2024.04.10
外廊下・共用廊下の防水工事におけるマンション修繕費用の相場や注意点を解説
大規模修繕や防水工事のご相談は実績豊富な新東亜工業へ
外廊下の防水工事は、建物の耐久性を維持し、漏水や劣化を防ぐために非常に重要なメンテナンスです。外廊下は風雨にさらされやすく、防水性能が低下すると、ひび割れや水漏れが発生し、建物全体の寿命にも悪影響を及ぼします。適切な防水工事を行うことで、これらのリスクを軽減し、住民の安全と快適な生活を守ることができます。
施工の際の注意点としては、工事期間中の通行制限や作業中の安全管理が挙げられます。特に外廊下は居住者が頻繁に利用するため、工事中の安全確保やスケジュール調整が不可欠です。この記事では、外廊下の防水工事にかかる費用や注意点について詳しく紹介します。
外廊下の劣化状況
外廊下は建物の外部にあり、雨風にさらされる環境にあります。
そのため、コンクリートの劣化や防水層の劣化が進行し、漏水や剥がれの発生が避けられません。特に、外廊下の防水層は紫外線や温度変化の影響を受けやすく、5年から10年程度で劣化が始まります。
劣化が進行すると、コンクリートの中性化や鉄筋の錆びが生じ、建物の構造にも影響を与えかねません。
国土交通省の調査によると、コンクリート構造物の約7割が耐用年数を超過しており一般社団法人日本建築士会連合会によれば、防水層の標準的な耐用年数は5年から10年程度とされています。
外廊下の防水工事の内容と流れ
外廊下の防水工事は、劣化した防水層を撤去し、新しい防水層を設置する大掛かりな工事です。
適切な防水工事を行うことで、外廊下の漏水や剥がれを未然に防ぎ、建物の資産価値を維持・向上させることができます。
- 現状の確認と足場設置
- 防水層の撤去
- 下地処理(クラック補修、錆び除去、高圧洗浄など)
- 新規防水層の施工(プライマー塗布、防水シート貼り、トップコート塗布)
- 仕上げ工事(手すりやタイル張り替えなど)
Aマンション(東京都渋谷区)の外廊下防水工事では、まず劣化した旧防水層を撤去し、下地のコンクリート面を十分に洗浄・補修した上で、新しい防水シートとトップコートを重ね塗りしました。
工期は約1ヶ月半を要しましたが、工事後は漏水の心配がなくなり、外観も一新されました。
このように、費用と工期を要する大がかりな工事ではありますが、確実に防水工事を実施することが、建物の長期的な資産価値維持につながります。
外廊下の防水工事にかかる費用
外廊下の防水工事には、面積や工事内容によって大きく費用が変動するため、事前に複数の見積もりを取ることが重要です。
マンション管理適正化推進機構の調査によると、「漏水は修繕を行う主な理由の1つ」とされています。
つまり、外廊下などの防水工事は欠かせない大切な工事なのです。
一方で、工事費用は決して安くありません。
費用の目安は、以下の表のようなものとなります。
面積 | 費用の目安 |
---|---|
10㎡未満 | 30万円~50万円 |
100㎡程度 | 200万円~300万円 |
500㎡以上 | 1,000万円以上 |
あくまでも目安ですので費用に関しては、以下のような理由で変動が予想されます。
- 工事面積が広いほど防水材料費や人件費が高くなる
- 下地処理の内容(クラック補修、錆び除去など)で費用が変動
- 工事業者や地域によっても費用は異なる
このように、防水工事には一定の費用がかかりますが、建物の長期的な資産価値を考えれば必要不可欠な投資です。
事前に複数の見積もりを取り、比較検討することをおすすめします
外廊下の防水工事の実施する目安は?
外廊下の防水工事は、5年から10年に1度の定期的な実施が理想的です。
また、漏水や剥がれなどの劣化兆候が見られた場合は、速やかに対策を講じる必要があります。
一般社団法人日本建築士会連合会の資料によると、防水層の標準的な耐用年数は5年から10年程度とされています。
マンション管理適正化推進機構の調査でも、「漏水は修繕を行う主な理由の1つ」となっており、外廊下の漏水対策は欠かせません。
実施の目安については以下のようなことを考慮し、計画する必要があります。
- 5年から10年に1度の定期的な防水工事
- 漏水や剥がれなどの劣化兆候が見られた際は速やかな対策
- 大規模修繕工事を控えている場合は同時実施が効率的
実例としてはCマンション(東京都世田谷区)では、外廊下の一部で漏水が発生したため、速やかに防水工事を実施しました。
一方で、Dマンション(千葉県浦安市)は10年ぶりの大規模修繕に合わせて、外廊下の防水工事も一緒に行いました。
定期的な防水工事を怠ると、コンクリート中性化や鉄筋錆びなどが進行し、最悪の場合は大規模な補修工事が必要になる恐れがあります。
適切なタイミングで確実に防水工事を実施し、事前の予防保全に努めることが重要です。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
外廊下の防水工事の注意点
外廊下の防水工事を円滑かつ安全に進める上で、専門業者への依頼、立入制限区域の設定、騒音対策など、様々な注意点を認識し適切な対策を講じることが極めて重要です。
主な注意点としては、以下のようなポイントとなります。
- 足場の設置は転落防止のため専門業者に依頼する
- 工事区画への立入制限と第三者への影響防止対策が不可欠
- 工事後は定期的な点検と手入れで防水層の耐用年数を延ばす
国土交通省の「建設工事における安全施工体制の確保について」では、「足場の組立て・解体作業は、専門の技能を必要とするため、足場工事業者に委託することが望ましい」と明記されています。
また、第三者への影響を最小限に抑えるため、工事範囲への立入制限や防音対策が義務付けられています。
さらに、定期的な点検と手入れを行わないと、防水層の劣化が早まり、再度の高額な工事が必要になる恐れがあります。
東京都内のFマンションでは、外廊下防水工事の際、足場設置を専門業者に依頼し、工事エリアへの一般者の立入りを完全に制限しました。
加えて、低振動・低騒音型の工具を使用するなど、入居者への影響を最小限に抑える対策も実施しました。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
外廊下の防水工事まとめ
外廊下の防水工事には安全面・騒音対策・メンテナンスなど、様々な注意点がありますが、これらを事前に認識し適切な対策を講じることで、円滑で確実な工事が可能になります。
入居者の安全と生活環境に十分配慮しつつ、高品質の施工を実現することが何より大切です。