品川区の外壁塗装完全マニュアル|臨海エリアの塩害対策から費用まで
2023/10/20
品川区は東京23区の南部に位置し、東京湾に面した臨海エリアから高台の住宅地まで、多様な地形と環境を持つ地域です。
大崎、五反田、目黒といったビジネス街から、戸越、旗の台、武蔵小山といった住宅地、さらに天王洲アイルや東八潮などの臨海部まで、エリアによって外壁が受ける環境負荷は大きく異なります。
特に臨海部に近いエリアでは、東京湾からの塩分を含んだ潮風が外壁に直接影響を与え、通常よりも早いペースで塗膜の劣化が進行します。
また、品川区は都心部として交通量が多く、排気ガスや粉塵による汚れも蓄積しやすい環境です。
一方で、御殿山や島津山などの高台エリアでは、風通しが良く比較的劣化が緩やかな傾向もあります。
このように、品川区で外壁塗装を成功させるには、お住まいのエリアの環境特性を正確に理解し、それに適した塗料選びと施工計画を立てることが不可欠です。
本記事では、品川区の地域特性に応じた外壁塗装の基本情報から、臨海部と内陸部の違い、適正な費用相場、利用可能な助成金制度、そして信頼できる業者の選び方まで、実践的な情報を体系的に解説します。
品川区ならではの環境に配慮した外壁塗装で、大切な住まいを長く守りましょう。
- 品川区の臨海部と内陸部における外壁環境の違いと対策
- エリア別の費用相場と詳細な工事内訳
- 外壁塗装で活用できる国・都・区の助成金制度の詳細
- 塩害対策を含めた最適な塗料選びと施工時期
- 都心部ならではの業者選びのポイントと注意事項
目次
品川区の外壁塗装の基本情報
品川区で外壁塗装を計画する際には、この地域が持つ独特の環境特性を理解することが成功への第一歩です。
多様な環境条件が、外壁塗装の必要性や適切な塗料選びに大きく影響します。
ここでは、品川区で外壁塗装が必要になる具体的な理由、地域特有の塗装の特徴、そして劣化のサインを見極める方法について詳しく解説します。
品川区で外壁塗装が必要になる理由
品川区では臨海部特有の塩害、交通量の多い都市環境、ヒートアイランド現象、湿度の高さなど複数の要因が外壁劣化を早めます。
特に天王洲アイルや八潮などの湾岸エリアは潮風による塩分付着で塗膜が劣化しやすく、内陸でも南風の影響で腐食が進みます。
第一京浜や環七沿いでは排気ガスや粉塵が外壁に蓄積し、美観低下だけでなく塗膜の酸化を促進します。
さらに夏場の高温で塗膜の膨張・収縮が繰り返され、ひび割れが発生しやすい環境です。
目黒川沿いの湿度もカビやコケ発生を助長し、外壁の防水性能低下につながります。
品川区における外壁塗装の特徴
品川区の外壁塗装では、立地環境に応じた塗料選びが重要です。
臨海部ではフッ素や無機塗料など耐塩害性の高い塗料が推奨され、2km圏内ではより強固な塗膜が求められます。
幹線道路沿いは排気ガス汚れに強い防汚性、山手沿線や高台エリアでは紫外線に強い耐候性を重視するなど、地域により最適解が異なる点が特徴です。
またデザイン性を求める住民も多く、ツートンカラーや質感仕上げの需要が高い傾向があります。
大崎・五反田など再開発エリアでは狭小地での足場や景観ガイドラインへの配慮が必要で、マンションが多い地域では管理組合との調整も重要です。
外壁塗装を行うべきタイミングと劣化のサイン
品川区では臨海部・幹線道路沿いの影響により、一般的な地域より早く劣化が進む傾向があります。
代表的な劣化サインは以下の通りです。
- チョーキング:白い粉が付く状態で、防水性が低下
- 剥がれ・膨れ:水分侵入による深刻な劣化
- ひび割れ:雨水が浸入し下地を傷める
- 色褪せ:紫外線劣化の進行サイン
- カビ・コケ:湿度の高い北面や水辺周辺で発生
- シーリング割れ:雨漏りの原因
- 金属の錆:臨海部で特に進行が早い
前回の塗装から10〜12年が目安ですが、臨海部では8〜10年、幹線道路沿いでは9〜11年で劣化が目立ち始めます。
年1〜2回のセルフチェックが長寿命化に有効です。
品川区の外壁塗装の費用相場
外壁塗装の費用は、住宅のメンテナンスの中でも特に高額な投資となるため、事前に適正な相場を把握することが重要です。
ここでは、品川区における坪数別の費用相場と、工事費用の詳細な内訳について解説します。
透明性のある見積もりを理解することで、適正価格での契約につながります。
坪数別の外壁塗装費用相場
品川区における外壁塗装の費用相場は、建物の坪数と使用する塗料のグレードによって変動します。
以下は、一般的な2階建て戸建住宅の坪数別費用相場の目安です。
| 坪数 | 塗装面積(目安) | シリコン塗料 | フッ素塗料 | 無機塗料 |
|---|---|---|---|---|
| 20坪 | 約80㎡ | 62万円〜82万円 | 78万円〜103万円 | 88万円〜118万円 |
| 30坪 | 約120㎡ | 82万円〜115万円 | 103万円〜145万円 | 118万円〜165万円 |
| 40坪 | 約160㎡ | 103万円〜145万円 | 133万円〜185万円 | 153万円〜215万円 |
| 50坪 | 約200㎡ | 123万円〜175万円 | 163万円〜225万円 | 188万円〜265万円 |
| 60坪 | 約240㎡ | 143万円〜205万円 | 193万円〜265万円 | 223万円〜315万円 |
※上記費用には足場代、高圧洗浄、下地処理、養生、塗装工事(下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り)、シーリング工事などの基本的な工事が含まれます。
外壁塗装の費用内訳と詳細
外壁塗装の総費用は、様々な工程の費用を積み上げたものです。
各項目の内容と相場を理解することで、見積もりの妥当性を判断できます。
| 工事項目 | 費用相場(30坪の場合) | 全体に占める割合 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 足場設置・解体 | 16万円〜25万円 | 約18〜22% | 安全な作業環境を確保するための仮設足場の設置と撤去費用 |
| 高圧洗浄 | 3万円〜6万円 | 約3〜5% | 外壁表面の汚れ、塩分、カビ、古い塗膜を除去する洗浄作業 |
| 下地処理・補修 | 12万円〜20万円 | 約12〜18% | ひび割れ補修、錆び落とし、パテ処理、下地調整など |
| 養生 | 3万円〜6万円 | 約3〜5% | 窓、ドア、植栽、車、隣家などを塗料から保護 |
| 塗装工事(下塗り・中塗り・上塗り) | 40万円〜60万円 | 約40〜52% | 塗料代と施工費を含む主要工程(3回塗り) |
| シーリング工事 | 10万円〜16万円 | 約10〜14% | 目地やサッシ周りのシーリング材打ち替え・増し打ち |
| 諸経費・管理費 | 8万円〜15万円 | 約8〜13% | 現場管理費、廃材処分費、交通費、保険料など |
| 合計 | 92万円〜148万円 | 100% | シリコン塗料使用の場合の目安 |
品川区で外壁塗装を依頼する際は、複数の業者から相見積もりを取り、各項目を詳細に比較することが重要です。
極端に安い見積もりには、必要な工程が省略されていたり、低品質な塗料が使用されている可能性があるため、十分な注意が必要です。
品川区で外壁塗装に使える助成金・補助金情報
外壁塗装は大きな経済的負担となるため、国や東京都、品川区が提供する助成金・補助金制度を活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。
ここでは、品川区で利用できる主な助成金・補助金制度と、申請時の重要な注意点について詳しく解説します。
品川区で外壁塗装に使える助成金・補助金の例【2025】
2025年に品川区で外壁塗装に関連して利用できる可能性のある主な助成金・補助金制度をご紹介します。
| 制度名 | 実施主体 | 補助額 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 既存住宅における省エネ改修促進事業 | 東京都 | 工事費の1/3(上限100万円) | 都内既存住宅 省エネ基準を満たす改修 断熱性能向上を含む外装工事など |
| 品川区住宅改善工事助成事業 | 品川区 | 工事費の10%(上限20万円) | 区内施工業者による工事 居住中の住宅 50万円以上の工事など |
※内容は2025年12月情報追記時点のものです。最新情報は各公式サイトで確認のうえ検討を進めてください。
助成金・補助金活用時の注意点
助成金・補助金を活用する際は、手続きを正しく進めることが非常に重要です。
特に外壁塗装のような住宅工事では、申請タイミングや書類の不備によって受給できないケースも多いため、事前準備が欠かせません。
主な注意点
- 申請は工事着工前が必須
- 予算枠・申請期間の早期締切に注意
- 登録事業者による施工が条件の制度あり
- 国・都・区の制度は併用不可の場合がある
- 書類(見積書・図面・住民票・納税証明など)が多数必要
- 完了報告や現地検査が必要な制度もある
これらの手続きを終えて初めて補助金は交付されます。
また、補助金は一時所得として課税対象になる場合もあるため、税務上の確認も忘れずに行うことが大切です。
品川区の外壁塗装で使用される工法と塗料の種類
品川区における外壁塗装では、臨海部の塩害対策、都心部の大気汚染対策、ヒートアイランド現象への対応など、地域の環境条件に応じた最適な工法と塗料を選択することが重要です。
適切な塗料選びと施工方法により、品川区の厳しい環境下でも美観と耐久性を長期間維持できる外壁を実現できます。
外壁塗装に用いられる工法の種類
外壁塗装で採用される工法は、仕上がりの質や価格、工期の長さに影響します。
建物の状態や希望の仕上がりに合わせて選ぶことが大切です。
| 工法名 | 特徴 | 仕上がり | 価格帯 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| ローラー工法 | 塗料をローラーで塗る標準的な工法 | 均一で安定した仕上がり | 比較的安い | 一般住宅・低コスト重視 |
| 吹き付け工法 | スプレーガンで塗料を吹き付ける | 立体感・模様付けが可能 | 中程度 | デザイン性を高めたい外壁 |
| 多彩仕上げ(多彩模様) | 複数色を使い高級感を演出 | 高意匠で石材調の質感に | やや高い | 高級感を求める外壁 |
| クリア塗装 | 透明塗料で外壁の意匠をそのまま保護 | 外壁デザインを保持 | 中〜高 | サイディングの柄を残したい場合 |
工法の選択によって外観の印象やコストが大きく変わります。
外壁材の種類や仕上がりの希望に合わせて、最適な工法を選ぶことが重要です。
外壁塗装に用いられる塗料の種類
塗料の種類は耐久性や価格、メンテナンス周期に直結します。
長く安心して住むためには、目的に合った塗料選びが欠かせません。
| 塗料名 | 耐久年数 | 価格帯 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| アクリル | 5〜7年 | 安い | 発色が良く費用を抑えられる | 耐久性が低く塗り替え頻度が高い |
| ウレタン | 7〜10年 | やや安い | 柔軟性があり細部に適応 | 汚れやすく長寿命ではない |
| シリコン | 10〜15年 | 中程度 | コスパが良く汎用性が高い | こだわりの意匠には不向き |
| フッ素 | 15〜20年 | 高い | 高耐候性で長寿命 | 費用が高く初期負担が大きい |
| 無機 | 18〜25年 | 高め | 紫外線に強く最高クラスの耐久性 | 価格が高く業者の技術差が出やすい |
塗料の種類によって性能やコストは大きく変わります。
耐久性・予算・建物の条件を踏まえて、最適な塗料を選ぶことが外壁塗装の満足度につながります。
品川区で外壁塗装を行う最適な時期
外壁塗装は天候条件に大きく左右される工事であるため、施工時期の選択は仕上がりの品質と工期に直接影響します。
品川区は東京湾に面した立地から、海風の影響を受けやすく、また都心部として気温の変動も大きい地域です。
ここでは、品川区で外壁塗装を行う際の最適な時期について、季節ごとの特徴、築年数の目安、工事期間中の配慮事項などを詳しく解説します。
季節別のメリット・デメリット
品川区で外壁塗装を行う際の季節ごとの特徴を理解し、最適なタイミングを選びましょう。
| 季節 | メリット | デメリット | 品川区の注意点 |
|---|---|---|---|
| 春(3〜5月) | ・気温・湿度が安定し乾燥条件が良い ・工期が進みやすい | ・繁忙期で予約が取りにくい | ・海風が比較的穏やか ・花粉が付着しやすく施工順に注意 |
| 梅雨(6〜7月中旬) | ・無理に施工しなければ問題なし | ・雨で工事中断が多発 ・乾燥不良リスクが高い | ・湿度が非常に高く仕上がりに影響 ・工期は長めに見積もる必要 |
| 夏(7月下旬〜8月) | ・乾燥が早く作業が進む ・晴天日が多い | ・猛暑で塗膜不良 ・熱中症リスク ・ゲリラ豪雨・台風あり | ・海風で塗料飛散の恐れ ・在宅で工事確認しやすいが要エアコン |
| 秋(9〜11月) | ・春と並ぶベストシーズン ・乾燥して密着性が高い | ・繁忙期で予約が混雑 ・9月は台風リスクあり | ・秋晴れが多く作業安定 ・台風による強風・塩害に注意 |
| 冬(12〜2月) | ・閑散期で予約が取りやすい ・費用交渉がしやすい | ・気温5℃以下で施工不可時間帯あり ・日照が短く作業量が減る | ・晴天日が多く条件は悪くない ・換気制限が生活に影響する可能性 |
総合的には、品川区で外壁塗装を行う場合、春(4月〜5月)と秋(10月〜11月)が最適ですが、業者の空き状況や費用面も考慮して柔軟に時期を選択することをおすすめします。
築年数から見た塗装の目安
外壁塗装の時期は、築年数や前回塗装の内容によって大きく異なります。
品川区は臨海部と内陸部で劣化スピードが異なるため、環境に合わせた判断が重要です。
- 新築から8〜12年:初回塗装の標準。臨海部は塩害で8〜9年に短縮。
- 前回塗装から10〜15年:塗料別の耐用年数はアクリル5〜8年、ウレタン8〜10年、シリコン10〜15年、フッ素15〜20年、無機20〜25年。
- 築15〜20年:外壁+屋根の同時施工で足場費の削減が可能。
- 築20年以上:外壁材そのものの劣化に注意。張り替え検討も必要。
エリア特性に合わせたタイミング調整と専門家の診断が、建物の寿命を大きく左右します。
工事期間と近隣への配慮
外壁塗装は一般的に10日〜2週間ほどかかり、建物規模や天候で3週間程度に延びることもあります。
工事中は窓の開閉制限や換気のしづらさなど、生活面での影響が発生します。
工事期間中の主な注意点は以下の通りです。
- 窓が開けられない:養生のため換気が制限。洗濯物は室内干しか外部施設へ。
- 近隣への配慮必須:挨拶回りを行い、工事内容・期間・騒音について事前に説明。
- 作業音と作業時間:高圧洗浄・足場作業は特に騒音大。開始時間の調整が有効。
- 飛散防止対策:海風が強い日は塗料の飛散に注意し、養生やネットを強化。
- 駐車スペースの確保:都心部では事前調整が必要。
丁寧なコミュニケーションと徹底した配慮が、近隣トラブルを防ぎ円滑な工事につながります。
品川区で外壁塗装を行う際の主な流れ
外壁塗装工事は、準備から完成まで複数の工程を経て進められます。
工事の流れを理解しておくことで、進捗状況を確認でき、業者とのコミュニケーションもスムーズになります。また、各工程で確認すべきポイントを押さえることで、質の高い仕上がりを確保できます。
ここでは、品川区で外壁塗装を行う際の一般的な工事の流れについて解説します。
Step1:現地調査と劣化診断
外壁塗装の最初の工程は、建物の状態を正確に把握するための現地調査です。
専門業者が外壁のひび割れ、チョーキング現象、シーリングの劣化、水切りや付帯部の傷みなどを細かく確認します。
また、過去の塗装履歴や外壁材の種類、日当たりや周辺環境による劣化の進み具合も診断し、必要な工程や塗料のグレードを判断します。
調査時には写真を撮りながら説明してくれる業者が信頼性が高く、工事後の仕上がりにも違いが出ます。
この工程は見積内容の正確性を左右するため、丁寧な調査を行う業者を選ぶことが重要です。
Step2:見積もり・色決め・契約
現地調査の結果に基づいて見積書が作成され、塗料の種類、塗装回数、付帯部分の工事内容などが明確に示されます。
複数社で比較することで適正価格や施工内容の違いが理解しやすくなり、不透明な費用を避けられます。
また、この段階では外壁の色選びも行われ、カラーシミュレーションを使って完成イメージを確認できるケースもあります。
納得できる内容であることを確認したら、正式に契約を結び、工事日程を調整します。
契約書に保証内容が明記されているかも重要なチェックポイントです。
Step3:足場設置と養生
工事では高所作業が多くなるため、安全性と作業効率を確保するために足場を設置します。
足場がしっかり組まれることで、職人が安定して作業でき、塗装の仕上がりにも大きく影響します。
続いて行う養生作業では、窓やドア、車、植栽など塗料が付着してはいけない部分をビニールやシートで保護します。
この養生が丁寧でないと仕上がりが雑に見えるため、実は非常に重要な工程です。
足場設置と養生が整うことで、ようやく本格的な塗装作業に入る準備が完了します。
Step4:高圧洗浄
外壁の汚れやカビ、苔、旧塗膜の粉化した部分を落とす重要な工程が高圧洗浄です。
これを行わずに塗料を塗ってしまうと塗膜が剥がれやすくなり、耐久性が大きく損なわれます。
高圧洗浄は外壁だけでなく、軒天・雨樋・ベランダ床など付帯部も丁寧に洗い流し、塗装面全体の密着性を高めます。
洗浄後はしっかり乾燥させる必要があり、天候によっては作業が前後することもあります。
建物を長持ちさせるために欠かせない、下準備の中でも特に重要な工程です。
Step5:下地補修
高圧洗浄後、外壁の状態を再確認し、ひび割れやクラックの補修、シーリング材の打ち替え、サイディングの反りや浮きの調整などを行います。
この下地補修がしっかりしていないと、どれだけ高品質の塗料を使っても早期劣化の原因となります。
特にシーリングの劣化は雨漏りにつながりやすいため、丁寧な施工が不可欠です。
補修には専門的な技術が必要で、業者による仕上がりの差が大きく出るポイントでもあります。
美しく耐久性の高い仕上がりを実現するために欠かせない工程です。
Step6:塗装工程(下塗り→中塗り→上塗り)
塗装の主工程で、建物を保護するうえで最も重要なステップです。まず下塗りを行い、旧塗膜と新しい塗料の密着性を高めます。
次に中塗りで塗膜の厚みを確保し、耐久性と色の均一性を向上させます。
最後に上塗りを行い、仕上げとして外観の美しさと防水性を高めます。3回塗りが基本で、塗料の推奨塗布量を守ることが長持ちのポイントです。
手抜きされやすい工程でもあるため、写真付き報告や工程管理がしっかりしている業者を選ぶと安心です。
Step7:最終チェック・足場解体・引き渡し
塗装が完了した後、施工管理者や担当者が細部まで仕上がりをチェックし、色ムラや塗り残し、必要な補修箇所がないかを確認します。
その後、必要な手直しを行い、品質に問題がないことが確認できた段階で足場を解体します。
足場撤去後にも建物の外周を確認し、全体の仕上がりをお客様と一緒に最終確認するのが一般的です。
保証書の発行やアフターサービスの説明もこの段階で行われ、工事が正式に完了します。
品川区で優良な外壁塗装業者を選ぶポイント
外壁塗装の成否は業者選びで大きく左右されます。
品川区のような高級住宅地も多いエリアでは、品質重視の業者選びが特に重要です。
ここでは、品川区で優良な外壁塗装業者を選ぶための具体的なポイントについて解説します。
相見積もりを取り、費用の妥当性を確認する
外壁塗装は業者によって見積額が大きく異なるため、必ず複数社から相見積もりを取ることが大切です。
比較することで適正価格が分かり、極端に安い見積もりや「一式」など曖昧な表記の業者を避けやすくなります。
さらに、見積書の内訳を見比べることで、塗料のグレードや工程数、付帯部の扱いなど、費用の根拠が明確かどうかを判断できます。
相見積もりは業者の説明力や対応の丁寧さを確認する機会にもなるため、工事の安心度を高める重要なプロセスといえます。
現地調査の質が高い業者を選ぶ
信頼できる業者は現地調査を丁寧に行い、外壁の劣化状態や付帯部分の傷みを細かくチェックします。
調査時には写真を撮りながら問題箇所を説明し、必要な工程や塗料の選定理由を分かりやすく伝えてくれます。
短時間で調査を終えたり、「大丈夫です」「軽い劣化ですね」など曖昧な説明しかできない業者は、正確な診断が行われていない可能性があります。
現地調査の質は工事内容の精度と直結するため、判断基準の中でも特に重要なポイントになります。
施工実績と専門性(自社施工体制)を確認する
外壁塗装の仕上がりは職人の技術力や施工管理の精度によって大きく左右されます。
そのため実績の豊富さや外壁塗装専門業者であるかどうか、自社施工体制を持っているかは重要な確認事項です。
自社施工の業者は品質が安定しやすく、責任の所在も明確なためトラブルが起きにくい傾向があります。
施工事例の写真、実際の工事内容の説明、地域での実績数なども業者の信頼度を判断する指標となります。
経験豊富な業者ほど、建物状況に合わせた最適な提案ができ、長持ちする塗装につながります。
保証内容とアフターサポートが明確であるか
外壁塗装は施工直後よりも年数が経過してから品質の差が現れやすいため、保証内容とアフターサポートの明確さは非常に重要です。
信頼できる業者は、自社保証と塗料メーカー保証の両方を提示し、保証期間・対象範囲・免責事項を細かく説明してくれます。
また、不具合が生じた際の対応スピードや定期点検の有無も確認しておくべき項目です。
保証内容が曖昧だったり、書面の提示を避ける業者は注意が必要です。工事後も安心して暮らせる業者を選ぶことが、満足度の高い外壁塗装につながります。
【施工事例】ビルの外壁塗装工事の実例|新東亜工業

杉並区の4階建てビルを購入したオーナー様から、外壁の劣化と雨漏りの不安についてご相談をいただきました。
築年数の古いビルの外壁塗装と屋上防水工事を、限られた予算内で最大限の効果を実現した施工事例です。
工事の概要|費用・期間
今回の工事は、築古ビルの外壁塗装と屋上防水を中心とした大規模修繕工事です。
内装工事と並行して進めるため、雨漏りを防ぐことが最優先課題でした。


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建物種別 | 4階建てビル |
| 施工場所 | 東京都杉並区 |
| 工事金額 | 510万円(税込) |
| 主な工事内容 | ・外壁塗装 ・タイル補修 ・シーリング工事 ・屋上防水工事 ・鉄部塗装 |
| 使用塗料 | シリコン塗料(色:N-93) |
| 防水工法 | 塩ビシート機械固定工法+ウレタン密着工法(ハイブリッド工法) |
| 下地補修 | 実数精算(浮き・剥がれ箇所の補修) |
| 特記事項 | 予算制約により階段室を施工対象外、1階周りを削減 |
外壁は打診調査により塗膜の浮きやタイルの剥がれを確認し、下地補修を実施しました。
お客様のご要望でタイル面を白色に塗装仕上げとしましたが、元の濃い色のため完全な白にはならないことを事前に説明し、ご了承いただきました。
屋上防水は、既存の塗料が劣化していたため撤去せず、平場部分には塩ビシートの機械固定工法を採用し、立ち上がりと天端部分はウレタン密着工法で施工するハイブリッド工法を提案しました。
この工法により費用を抑えながらも高い防水性能を確保しています。
予算は当初400〜500万円を希望されていましたが、優先順位を調整し階段室を別見積とし、1階周りを削減することで510万円(税込)に調整しました。
お問い合わせ・ご依頼内容
築年数の古いビルを購入されたオーナー様から、外壁の劣化と雨漏りへの不安について緊急のご相談をいただきました。
内装工事も並行して進めているため、早急な対応が必要な状況でした。
お客様:「杉並区のビルを購入したんですけど、そちらが古くて修繕工事の見積をお願いしたいのですが可能でしょうか?」
事務員:「はい、もちろん、大丈夫ですよ! こちらは受付となっておりますので、詳しい話は担当者からの折り返しさせていただきます。」
お客様(担当者へ):「今回ビルを購入したんですけど、修繕工事をする前でとても古いのです。外壁塗装をメインで防水も見てもらいたいです。今内装の工事の方も同時で進めていて、もう既に内装は入っている状況です。工事を急いでいるのですが早急に見てもらうことは可能でしょうか?」
ご依頼の背景には、築年数が経過したビルの外壁劣化と雨漏りリスクという2つの大きな課題がありました。
特に内装工事が既に始まっているため、外壁から雨漏りが発生すると新しく張ったクロスを張り替える必要が出てしまいます。
そのため「クロスを貼る前に外を塞ぐ」という明確な目的があり、スピード対応が求められました。
初動レスポンスの早さを重視し、お問い合わせ翌日の10時に現地調査を設定することで、お客様の緊急性に応えました。
図面がない状況でしたが、現地で寸法を計測することで対応可能とお伝えし、迅速な対応への安心感をご提供しました。
現地調査から工事開始までの流れ
現地調査では屋上から1階まで詳細に状態を確認し、外壁の浮き・タイルの剥がれ・塗膜劣化などを打診調査で特定しました。
屋上は既存の塗料が劣化しており、費用対効果の高いハイブリッド防水工法を提案しました。
高井:「(屋上にて)あー結構屋上の状態ひどいですね!」
お客様:「やっぱりそうですか。」
高井:「これなんか塗料ウレタンじゃなくて違う塗料塗ってますね。これ、この上からウレタン塗料を塗っても乗らないですし状態も悪いので一回本当なら撤去してウレタンの通気緩衝工法という方法がいいんですけど費用もかかるので今回は平場を塩ビシートの機械固定工法でやります。それとこの立ち上がりから天端の部分はウレタンの密着工法でやりますね。」
お客様:「ありがとうございます。費用は内装の関係もあって400-500万程度で納めたいんですよね。」
調査の結果、外壁は打診調査で塗膜の浮きが多数確認され、タイルの剥がれも目立ちました。
下地補修は実数精算方式を提案しましたが、お客様から「金額を確定してほしい」とのご要望があり、フルスペックで見積を作成し、優先順位の低いものを後から削減する方式を提案しました。
見積作成は翌日までに完成させ、お急ぎのため電話とメールで説明する方式を採用しました。
見積は予算500万円を超えてしまったため、階段室を別見積とし、1階周りを削減することで510万円(税込)に調整しました。
お客様から「税込み500万は厳しいですかね?(笑)」と最後の交渉がありましたが、既にベストプライスであることを丁寧に説明し、ご納得いただきました。
工事中の流れ・やり取り
工事は足場組立後の下地調査から始まり、シーリング工事、洗浄、塗装、防水の順で進めました。
各工程で定期的に進捗報告を行い、屋上扉の塗膜厚トラブルにも臨機応変に対応しました。
熊倉:「(電話)下地調査のご報告なんですが、やはり塗膜の方がかなり劣化してます。ご予算はいただけてるので、今日からどんどん悪いところは剝がしていって直していきます。」
お客様:「(電話)雨漏りも凄いので大変ですけどお願いします。」
熊倉:「(電話・塗装中)とりあえず外壁の塗装が終わって鉄部塗装に入っています。屋上の扉を塗ってみたのですが、塗装の厚みがついてドアを閉めたら外から開かなくなっちゃいました。一度削ってもう一度ハンマーで少し叩きます。厚みがやはりつけられないのでご了承ください。」
お客様:「(電話)最初に聞いてるんで大丈夫です。屋上に出てから入れなくなるのは困るのでよろしくお願いします。」
足場組立後の打診調査では、予想通り塗膜の劣化が広範囲に確認されました。
ご予算をいただいていたため、すぐに下地補修を開始しました。
シーリング工事と高圧洗浄を経て塗装工事に入り、お客様ご希望の白色(N-93)で仕上げました。




屋上扉は歪みがあり開けにくい状態でしたが、塗装すると膜厚で更に開きにくくなるリスクを事前説明していました。
実際に塗装後、扉が外から開かなくなるトラブルが発生しましたが、削って調整することで解決しました。
防水工事では塩ビシートとウレタンのハイブリッド工法を施工し、トップコートは汚れにくいグレー色で仕上げました。
工事期間中は週に数回進捗報告を行い、お客様からは「もうお任せしてるのでよろしくお願いします」と信頼をいただきました。



まとめ
全工程を完了し、外壁塗装・屋上防水ともに高品質な仕上がりとなりました。
屋上扉の開閉も改善され、防水性能も大幅に向上したことで、お客様にご満足いただきました。
お客様:「先に来てちょっと見てたんですけど、すごくきれいになってますね。ありがとうございました。」
熊倉:「ありがとうございます。屋上とかもご覧になりました?」
お客様:「見ました。ドアも開くようになっていたので安心しました。防水もきれいに仕上がってましたね。」
熊倉:「うちは腕のいい職人が多いんで僕も安心して任せられるんですよ。なにか気になるところありました?」
お客様:「特になかったですね。色々とありがとうございました。綺麗になって本当に良かったです。」
今回の工事では、築古ビルの外壁劣化と雨漏りリスクという緊急課題に対して、スピーディーな現地調査と柔軟な予算調整で対応しました。
お問い合わせ翌日の現地調査、優先順位を明確にした見積提案、予算に応じた工事範囲の調整など、お客様のニーズに寄り添った対応を徹底しました。
屋上防水は費用対効果の高いハイブリッド工法を採用し、塩ビシートとウレタンを使い分けることで高い防水性能を確保しました。
外壁は下地補修を丁寧に行い、タイル面の白色塗装も実現しました。
工事中は定期的な進捗報告を欠かさず、屋上扉のトラブルにも迅速に対応し、お客様との信頼関係を構築しました。
内装工事と並行して進める中で、雨漏りを防ぎながら高品質な仕上がりを実現し、「綺麗になって本当に良かった」とのお言葉をいただけたことが何よりの成果です。
新東亜工業では、このような緊急性の高い修繕工事にも迅速かつ丁寧に対応し、お客様の大切な資産をお守りしています。
▶参考元:【実録】4階建てビルの外壁塗装工事の流れを完全公開!
品川区の外壁塗装でよくある質問(FAQ)
外壁塗装を検討する際、多くの方が同じような疑問や不安を抱えています。
ここでは、品川区で外壁塗装を行う際によくある質問とその回答をまとめました。
これらの情報が、皆様の外壁塗装計画の参考になれば幸いです。
Q
臨海部と内陸部で外壁塗装の費用や塗料選びは変わりますか?
A
品川区では、臨海部と内陸部で受ける環境負荷が異なるため、塗料選びや費用も変わります。
臨海部では塩害対策としてフッ素・無機塗料が推奨され、シリコンより1㎡あたり1,000〜2,000円高くなります。
内陸部は排気ガス対策として低汚染型塗料が有効で、費用を抑えやすい傾向があります。
高台エリアでは標準シリコンでも十分な耐久性が期待できます。エリア特性を理解する業者選びが重要です。
Q
品川区で外壁塗装業者を選ぶ際の注意点はありますか?
A
品川区で業者を選ぶ際は、最低3社の相見積もりを取り、極端に安い見積もりに注意することが重要です。
臨海部の塩害対策や幹線道路沿いの汚れ対策など、地域特性に応じた塗料提案ができる業者を選びましょう。
実績確認や保証内容の明確さも必須です。また、訪問営業の急な契約誘導には注意し、不明瞭な「一式」表記の見積もりは避けるべきです。
Q
外壁塗装の色選びで失敗しないコツはありますか?
A
色選びで最も重要なのは、大きなサンプルで確認することです。
面積効果により、実際の外壁では色の印象が大きく変わるため、A4サイズ以上の色板で晴天・曇天両方を確認しましょう。
周囲の景観との調和、汚れの目立ちにくさ、色褪せのしにくさも重要です。
屋根や付帯部との相性を考え、カラーシミュレーションの活用も有効です。長く住む家のため家族全員の意見も取り入れましょう。
Q
マンションの外壁塗装で注意すべき点はありますか?
A
マンションの外壁塗装では、管理組合での合意形成が重要です。
長期修繕計画と連動した予算管理が必要で、見積もりは複数社から取り内容を比較することが必須です。
工事中はベランダ使用制限や騒音・臭気など住民への影響が大きいため、事前説明会で理解を得ることが欠かせません。
また、品質確保のため工事監理者を設置し、施工状況を定期的にチェックすることが推奨されます。
まとめ
品川区での外壁塗装は、臨海部の塩害、都心部の大気汚染、ヒートアイランド現象など、多様な環境要因に対応した塗料選びと施工計画が成功の鍵となります。
エリアごとの環境特性を正確に理解し、適切な対策を講じることで、長期間美観と機能を維持できる外壁を実現できます。
- 臨海部では塩害対策として耐塩害性塗料の選択が不可欠
- 30坪住宅でシリコン塗料使用の場合82〜115万円が費用相場
- 国・都・区の助成金活用で最大数十万円の負担軽減が可能
- 施工時期は春と秋が最適で都心部ならではの近隣配慮が重要
- 複数業者からの相見積もりと地域環境への理解が業者選びの基本
外壁塗装は高額な投資ですが、適切な時期に適切な施工を行うことで、建物の資産価値を守り、快適な住環境を維持できます。
品川区の地域特性を深く理解した信頼できる業者を選び、助成金制度も積極的に活用しながら、満足度の高い外壁塗装を実現してください。
臨海部と内陸部では必要な塗料性能が異なるため、お住まいのエリアに適した塗料選びを心がけましょう。
複数の業者から見積もりを取り、工事内容や保証内容を十分に比較検討し、定期的な点検とメンテナンスを習慣化することで、長期的なメンテナンスコストを抑え、建物を長持ちさせることができるでしょう。
新東亜工業が東京都内で外壁塗装に対応しているエリア
新東亜工業は、東京都内の幅広い地域で外壁塗装工事に対応しています。
23区から多摩エリアまで、地域特性や建物の構造に合わせた最適な施工をご提案します。
雨漏りや劣化が気になる場合も、迅速な診断と丁寧な施工で安心のサービスを提供いたします。
| 東京都 | ||||
| 千代田区 | 中央区 | 港区 | 新宿区 | 文京区 |
| 台東区 | 墨田区 | 江東区 | 品川区 | 目黒区 |
| 大田区 | 世田谷区 | 渋谷区 | 中野区 | 杉並区 |
| 豊島区 | 北区 | 荒川区 | 板橋区 | 練馬区 |
| 足立区 | 葛飾区 | 江戸川区 | 八王子市 | 立川市 |
| 武蔵野市 | 三鷹市 | 青梅市 | 府中市 | 昭島市 |
| 調布市 | 町田市 | 小金井市 | 小平市 | 日野市 |
| 東村山市 | 国分寺市 | 国立市 | 福生市 | 狛江市 |
| 東大和市 | 清瀬市 | 東久留米市 | 武蔵村山市 | 多摩市 |
| 稲城市 | 羽村市 | あきる野市 | 西東京市 | |
外壁塗装は、建物の美観だけでなく耐久性や資産価値を守るために欠かせない工事です。
新東亜工業では、東京都内の各エリアに精通した担当者が、最適な工事内容と費用をご案内します。
地域密着のサポート体制で、長く安心して暮らせる住まいづくりをお手伝いします。