マンションの大規模修繕工事で固定資産税の減税・減額できる?マンション長寿命化促進減税についても解説
2024/03/11
マンションの大規模修繕工事は建物の寿命を延ばし、資産価値を維持する重要な作業です。
管理組合が主導するこれらの修繕工事は多くの費用がかかりますが、固定資産税の減額や減免を受けられるケースがあることをご存知でしょうか。
実は、国土交通省の基準を満たす大規模改修や修繕工事を行うことで、固定資産税の減税が適用される可能性があります。
それは、マンション長寿命化促進減税といって、一定の条件を満たすマンションが大規模修繕工事を行った場合、翌年度の固定資産税が減額される制度です。
この記事では、大規模修繕工事がもたらす固定資産税への影響やマンション長寿命促進減税の制度、減額の条件について、わかりやすく解説していきます。
マンションの修繕を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
固定資産税とは?どんな税金?
固定資産税とは、土地や建物などの不動産、または事業に使用する機械設備などの資産を所有している人が毎年支払う税金です。
日本では、市区町村が課税主体となっており、各自治体が毎年1月1日時点で固定資産を所有している人に課税します。
固定資産税の対象となる資産
固定資産税の対象は主に3種類に分かれます
- 土地:宅地や農地、商業地などの不動産用地
- 建物:住宅やアパート、商業ビルなどの建物
- 償却資産:企業や事業者が所有する設備や機械などの事業用資産
固定資産税の計算方法
固定資産税は、市区町村が定めた資産の「固定資産評価額」に基づいて計算され、税率は基本的に1.4%(自治体によっては異なる場合があります)です。
評価額は土地や建物の現況や価値に応じて3年ごとに見直され、資産価値の変動に応じて課税額も調整されます。
固定資産税の支払いと負担の仕組み
固定資産税は、年4回の分割払いが可能で、通常4月、7月、12月、2月に分けて納税するようになっています。固定資産税は不動産を所有し続ける限りかかる税金であるため、不動産購入時には長期的な視点での負担計画が重要です。
地域の道路や公共施設の維持管理、教育や福祉サービスに使われるため、地域住民にとっても不可欠な財源となっています。
マンション長寿命化促進減税とは?大規模修繕で固定資産税の減税が可能?
マンション長寿命化促進減税は、一定の要件を満たすマンションの大規模修繕工事に対し、翌年度に課される建物部分の固定資産税を減額する制度です。
この制度は、マンションの長期的な価値を維持し、住宅の品質を高めることを目的としています。具体的には、以下のような要件を満たす必要があります。
大規模修繕で固定資産税が減額できる?マンションの条件とは?
固定資産税の減額を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります
- 築20年以上のマンション
- 総戸数が10戸以上
- 過去に長寿命化工事を行っていること
マンション大規模修などで減額される固定資産税の割合
減額される固定資産税の割合は、1/6から1/2の範囲内で、市町村の条例によって異なります。
例えば、東京23区では、減額割合が1/2と定められています。
この減額制度を利用するためには、適切な手続きを行い、必要な書類を提出する必要があります。
また、他の減税措置との併用はできない場合があるため、詳細は所在地の税務署や関連機関に確認することが重要です。
この制度を活用することで、マンションの価値を維持し、快適な居住環境を提供することが期待されます。
また、管理組合にとっても、長期的な修繕計画を立てやすくなるなどのメリットがあります。
ただし、申告期限や必要書類など、注意すべき点も多いため、事前にしっかりと情報を集め、計画的に行動することが求められます。
マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)
参考:国土交通省 マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)
必要な修繕積立金の確保や適切な長寿命化工事の実施に向けた管理組合の合意形成を後押しすることを目的とした制度です。
固定資産税の軽減につながる?マンション長寿命化促進税制のメリット

マンション長寿命化促進税制のメリットは、以下の通りです
- 固定資産税の軽減
- 合意形成の促進
- マンション価値の維持
- 管理計画の推進
マンション長寿命化促進税制のメリット|固定資産税の軽減
大規模修繕を行うことで、マンションの区分所有者の固定資産税が軽減されます。
これにより、長期的なコスト削減が見込めます。
マンション長寿命化促進税制のメリット|合意形成の促進
固定資産税が安くなることで、大規模修繕の実施や修繕積立金の見直しに関して、管理組合内での賛同を得やすくなります。
マンション長寿命化促進税制のメリット|マンション価値の維持
適切な管理と長寿命化工事を通じて、マンションの長期的な住宅資産価値の維持が図れます。
マンション長寿命化促進税制のメリット|管理計画の推進
修繕積立金の確保や適切な長寿命化工事の実施に向けた管理組合の合意形成を後押しし、マンションの適正な管理計画の策定と実行を促進します。
これらのメリットは、マンションの持続可能な維持管理に寄与し、居住者の生活品質の向上にも繋がります。
ただし、制度の適用を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があり、詳細は所在地の税務署や関連機関に確認することが重要です。
実録!7階建てマンションの大規模修繕工事の流れと費用・施工事例
東京都墨田区にある7階建てマンションにて、ワンオーナー物件の大規模修繕工事を新東亜工業が対応しました。外壁の塗装やシーリングの補修、防水工事の必要性、見積比較の不安など、オーナー様の悩みに対しどのような提案と判断を行ったのか——その一連の流れを、実際の会話を交えながらご紹介します。
お問い合わせ〜現地調査|過去施工の確認と細部の劣化診断
工事のきっかけは「前回の色選びに失敗した」「屋上防水は5年前に済ませたが今回も必要か不安」といったメール相談でした。
お客様とのやり取り
お客様:「屋上の防水は5年前にやってるんですけど、それでもやるべきですか?」
新東亜工業:「一度状態を拝見してから判断しましょう。無理にやる必要がなければ省く判断もできます」
現地では図面をもとにバルコニーや外壁、庇などを細かく確認。シーリングの劣化が目立ったため、全撤去と打ち替えの提案を行いました。

お客様とのやり取り
新東亜工業:「ここのシーリング、かなりひび割れてます。全て打ち替えですね」
お客様:「これ全部やるとなると…かなりの距離ですよね?」
新東亜工業:「ざっと見ても1000mは超えてきます」
見積り提示|屋上防水の有無で2プラン提案+実数精算の説明
調査後は「屋上防水あり・なし」2パターンの見積を作成。各項目の違いと予算の幅をわかりやすく提示しました。
お客様とのやり取り
新東亜工業:「下地補修は“実数精算”になります。今見えてない部分も足場を組んでから補修範囲を確定します」
お客様:「100万円とか一気に増えることもありますか?」
新東亜工業:「状態は悪くないので10〜20万円程度の上下です。むしろ減る可能性もありますよ」
他社と比較されることも想定し、工事項目の説明や「新規打設」のリスクも正直に伝えました。
契約成立|「新規打設」との違いを丁寧に解説し信頼獲得
価格では他社より若干高めだったものの、工法や保証内容の丁寧な説明でご納得いただきました。
お客様とのやり取り
お客様:「他社には“新規打設”って書いてあります」
新東亜工業:「それは既存シールを撤去せず上からかぶせる方法で、密着不良やひび割れの原因になります。当社では必ず撤去・打ち替えを行います」
結果、「屋上防水なしプラン(852万円)」でご契約いただきました。
着工前の打ち合わせ|色決め・足場・近隣への配慮も徹底
工事前の打ち合わせでは、オーナー様が特に重視されたのが「色の選定」。過去2回の失敗を経て、今回は慎重に。
お客様とのやり取り
新東亜工業:「今回は色のイメージをどうされたいですか?」
お客様:「前の2回、どちらもイメージと違って…。今回は絶対に失敗したくない!」
色見本板を用意し、納得のいく色を選定。中学校敷地への足場越境や1階テナントのバイク駐輪スペース確保など、周辺環境への配慮も抜かりなく実施しました。
工事中の対応|トラブルの早期発見と柔軟な対応で信頼感
施工中には、前回業者が「増し打ち」を行っていた痕跡を確認。
お客様とのやり取り
新東亜工業:「やはり前回は増し打ちでしたね。しっかり撤去してから打ち換えますのでご安心ください」
お客様:「やっぱり!最初に“それはダメ”って言ってもらえて良かったです」
さらにバルコニー防水ではガス配管の位置により仕上げ調整を行うなど、現場での判断力も発揮。仕上がりにはご満足いただけました。
お客様とのやり取り
お客様:「本当にイメージ通りの外壁色で嬉しいです。母も喜んでました!」
引き渡しと今後の対応|最終確認と事務手続きまで丁寧に対応


完工後は外回りも含めた最終チェックを実施。仕上がりの満足度は非常に高く、保証書や請求書もスムーズに手配されました。
お客様とのやり取り
新東亜工業:「この庇も塗装・防水完了済みです」
お客様:「本当にきれいになってよかった。ありがとうございました!」
工事概要まとめ
- 契約金額:852万円(屋上防水なしプラン)
- 施工期間:約50日間
本事例を通じて、オーナー様の不安や悩みに寄り添いながら、適切な判断と施工を提供することの重要性が見えてきます。
「前回の修繕に不満がある」「見積内容が適正か判断できない」とお感じの方は、ぜひ一度ご相談ください。
マンション長寿命化促進減税を活用するための減税手続き
マンション長寿命化促進減税を活用するための減税手続き1.工事完了後の申告
長寿命化工事が完了した日から3か月以内に、固定資産税減額適用申告書に必要な証明書等を添付して、管轄の税務署へ提出します。
マンション長寿命化促進減税を活用するための減税手続き2.必要書類の準備
提出には、大規模の修繕等証明書、過去工事証明書、助言・指導内容実施等証明書などが必要です。
これらの書類は、建築士事務所やマンション管理士が発行することが多いです。
マンション長寿命化促進減税を活用するための減税手続き3.申告期間の確認
申告は工事完了後3か月以内に行う必要がありますが、申告できなかった場合でも、理由によっては受けられる可能性があるため、相談が推奨されます。
これらの手続きを適切に行うことで、マンションの固定資産税が減額され、長期的な資産価値の維持に寄与することが期待されます。
ただし、手続きには細心の注意が必要であり、特に申告期間を厳守することが重要です。
マンション大規模修繕は新東亜工業へ

新東亜工業では、大規模修繕や外壁塗装、防水工事をお考えの方に向けて長年の職人経験を活かした高品質な施工サービスを提供しています。
すべての工事は自社施工で行い無駄のない最適な提案をお約束。お客様の予算に合わせたプランニングで周辺環境への配慮も徹底して行います。
さらに、安心の10年保証と充実したアフターフォローで、お客様満足度98%を誇ります。質の高い仕上がりをお求めの方はぜひ新東亜工業へご相談ください。
社名 株式会社新東亜工業 役員 取締役/代表執行役社長:高井 強:鈴木 哲也 所在地 〒130-0001 東京都墨田区吾妻橋3-3-2吾妻橋アドバンスビル7階 TEL 03-6658-5364 FAX 03-6658-5365 創業 平成21年5月 設立 平成24年1月 資本金 8,000万円 建設業許可 東京都都知事許可
(般-6)第142885号一級建築士事務所 東京都知事登録 第65008号 新東亜工業の工事事例URL https://shintoakogyo.co.jp/case/ ホームページURL https://shintoakogyo.co.jp/
マンション大規模修繕ご相談の流れ|修繕工事・防水工事などお気軽にお問い合わせ下さい
新東亜工業でのマンション大規模修繕・防水工事の流れは以下になります。
- STEP
問い合わせ
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建物調査
スケジュールの調整後、現在の建物の状態を調査させていただきます。
この時に御見積に必要な建物の計測などもさせていただきます。 1時間〜2時間程度で終了します。
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お見積り
現地調査結果をもとに算出して御見積もりを作成します。その際にお伺いしたご予算など、お客様のご希望も反映させた上、ご説明に上がります。
御見積とともに、下記の資料をご用意します。
- 使用材料などのカタログ
- 工程表
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ご契約
御見積書やスケジュールにご納得いただけましたら、ご成約となります。ご納得いただけないまま進むことはありませんので、ご不明点などはお申し付けください。
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近隣の方へご挨拶
ご近所にお住まいの皆さまには、着工の1週間前に工事開始のご挨拶に伺います。
施工中はできる限りご迷惑をおかけしないよう、細心の注意を払って行います。
※建物の規模により、案内の方法や時期は異なります
- STEP
工事着工
高所の作業が必要な場合は、安全・確実な施工が行えるよう仮設足場を設置します。
また、近隣住宅や屋内へのほこりの飛散を防止するために養生にも万全を期します。
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完了&アフターフォロー
当社の保証は10年の長期保証。「おかしいな」と感じた際にはご連絡ください。速やかに対応いたします。
マンション長寿命化促進減税を活用する際の注意点
マンション長寿命化促進減税を活用する際には、以下の点に注意が必要です。
- 築20年以上が経過しているマンションであること。
- 総戸数が10戸以上であること。
- 長寿命化工事を過去に1回以上適切に実施していること。
- 長寿命化工事の実施に必要な積立金を確保していること。
- 2023年4月1日〜2025年3月31日までに長寿命化工事を全て完了していること。
これらの条件を満たすことで、区分所有者の固定資産税が軽減される可能性があります。
マンション大規模修繕における固定資産税についてのまとめ
この減税制度は、築20年以上で総戸数10戸以上のマンションが対象となり、大規模修繕工事を行うことで翌年度の固定資産税が1/6から1/2まで減額されます。
修繕工事を通じてマンションの価値を維持し、居住環境の向上が期待されます。手続きには、工事完了後3か月以内に必要書類を提出する必要があります。他の減税措置との併用は難しい場合があるため、事前に確認しましょう。
大規模修繕工事・防水工事・外壁塗装・外壁補修参引用、参考サイト
国土交通省
特定非営利活動法人集合住宅管理組合センター
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会
一般社団協会マンション管理業協会
一般社団法人日本防水協会
日本ペイント
独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)
一般社団法人 マンション大規模修繕協議会
日本ウレタン建材工業会
FRP防水材工業会
株式会社ダイフレックス(シーカ・ジャパン株式会社)

