2024.03.11
屋上防水の補修方法を解説!ウレタン防水やシート防水は部分補修できる?
屋上は、常に雨風や紫外線の影響を強く受けている部分です。
屋上からの雨漏りが心配な方や、実際に雨漏りが発生してしまい困っている方も多いのではないでしょうか。
屋上からの雨漏りを防ぐためには、防水工事や定期的な屋上防水のメンテナンスや補修が欠かせません。
今回は、そんな屋上防水の補修方法について徹底解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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屋上防水層の部分補修は可能?
建物を雨漏りの被害から守るためにも、屋上の防水層が劣化した場合は補修を行う必要があります。
防水層に劣化が生じた場合は、下地からの全面改修を行うことが基本です。
しかし、防水層の劣化の度合いが軽微である場合、部分補修で対処可能なケースもあります。
下地からの前面保守を行う場合には、大規模な工事となり工事費用も高額になってしまうでしょう。
また、防水層の劣化を放置して雨漏りが発生すると、室内に雨水が垂れてくる場合もあれば、少量の雨漏りによって室内に露呈しないものの躯体に浸水して建物の耐久性を下げてしまう場合もあります。
このような悪影響を防ぐためには、屋上防水層の定期的な点検と劣化が軽微なうちの補修が大切です。
防水層別の補修方法と劣化症状を解説
建物を雨水から守るためには、防水層が劣化したら早急に補修を行うことが重要です。
ここでは、防水層別の劣化症状と補修方法を紹介します。
どのような劣化症状が現れたら補修を検討すればいいのか、そしてその場合どのように補修を行うのかがわかるので、ぜひ確認しておきましょう。
ウレタン防水
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する防水工事です。
複雑な形状の場所への施工や、既存防水層の種類を選ばない重ねての施工ができることが特徴で、多くの一般住宅で採用されています。
ウレタン防水の主な劣化症状
ウレタン防水の防水層では、主に以下のような劣化症状が現れます。
- トップコートの風化(チョーキング現象)
- 表面のひび割れ
- 塗膜の剥がれ・摩耗
- 塗膜の膨れ
- 亀裂
- 水たまり
- 雑草・コケ・藻の繁殖
トップコートのチョーキング現象とは、表面にチョークに似た白い粉が付着している状態です。
手で触ると白い粉がつくので、触るだけで簡単に判断できる劣化症状です。
塗膜の剥がれや亀裂は、雨水の侵入経路ができてしまう劣化症状なので注意しましょう。
とくによく歩行する場所や室外機などの設置物がある場所は、剥がれや摩耗が起こりやすいです。
塗膜の膨れは、防水層内部の水分が太陽光などで熱されて水蒸気となることで発生します。
ヒビや亀裂などの劣化症状が起きていて防水層の中に水分が侵入している可能性が考えられるほか、膨れた部分の防水層は大きな剥がれや損傷につながるので、放置せずに補修してください。
塗膜に明らかな亀裂がある場合は、雨漏りが発生したり躯体まで雨水が侵入したりしている可能性の高い危険な症状です。
防水層に水たまりや雑草・コケ・藻が発生している場合も、実は劣化症状のひとつです。
水たまりがある部分の防水層は劣化が進みやすく、常に湿っている場所にはコケや藻が繁殖しやすくなってしまいます。
コケや藻があると滑りやすく歩行時の危険が高まるほか、防水層が常に湿っていると加水分解を起こし、防水機能を失ってしまいます。
防水層に生えた雑草の根は、トップコートを超えて防水層まで到達していることがあり、自分で抜いてしまうと防水層に穴を作り雨水の侵入経路を作ってしまうリスクがあります。
放置していると雑草の根を伝って下地に浸水してしまうこともあるので、防水層に生えた雑草は自分では抜かず早めに補修を依頼するようにしましょう。
ウレタン防水の補修方法
ウレタン防水の補修は、劣化症状が軽微なものであればトップコートを再塗装することで完了します。
防水層に影響がなくトップコートのみが劣化している場合は、トップコートの塗り替え工事を行いましょう。
防水層の亀裂や膨れ、ヒビなど、劣化症状が防水層まで到達している場合は、防水層の塗り替え工事などの根本的な補修が必要です。
下地から全面的な補修を行うことが多いですが、劣化の発見が比較的早く下地に影響がない場合は、部分的な補修が可能なケースあります。
防水層に水たまりが生じている場合は、屋上の勾配に問題があることも考えられます。
勾配に問題があれば、下地から調整する大規模な工事が必要になるでしょう。
シート防水
シート防水とは、塩化ビニールや合成ゴムでできた防水シートを貼り付けることで防水層を形成する防水工事です。
シートを貼り付ける工事なので、職人の技術に左右されない安定した品質の防水層を形成できます。
複雑な形状の場所や風の影響が強い場所には施工することができませんが、色やデザインを豊富に選べるデザイン性が人気です。
シート防水の主な劣化症状
シート防水の防水層では、主に以下のような症状が現れます。
- シートの膨れ
- シートの破れ
- シートの接合部や端部の剥がれ
- シートの浮き・めくれ
- 水たまり
- 雑草・コケ・藻の繁殖
シートは経年劣化すると収縮するため、密着性が落ちてシワやヨレ、膨れなどの症状が現れます。
この劣化を放置していると、シートに破れが生じて雨漏りの原因となってしまいます。
また、シートの接合部や端部は劣化しやすい部分で、剥がれが発生することが多いです。
シートが剥がれると防水機能を失ってしまうので、シートの接合部や端部の劣化はとくに注意して点検するようにしましょう。
浮きやめくれなどのシートの剥離も、水が侵入しやすくなってしまう劣化症状なので、早めの補修が必要です。
防水層に水たまりができていたり雑草・コケ・藻が繁殖している場合は、その部分の防水層の劣化を早めてしまいます。
中でも排水溝周りによく現れる劣化症状なので、注意してチェックしてください。
シート防水の補修方法
シートに浮き・剥離が現れているなど劣化が進行している場合は、防水層からやりかえる根本的な補修が必要になります。
劣化が軽度な場合は部分的な補修を行うこともありますが、シート防水ではシートの継ぎ目部分が弱点となるため、継ぎ目が増えることになる部分補修は今後の雨漏りリスクが上がってしまう点に注意が必要です。
防水層に水たまりが生じている場合、床勾配の異常が原因であれば下地を調整する工事を行います。
防水層へのダメージが大きい排水溝周りの補修工事としては、改修用ドレンの設置を行う場合もあります。
アスファルト防水(露出仕上げ)
アスファルト防水は、液体状のアスファルトを染み込ませたアスファルトルーフィングシートを使用して防水層を形成する防水工事です。
日本でも古くから用いられている信頼度の高い防水工事で、防水性と耐久性に優れているため耐用年数が長いことが大きな特徴です。
その分、工事が大掛かりで工期が長く、ほかの防水工事と比べて費用も高額となります。
アスファルト防水の露出仕上げは、最上層が砂付き仕上げとなる工法です。
アスファルト防水の主な劣化症状
アスファルト防水の防水層では、主に以下のような劣化症状が現れます。
- 表面の砂落ち
- ジョイント部の口開き
- 膨れ
- 立上がり端末金物上部のシーリング材劣化
最上層が砂付き仕上げとなっている露出仕上げのアスファルト防水では、劣化すると表面の砂落ちという現象が起こります。
砂落ちが進行するとアスファルトルーフィングが露出してしまうため、防水層の劣化を早めてしまうでしょう。
アスファルト防水の防水層にはジョイント部という重ね部分があり、劣化すると口開きが生じて雨水の侵入経路となるため、緊急性の高い劣化症状のひとつです。
アスファルト防水の防水層の膨れは、空気が溜まったり雨水が侵入することで発生します。
とくに雨水が溜まっている場合には、早急な補修が必要です。
防水層の立ち上がり端末を押さえる役割のある金物上部には、シーリング材が充填されています。
このシーリング材は劣化により亀裂や破断が生じることがあるため、シーリング材の劣化も防水層の改修工事の時期の目安となります。
アスファルト防水の補修方法
アスファルト防水の補修は、防水層の膨れやジョイント部の口開きの場合には部分補修を行うことができます。
しかし、全体の1/4以上に補修が必要になる場合や、前回の防水工事の施工から13年以上が経過している場合には、全体的に防水機能が低下しているため全面改修を検討しましょう。
屋上防水で補修や改修する場合はかぶせ工法を検討してみる
屋上防水の改修工事には、大きく分けて以下の2種類があります。
- かぶせ工法
- 撤去工法
かぶせ工法とは、既存防水層を撤去せずに上から重ねて新しい防水層を形成する工法です。
一方で撤去工法は、既存防水層を全面撤去してから新しい防水層を形成する工法です。
屋上防水の改修を行う場合には、かぶせ工法を検討してみることをおすすめします。
ここでは、かぶせ工法のメリットを紹介します。
また、かぶせ工法はすべての防水層に対して施工できるわけではありません。
かぶせ工法を施工できないケースについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
屋上防水でのかぶせ工法のメリット
かぶせ工法の主なメリットには、以下のようなものがあります。
- 撤去工事が不要で、廃材処分や下地処理にかかる費用を節約できる
- 撤去工法に比べて工期が短い
- 施工中の騒音やほこりの影響が少ない
- 既存防水層を撤去しない分廃棄物が減らせるので、環境に優しい
かぶせ工法は、既存防水層を撤去しないことが大きな特徴です。
そのため、撤去工法に比べて工事が小規模で、工期が短く費用を節約することができます。
ただし、既存防水層の状態を見極めて必要な下地処理を行うことが重要です。
かぶせ工法では、既存防水層の重さに新規防水層の重さも追加されるため、建物への負担が大きくなってしまうでしょう。
また、重ねて防水層の施工を行うため、既存防水層と相性のいい工法を選んで施工することも重要なポイントです。
屋上防水でかぶせ工法ができないケース
かぶせ工法のメリットを紹介しましたが、どんな防水層に対してもかぶせ工法が施工できるわけではありません。
かぶせ工法が施工できないのは、既存防水層や下地の劣化が激しく状態が悪い場合です。
既存防水層や下地の状態が悪いままかぶせ工法を施工してしまうと、せっかく補修しても思うような効果が期待できません。
とくにかぶせ工法では、排水性が低下してしまうことがあるので注意が必要です。
- 排水性の高い防水材を使う
- 適切な排水勾配を設ける
- 排水口は適切な位置に設ける
このような対策を行うことで、排水性の悪化を予防することができます。
屋上防水の改修を行う場合は、既存防水層や建物の状態を考慮した上で最適な工法を選ぶことが重要です。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
屋上防水の補修方法についてまとめ
今回は、屋上防水の補修方法について詳しく紹介しました。
- 屋上防水の改修は全面改修が基本だが、劣化の程度によっては部分補修ができる
- 防水層に劣化症状が現れたら、雨漏りが発生する前に早急に補修を行うことがおすすめ
- 屋上防水の改修工事は、既存防水層を撤去する「撤去工法」と撤去せず重ねて施工する「かぶせ工法」の2種類がある
- かぶせ工法には、工期の短縮や費用の節約などのメリットがある
- 防水層の劣化が激しい場合は、かぶせ工法は施工できないため撤去工法で施工する
屋上は、建物の中でもとくに雨水の影響を強く受ける部分です。
定期的に劣化症状が現れていないかチェックし、劣化が軽微なうちに補修工事を行うことをおすすめします。
今回の記事を参考に、屋上防水の改修工事を検討してみてくださいね。