水槽防水工事は必要?受水槽などを工事しないリスクと施工方法を解説 | 株式会社新東亜工業  

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水槽防水工事は必要?受水槽などを工事しないリスクと施工方法を解説

貯水槽や受水槽、防火水槽など、建物に不可欠な水槽設備の防水工事は、漏水事故や設備の劣化を防ぐ重要な対策です。水を貯める目的で作られた設備だからこそ、コンクリート水槽の劣化や雨水の侵入を防ぐ防水塗装が欠かせません。エポキシ樹脂やライニングなど、様々な工法から適切な防水対策を選択することが求められます。

本記事では、水槽防水工事の必要性から具体的な施工方法、工事を実施しないリスクまで、設備管理に必要な情報を解説します。

水槽設備に防水工事が必要な理由

水を入れる水槽設備が防水加工されている点について、疑問を持つ方も多いでしょう。

しかし、常に水と接している水槽設備だからこそ、防水工事を行わなければならないのです。

最初に、水槽設備に防水工事をすべき理由を2つ紹介します。

水を漏らさないため

水槽設備の防水が不十分だと、水が漏れてしまいます。

水槽 設備 は住宅街だけではなく、沢山の建物が並ぶ街にも設置されており、街中で大量の水が漏れてしまったら、一帯が水浸しになってしまうでしょう。

大きな事故が起こらないようにするためにも、適切な防水を行い、水槽設備を管理しなければなりません。

水が中に入らないようにするため

水槽は大きな設備のため、適切な管理を行わないと、水槽設備内の水が汚れてしまう可能性が高いです。

水槽設備内に汚水や排水が混入し、臭くきたない水になる、病原菌が繁殖するなどのリスクもあります。

水漏れを防ぐだけではなく、雨水の侵入を防ぐためにも防水工事が必要です。

防水工事をする水槽の種類

水槽設備にはいくつかの種類があります。

設備の用途はそれぞれ違いますが、次に挙げる水槽には防水加工が必要です。

  • 貯水槽
  • 防火水槽
  • プール

貯水槽とは水を貯めることができる設備の総称で、受水槽や高架水槽も「貯水槽」に含まれます。

貯水槽は都市部や住宅地に多く見られ、形は様々ですが、クリーム色で長方形です。

なお、高架水槽とは、受水槽のなかでも高い場所に設置される台付き水槽設備を指します

似たような形状に高置水槽がありますが、高置水槽は架台を使わず直接高所に設置する水槽です。

防火水槽は、消火用の水を貯めることができる水槽設備を指します。

防火水槽は一般的に地下に設置されているため、鉄筋コンクリート製や耐震性の高い銅などの金属製が多いです。

また、プールも水槽設備のひとつです。

プールはコンクリートの上から防水塗装を行っており、塗膜の劣化でひび割れを起こします。

水槽設備の防水工事をしないことのリスク

水槽設備の防水は、経年劣化します。

防水効果が機能していない状態で水槽設備を使用し続けると、水漏れの原因となり、機器によっては重大なトラブルにつながることもあります。

漏水被害

水槽設備の防水工事をしていないと、水漏れのリスクが高まります。

建物の屋上に水槽設備が設置されているケースも多く、水漏れによる被害は非常に大きいものになるでしょう。

躯体の損傷

未処理の水槽設備による水漏れは、建物の躯体に大きな損傷を与えます。

建物の躯体は主にコンクリートと鉄筋で構成されていますが、漏れた水はコンクリート内部の小さいひび割れを伝わり鉄筋まで到達します。

錆の発生によって鉄筋が膨張して内部爆発を起こし、コンクリート内部に巨大な空洞ができるのです。

そのため、漏水が長期にわたれば、建物への影響は深刻になります。

設備の損傷

水槽設備の放置による水漏れは、建物の設備にダメージを与えます。

例えば、エスカレーター、エレベーター、冷暖房設備などが水の浸入によって故障する可能性があります。

金銭的な問題だけではなく、夏はクーラー、冬は暖房が使えなくなり、健康を害することもあるため注意が必要です。

例えば、エレベーターが故障すれば、高齢者が外出できなくなったり、病人が部屋に戻れなくなるなど、さまざまな被害が予想されます。

水槽設備の防水工事の種類

水槽設備の防水工事は、防水塗料を塗布する方法が一般的です。

大きく分けて2つの方法があるため、各防止工事の特徴を紹介します。

FRP防水工事

FRP防水工事は、場所を選ばない防水工事で、ポリエステルなどの合成樹脂に、ガラスなどの繊維で補強材を混ぜた防水膜を使用します。

塗ってすぐに乾くため、何層にも塗り重ねることが可能です。

水槽設備のひび割れや水漏れを防ぐだけではなく、水槽の厚みを強化することもできます。

ただし、ガラス繊維が含まれているため、日光に長時間当たるとひび割れる可能性がある点がデメリットです。

また、防水層には弾力性がないため、地震などの揺れで破損する恐れがあります。

さらに、補強材と合成樹脂を混ぜ合わせる際に化学反応を起こすため、塗布後しばらくは独特の臭いが気になることがあるでしょう。

ウレタン防水工事

ウレタン防水は、液状化したウレタン樹脂を塗布する工法であり、工法は非常にシンプルで、FRP防水工事に比べて費用も安く抑えられます。

さらに、施工場所を選ばず、下地となじみやすいので既存の防水層の上からでも施工が可能です。

FRP防水と同様に乾燥に時間がかからないため、重ね塗りがしやすいというメリットもあります。

また、塗布時に化学反応を起こさないため臭いが発生しないことも特徴です。

ただし、手作業で塗布するため、塗りムラが発生することがあります。

なお、どちらの防水工事も、6~7年ごとのメンテナンスが必要です。

水槽設備の防水工事の流れ

水槽設備の防水工事の工程

水槽設備の防水工事は、漏水を防ぎ、設備の耐久性を保つために重要な作業です。以下に、防水工事の具体的な工程について説明します。

下地調整

防水工事の第一歩は、下地調整です。下地の状態が防水層の性能に大きく影響するため、慎重に行います。

  • 下地の確認: 下地の状態を確認し、劣化や損傷がないかをチェックします。
  • ひび割れ補修: ひび割れや欠損がある場合は、適切な補修材を使って修復します。
  • 凸凹の除去: 下地が平滑でない場合、研磨やパテを使用して平滑にします。

ケレン・清掃

次に、ケレンと呼ばれる下地の清掃を行います。これは防水材がしっかりと密着するために不可欠な工程です。

  • ケレン作業: 錆や古い塗膜、汚れをワイヤーブラシやサンドペーパーを使って除去します。
  • 高圧洗浄: 高圧洗浄機を使用して、下地表面の汚れや埃を徹底的に洗い流します。
  • 乾燥: 清掃後、下地を十分に乾燥させます。乾燥が不十分だと防水材が密着しにくくなります。

プライマー塗布

下地調整と清掃が完了したら、プライマーを塗布します。プライマーは、防水材の密着性を高めるために使用されます。

  • プライマーの選定: 使用する防水材に適したプライマーを選定します。
  • 均一な塗布: プライマーを均一に塗布し、下地にしっかりと浸透させます。
  • 乾燥: プライマーが完全に乾燥するまで待ちます。乾燥時間は製品により異なります。

防水材の塗布|下塗り・上塗り

プライマーが乾燥したら、防水材の塗布に移ります。この工程では、選定した防水材を使用して防水層を形成します。

  • 防水材の準備: 防水材を使用する前に、十分に撹拌し均一な状態にします。
  • 一回目の塗布(下塗り): 防水材を下地に均一に塗布します。ローラーや刷毛を使用し、丁寧に作業します。
  • 乾燥: 一回目の塗布が乾燥するまで待ちます。乾燥時間は防水材の種類により異なります。
  • 二回目の塗布(上塗り): 必要に応じて、二回目の塗布を行います。これにより、防水層の厚みと耐久性を確保します。

仕上げと点検

防水材の塗布が完了したら、仕上げと点検を行います。

  • 仕上げ作業: 防水層の表面を滑らかに仕上げます。必要に応じて、保護層やトップコートを追加します。
  • 最終点検: 防水層の仕上がりを確認し、漏水の有無や防水層の品質をチェックします。必要に応じて修正を行います。

工事完了と引き渡し

最終点検が完了し、防水工事の品質が確認されたら、工事完了となります。工事内容の報告書を作成し、設備の使用者に引き渡します。引き渡し時には、今後のメンテナンス方法や注意点についても説明します。

以上が、水槽設備の防水工事の具体的な工程です。各工程を丁寧に行うことで、防水工事の品質を高め、設備の長寿命化を図ることができます。

防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】

大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。

そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。

防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。

以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。

  • 補助金申請できる地域に住んでいる
  • 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
  • 税金を滞納していない
  • 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること

詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。

防水工事に関してのよくある質問を紹介

ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。

Q

防水工事前に何か準備は必要ですか?

A

防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。

Q

防水工事を行う周期はどのくらいですか?

A

一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。

Q

雨天時も防水工事は行いますか?

A

防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。

Q

防水工事中に臭いがすることはありますか?

A

防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。

普段からのマンション・アパートの雨漏り対策

自分でできる普段からのマンション・アパートの雨漏り対策として、以下の方法があります。

  1. 窓周りの点検とシーリング補修: 窓枠やサッシ周りに隙間があると雨水が侵入しやすいので、コーキング材を使って隙間を埋めましょう。
  2. ベランダの排水口の清掃: ベランダの排水口が詰まると、雨水が溜まり雨漏りの原因になります。定期的にゴミを取り除き、排水を確保します。
  3. 雨樋のチェック: 詰まった雨樋は排水が悪くなり、雨漏りを引き起こすことがあります。雨樋の詰まりを防ぐために、落ち葉やゴミを取り除きましょう。
  4. 防水シートやテープの活用: 応急処置として、雨漏り箇所に防水シートや防水テープを貼ることで、一時的に雨水の侵入を防ぐことが可能です。

ただし、雨漏りの原因が建物全体に及ぶ場合や、素人では対処しきれない場合は、早めに防水工事の専門業者に相談することをおすすめします。

水槽設備の防水工事についてのまとめ

水槽設備の防水工事について解説しました。

まとめると、

  • 水槽設備の防水工事は塗装で行うことができる
  • 水槽設備の劣化を放置しておくと健康や環境に悪影響を及ぼす
  • 水槽設備から水が漏れて必要な水が使えなくなることもある

また、水槽設備内の水を定期的にチェックし、衛生的に保つ必要があります。

水槽設備の防水工事が必要な場合は、専門業者に点検と適切な工事方法を相談しましょう。

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