マンション大規模修繕の費用推移と相場|値上がりの背景と対策を解説

「マンションの大規模修繕、前回よりもかなり費用が上がっているらしい」「今の修繕積立金で本当に足りるのだろうか」こうした不安を感じている管理組合の方は少なくありません。

実際、近年は建設資材や人件費の高騰を背景に、マンション大規模修繕の費用は右肩上がりの傾向が続いています。

この記事では、マンション大規模修繕の費用推移を国土交通省の調査データや業界指数をもとに整理し、値上がりの要因から修繕積立金への影響、費用を抑えるための具体策まで幅広く解説します。

株式会社新東亜工業では、東京都墨田区を拠点に創業16年・5,000件以上の大規模修繕実績をもとに、管理組合の資金計画に関するご相談も承っておりますので、ぜひ参考にしてください。

マンション大規模修繕の費用推移|年代別の相場一覧

まずは、マンション大規模修繕の費用がどのように推移してきたのかを、具体的な数字で確認しましょう。

費用の変動を把握しておくことで、今後の資金計画を立てるうえでの重要な判断材料になります。

一般財団法人経済調査会が公表している「マンション修繕費指数」によると、マンション大規模修繕の1戸あたり費用は次のように推移しています。

2013年の基準値を100とした場合、近年では指数が大きく上昇しており、とりわけ2023年以降の伸びが顕著です。

年度1戸あたり費用(目安)修繕費指数(2013年=100)
2013年約93万円100.0
2017年約100万円約107
2019年約110万円約118
2023年約130万円約138.9
2025年約150万円約161.1

上表はあくまで全国平均ベースの目安であり、マンションの規模や立地、工事内容によって実際の費用は大きく異なります。

注目すべきポイントは、2023年から2025年にかけてのわずか2年間で約16%もの上昇を記録しているという点です。

これは過去の推移と比較しても突出した伸び幅で、管理組合にとっては資金計画の見直しが急務であることを示しています。

また、国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」では、1戸あたりの工事金額は「100~125万円」の価格帯が最も多いとされていました。

しかし、この調査は2021年実施のデータであるため、現在はさらに上振れしている可能性が高いといえるでしょう。

出典:⼀般財団法⼈ 経済調査会「マンション修繕費指数」

出典:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」

工事回数別に見る大規模修繕費用の推移と相場

マンションの大規模修繕は、回数を重ねるごとに工事範囲が広がり、費用も増加する傾向があります。

ここでは工事回数ごとの費用相場を確認し、将来の負担増に備えましょう。

大規模修繕は一般的に12~15年周期で実施されますが、1回目と2回目以降では工事の内容が大きく変わります。

1回目は外壁塗装や屋上防水といった表面的な補修が中心ですが、2回目以降は給排水管の更新やエレベーター設備の改修など、建物内部のインフラにも手を入れる必要が出てきます。

工事回数1戸あたり費用の目安主な工事内容
1回目(築12~16年)75万~120万円外壁塗装・屋上防水・シーリング打替え
2回目(築24~30年)90万~150万円上記に加え、給排水管更新・サッシ交換
3回目以上(築36年~)100万~200万円以上設備全面更新・耐震補強・共用部改修

上記の費用はあくまで参考値であり、資材高騰の影響で2025年現在は表中の上限付近、あるいはそれ以上になるケースも珍しくありません。

特に築30年を超えるマンションでは、1回目と比較して2割~5割ほど費用が増加することも想定しておく必要があります。

大規模修繕の費用相場についてさらに詳しく知りたい方は、マンション大規模修繕の費用相場を解説した記事もあわせてご覧ください。

マンション大規模修繕の費用が上がり続ける理由

なぜマンション大規模修繕の費用はここまで上昇し続けているのでしょうか。

費用推移の背景にある主な要因を理解しておくことで、今後の見通しを立てやすくなります。

値上がりの要因
  • 建設資材価格の高騰
  • 建設業界の人手不足と人件費の上昇
  • アスベスト規制強化による追加費用

建設資材価格の高騰

塗料・防水シート・タイルなどの建設資材は、原材料費やエネルギーコストの上昇、円安の影響を受けて価格が大幅に上がっています。

とりわけ2022年以降の上昇幅は顕著で、同じ仕様の工事でも10年前と比べて1.5倍近くのコストがかかるケースもあります。

建設業界の人手不足と人件費の上昇

建設業界では慢性的な人手不足が続いており、職人の高齢化も進んでいます。

2024年からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用されたことで、工期の長期化や人件費のさらなる上昇が見込まれています。

アスベスト規制強化による追加費用

2022年の大気汚染防止法改正により、石綿(アスベスト)含有建材の事前調査が義務化されました。

築年数の古いマンションでは、調査費用や除去・封じ込め対策の費用が追加で発生するため、特に仮設工事費の増加に大きく影響しています。

これらの要因は一時的なものではなく、今後も費用上昇の圧力が続く可能性が高いとされています。

そのため、「前回の修繕と同じ金額で済むだろう」という想定は危険です。

現在の相場を前提に資金計画を見直すことが重要になります。

マンション大規模修繕の費用推移が修繕積立金に与える影響

大規模修繕費用の上昇は、毎月の修繕積立金にも直接影響します。

国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、修繕積立金の目安として専有面積1㎡あたり月額200~300円程度が示されています。

しかし、新築販売時には購入者の負担感を抑えるために低く設定されていることが多く、築10~15年を過ぎた頃に資金不足が顕在化するケースが非常に多いのが実情です。

費用推移を踏まえた積立金の見直しにあたっては、以下のポイントを押さえておきましょう。

修繕積立金見直しのチェックポイント
  • 長期修繕計画は5年ごとに見直しているか
  • 計画上の工事費用が最新の相場を反映しているか
  • 段階増額方式の場合、将来の急激な値上げリスクを把握しているか
  • 均等積立方式への移行を検討したか
  • 第三者の専門家による積立金の適正額チェックを受けたか

積立金の見直しは住民の合意形成が必要なため、早めに議論を始めることが大切です。

修繕積立金の相場と対策についてまとめた記事もあわせて参考にしてください。

マンション大規模修繕の費用を抑えるためのポイント

費用の上昇傾向が続くなかでも、工夫次第でコストを適正化することは可能です。

ここでは管理組合が実践できる費用削減の具体策を紹介します。

費用削減の具体策
  • 複数社からの相見積もりを徹底する
  • 工事範囲と優先順位を精査する
  • 中間マージンのかからない直接施工を選ぶ
  • 補助金・助成金制度を活用する

複数社からの相見積もりを徹底する

大規模修繕では、最低でも3社以上から見積もりを取得し、工事内容と金額を比較検討することが基本です。

管理会社に任せきりにするのではなく、管理組合として主体的に業者選定に関わることで、不要な中間マージンや過剰な工事項目を見抜くことができます。

工事範囲と優先順位を精査する

建物診断の結果をもとに、劣化が進んでいる箇所と、まだ猶予がある箇所を明確に区分けすることが重要です。

すべてを一度に修繕するのではなく、緊急性の高い工事を優先し、軽微な箇所は次回に回すという判断も有効な選択肢です。

ただし、先送りしすぎるとかえって費用が増大するリスクもあるため、専門家の意見を踏まえたうえでの判断が求められます。

中間マージンのかからない直接施工を選ぶ

元請けから下請けへと工事が何層にも渡って発注される「多重下請け構造」は、費用が膨らむ大きな原因のひとつです。

自社で施工まで一貫して対応できる業者を選ぶことで、中間マージンを削減し、同じ品質の工事をより安価に実現できる可能性があります。

大規模修繕の費用を安く抑える方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

補助金・助成金制度を活用する

自治体によっては、省エネ改修やバリアフリー改修を伴う大規模修繕に対して補助金を交付しているケースがあります。

また、国土交通省の「マンション長寿命化促進税制」による固定資産税の減額措置も、条件を満たせば活用が可能です。

こうした公的支援を上手に利用することで、数十万~数百万円規模の負担軽減が期待できます。

今後のマンション大規模修繕費用はどうなる?将来の見通し

費用推移の傾向を踏まえ、今後の大規模修繕費用がどう動くかの見通しを整理します。

長期修繕計画を策定するうえで、将来のコスト予測は欠かせない視点です。

建設業界の人手不足は構造的な問題であり、短期間での解消は難しいと見られています。

加えて、世界的な資材価格の高止まりや物流コストの上昇も続いているため、今後も大規模修繕の費用は緩やかに上昇し続ける可能性が高いというのが業界の一般的な見方です。

さらに、国土交通省のデータによれば、築30年以上の分譲マンションは2026年末には約332万戸に達する見込みです。

こうした高経年マンションが一斉に大規模修繕の時期を迎えることで、施工業者の需要が集中し、工事費がさらに押し上げられるという懸念もあります。

こうした状況を見据えると、「いつか修繕するから、そのときに考えればいい」ではなく、早い段階から長期修繕計画の策定・見直しに取り組むことが、将来の費用負担を軽減するための最善策といえるでしょう。

新東亜工業が提供する大規模修繕費用の適正化サポート

費用の推移に不安を感じている管理組合の方に向けて、新東亜工業が提供できるサポート内容をご紹介します。

株式会社新東亜工業は、東京都墨田区に本社を構え、創業16年で5,000件以上の大規模修繕工事・外壁塗装工事・防水工事の実績を持つ施工会社です。

一軒家からマンション・ビルまで建物の規模を問わず対応しており、以下のような特徴を活かして管理組合の費用面の課題に対応しています。

  • 塗料販売を専門に手がける子会社を持ち、資材の仕入れコストを抑えた価格設定が可能
  • 中間マージンが発生しない直接施工により、品質を維持しながら費用を削減
  • 必要のない工事は無理に提案せず、適切なタイミングでの再相談を提案する誠実な対応
  • 管理組合向けに、中立的な立場での業者選定サポート(ファシリテーション)も実施

「見積もり金額が適正なのかわからない」「管理会社の提案をそのまま受け入れてよいのか不安」といったお悩みがある場合は、第三者の視点からアドバイスを受けることも大切です。

新東亜工業では、費用に関するご相談を無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください(フリーダイヤル:0120-663-642、24時間受付)。

マンション大規模修繕の費用推移に関するよくある質問【FAQ】

ここでは、マンション大規模修繕の費用推移に関してよくいただくご質問をまとめました。

Q

マンション大規模修繕の1戸あたりの費用相場はいくらですか?

A

2025年現在の目安として、1回目の修繕で1戸あたり約100万~150万円程度が相場とされています。

ただし、マンションの規模や築年数、工事内容によって大きく異なるため、あくまで参考値としてお考えください。

正確な費用は建物診断と複数社の見積もり比較で把握するのが確実です。

Q

大規模修繕の費用は今後も上がり続けますか?

A

建設資材の高止まりや人手不足は構造的な問題のため、短期間で大幅に改善される見込みは薄いとされています。

長期修繕計画では、年率2~3%程度の費用上昇を織り込んでおくのが安全です。

Q

修繕積立金が足りない場合はどうすればいいですか?

A

主な対処法としては、積立金の段階的な増額、一時金の徴収、金融機関からの修繕ローンの借入れ、工事範囲の見直しによるコスト削減などがあります。

まずは長期修繕計画を最新の相場で再策定し、不足額を正確に把握したうえで、住民の合意を得ながら最適な方法を選ぶことが大切です。

Q

大規模修繕に使える補助金はありますか?

A

自治体ごとに省エネ改修やバリアフリー改修に対する補助金制度を設けている場合があります。

また、国の「マンション長寿命化促進税制」では、一定の要件を満たす大規模修繕に対して固定資産税の減額が受けられます。

お住まいの自治体の窓口や、施工業者に確認してみるとよいでしょう。

まとめ

マンション大規模修繕の費用推移と、費用上昇に備えるための対策について解説しました。

最後に、記事の要点を振り返ります。

この記事のまとめ
  • マンション大規模修繕の費用は2013年から2025年にかけて約6割上昇している
  • 1戸あたりの費用目安は2025年現在で約100万~150万円(1回目の場合)
  • 費用上昇の主因は建設資材の高騰・人手不足・アスベスト規制強化
  • 修繕積立金は長期修繕計画を最新相場で見直し、早めの増額検討が重要
  • 相見積もり・直接施工・補助金活用で費用を適正化できる

マンション大規模修繕の費用推移を正しく把握し、早い段階から資金計画を見直すことが、管理組合にとって最も重要な取り組みです。

新東亜工業では、大規模修繕の費用に関するご相談を無料で承っております。

「見積もりの妥当性を確認したい」「修繕計画について第三者の意見がほしい」など、どのようなことでもお気軽にお問い合わせください。

※本記事の情報は執筆時点のものです。最新の情報は新東亜工業までお問い合わせください。