2024.03.12
鉄筋コンクリート造の雨漏りの原因は?修理方法、費用相場など徹底解説
鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅で発生する雨漏りは、ひび割れや劣化が原因となることが多く、特に屋根や外壁の劣化を放置すると、雨水が浸入し、天井や壁に水漏れが発生します。
このような場合、早期の修理が重要であり、鉄筋コンクリートのメンテナンスには、雨漏り修理やコンクリートの補修が必要です。
この記事では、鉄筋コンクリート造 (RC造) の雨漏り被害や原因、雨漏りの修理方法、費用相場などについて解説していきますので、最後までごらんください。
雨漏りは、建物の構造を損傷させ、住環境を悪化させるだけでなく、健康被害にもつながる重大な問題です。
この記事を参考に、鉄筋コンクリート造 (RC造) の雨漏りに対する理解を深め、適切な対策を講じて、大切な住まいを守りましょう。
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鉄筋コンクリート造のおける雨漏りによる被害
鉄筋コンクリート造は、木造建築と比べて耐久性に優れているイメージがありますが、雨漏りに対しては決して強固ではありません。
雨漏りを放置すると、建物の構造や住環境に深刻な被害をもたらし、健康リスクにもつながる可能性があります。
雨漏りによる主な被害は、以下のとおりです。
建物の構造劣化
鉄筋コンクリート造には特有の構造や素材ゆえの弱点があり、雨漏りが発生した場合、建物の構造劣化に繋がる深刻な被害をもたらす可能性があります。
雨漏りが建物内部に侵入すると、以下のような構造劣化を引き起こします。
- 鉄筋の腐食:コンクリート内部の鉄筋が錆び、断面が減少。建物の強度低下に繋がる
- コンクリートの剥:鉄筋の腐食によってコンクリートが膨張し、剥離する。建物の外観を損なう
- 建物の不同沈下:鉄筋の腐食やコンクリートの剥離によって建物の基礎が弱体化する
これらの構造劣化は、建物の耐久性や耐震性を著しく低下させ、最悪の場合、建物の倒壊にも繋がる可能性があります。
カビ・ダニの発生
雨漏りによって湿度の高い環境が形成されると、カビやダニが発生しやすくなります。
カビやダニの発生は、アレルギーや呼吸器系の疾患を引き起こす原因となり、健康面にも悪影響を及ぼすため、早急な対応が必要です。
特に、小さなお子様や高齢者、アレルギー体質の方にとっては、深刻な健康被害につながる可能性があるので注意しましょう。
内装の損傷
雨漏り被害が発生すると、内装にさまざまな損傷を引き起こす可能性があります。
代表的な被害例は、以下のとおりです。
- 天井や壁のシミや色あせ
- 壁紙・クロスの剥がれ
- 床材の腐食や変形
- 建具の腐食や錆び
- 天井や壁のひび割れ
鉄筋コンクリート造の雨漏りによる内装の損傷は、見た目だけでなく、建物の構造や健康にも影響を与える重大な問題です。
雨漏りの早期発見・早期対応が必要になります。
電気系統のトラブル
雨漏り被害の中でも、特に電気系統への影響は深刻で、感電や火災などの重大な事故を引き起こす可能性があります。
電気系統のトラブル例は、以下のとおりです。
- 漏電の発生
- 電気機器・配線のショート
- ブレーカー・電気機器の故障
これらのトラブルは、感電や火災などの重大な事故につながるだけでなく、停電や電気機器の損傷など、日常生活に支障をきたす可能性があります。
雨漏りを発見したら、すぐに専門業者に連絡し、修理を依頼しましょう。
精神的なストレス
雨漏りは、建物の構造を損傷させ、住環境を悪化させるだけでなく、住む人の精神的なストレスにも大きな影響を与えます。
雨漏りによる精神的なストレスの例は、以下のとおりです。
- 常に不安や心配を抱える
- 快適な生活空間の喪失
- 日常生活への支障
- 将来への不安
また、雨漏りによる精神的なストレスは、睡眠不足、集中力の低下、抗うつなどの症状を引き起こす可能性があります。
雨漏りによる精神的なストレスは、決して軽視すべきではありません。
早めに原因を特定し、適切な修理を行うことが重要です。
鉄筋コンクリート造特有の雨漏り被害
鉄筋コンクリート造は、その特有の構造や素材ゆえの弱点も存在し、爆裂、漏電といった雨漏り被害が発生する可能性があります。
爆裂
コンクリートの爆裂とは、鉄筋コンクリート内部の鉄筋が腐食し、膨張することでコンクリートが破裂する現象です。
爆裂は、建物の外観を損ねるだけでなく、内部の鉄筋をさらに腐食させる原因となるため、早急な補修が必要です。
爆裂の原因は、鉄筋の腐食、コンクリートの劣化などが挙げられます。
爆裂によってコンクリートの表面が破裂し、鉄筋の露出や、ひび割れ、表面の赤錆などの症状が発生する可能性があります。
爆裂は、建物の構造体としての強度を低下させる重大な問題です。
爆裂の症状を発見した場合は、早急に専門業者に調査・補修を依頼することをおすすめします。
漏電
雨水が電気配線に浸入すると、漏電が発生する可能性があり、火災や感電などの重大な事故を引き起こすことも考えられます。
感電は、軽度な痺れから重度の火傷、場合によっては死に至ることもある重大な事故です。
また、漏電によって火花が発生し、火災を引き起こす可能性があります。
火災は、建物の損傷や人命の危険だけでなく、周囲への被害にもつながります。
鉄筋コンクリート造の雨漏り被害は、早期発見・早期対応が重要です。
定期的な点検と適切なメンテナンスを行い、漏電のリスクを軽減しましょう。
雨漏りが発生しやすい箇所
雨漏りは、建物のさまざまな箇所で発生する可能性があります。
特に雨漏りが発生しやすい箇所は、以下のとおりです。
屋上・ベランダ・バルコニー
雨漏りが発生しやすい箇所はいくつかありますが、特に屋上、ベランダ、バルコニーは注意が必要です。
常に雨水にさらされているため、防水層が劣化しやすく、防水層が劣化すると雨水が浸入し、雨漏りが発生します。
また、排水管の詰まりや勾配不良などによって雨水が溜まり、雨漏りが発生します。
定期的に点検を行い、ひび割れや劣化などの異常がないか確認することが重要です。
外壁
外壁は、常に雨風にさらされており、雨漏りが発生しやすい箇所の一つです。
特に、外壁材の継ぎ目で使用されているシーリング材の劣化や、ひび割れによって、そこから雨水が侵入しやすくなります。
外壁からの雨漏りを放置すると、建物の構造を損傷させ、住環境を悪化させるだけでなく、健康被害にもつながる重大な問題です。
定期的な点検と適切なメンテナンスを行い、外壁からの雨漏りを防ぎましょう。
サッシ
サッシは、窓やドアの開閉を可能にする重要な部材ですが、雨漏り発生箇所としても知られています。
特に、サッシ枠と外壁の隙間、排水機構、ガラスとサッシ枠の隙間、サッシ周りのコーキングが、雨漏りの発生しやすい箇所です。
サッシ周りの雨漏りを防ぐためには、定期的な点検と清掃が重要です。
サッシ周りの状態を常に確認し、異常を発見した場合は、速やかに補修するようにしましょう。
水回り
水回りは、常に水濡れや湿気に晒されるため、雨漏りが発生しやすい場所です。
水回りで雨漏りが発生しやすい場所は、洗面所、浴室、トイレが挙げられます。
主に排水管の接続部分や排水トラップの劣化、防水層の劣化や窓廻りのコーキング不良、などが原因で雨漏りが発生しやすいです。
鉄筋コンクリート造での雨漏りの原因と修理方法
鉄筋コンクリート造は耐久性の高い構造ですが、雨漏りには注意が必要です。
ここでは、鉄筋コンクリート造の雨漏りの原因と修理方法についてご紹介します。
雨漏りの原因 | 発生要因 | 修理方法 |
---|---|---|
外壁のひび割れ | 経年劣化地震 | パテやシーリングの注入 |
サッシ周りの劣化 | コーキング材の劣化 サッシの建て付け不良 | コーキングの増し打ち、打ち替え |
屋上・ベランダの防水層の劣化 | 経年劣化 | 防水工事 |
排水管の詰まり | 落ち葉ゴミ | 高圧洗浄機による清掃部分的な交換 |
上記以外にも、バルコニーや外壁の笠木、雨樋などの不具合も雨漏りの原因となる可能性があります。
鉄筋コンクリート造の雨漏り修理の費用相場
雨漏りを見つけたら、早急に原因を特定し、適切な修理を行う必要があります。
ここでは、プロの業者による調査・修理費用について詳しく解説します。
調査費用の相場
雨漏りを見つけたら、まずは原因を特定する必要があります。
原因を特定するためには、専門業者による調査が必須です。
調査内容 | 費用相場 |
---|---|
目視による調査 | 無料 |
散水調査 | 約3万〜30万円 |
発光液調査 | 約5万〜25万円 |
サーモグラフィー | 約10万〜30万円 |
散水調査では、実際に水を撒いて、雨漏りの発生箇所を特定します。
発光液調査は、紫外線照射で発光する特殊な液体を雨漏り疑い箇所へ流し込み、その流れを観察することで雨漏りの原因箇所を特定する方法です。
サーモグラフィー調査は、赤外線カメラを用いて建物の表面温度を測定し、温度差から雨漏りの原因箇所を特定する方法です。
調査費用は、調査対象の広さや建物の構造などによって異なります。
修理費用の相場
雨漏りの主な修理内容、費用相場は、以下のとおりです。
修理内容 | 費用相場 |
---|---|
ひび割れ補修 | 約5万〜30万円 |
コーキングの打ち替え | 約10万〜30万円 |
防水層の再施工 | 約10万〜50万円 |
外壁塗装 | 約60万〜100万円 |
雨漏り修理の費用は、修理箇所の大きさ、使用する材料などによって異なります。
業者を選ぶ際には、複数の業者から見積もりを取って比較することが重要です。
鉄筋コンクリート造の賃貸物件で雨漏りが起こった場合の修理費用の負担先は?
マンションのような賃貸物件は、雨漏りの発生場所によって修理費用の負担先が複雑になる場合があり、トラブルに発展しやすいです。
そこで、一般的な修理費用の負担先について紹介します。
共有部は管理組合
マンションなどの賃貸物件では、外壁、屋上、廊下、ベランダなど、多くの外部共有部分が建物の所有者全体の共有部分となります。
賃貸物件で雨漏りが起こった場合、基本的には管理組合が修理費用を負担します。
管理組合が主体となって補修手配と原因調査を行い、作業範囲や対応業者は、規約や保険で決められている場合が多いです。
集合住宅で雨漏りが発生した場合は、個人で対応しようとせず、まずは管理組合または管理会社に連絡することが重要です。
専有部は所有者
鉄筋コンクリート造の賃貸物件であっても、雨漏りが発生した場所が専有部であれば、基本的には入居者が修理費用の負担となります。
専有部とは、入居者が占有・使用する部分です。
一般的には、室内部分とバルコニーなどが含まれます。
専有部の雨漏り費用を、所有者が負担する理由は、以下の2つです。
- 専有部は、入居者が使用する義務があるため
- 入居者の過失によって雨漏りが発生する可能性が高い
雨漏りが発生したら、速やかに大家さんに連絡しましょう。
雨漏り箇所の写真を撮り、被害状況を記録するのも重要です。
火災保険の適用時に必要となってきます。
雨漏り対策のメンテナンス方法
雨漏りを防ぐためには、定期的なメンテナンスも重要です。
主なメンテナンス方法は、以下のとおりです。
- 外壁・屋上の点検
- シーリング材の点検・補修
- 排水口の清掃
雨漏り修理・メンテナンスは、専門業者に依頼することをおすすめします。豊富な知識と経験に基づいて、適切な修理方法を提案してくれます。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
鉄筋コンクリート造建物の雨漏りについてまとめ
ここまで、鉄筋コンクリート造建物の雨漏りについて解説してきました。
この記事の要点は、以下のとおりです。
鉄筋コンクリート造は耐久性に優れていますが、雨漏りには注意が必要です。
- 雨漏りを放置した場合の被害は、建物の構造劣化、カビ・ダニの発生、内装の損傷、電気系統のトラブル、精神的なストレス
- 鉄筋コンクリート造特有の雨漏り被害は、爆裂と漏電がある
- 雨漏りが発生しやすい箇所は、屋上・ベランダ・バルコニー、外壁、サッシ、水回り
- 雨漏りの原因は、外壁のひび割れ、サッシ周りの劣化、屋上・ベランダの防水層の劣化、排水管の詰まり
- 修理方法は、ひび割れ補修、コーキングの打ち替え、防水層の再施工、外壁塗装
- 雨漏り修理の費用相場は、調査費用:無料〜30万円、修理費用:5万〜100万円
- 鉄筋コンクリート造の賃貸物件で雨漏りが起こった場合の修理費用の負担先は、共有部:管理組合、専有部:入居者
- 雨漏り対策のメンテナンス方法は、外壁・屋上の点検、シーリング材の点検・補修、排水口の清掃
雨漏り修理・メンテナンスは、専門業者に依頼することをおすすめします。
雨漏り対策は、建物の耐久性を維持し、快適な住環境を守るために重要です。
雨漏り対策をしっかりと行い、大切な住まいを守りましょう。