2024.03.25
マンションの大規模修繕工事の仮設工事とは?直接仮設工事と共通仮設工事の違いや足場設置の種類・内容を解説
大規模修繕や防水工事のご相談は実績豊富な新東亜工業へ
大規模修繕工事では、実際の工事を円滑に進めるために仮設工事が必要になることをご存じでしょうか?
仮設工事には、直接仮設工事と共通仮設工事があり、それぞれ異なる役割を担っており、特に、足場設置は重要なポイントであり、その種類や設置方法が工事の進行に大きな影響を与えます。
また、外壁や防水工事、塗装などの補修工事を行う際にも、適切な仮設工事が求められます。
この記事では、大規模修繕工事における仮設工事の内容、足場の種類や特徴とメリット・デメリットについて詳しく解説していきますので、安全かつ効率的な作業を実現するための参考になれば幸いです。
大規模修繕工事とは?
大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持・向上させるために非常に重要な工事です。
大規模修繕工事とは、経年劣化によって傷んだ建物の部分を補修し、新築時の機能を回復させる工事のことです。 12~15年ごとに、外壁の補修や塗装、屋上の防水工事などをまとめて行う大掛かりな工事となるため、足場を組んで行われることが一般的です。 工事の対象は、主にマンションの共有部分です。
大規模修繕工事は、建物の美観を回復させるだけでなく、安全性や快適性を向上させる効果もあります。 例えば、外壁のひび割れを放置すると、雨水が侵入し、鉄筋が錆びて建物の強度が低下する可能性があります。 また、防水工事を行うことで、雨漏りを防ぎ、建物の劣化を遅らせることができます。
さらに、大規模修繕工事は、時代の変化に合わせて、建物の機能や性能を向上させる良い機会でもあります。 例えば、バリアフリー化や省エネ対策など、現代のライフスタイルに合わせた改修を行うことで、より快適で暮らしやすい住まいを実現できます。
修繕工事と改修工事についての違い
修繕工事と改修工事は、どちらも建物の維持や改善を目的とした工事ですが、目的や内容にいくつかの違いがあります。
修繕工事
修繕工事は、建物の劣化や損傷を修復し、元の状態に戻すことを目的とした工事です。主に老朽化や経年劣化による不具合を修理するために行われ、建物の機能を維持することが重要視されます。例えば、外壁のひび割れ補修や、防水層の再施工、給排水設備の修理などが修繕工事に該当します。修繕工事は、建物の現状を保つために必要なもので、定期的に行うことが推奨されます。
改修工事
改修工事は、建物の機能やデザインを改善し、現状よりも良くすることを目的とした工事です。単なる修理に留まらず、設備の更新やレイアウトの変更、新たな機能の追加など、建物全体の性能向上を図るための工事です。例えば、古くなった設備の最新化や、内装デザインの変更、エネルギー効率の向上を目的としたリノベーションなどが改修工事に該当します。
地震や台風からマンションなどの減災・防災を考えるためにも大規模修繕工事を
大規模修繕工事ではタイルの修繕や、階段や屋上の防水など様々な部分に関わる工事を行います。予知保全や予防保全という観点でも地震や台風、大雨からの被害から守ることにつながります。
様々な災害が起きてからの修繕は困難なことが多いため、大規模修繕工事は計画を立ててしっかり行うことが重要です。
大規模修繕工事の仮設工事とは?
大規模修繕工事における仮設工事は、安全かつ効率的に工事を進めるために不可欠です。
これには、作業員の足場となる構造物の設置や、工事期間中に使用する事務所、トイレなどの設備が含まれます。
仮設工事は、工事の品質と安全性を確保するための基盤を作ります。
大規模修繕工事の仮設工事が必要な理由
仮設工事は、作業員の安全を守り、工事の品質を高めるために必要です。
特に、高所での作業が伴う場合、適切な足場がなければ作業員の転落事故が発生するリスクが高まります。
また、仮設工事は、工事現場の整理整頓を助け、効率的な作業を可能にします。
直接仮設工事の種類の特徴とメリットとデメリット
直接仮設工事とは、構造物の改修や補強などの本工事を行うために必要な仮設物を設置する工事のことです。直接仮設工事にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴とメリットデメリットがあります。
枠組足場の特徴
枠組足場は、最も一般的な足場で、組立・解体が容易で強度が高いことが特徴です。
しかし、費用が他の足場に比べて高くなる傾向があります。
くさび式足場の特徴
くさび式足場は、組立・解体が容易で、狭いエリアや傾斜地でも設置可能です。
ただし、組立時の騒音が大きいというデメリットがあります。
ゴンドラ足場の特徴
ゴンドラ足場は、居住者へのストレスを最小限に抑えることができ、景観を損ねません。
しかし、悪天候時には作業ができないというデメリットがあります。
吊り足場の特徴
吊り足場は、地面に足場を設置できない場合に使用され、非常に高い場所での作業に適しています。
しかし、専門的な技術が必要で、安全性にも特に注意が必要です。
単管足場の特徴
単管足場は、組立の自由度が高く、複雑な形状の建物にも対応できます。コスト面では安価ですが、組立・解体に時間がかかるというデメリットがあります。
移動昇降式足場の特徴
移動昇降式足場は、工事の進捗に合わせて足場を昇降させることができ、住人へのストレスを軽減します。
しかし、悪天候時の作業制限があるという点がデメリットです。
共通仮設工事の内容
大規模修繕工事において、安全かつ効率的な作業を行うためには、足場や仮設トイレなどの仮設工事が不可欠です。共通仮設工事とは、複数の工事業者が使用する仮設施設のことを指します。
共通仮設工事の施工内容には、足場の設置、仮設トイレの設置、仮設更衣室の設置、仮設倉庫の設置、仮設通路の設置、仮設電気設備の設置、仮設水道設備の設置などがあります。施工期間は、工事規模や施工内容によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月程度かかります。
共通仮設工事は、専門の施工業者によって行われます。施工業者は、安全かつ効率的に施工を行うために、事前に綿密な計画を立てます。また、近隣住民への説明会や騒音・振動対策など、周辺環境への配慮も重要です。
共通仮設工事は、大規模修繕工事を安全かつ効率的に進めるために欠かせません。適切な施工を行うことで、作業員の安全確保、作業効率の向上、近隣住民への配慮など、さまざまなメリットがあります。
大規模修繕工事の仮設工事にかかる期間
大規模修繕工事における仮設工事は、安全かつ効率的に工事を進めるために重要な役割を果たします。仮設工事にかかる期間は、工事内容や規模によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月程度が必要です。
例えば、足場仮設工事は、作業する足場を組み立てる工事です。高層階の建物であれば、足場を組み立てるのに時間がかかり、数週間から数ヶ月かかる場合があります。
一方で、共通仮設工事は、仮設トイレや仮設更衣室、仮設倉庫を設置する工事です。比較的短期間で完了することが多く、数日から数週間程度で終わります。
具体的な仮設工事の期間については、施工業者に問い合わせる必要があります。また、工事期間は天候や突発的な事態によって変動する可能性があることに注意が必要です。
仮設足場の費用について
仮設足場の費用は、以下の要素によって変動します。
- 足場の種類と規模
- 設置・解体の工数
- 使用する材料の種類
工事の規模や足場の種類によって大きく変わりますが、およそ全体の工事費用の約20%が目安です。
大規模修繕工事の仮設工事の注意点
仮設工事では、安全管理が最も重要です。
作業員の安全を確保するための、適切な足場の選定など以下のような点に注意が必要です。
- 定期的な安全点検の実施
- 作業員への安全教育の徹底
- 工事現場周辺への配慮と情報提供
大規模修善工事でのよくある質問
ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。
Q
大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?
A
A: 10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう
Q
マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?
A
大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。
Q
マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?
A
大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。
Q
大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?
A
大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。
Q
大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?
A
大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。
この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください
まとめ
大規模修繕工事では、仮設工事が重要な役割を果たします。仮設工事が適切に行われることで、安全かつ効率的な修繕工事が可能になります。
仮設工事は、足場設置や仮設トイレの設置など、修繕工事を行うための基盤となる工事です。足場設置は、作業員の安全確保と作業効率の向上に不可欠です。仮設トイレは、作業員が安心して利用できる衛生的な環境を整えます。
大規模修繕工事における仮設工事のスケジュール管理も重要です。足場仮設工事は、修繕工事の開始前に完了する必要があります。共通仮設工事は、修繕工事の進行に合わせて適宜施工されます。
仮設工事を行う際には、安全性と効率性を考慮することが大切です。また、周辺住民への配慮も必要です。
大規模修繕工事の仮設工事が適切に行われることで、安全かつ効率的な修繕工事が実現し、建物の寿命を延ばすことができます。