など、断熱という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんな性能があるのかは詳しく知らないという方が多いのではないでしょうか。

ここでは、断熱についての基礎知識を詳しく解説します。

また、断熱と同じような場面でよく耳にする「遮熱」との効果の違いについても紹介していきます。

遮熱と断熱について

遮熱断熱は、どちらも建物の快適性を保つために重要な要素ですが、その目的と方法には明確な違いがあります。

まず、遮熱は外部からの熱を建物内部に伝えないようにする対策です。主に、外気温(特に夏の高温)からの熱を遮断するために用いられ、太陽光や紫外線を反射する材料を使用します。遮熱効果が高い建材や塗料は、屋根や外壁に施され、室内の温度上昇を抑え、エアコンの効率を向上させることができます。特に夏の暑い時期に効果を発揮し、室内の温度を快適に保つ役割を果たします。

一方、断熱は、建物内部の熱を外部に逃がさないようにする対策です。冬場の冷たい外気や夏の暑い外気から室内を守り、室内の温度を一定に保つために使用されます。断熱材を壁や天井、床に設置することで、熱の移動を防ぎ、冷暖房の効率を高め、エネルギーの消費を削減します。断熱材には、グラスウールや発泡スチロールなど、熱を伝えにくくする素材が使われます。

遮熱と断熱は、両方とも室内の快適性とエネルギー効率を向上させるために重要ですが、遮熱は外部からの熱を防ぎ、断熱は内部の熱を保持することに焦点を当てています。適切な遮熱と断熱を施すことで、年間を通じて快適な温度環境を維持し、省エネルギー効果を高めることができます。

屋根の断熱塗料とは?

屋根の断熱塗料とは、屋根の断熱性能を向上させるために使用される塗料です。断熱塗料は、屋根材の表面に塗布することで、熱の逃げるのを防ぎ、室内の温度を安定させる効果があります。これにより、冬は暖かく、夏は涼しく保つことができます。

断熱塗料には、以下のような特徴があります:

  • 断熱効果: 熱の伝導を抑えることで、エネルギー効率を向上させます。
  • 防水性: 屋根を水や雨から保護します。
  • 耐久性: 長期間にわたって効果を維持します。

断熱とは?

断熱とは、簡単にいうと「熱の移動を断つ」という保温効果を得るための機能のことです。

熱が伝わりにくい素材である断熱塗料や断熱材を使用して建物を覆うことで、室内から室外、室外から室内といった熱の移動を緩やかにし、室温を快適な温度に保つ(保温効果)ことができるのです。

夏の暑い時期は屋外の熱を断つことで室内を涼しく保ち、冬の寒い時期は室内の熱を逃さず室内をあたたかく保つ効果が期待できます。

断熱効果が高いと冷暖房の効きもよくなるため、省エネや電気代の節約にもつながるでしょう。

このように、室温を快適に保つ効果が期待できるのが「断熱」です。

屋根の断熱塗料と遮熱塗料の違いは?

「断熱」と「遮熱」は一見よく似た言葉ですが、実は効果に大きな違いがあります。

屋根の塗装工事で使用する「断熱塗料」と「遮熱塗料」の機能や効果の違いを、下記の表にわかりやすくまとめました。

断熱塗料遮熱塗料
機能室内外の熱の移動を緩やかにする赤外線から吸収した熱を伝えにくくする
効果室温が快適に保たれる塗装面や室温の温度上昇を防ぐ

それぞれの機能や効果の違いについて、さらに詳しく紹介します。

屋根の断熱塗料と遮熱塗料の違い1.機能が異なる

断熱塗料と遮熱塗料は、機能や効果が異なる別の種類の塗料です。

断熱塗料の機能は「室内外の熱の移動を断ち、保温する」こと、遮熱塗料の機能は「太陽光を遮り、温度の上昇を防ぐ」ことが大きな特徴です。

室外の熱を室内に伝えにくくするという意味では、断熱塗料と遮熱塗料は同様の機能を持っています。

遮熱塗料が太陽光の影響を室内に伝えないことに特化している一方、断熱塗料はそれに加えて保温機能を持っているため室内の温度を快適に保つことができます。

2つの機能を持つ断熱塗料は、遮熱塗料に比べて高額になることが多いです。

屋根の断熱塗料と遮熱塗料の違い2.効果が異なる

断熱塗料と遮熱塗料では、塗装した後に期待できる効果が異なります。

室温を快適に保つことのできる断熱塗料では、以下のような効果が期待できます。

  • 冷暖房費の節約
  • 省エネ
  • 結露の発生を防ぐ

一方で、室温の上昇を防ぐことのできる遮熱塗料は、夏の暑さに特化しています。

最近では、地球温暖化やヒートアイランド現象などの影響を大きく受けて、夏だけではなく季節外れの高温日も増えています。

遮熱塗料は熱を遮ることで屋根面や室温の上昇を防いでくれるため、このような場合の室温の上昇を防ぎ、冷房費の節約や省エネにもつながるでしょう。

つまり、遮熱塗料は主に暑い夏の時期に高い効果を発揮し、断熱塗料は夏と冬の両方で効果を発揮する塗料です。

遮熱塗料は常に太陽光を反射して室温の上昇を防いでくれますが、断熱塗料のような保温機能は持っていません。

そのため、寒い冬でも室温が上昇しない可能性があります。

断熱と遮熱は、両方の効果をうまく取り入れることで相乗効果をもたらし、より快適に過ごすことができるでしょう。

屋根に断熱塗料を塗装することで得られる効果

断熱塗料は、熱を塗膜に溜め込むことで室内に熱を伝わりにくくする機能を持っている塗料のことです。

室温の上昇を防ぐ効果が期待できますが、屋根面(塗膜)の温度の症状を防ぐ効果はあまりありません。

室内外の熱の移動を断つ保温効果が特徴で、室温の上昇を防ぐだけではなく冬には室内のあたたかい空気を逃さないため、一年を通して快適な室温を保つために役立ちます。

しかし、具体的にどのような効果が得られるのかをイメージするのは難しいですよね。

屋根に断熱塗料を塗装すると、主に以下のような効果が得られます。

  1. 室内温度が3〜5度下がる
  2. 塗り替えの頻度を抑えられる
  3. 保温効果
  4. 結露の発生を抑制して躯体のダメージを防ぐ

それぞれの効果について、詳しく紹介します。

屋根に断熱塗料を施すことで得られる効果1.室内温度が3~5度下がる

断熱塗料を塗装すると、夏の室内温度を3〜5度下げられるといわれています。

とくに屋根に近い最上階の部屋は、太陽の熱が室内に伝わり暑くなりやすいです。

断熱塗料は、室外と室内の熱の移動を緩やかにする効果があるため、夏の暑い日でも室外気温の影響を受けにくく、一般的な塗料と比べて室内温度を下げることができます。

少しでも室温を下げることができれば、冷房の稼働率が低下して省エネや光熱費の節約にもつながるでしょう。

屋根に断熱塗料を施すことで得られる 効果2.塗り替えの頻度を抑えられる

断熱塗料は、商品ごとに違いはあるものの基本的に耐久性に優れています。

断熱塗料の耐用年数は15〜20年ほどで、外壁塗装で一般的なウレタン塗料の耐用年数である7〜10年ほどと比べても長いことがわかります。

そのため、一度塗装工事を行えば15〜20年ほどを目安に長く安心して使い続けられ、塗り替えの頻度を抑えることができます。

断熱塗料の値段が一般的なウレタン塗料などに比べると高額なので、一度の塗装工事にかかる費用はかさみやすいです。

しかし、塗り替えの頻度を抑えられることや、冷暖房費が節約できるというメリットもあるので、コストパフォーマンスのいい塗料だといえるでしょう。

屋根に断熱塗料を施すことで得られる果3.保温効果

断熱塗料最大の特徴ともいえるのが、保温効果です。

熱の移動を緩やかにする機能を持っている断熱塗料は、太陽熱を室内に伝えにくくするだけではなく、室内の熱も外に逃さないため快適な室温を保つことができます。

冬の寒い時期も室内の熱を逃さないため室温を快適に保つことができ、暖房費の節約や省エネにもつながります。

この保温効果のおかげで、一年を通して室温を快適に保つことができるのです。

屋根に断熱塗料を施すことで得られる4.結露の発生を抑制して躯体のダメージを防ぐ

結露は、室内外の温度差が激しい場合に発生するものです。

断熱塗料を塗装すると室内への熱の伝達が緩やかになるため、室内外の温度差を減らすことができ、結果的に結露の発生も抑制することができます。

結露が発生すると、室内や外壁の内部に水滴が侵入し、内装にダメージを与えたり内部が腐食したりと、建物に大きなダメージを与えます。

カビが発生すれば、健康被害につながるリスクもあるでしょう。

断熱塗料によって結露の発生を抑制できれば、このような躯体や内装へのダメージなどのさまざまな悪影響も同時に予防することができます。

屋根の断熱塗料の選び方と注意点

屋根の断熱塗料は、建物のエネルギー効率を高め、室内の温度を快適に保つために重要な役割を果たします。適切な断熱塗料を選ぶことは、長期的なコスト削減と快適な住環境の実現に繋がります。

ここでは、屋根断熱塗料を選ぶ際のポイントと注意点について解説します。

屋根の断熱塗料の選び方と注意点1.塗料の種類を理解する

屋根断熱塗料には、主に以下の2つのタイプがあります。

  • 遮熱塗料: 太陽光の熱を反射し、屋根の表面温度を低く保つ塗料。熱が屋根から室内に伝わるのを防ぎますが、熱を反射することに重点を置いているため、断熱効果は控えめです。
  • 断熱塗料: 熱の伝導を抑制し、屋根の内側に伝わる熱を減少させます。特に、屋根内部の温度上昇を抑える効果があります。遮熱効果も持ちながら、より高い断熱性を提供するタイプもあります。

選ぶ際には、遮熱効果が主目的なのか、それとも断熱効果が必要なのかを明確にすることが重要です。

屋根の断熱塗料の選び方と注意点2.材料の特性を確認する

屋根断熱塗料の素材には、アクリル系やシリコン系、フッ素系などがあります。それぞれの素材には特徴があり、選択する際はその特性に注目しましょう。

  • アクリル系: 価格が安く、施工が容易ですが、耐久性は他の材料に比べて劣るため、頻繁に塗り替えが必要です。
  • シリコン系: 耐久性が高く、耐候性にも優れており、長期間効果を維持しますが、価格はやや高めです。
  • フッ素系: 非常に高い耐久性と耐候性を持ち、長期的な使用に最適ですが、他のタイプに比べて価格が最も高いです。

予算と耐久性を考慮して、最適な素材を選ぶことが大切です。

屋根の断熱塗料の選び方と注意点3.屋根の材質と状態に合わせる

屋根の材質によって適した断熱塗料が異なります。例えば、金属屋根や瓦屋根、スレート屋根では、塗料の選択肢や施工方法が異なるため、屋根の種類に合わせた製品を選びましょう。

  • 金属屋根: 金属は熱を伝えやすいため、断熱塗料を使用することで屋内温度の変動を抑えられます。金属専用の断熱塗料を選ぶことが推奨されます。
  • 瓦屋根: 瓦屋根はもともと熱の蓄積を防ぐ性質がありますが、断熱塗料を使用することでさらにその効果を高めることができます。
  • スレート屋根: スレート屋根は熱を吸収しやすいため、断熱塗料を塗布することで、熱の伝わりを抑えることが重要です。

屋根の素材に最適な塗料を選ぶことで、効果的に断熱性能を高めることができます。

屋根の断熱塗料の選び方と注意点4.施工条件に合った塗料を選ぶ

塗料の施工条件(温度、湿度、風速など)にも注意が必要です。施工を行う時期や気象条件によって、塗料の乾燥時間や効果に影響を与えることがあります。特に、湿度が高い季節や雨の日に施工を行うと、塗膜がうまく固まらないことがあります。

そのため、施工時期に合わせた塗料を選ぶことが、塗装後の仕上がりに大きな影響を与えます。施工業者と十分に相談し、適切な条件を選びましょう。

屋根の断熱塗料の選び方と注意点5.価格と費用対効果を考慮する

断熱塗料にはさまざまな価格帯がありますが、安価なものでは耐久性や効果が期待できないこともあります。高価な塗料は耐久性に優れているものの、予算の範囲内で最適なバランスを見つけることが重要です。安価な塗料を頻繁に塗り替える手間を考慮すれば、長期的には高耐久性の塗料を選ぶ方がコストパフォーマンスが高くなる場合もあります。

屋根断熱塗料の選び方は、塗料の種類、屋根の材質、施工条件、予算などを総合的に考慮して選ぶことが大切です。高い断熱性を得るためには、適切な素材や施工方法を選ぶことがポイントです。

また、長期的な効果を得るために、耐久性の高い塗料を選ぶことも考慮しましょう。

屋根塗装でおすすめの断熱塗料3選!

屋根塗装で使用する塗料には、たくさんの種類があります。

塗料の種類によって特徴や耐用年数、値段なども異なるため、塗料選びも重要なポイントです。

ここでは、屋根塗装でおすすめの断熱塗料を3つ紹介します。

屋根塗装でおすすめの断熱塗料1.ガイナ

ガイナは、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)がロケット打ち上げの際の高温から機体を保護するために開発した断熱技術を応用して生まれた塗料です。

「塗る断熱材」と呼ばれるほど高い断熱効果を発揮するほか、内装用塗料としても使われ、消臭や騒音対策、結露対策にも役立ちます。

値段にかかわらず、実績が確かで信頼できる塗料を選びたいという方は、ガイナがおすすめです。

販売元株式会社日進産業
耐用年数15年
塗料価格約4,000円/1kg

屋根塗装でおすすめの断熱塗料2.キルコ(旧キルコート)

キルコは、コーキング材と同等ともいわれるほど伸縮性に優れていることが特徴の断熱塗料です。

ひび割れの生じやすい外壁や気温差で伸縮の起こりやすい金属面などに塗布することで、ひび割れを予防して耐久性を高めることができます。

キルコは、一般的な断熱塗料には必要ないトップコートを上塗りする工程が必要です。

工程が多く費用もやや高額となりますが、その分汚れにくいというメリットも持っています。

太陽熱反射率が高く、しっかりと塗布面や室内の温度上昇を防いでくれます。

断熱性と同時に耐久性も重視したい方におすすめの断熱塗料です。

販売元株式会社シンマテリアルワン
耐用年数15年〜
塗料価格約3,800円/1kg

屋根塗装でおすすめの断熱塗料3.断熱コートEX

断熱コートEXは、ここまで紹介した断熱塗料に比べて圧倒的に費用を抑えることができます。

「断熱塗料を使用してみたいものの、費用はできるだけ節約したい」という方におすすめです。

高い防汚性を持っている塗料ですが、トップコートの塗布が必要ありません。

断熱コートEXは艶あり仕上げが選べるなど、仕上がりのバリエーションが豊富です。

屋根に艶を持たせたいという方にもおすすめの断熱塗料です。

販売元東日本塗料株式会社
耐用年数8〜12年
塗料価格約1,540円/1kg

屋根塗装における断熱塗料の効果を高める方法は?

断熱塗料は屋根に塗布するだけで断熱効果が期待できるものですが、状況や環境によって発揮される効果が異なります。

ここでは、断熱塗料の効果を最大限に発揮するためにも知っておきたい、断熱塗料の効果を高める方法を紹介します。

せっかく塗布する断熱塗料の効果が半減してしまわないよう、ぜひチェックしてみてくださいね。

屋根塗装における断熱塗料の効果を高める方法|明るい色を選ぶ

屋根に塗装する塗料の色は、建物のデザイン性や印象にも影響するため、好きな色を選ぶ方が多いです。

好きな色で塗装すると建物の印象も変わって楽しめますが、実は断熱効果を最大限発揮するためには塗料の色選びも重要なポイントです。

黒や濃い色の塗料を選んだ場合、反射できる光の量が少なくなってしまうため、断熱性能があまり実感できない場合があります。

濃い色の断熱塗料よりも、白の一般的な塗料のほうが室内温度の上昇を抑えられるケースもあるほどです。

そのため、断熱塗料の効果をより高めるためには、白をはじめとする明るい色や淡い色を選ぶといいでしょう。

明るい色は反射できる光の量が多く、高い断熱効果を発揮することが期待できます。

屋根塗装における断熱塗料の効果を高める方法|断熱材を併用する

断熱塗料を使用した屋根塗装のみで効果を実感できることもありますが、住宅の状況によってはあまり変わらないと感じるケースもあります。

そんなときにおすすめするのが、断熱材との併用です。

屋根と室内の間に断熱材がしっかり設置されていない場合や、断熱材が腐食して効果が半減している場合などでは、断熱材を設置・交換することで住環境が大きく改善する可能性があります。

費用を抑えたい場合|天井断熱

費用を抑えて断熱効果を実感したい場合には、天井材の上に断熱材を敷き詰める「天井断熱」がおすすめです。

天井断熱では、平らな天井材の上で作業することができるので、工事費用を抑えることができます。

新たに設置するだけではなく、既存の断熱材の上に吹き込みタイプの断熱材を加えることや、既存の断熱材よりも高性能のものに交換することも可能です。

天井断熱を行う場合、小屋根裏部分(断熱材と屋根の間の空間)が屋外とほとんど同じ環境になってしまうため、換気システムの設置や防湿処理など、結露が発生しないような対策が必須です。

結露の発生は、断熱材の劣化や腐食の原因となります。

屋根裏を有効活用したい場合|屋根断熱

屋根裏の空間を有効活用したい場合には、屋根の勾配に沿って断熱工事を行う「屋根断熱」がおすすめです。

屋根を二重構造にする工事であることや施工面積が広いことから、天井断熱に比べると工事費用が高額になります。

屋根断熱を行なった場合には、小屋根裏部分が室内と同じ環境になるため、収納スペースなどとしても有効活用することができます。

屋根断熱の場合でも、屋根と断熱材の間の熱を逃すための換気システムが必須です。

屋根塗装における断熱塗料の効果を高める方法|小屋根裏を換気する

天井断熱・屋根断熱のどちらの場合でも、小屋根裏部分が換気されていなければ熱が逃げられずに屋根が高温となるため、室内温度の上昇や冷房が効きにくいなどの悪影響が及んでしまうでしょう。

そのため、換気システムが設置されていることを確認し、ない場合には新しく設置する必要があります。

また、換気システムはあるもののうまく機能していないというケースも少なくありません。

設置されてる場合であっても、十分に機能しているかどうかを定期的に点検することをおすすめします。

屋根塗装以外で断熱効果を高める方法は?

屋根塗装以外でも断熱効果を高める方法としては、以下のようなものがあります。

  1. 窓ガラスとサッシを交換する
  2. 内窓にする
  3. 断熱フィルムを窓に貼る

お手軽な方法もあるので、塗装以外の方法で断熱効果を高めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

屋根の断熱塗料以外の断熱方法1.窓のガラスとサッシを交換する

断熱性能の高い窓ガラスやサッシに交換することで、断熱効果を高める方法です。

一般的な窓ガラスやサッシを使用している場合は、以下のようなものへの交換を検討してみましょう。

  • 複層ガラス
    板ガラスの間に空気の層があるため、断熱効果が高い。遮音性向上や結露防止の効果もある。
  • Low-E複層ガラス
    複層ガラスにさらに特殊金属膜を挟んだもの。特殊金属膜が室内側であれば断熱性能が、室外側であれば遮熱性能が高い。
  • アルミ樹脂サッシ
    アルミと樹脂を組み合わせた断熱性の高いサッシ。

窓ガラスとサッシの交換は断熱性を高める効果がかなり期待できますが、サッシ交換の際には外壁を一部切り取るなどの大掛かりな工事が必要となります。

屋根の断熱塗料以外の断熱方法2.内窓にする

窓ガラスとサッシの交換よりも気軽にチャレンジしたいという方には、内窓の設置がおすすめです。

既存の窓やサッシはそのままに、窓の内側に新しい樹脂サッシを設ける方法のことです。

内窓を設置することで既存の窓サッシとの間に空気層ができ、複層ガラスと同様の効果を得ることができます。

集合住宅などで大掛かりな工事が難しいという場合でも設置できることが魅力です。

屋根の断熱塗料以外の断熱方法3.断熱フィルムを窓に貼る

最も手軽に挑戦できるのが、断熱フィルムを貼る方法です。

窓や窓枠に直接貼り付けることで断熱効果を高められる断熱フィルムは、ホームセンターなどで入手可能なので、自分で気軽にチャレンジすることができます。

断熱フィルムには、水で吹き付けて窓に固定する水貼りタイプと、両面テープで窓枠に固定しドライヤーでしわを伸ばすタイプがあります。

どちらのタイプも簡単に貼れるように工夫されているので、DIY初心者の方でもチャレンジできるでしょう。

透明タイプだけではなくイラストが入っているものなどもあり、デザイン性も楽しむことができます。

費用をかけずに断熱効果を高めたい方は、まずは断熱フィルムから挑戦してみることがおすすめです。

塗装できない屋根とは?屋根の種類と注意点を解説

塗装できない屋根とは、塗装が適切に行えない状態や種類の屋根のことを指します。塗装は屋根の保護や外観を改善するために重要ですが、屋根の材質や劣化具合によっては、塗装が不可能または効果が薄いことがあります。

  • 1. スレート屋根(カラーベスト)
    スレート屋根は、塗装が可能ですが、長年の使用により劣化が進んでいると、塗装が適切に密着しないことがあります。劣化がひどい場合は、塗装よりも交換が推奨されます。
  • 2. 金属屋根
    金属屋根は、塗装ができますが、塗装が剥がれやすい場合があります。特に、サビが発生している金属屋根には、塗装前にサビ取りや下地処理が必要です。
  • 3. アスファルトシングル屋根
    アスファルトシングル屋根は塗装ができません。材質自体が塗装の効果を持続しづらいため、塗装よりも定期的な交換や補修が推奨されます。

屋根の種類に応じた塗装方法を選ぶことが大切です。また、屋根の劣化状況に応じて塗装が適切でない場合、他の方法(交換や補修)を検討することが重要です。

防水工事で活用できる補助金・助成金制度【2025年最新】

防水工事は建物を長く快適に使うために必要ですが、費用負担も決して小さくはありません。そこで注目したいのが、国や自治体が提供する補助金・助成金制度です。2025年現在も、多くの地域で省エネ・劣化対策を目的とした防水工事が補助対象となっています。

以下に代表的な制度を紹介します。

【全国対象】住宅省エネ2025キャンペーン(国交省ほか)

  • 対象工事:屋上・外壁・ベランダなどの防水工事(省エネ性能を高める改修が条件)
  • 補助内容:1戸あたり上限120万円(戸建て)、15万円(集合住宅)
  • 申請条件
    • 登録事業者による施工
    • 補助対象の工事内容に合致すること(遮熱・断熱性を伴う防水工事など)
    • 事前申請が必須

引用・詳細:住宅省エネ2025キャンペーン公式サイト

【東京都足立区】住宅リフォーム助成事業

  • 対象工事:屋上・ベランダの防水、外壁塗装などの劣化対策リフォーム
  • 補助内容:工事費の1/3(上限5万円)
  • 申請条件
    • 足立区内の住宅に居住する個人
    • 登録業者による工事
    • 事前申請が必須

引用・詳細:足立区住宅リフォーム助成事業

【福岡市】住宅リフォーム助成金

  • 対象工事:雨漏り防止、屋上・外壁の防水工事など
  • 補助内容:工事費の10%(上限20万円)
  • 申請条件
    • 市内に居住し、該当物件の所有者であること
    • 工事費が30万円以上であること
    • 登録事業者の施工であること

引用・詳細:福岡市住宅リフォーム支援

補助金活用の注意点

防水工事で補助金を利用する際は、以下の点に注意してください。

  • 必ず工事前に申請(着工後では申請できない制度が大半です)
  • 自治体ごとに条件が異なる(年齢・所得制限、地域要件、施工業者の登録条件など)
  • 書類の準備が必要(見積書・図面・写真など)
  • 受付期間に制限あり(予算枠があるため早めの申請が推奨されます)

※補助制度の対象条件や助成額は自治体ごとに異なり、最新の情報は市区町村のホームページや窓口で確認が必要です。多くの制度では、申請前の事前相談や書類提出が必須となっているため、スケジュールには十分な余裕をもって準備しましょう。

防水工事に関してのよくある質問を紹介

ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。

Q

防水工事前に何か準備は必要ですか?

A

防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。

Q

防水工事を行う周期はどのくらいですか?

A

一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。

Q

雨天時も防水工事は行いますか?

A

防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。

Q

防水工事中に臭いがすることはありますか?

A

防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。

屋根の断熱塗料を上手に活用しよう|まとめ

今回は、屋根の断熱塗料についての基礎知識を徹底解説しました。

  • 断熱とは、室内外の熱の移動を断ち保温効果が得られる機能
  • 夏は室外の熱を断ち、冬はあたたかい室温を逃さず、室内を快適な温度に保温できる
  • 太陽熱の影響を強く受ける屋根に断熱塗料を塗装することは、とても効果的
  • 断熱塗料は、明るい色のものを選ぶとより高い効果を発揮する
  • 断熱と遮熱の機能をうまく合わせて使うことで、相乗効果が得られる

断熱塗料は、一度塗装すると15年ほどに渡って室温を快適に保つ効果を発揮します。

一年を通して過ごしやすい室温に保ったり、冷暖房の効きをよくしたりする効果が期待できるため、住環境の向上に大きく役立つでしょう。

今回の記事を参考に、屋根塗装や塗装以外の方法を実践して住宅の断熱性を高め、住環境を改善していきましょう。