2024.04.01
マンションの大規模修繕で30年先の長期修繕計画は?
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長期修繕計画とは?
マンションの大規模修繕工事を適切に計画・実施するために、管理組合が立てる長期的な修繕計画のことを「長期修繕計画」といいます。
これには以下の内容が含まれます。
- 修繕工事の内容と構造体、設備、内部外装の各部位ごとに、修繕工事の内容と実施時期を設定します
- 修理補修:工事の費用をゆっくり見積もって、確保の準備をします
- 修繕積立金の計画的な集金 長期修繕計画に沿って、修繕積立金の金額と集金のタイミングを決定します
通常、長期修繕計画の計画期間は20年から30年程度が一般的です。
この期間内で大規模修繕工事のサイクルを設定し、工事と費用の平準化を図示します。ばなるほど、より平準化が可能になります。
30年のマンションは修繕ではなく建て替え検討するべきですか?
築30年を超えるマンションの場合、大規模修繕よりも建替えを検討する方が妥当なケースがあります。
その理由は以下の通りです。
- 構造体の限界年数に若干のため
マンションの鉄筋コンクリート造の構造体は、一般的に50年程度が限界とされています。30年を超えて補強構造工事にかなりの費用がかかります - 設備の老朽化が進むため電気設備給や排水設備、空調設備などの主要設備は、築30年を経て大規模な更新が必要となります
- バリアフリー化の要求が高まるため高齢者が増えている中で、エンヤや横断歩道、住戸内のバリアフリー化のニーズが集まっています
立地、立地条件に優れているマンションでは建替えよりも大規模修繕を選択するケースもあります。
総合的に費用対効果を検討する必要があります。
国土交通省によると、築25年を上回ると建替え検討マンションの割合が急増する傾向にあります(参考:国交省「マンションストック実態調査」)。
30年を目安に建替えの是非を検討することが賢明です。
大規模修繕工事の長期化の効果は?
マンションの大規模修繕工事の期間を長期化(例:15年→25年)することで、以下のような特典があります。
- 一時的な資金負担を軽減できる期間を長くすれば、一度に必要な修繕費が抑えられ、区分全員の一時的な資金負担が軽くなります
- 修繕積立金の負担を平準化できる
長期的に見れば同程度の修繕費用になりますが、月次の積立金の負担額を平準化できます - 設備機器の交換サイクルに合わせられる設備機器の一般的な交換サイクル(10年~20年)に修繕工事の周期を合わせられる特典があります
- 環境への配慮ができる頻繁な修繕工事は、廃棄の発生や工事騒音など環境への負荷が大きくなります
一方、戦略としては、将来の大規模修繕費用が割高になるリスクや、建物の劣化が進行するリスクがあります。
国交省の調査では、築15年以内のマンションで15年の期間が最も多くなっています(参考:国交省「マンションストック実態調査」)。
大規模修繕の対象部位別の修繕目安
マンションの大規模修繕の対象部位と、一般的な修繕期間の目安は以下の通りです。
【構造体】
鉄筋コンクリート造 | 約50年周期 |
鉄骨造 | おおむね40年周期 |
【設備系統】
空調設備 | 15~20年周期 |
昇降機設備 | 20~25年周期 |
電気設備 | 20~30年周期 |
給排水設備 | 20~30年周期 |
【外装部】
外壁 | 20~30年周期 |
サッシ | 25~30年周期 |
屋根防水 | 15~20年周期 |
【内装部分】
床・壁・天井 | 15~20年周期 |
管理設備(ゴミ蓄積場など) | 20~25年周期 |
このように、部位によって修繕期間が違います。
効率的な大規模修繕のためには、各部位の修繕時期を適切に考えることが重要です。
全部位を同時期に修繕するのではなく、優先順位を考えて段階を決めるなど、きめ細かな工夫が求められます。
マンションの修繕工事の期間を伸ばすためには
マンションの修繕工事の期間を伸ばすためのポイントは以下の通りです。
建物の耐久性を維持する
マンションは経年劣化により設備や建物全体が劣化していきます。
外壁や屋根、室内などは経年劣化が顕著に出てくる場所です。
築30年以上のマンションでは定期的なメンテナンスが必要です。
耐用年数に合わせて定期的に大規模修繕工事を行うことで、建物の機能を維持します。
生活環境の向上、維持
大規模修繕工事によって、住民の快適な生活環境を維持します。
外壁や屋根の補修、エクステリアの更新などが含まれます。
建物の資産価値の維持
定期的な大規模修繕工事は、建物の資産価値を守ります。
築年数が経つごとに資産価値が低下していきますが、修繕工事を行うことで価値を保てます。
法律の遵守
一部の地域では、法的に大規模修繕工事が義務付けられている場合があります。
10~15年サイクルでの工事を求められることもあるため、法的要件を満たす必要があります。
ただし、あまりにも乱暴に期間を長くすると、長期的な建物の劣化リスクが生じます。
マンションの状態を正しく判断し、適切な修繕期間を設定する必要があります。