マンション30年経過後の大規模修繕工事の目的や内容や費用を解説 | 株式会社新東亜工業  

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マンション30年経過後の大規模修繕工事の目的や内容や費用を解説

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築30年を超えるマンションでは、大規模修繕工事が避けられません。この工事は、単なる美観維持ではなく、建物の機能維持や資産価値の保持にも大きく関わります。経年劣化によって発生する様々な不具合を事前に解消することで、住環境を維持し、将来的な価値を維持することができるのです。

このページでは、大規模修繕工事の目的や内容を解説し、その必要性を理解するための情報を詳しくご紹介します。また、実際に工事を検討されている方に向けて、工事のポイントや注意点についても解説いたします。

築年数30年のマンションの大規模修繕工事の目的と意義

築30年を超えるマンションでは、経年劣化による様々な問題が生じます。大規模修繕工事は、こうした問題を解決し、建物の寿命と居住者の安全を確保することを目的として行われます。

大規模修繕工事は大きく分けて、以下の3つの目的があります。

  1. 安全性・耐久性の向上: 経年劣化によって、コンクリートの剥落や鉄筋の腐食などが発生し、建物の安全性や耐久性が損なわれる可能性があります。大規模修繕工事では、老朽化した部分の修繕や補修を行い、建物の安全性・耐久性を回復させます。
  2. 居住環境の改善: 外壁や防水の劣化により雨漏りが発生したり、配管の劣化により水漏れが生じたりすることもあります。大規模修繕工事では、こうした問題を解消し、居住者の快適な生活環境を維持します。
  3. 資産価値の維持・向上: マンションの資産価値は建物の状態に大きく左右されます。適切な時期に大規模修繕工事を行い、建物の美観や機能を維持することで資産価値の低下を防ぎ、場合によっては向上させることができます。

大規模修繕工事は費用がかかりますが、安全に快適な生活を送るため、そして資産価値の維持・向上のためには必要不可欠な工事です。計画的に修繕を行い、建物の長寿命化と居住者の安心・安全を確保することが重要となります。

経年劣化と修繕工事の必要性について

マンションは、築年数30年を超えると、外壁のひび割れや塗装の剥落、バルコニーの防水機能の低下、配管の老朽化など、様々な部分で経年劣化が進みます。これらの経年劣化は、放置しておくと建物の安全性や居住環境の悪化に繋がります。

そのため、築30年を超えたマンションでは、大規模修繕工事を行うことが不可欠です。大規模修繕工事は、建物の外観や機能を回復させるだけでなく、建物の耐久性や安全性、居住環境を向上させる効果があります。定期的な大規模修繕工事を行うことで、マンションの資産価値を維持し、長持ちさせることができます。

大規模修繕工事は、多額の費用がかかりますが、将来的な建物の維持管理費や住み替え費用を考えると、決して無駄な投資ではありません。マンションの資産価値を維持し、快適な居住環境を確保するためにも、築30年を超えたマンションでは、大規模修繕工事を検討する必要があります。

大規模修繕とは?

マンションの大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、住環境を維持するために重要な工事です。工事の内容はマンションによって異なりますが、一般的には外壁の補修、防水工事、鉄部の塗装、マンション設備関連工事などが行われます。

外壁の補修は、雨風や紫外線にさらされ、経年劣化によって発生するひび割れや剥離を修復することで、建物の美観と防水性を回復させる工事です。防水工事は、建物の屋上やバルコニー、外壁などの防水層を補修または新たに施工することで、雨水の浸入を防ぎます。鉄部の塗装は、サビが発生しやすい鉄部を塗装することで、サビの発生を防ぎ、建物の耐久性を向上させます。マンション設備関連工事は、給排水管や電気設備、エレベーターなどの更新や修繕を行う工事で、設備の老朽化を防ぎ、故障や事故を防ぎます。

マンションの大規模修繕工事の費用相場について

マンションの大規模修繕工事には、一般的に1棟につき1,000万円~5,000万円程度かかります。費用は建物の規模や築年数、劣化具合などによって異なります。

規模おおよその費用
小規模マンション1,000万円~2,000万円
中規模マンション2,000万円~3,000万円
大規模マンション3,000万円~5,000万円

大規模修繕工事の費用は、主に修繕箇所と修繕内容によって決まります。例えば、外壁塗装や防水工事、バルコニーの改修などが必要な場合は、より多くの費用がかかります。

大規模修繕工事の費用は、一般的に修繕積立金から捻出されます。修繕積立金は、毎月管理費と一緒に徴収されるもので、大規模修繕工事などの費用に備えて積み立てられています。

しかし、修繕積立金だけでは不足する場合もあります。その場合は、追加徴収や融資などで費用をまかなう必要があります。

大規模修繕工事はマンションの寿命を延ばし、資産価値を維持するのに重要な工事です。計画的に修繕積立金を積み立てて、必要な時に適切な工事を進めましょう。

長期修繕計画とは?

マンションの大規模修繕工事を適切に計画・実施するために、管理組合が立てる長期的な修繕計画のことを「長期修繕計画」といいます。

これには以下の内容が含まれます。

  1. 修繕工事の内容と構造体、設備、内部外装の各部位ごとに、修繕工事の内容と実施時期を設定します
  2. 修理補修:工事の費用をゆっくり見積もって、確保の準備をします
  3. 修繕積立金の計画的な集金 長期修繕計画に沿って、修繕積立金の金額と集金のタイミングを決定します

通常、長期修繕計画の計画期間は20年から30年程度が一般的です。

この期間内で大規模修繕工事のサイクルを設定し、工事と費用の平準化を図示します。ばなるほど、より平準化が可能になります。

30年のマンションは修繕ではなく建て替え検討するべきですか?

築30年を超えるマンションの場合、大規模修繕よりも建替えを検討する方が妥当なケースがあります。

その理由は以下の通りです。

  1. 構造体の限界年数に若干のため
    マンションの鉄筋コンクリート造の構造体は、一般的に50年程度が限界とされています。30年を超えて補強構造工事にかなりの費用がかかります
  2. 設備の老朽化が進むため電気設備給や排水設備、空調設備などの主要設備は、築30年を経て大規模な更新が必要となります
  3. バリアフリー化の要求が高まるため高齢者が増えている中で、エンヤや横断歩道、住戸内のバリアフリー化のニーズが集まっています

立地、立地条件に優れているマンションでは建替えよりも大規模修繕を選択するケースもあります。

総合的に費用対効果を検討する必要があります。

国土交通省によると、築25年を上回ると建替え検討マンションの割合が急増する傾向にあります(参考:国交省「マンションストック実態調査」)。

30年を目安に建替えの是非を検討することが賢明です。

大規模修繕の対象部位別の修繕目安

マンションの大規模修繕の対象部位と、一般的な修繕期間の目安は以下の通りです。

【構造体】

鉄筋コンクリート造約50年周期
鉄骨造おおむね40年周期

【設備系統】

空調設備15~20年周期
昇降機設備20~25年周期
電気設備20~30年周期
給排水設備 20~30年周期

【外装部】

外壁20~30年周期
サッシ25~30年周期
屋根防水15~20年周期

【内装部分】

床・壁・天井15~20年周期
管理設備(ゴミ蓄積場など)20~25年周期

このように、部位によって修繕期間が違います。

効率的な大規模修繕のためには、各部位の修繕時期を適切に考えることが重要です。

全部位を同時期に修繕するのではなく、優先順位を考えて段階を決めるなど、きめ細かな工夫が求められます。

マンションの大規模修繕工事で行われる内容と工程

マンションの大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、快適な生活環境を維持するために必要な工事です。主な工事内容としては、外壁塗装や補修、屋根のメンテナンスと防水工事、柱の補修と補強作業、エクステリアやエントランスの修繕、配管部分の修繕と交換作業などが挙げられます。これらの工事は、建物の状態や築年数によって異なりますが、一般的には10~15年に一度行うことが推奨されています。大規模修繕工事は、専門の業者によって計画的に行われ、住民の生活に配慮しながら進められます。工事期間中は、騒音や埃が発生することがありますが、快適な生活環境を取り戻すための大切な工事です。

大規模修繕工事内容|外壁塗装や補修工事

マンションの経年劣化に伴い、外壁の塗装や補修が必要になります。外壁は建物にとって重要な役割を担っており、以下の理由から定期的なメンテナンスが不可欠です。

  1. 防水性と保護機能の維持: 外壁塗装は防水膜を形成し、壁内部への雨水の浸入を防ぎます。また、紫外線や風雨による劣化から壁材を保護する役割もあります。
  2. 美観の維持: 経年劣化により外壁は色褪せや汚れが発生します。塗装することで美観を回復させ、建物の資産価値を維持することができます。
  3. ひび割れなどの補修: 外壁のひび割れは雨漏りや壁内部の腐食を招く恐れがあります。大規模修繕工事では、ひび割れの補修やシーリング材の打ち替えなどを行い、防水性を強化します。

外壁塗装や補修工事は、建物の規模や状態、使用する塗料の種類によって工期や費用が異なります。専門業者と相談し、最適な工事内容を決定することが大切です。

大規模修繕工事内容|屋根のメンテナンスと防水工事

屋根は経年劣化によって様々な問題を引き起こす可能性があります。雨漏り、ひび割れ、変色などは、屋根の防水機能が低下していることを示す兆候です。

大規模修繕工事では、屋根の葺き替えや塗装、防水工事などを行い、屋根の機能を回復させます。

葺き替えとは、古い屋根材を撤去し、新しい屋根材に交換することです。屋根材の種類や形状によっては、葺き替えが必要になる場合があります。

屋根の塗装は、防水機能を回復させるだけでなく、美観を維持するためにも重要です。定期的に塗装を行うことで、屋根の寿命を延ばすことができます。

防水工事は、屋根の防水機能を強化するために必要です。防水シートやコーキング材を使用することで、雨水の侵入を防ぎます。

これらの工事は、専門業者によって行われることが重要です。信頼できる業者に依頼することで、安全で確実な工事が期待できます。

大規模修繕工事内容|柱の補修と補強作業

マンションの大規模修繕工事は、経年劣化を防ぎ、資産価値を維持するために必要不可欠な工事です。 築30年を超えたマンションでは、外壁のひび割れや屋根の破損、配管のサビなど様々な箇所が損傷していきます。 これらの損傷を放置すると、建物全体の劣化が加速し、重大な事故に繋がる恐れがあります。

大規模修繕工事では、外壁塗装や屋根のメンテナンス、柱の補修、エクステリアやエントランスの修繕、配管部分の修繕と交換などを行います。 工事内容は建物の規模や劣化状況によって異なりますが、一般的には上記のような内容が含まれます。

大規模修繕工事を行う際には、住民への説明と同意、資金計画、生活への支障などを考慮する必要があります。 マンションの管理組合は、将来を見据えて計画的に修繕工事を実施することが重要です。

大規模修繕工事内容|エクステリアやエントランスの修繕

マンションの大規模修繕工事は、築30年程度経過したマンションにおいて、建物の耐久性や安全性を確保するために必要な工事です。エクステリアやエントランスの修繕は、大規模修繕工事の中でも重要な要素のひとつです。

エクステリアは、マンションの顔ともいえる部分です。経年劣化によって、ひび割れや塗装の剥がれが発生し、美観や防水性の低下を招きます。適切な修繕を行うことで、建物の寿命を延ばし、資産価値の維持にもつながります。

エクステリアの修繕では、外壁やベランダの防水処理、ひび割れの補修、塗装の塗り直しなどが行われます。外壁の防水処理は、雨水の浸入を防ぎ、建物の耐久性を維持するために重要です。ひび割れの補修は、雨水の浸入を防ぎ、建物の強度を維持するために重要です。塗装の塗り直しは、美観を回復し、防水性を向上させるために重要です。

エントランスは、マンションの第一印象を左右する部分です。経年劣化によって、床や壁の汚れや傷、照明器具の故障などが発生します。適切な修繕を行うことで、住環境の向上や防犯対策にもつながります。

エントランスの修繕では、床や壁の張り替え、照明器具の交換、ドアの調整などが行われます。床や壁の張り替えは、美観を回復し、清潔感を向上させるために重要です。照明器具の交換は、明るさを確保し、防犯対策を強化するために重要です。ドアの調整は、開閉をスムーズにし、防犯対策を強化するために重要です。

エクステリアやエントランスの修繕は、住環境の向上にもつながります。美観が向上することで住み心地が良くなるだけでなく、防犯対策にもつながります。大規模修繕の際には、エクステリアやエントランスの修繕も計画に含めることをおすすめします。

大規模修繕工事内容|配管部分の修繕と交換作業

マンションの大規模修繕では、様々な箇所の修繕や改修が行われますが、その中でも特に重要なのが配管部分の修繕と交換作業です。

配管は、給水管と排水管の2種類に大きく分けられます。給水管は、水道水を各家庭に供給する役割を担っており、排水管は、各家庭から流された排水や汚水を外部に排出する役割を担っています。

経年劣化により、配管は錆びたり、腐食したり、ひび割れたりする可能性があります。そのまま放置しておくと、水漏れや破裂などのトラブルが発生し、最悪の場合、階下の住戸にまで被害が及ぶ恐れがあります。

そのため、大規模修繕では、配管部分の調査を行い、劣化が著しい箇所については、修繕や交換を行います。修繕では、錆びや腐食を取り除いたり、ひび割れを補修したりする作業が行われます。交換の場合は、劣化が進んだ配管を新しい配管に交換します。

配管の修繕や交換は、専門的な知識と技術が必要なため、必ず信頼できる業者に依頼する必要があります。また、工事期間中は、断水や排水制限が発生するため、事前に住民への周知が必要です。

マンション大規模修繕での補助金や助成金の種類と条件を紹介

マンションの大規模修繕には多額の費用がかかりますが、国や地方自治体からの補助金を利用することで、経済的負担を軽減することができます。ここでは、主要な補助金の種類とそれぞれの条件について詳しく解説します。

以下の表にまず簡単にまとめました。

補助金の種類条件対象工事例
省エネ改修補助金断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うこと
一定のエネルギー効率改善が見込まれること
断熱材の追加、高効率給湯器の設置
LED照明への交換
耐震改修補助金建物の耐震性を向上させる工事を行うこと
耐震診断の結果に基づいた改修であること
耐震補強工事、柱や梁の補強
バリアフリー改修補助金高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと
公共性が認められること
スロープの設置、エレベーターの設置
手すりの設置
条件、対象工事例は一般的な内容となります。自治体によって条件が変わることがあるため詳しくは各自治体へお問い合わせください

それぞれの内容を詳しく解説します。

省エネ改修補助金

まず、省エネ改修補助金についてです。この補助金は、建物の断熱性能を向上させたり、省エネルギー設備を導入したりする場合に支給されます。具体的には、断熱材の追加や高効率給湯器の設置、LED照明への交換などが対象となります。この補助金を受けるための条件として、断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うことが求められ、さらに一定のエネルギー効率改善が見込まれることが必要です。

耐震改修補助金

次に、耐震改修補助金があります。この補助金は、建物の耐震性を向上させるための工事に対して支給されます。対象となる工事には、耐震補強工事や柱や梁の補強などがあります。補助金を受けるためには、耐震診断の結果に基づいた改修であることが条件となります。これは、建物の耐震性を確保し、住民の安全を守るために非常に重要です。

バリアフリー改修補助金

最後に、バリアフリー改修補助金です。この補助金は、高齢者や障害者のためにバリアフリー化を行う場合に支給されます。対象となる工事には、スロープの設置、エレベーターの設置、手すりの設置などが含まれます。この補助金を受けるための条件としては、高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと、そして公共性が認められることが必要です。バリアフリー化は、高齢者や障害者が安全に快適に暮らせる環境を整えるために重要です。

以上のように、マンション大規模修繕に対する補助金にはさまざまな種類があり、それぞれに特有の条件があります。適切な補助金を選び、条件に合った工事を行うことで、補助金を有効に活用することができます。

マンション30年経過後の大規模修繕工事のまとめ

経年劣化は、避けられないものです。住宅の快適性と安全性を確保するためには、大規模修繕が必要です。大規模修繕は、建物の安全性と資産価値の維持のために必要なものです。修繕の目的は、建物の寿命を延ばし、快適な生活環境を確保することです。工事の内容は、建物の状態や住民の要望によって異なります。大規模修繕工事は、多額の費用がかかります。工事を進める前に、しっかりと計画を立てることが必要です。計画段階では、住民の意見を十分に聞くことが大切です。大規模修繕工事は、マンションに住む人々にとって、重要なものです。協力して、計画的に進めましょう。

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