屋根の葺き替え工事とは?費用相場から時期・補助金・確認申請の必要性まで解説
2025/07/31
屋根の老朽化や雨漏りにお悩みではありませんか?
屋根は住まいを守る最も重要な部分ですが、目に見えにくい場所だからこそ、適切なメンテナンス時期を逃してしまいがちです。
特に築20年を超えた住宅では、屋根材の劣化が進行し、葺き替え工事の検討が必要になるケースが増えています。
「外壁塗装とは?」と同様に、屋根のメンテナンスについても正しい知識を持つことが、住まいを長持ちさせる重要なポイントです。
本記事では、大規模修繕・防水工事を専門とする株式会社新東亜工業の豊富な施工経験をもとに、屋根葺き替え工事の費用相場や適切な時期などを紹介します。
また、2026年に利用できる補助金制度、さらには2025年の建築基準法改正による確認申請の要否まで、実務に即した情報を網羅的にお伝えします。
費用面での不安を抱えている方、どのタイミングで工事すべきか迷っている方に、確かな判断材料を提供いたします。
目次
屋根葺き替え工事とは?
屋根葺き替え工事は、既存の屋根材をすべて撤去し、下地から新しくする大規模な屋根リフォームです。
単なる屋根材の交換ではなく、住まいの寿命を大きく延ばす重要な工事となります。
葺き替え工事の定義と工事内容
葺き替え工事とは、古い屋根材を完全に取り除き、防水シート(ルーフィング)や野地板などの下地材も状態に応じて補修・交換したうえで、新しい屋根材を施工する工事を指します。
屋根を構成するすべての層を点検・補修できるため、雨漏りの根本的な解決や建物の耐久性向上が期待できます。
具体的な工事内容は以下の通りです。
- 既存屋根材の撤去と処分
- 野地板の点検と補修(必要に応じて増し張りまたは交換)
- 防水シート(ルーフィング)の新設
- 新規屋根材の施工
- 棟板金や雨押さえなどの板金部材の取り付け
これらの工程を丁寧に行うことで、屋根が新築時と同等、もしくはそれ以上の性能を取り戻すことができます。
カバー工法との違いを比較
屋根リフォームには葺き替え工事のほかに「カバー工法(重ね葺き)」という選択肢もあります。
カバー工法は既存の屋根材を残したまま、その上から新しい屋根材を重ねる工法です。
それぞれの特徴を理解して、自宅に適した方法を選ぶことが重要です。
両者の主な違いを以下の表にまとめました。
| 比較項目 | 葺き替え工事 | カバー工法 |
|---|---|---|
| 工事費用 | 高い(100万円~200万円) | やや安い(80万円~150万円) |
| 工事期間 | 7~10日程度 | 5~7日程度 |
| 下地の補修 | 可能(全面的に点検・補修) | 不可(下地の状態が確認できない) |
| 屋根の重量 | 軽量化も可能 | 重くなる |
| 適用可能な屋根 | すべての屋根材 | スレート・金属屋根のみ |
| 耐久性 | 高い(下地から新しくなる) | やや劣る |
雨漏りが発生している場合や、築年数が30年を超えている場合は、下地の劣化状況を確認できる葺き替え工事をおすすめします。
一方、下地に問題がなく費用を抑えたい場合はカバー工法も選択肢となります。
葺き替えが必要になる主な症状
屋根葺き替えを検討すべきタイミングを見極めるには、劣化症状を正しく理解することが大切です。
以下のような症状が見られる場合は、専門業者による点検をおすすめします。
葺き替えを検討すべき主な症状は次の通りです。
- 天井にシミができる、雨の日に室内に水滴が落ちる(雨漏り)
- スレートの割れ、瓦のずれや欠け、金属屋根の穴あき
- 著しい色褪せや苔・藻の発生
- 屋根の頂部に隙間や変形が見られる
- 屋根裏から見て木材が黒ずんでいる、触ると柔らかい
これらの症状を放置すると、建物内部の構造材まで腐食が進み、修繕費用が大幅に増加する可能性があります。
早期発見・早期対処が、結果的に費用を抑えることにつながります。
屋根葺き替えの費用相場
屋根葺き替え工事の費用は、既存屋根材の種類や新規屋根材の選択、屋根面積などによって大きく変動します。
ここでは、具体的な費用相場を詳しく解説します。
30坪の戸建て住宅における費用相場
一般的な30坪(約100平方メートル)の2階建て戸建て住宅における屋根葺き替え工事の費用相場は、100万円~200万円程度です。
この金額には足場設置費、既存屋根材の撤去・処分費、下地補修費、新規屋根材の施工費、諸経費などが含まれます。
費用の内訳は概ね以下のようになります。
| 工事項目 | 費用相場 (30坪の場合) |
|---|---|
| 足場設置 | 15万円~20万円 |
| 既存屋根材の撤去・処分 | 20万円~40万円 |
| 野地板の補修・増し張り | 20万円~30万円 |
| 防水シート(ルーフィング) | 5万円~10万円 |
| 新規屋根材の施工 | 40万円~80万円 |
| 板金部材(棟板金など) | 5万円~10万円 |
| 諸経費・管理費 | 5万円~10万円 |
ただし、屋根の形状が複雑な場合や、急勾配で作業が困難な場合は、上記相場よりも高くなる傾向があります。
正確な費用を把握するには、現地調査を行ったうえでの見積もりが不可欠です。
既存屋根材別の費用相場(瓦・スレート・金属屋根)
既存の屋根材の種類によって、撤去・処分にかかる費用が異なります。
特に重量のある瓦屋根や、アスベストを含むスレート屋根は処分費が高額になる傾向があります。
既存屋根材別の費用相場は以下の通りです。
| 既存屋根材 | 撤去・処分費 (1平方メートルあたり) | 特記事項 |
|---|---|---|
| 瓦屋根(土葺き) | 3,500円~5,000円 | 土の撤去費用が追加で必要 |
| 瓦屋根(桟葺き) | 2,500円~3,500円 | 比較的標準的な費用 |
| スレート(アスベスト含有) | 3,000円~4,500円 | アスベスト処理費用が加算 |
| スレート(アスベスト無し) | 2,000円~3,000円 | 標準的な処分費用 |
| 金属屋根(トタン・ガルバリウム) | 1,500円~2,500円 | 軽量で処分費が比較的安い |
アスベストを含む屋根材の場合は、2022年4月から事前調査と行政への報告が義務化されており、有資格者による調査が必要です。
この調査費用として別途3万円~5万円程度が発生します。
新規屋根材別の費用相場(ガルバリウム・スレート・瓦)
新しく施工する屋根材の選択は、費用だけでなく耐久性やメンテナンス性にも大きく影響します。
それぞれの屋根材には特徴があり、建物の構造や予算に応じて最適なものを選ぶことが重要です。
主要な屋根材の施工費用相場を以下にまとめました。
| 屋根材の種類 | 施工費用 (1平方メートルあたり) | 耐用年数 |
|---|---|---|
| ガルバリウム鋼板 (断熱材一体型) | 6,000円~8,000円 | 25~35年 |
| SGL鋼板 (エスジーエル) | 6,500円~8,500円 | 30~40年 |
| スレート (カラーベスト・コロニアル) | 4,500円~6,500円 | 20~30年 |
| 軽量瓦 (ルーガ) | 7,000円~9,000円 | 30~40年 |
| 日本瓦 (陶器瓦) | 8,000円~12,000円 | 50年以上 |
近年は、軽量で耐久性の高いガルバリウム鋼板やSGL鋼板が人気です。
初期費用はやや高めですが、メンテナンス頻度が少なく、長期的なコストパフォーマンスに優れています。
費用を左右する5つの要因
屋根葺き替え工事の費用は、様々な条件によって変動します。
見積もりを比較検討する際には、以下の要因を理解しておくことで、適正価格かどうかを判断しやすくなります。
費用に影響を与える主な要因は次の通りです。
- 屋根の面積と形状:面積が大きい、形状が複雑な場合
- 屋根の勾配:急勾配の屋根(作業が難しいため)
- 立地条件:狭小地や道路に面していない敷地
- 下地の劣化状況:野地板や垂木の腐食がひどい場合
- 依頼する業者の種類:中間マージンが発生するリフォーム会社やハウスメーカー
費用を抑えるためには、複数の業者から相見積もりを取り、工事内容と価格を詳細に比較することが重要です。
ただし、極端に安い見積もりは下地補修が不十分であったり、材料の品質が低い可能性もあるため注意が必要です。
屋根葺き替えに使える補助金制度【2026年度版】
屋根葺き替え工事には高額な費用がかかりますが、国や自治体が実施する補助金制度を活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。
2026年に利用できる主要な制度をご紹介します。
みらいエコ住宅2026事業の概要と補助金額
2026年度も継続実施される「みらいエコ住宅2026事業」は、住宅の省エネ性能向上を目的としたリフォーム工事に対して補助金が交付される制度です。
屋根の断熱改修を伴う葺き替え工事は、この制度の対象となる可能性があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 1戸あたり40万円~100万円 |
| 対象工事 | ・屋根・天井の断熱改修 ・外壁の断熱改修 ・開口部の断熱改修など |
| 対象住宅 | 既存住宅(持ち家・賃貸問わず) |
| 工事着手時期 | 2025年11月28日以降に着手した工事 |
| 申請期限 | 2026年12月31日まで(予算に達し次第終了) |
補助額は改修前後の住宅の省エネ性能によって異なります。
断熱材を含む屋根材を使用することで補助対象となるケースが多いため、工事計画時に施工業者に確認することをおすすめします。
省エネリフォーム補助金の活用方法
「先進的窓リノベ2026事業」や「給湯省エネ2026事業」など、他の省エネリフォーム補助金と併用することで、さらに費用負担を軽減できる場合があります。
屋根葺き替えと同時に窓の断熱改修や給湯器の交換を行う場合は、これらの制度も検討する価値があります。
併用可能な主な補助金制度は次の通りです。
| 補助金・事業名 | 内容 | 補助上限 |
|---|---|---|
| 先進的窓リノベ2026事業 | 高断熱窓への交換を対象 | 最大100万円の補助 |
| 給湯省エネ2026事業 | 高効率給湯器の導入 | 最大17万円の補助 |
| 長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 耐震改修を含むリフォーム工事の場合 | 最大100万円の補助 |
これらの制度は「住宅省エネ2026キャンペーン」として連携しており、ワンストップで一括申請が可能です。
複数の工事を同時に行うことで、足場費用の削減にもつながります。
自治体独自の助成金制度
国の補助金に加えて、お住まいの市区町村が独自に実施している助成金制度も確認しておきましょう。
自治体によっては屋根の軽量化による耐震改修や、地元業者を利用した場合の住宅改修補助金などが用意されている場合があります。
自治体の助成金制度の例は以下の通りです。
| 補助金・助成制度名 | 主な内容・適用条件 |
|---|---|
| 耐震改修補助金 | 瓦屋根から軽量屋根へ葺き替えることで、 建物の耐震性向上を図る場合に対象となる |
| 住宅リフォーム助成金 | 地元の施工業者を利用することが条件となるケースが多い |
| 高齢者住宅改修費給付 | バリアフリー化工事と同時に、 屋根・外装改修を行う場合に適用されることがある |
各自治体の制度内容や予算規模は異なるため、お住まいの市区町村の窓口やホームページで最新情報を確認することが大切です。
補助金申請の流れと注意点
補助金を確実に受け取るためには、申請の流れと注意点を事前に理解しておくことが重要です。
多くの補助金制度では工事着工前の申請が必須となっており、着工後の申請は受け付けられません。
- 補助金制度の対象要件を確認する
- 補助金に対応できる施工業者を選定する
- 工事内容の打ち合わせと見積もり取得
- 補助金の交付申請を提出(工事着工前)
- 交付決定通知を受領後、工事着工
- 工事完了後、完了報告書と証拠書類を提出
- 審査後、補助金が交付される
注意点として、補助金は予算に達し次第終了となるため、早めの申請が推奨されます。
また、施工業者が補助金制度に精通していない場合、申請手続きがスムーズに進まない可能性があるため、実績のある業者を選ぶことが重要です。
屋根葺き替えの適切な時期と判断基準
屋根葺き替えは適切なタイミングで実施することが、費用を抑えつつ住まいを長持ちさせる鍵となります。
ここでは時期の判断基準を詳しく解説します。
屋根材別の耐用年数と葺き替え時期の目安
屋根材にはそれぞれ耐用年数があり、その期間を超えると劣化が急速に進行します。
一般的な屋根材の耐用年数と葺き替えを検討すべき時期を把握しておくことで、計画的なメンテナンスが可能になります。
主要な屋根材の耐用年数と葺き替え時期は以下の通りです。
| 屋根材 | 耐用年数 | 葺き替え検討時期 |
|---|---|---|
| 日本瓦(陶器瓦) | 50~100年 | 40~50年 |
| セメント瓦 | 30~40年 | 25~30年 |
| スレート(アスベスト含有) | 30~35年 | 25~30年 |
| スレート(アスベスト無し) | 20~30年 | 15~20年 |
| ガルバリウム鋼板 | 25~35年 | 20~25年 |
| トタン | 10~20年 | 10~15年 |
ただし、これらは目安であり、実際の葺き替え時期は立地環境や定期的なメンテナンスの実施状況によって前後します。
海沿いの地域や積雪地域では劣化が早まる傾向があります。
葺き替えを検討すべき劣化症状
耐用年数に達していなくても、特定の劣化症状が現れた場合は早めの葺き替えを検討する必要があります。
以下のチェックリストで自宅の屋根の状態を確認してみましょう。
葺き替えを検討すべき主な劣化症状は次の通りです。
- 天井のシミ、雨音がする、室内の湿気が増えた
- スレートのひび割れ、瓦のずれや欠け、金属屋根の錆や穴
- 棟板金の浮き、棟瓦のずれ、隙間の発生
- 塗膜が完全に剥がれ、素地が露出している
- 屋根全体が緑色や黒ずんでいる
- スレートが波打っている、隙間ができている
これらの症状が複数見られる場合は、専門業者による点検を早急に実施することをおすすめします。
特に雨漏りは放置すると建物の構造材まで腐食させる恐れがあります。
築年数から見た葺き替えのタイミング
住宅の築年数も葺き替え時期を判断する重要な指標となります。
定期的に塗装などのメンテナンスを行っていても、築年数が一定期間を超えると屋根材そのものの寿命を迎えるためです。
築年数別の推奨メンテナンス内容は以下の通りです。
| 築年数 | 推奨メンテナンス | 理由 |
|---|---|---|
| 築10~15年 | 屋根塗装 | 防水機能の維持 |
| 築20~25年 | 屋根塗装または部分補修 | 劣化症状の本格化 |
| 築30年以上 | 葺き替え工事 | 屋根材・下地の寿命 |
| 築40年以上 | 葺き替え工事(必須) | 構造体への影響懸念 |
特に築30年を超えた住宅では、屋根材だけでなく防水シートや野地板も劣化している可能性が高く、葺き替え工事が最も適切な選択となります。
また、外壁塗装の時期と重なる場合は、足場を共有することで費用を抑えられます。
雨漏り発生時の対応方法
雨漏りが発生した場合は、迅速な対応が被害を最小限に抑える鍵となります。
雨漏りは屋根だけでなく、建物の構造体や断熱材、電気配線にまで悪影響を及ぼす可能性があるため、決して放置してはいけません。
雨漏り発生時の対応手順は次の通りです。
- 応急処置:バケツで水を受ける、濡れた部分を拭き取る、家財を移動させる
- 写真撮影:被害状況を記録し、保険請求に備える
- 専門業者への連絡:できるだけ早く屋根工事業者に点検を依頼する
- 雨漏り箇所の特定:屋根裏や外壁を含めた総合的な調査を実施
- 修理方法の選定:部分修理で対応できるか、葺き替えが必要かを判断
雨漏りを1年以上放置すると、野地板や垂木が腐食し、部分修理やカバー工法では対応できなくなります。
結果的に葺き替え工事が必須となり、費用も大幅に増加するため、早期対応が非常に重要です。
屋根葺き替えで確認申請は必要?2025年建築基準法改正の影響
屋根葺き替え工事を計画する際、建築確認申請の要否は重要な確認事項です。
2025年4月の建築基準法改正により、従来は不要だったケースでも申請が必要になる可能性があります。
確認申請が必要なケースと不要なケース
建築確認申請の要否は、建物の規模や工事内容によって異なります。
基本的に、主要構造部である野地板や垂木を交換する場合は申請が必要となる可能性が高まりますが、屋根材のみの交換であれば不要となるケースが多いです。
確認申請の要否を判断する基準は以下の通りです。
| 工事内容 | 確認申請 | 備考 |
|---|---|---|
| 屋根材のみの交換 | 不要 | 既存の野地板・垂木をそのまま使用 |
| カバー工法 | 不要 | 既存屋根の上から施工 |
| 野地板の増し張り | 不要 | 既存野地板の上に重ねる場合 |
| 野地板の全面交換 | 必要な場合あり | 主要構造部の過半の修繕に該当する可能性 |
| 垂木の交換を伴う工事 | 必要 | 大規模修繕に該当 |
判断が難しい場合は、工事着工前に施工業者または建築士に確認することをおすすめします。
違法な工事とならないよう、適切な手続きを踏むことが重要です。
2025年4月の建築基準法改正による変更点
2025年4月の建築基準法改正では、いわゆる「4号特例」が縮小され、これまで建築確認申請が不要だった木造2階建て住宅の大規模修繕でも申請が必要になるケースが増えました。
この改正は住宅の安全性向上を目的としています。
主な改正内容は次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 新2号建築物の新設 | 延べ面積200㎡超〜300㎡以下の木造2階建て住宅が対象 |
| 大規模修繕の定義明確化 | 主要構造部(屋根・壁・柱・梁・床・階段)の 過半を修繕する場合は確認申請が必須 |
| 4号特例の縮小 | これまで申請不要だった小規模木造住宅でも、 大規模修繕時は確認申請が必要になる |
ただし、屋根材のみの交換やカバー工法など、主要構造部に手を加えない工事は引き続き申請不要です。
野地板の増し張りも、既存の野地板を残す限りは申請不要とされています。
確認申請の手続きと費用
確認申請が必要と判断された場合は、建築士による申請書類の作成と、特定行政庁への提出が必要です。
申請から許可までには一定の期間を要するため、工事スケジュールに余裕を持たせることが重要です。
確認申請の手続きと費用の概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請書類作成 | 建築士による設計図書の作成 |
| 申請手数料 | 2万円~5万円程度(建物規模による) |
| 設計費用 | 5万円~15万円程度 |
| 審査期間 | 7日~35日程度 |
| 完了検査 | 工事完了後の検査(必須) |
確認申請を怠ると違法建築となり、行政指導や是正命令の対象となる可能性があります。
また、将来的に住宅を売却する際にも支障をきたす恐れがあるため、必ず適切な手続きを行いましょう。
おすすめの屋根材と選び方のポイント
屋根材の選択は、耐久性やメンテナンス性、デザイン性、そして予算など、様々な要素を総合的に判断して決定します。
ここでは、現在人気の高い屋根材の特徴をご紹介します。
ガルバリウム鋼板(SGL鋼板)の特徴とメリット
- 瓦の約1/10、スレートの約1/4の重量で耐震性に優れる
- 錆びにくく、耐用年数は25~40年
- 塗装の必要がなく、維持費用が抑えられる
- 加工しやすく、様々なデザインに対応可能
- 断熱材一体型を選ぶことで遮熱・断熱効果が高まる
- 金属特有の雨音が気になる場合がある
- 初期費用がスレートよりもやや高め
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛・シリコンの合金メッキを施した金属屋根材です。
さらに進化したSGL鋼板(エスジーエル鋼板)は、マグネシウムを加えることで耐食性が約3倍に向上しています。
軽量で耐久性が高く、現在最も選ばれている屋根材の一つです。
デメリットとしては、金属特有の雨音が気になる場合がある点や初期費用がスレートよりもやや高めである点が挙げられます。
ただし、長期的なメンテナンスコストを考慮すると、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。
スレート屋根材の特徴とメリット
- 初期費用が比較的安く、コストを抑えられる
- 軽量で施工がしやすく、工期が短い
- カラーバリエーションが豊富
- シンプルでモダンな外観に仕上がる
- 耐用年数がやや短い
- 10~15年ごとに塗装メンテナンスが必要
- 葺き替え時には適切な処理が必要(2004年以前に製造されたもの)
スレート屋根材は、セメントと繊維材料を混ぜて薄い板状に成型した屋根材です。
「カラーベスト」や「コロニアル」という商品名で広く知られており、日本の住宅で最も多く使用されてきた屋根材の一つです。
スレート屋根材のメリットは、初期費用が比較的安く、コストを抑えられる点です。また、豊富な色から選べるので、シンプルからモダンな外観などデザイン性が高い屋根に仕上がります。
一方で、耐用年数は20~30年とやや短く、10~15年ごとに塗装メンテナンスが必要です。
2004年以前に製造されたスレートにはアスベストが含まれており、葺き替え時には適切な処理が求められます。
コストを最優先する場合や、定期的なメンテナンスを厭わない方に適しています。
軽量瓦(ルーガ)の特徴とメリット
- 一般的な陶器瓦の約半分の重量で建物への負担が少ない
- 割れにくく、耐衝撃性に優れる
- 耐用年数は30~40年と長い
- 厚みがあり、断熱・遮音効果が高い
- 和風・洋風どちらの住宅にも調和する
- 一般的な瓦や金属屋根より初期費用が高い
- 施工できる業者が限られる場合がある
- 製品によってはカラーバリエーションが少ない
軽量瓦「ルーガ」は、ケイミュー社が開発したセメントに繊維と気泡を混ぜた新素材の屋根材です。
従来の瓦の重厚感と美しさを保ちながら、大幅な軽量化を実現しています。瓦の風合いを残したい方に人気の選択肢です。
従来の陶器瓦に比べて重量が約半分程度とされており、屋根の軽量化によって建物全体の耐震性向上が期待できます。
また、素材自体が割れにくく設計されているため、地震や台風時の飛来物による破損リスクを抑えられます。
一方で軽量瓦(ルーガ)は、初期費用が比較的高めに設定されています。
また、専用の施工方法が求められるため、対応できる施工業者が限られる場合があります。地域によっては施工実績のある業者を探す必要があり、事前の確認が重要です。
製品によっては色や形状の選択肢が少ない点も、デザインにこだわる方にとっては注意点となります。
屋根材選びで重視すべき3つのポイント
屋根材を選ぶ際には、価格だけでなく、住まいの立地環境や今後のライフプランも考慮に入れることが重要です。
長期的な視点で最適な屋根材を選択することで、満足度の高いリフォームが実現できます。
屋根材選びで重視すべきポイントは次の通りです。
- 耐久性とメンテナンス性
- 建物の構造との適合性
- 地域の気候条件
耐用年数が長く、メンテナンス頻度の少ない屋根材を選ぶことで、長期的なコストを抑えられます。今後何年その家に住む予定かを考慮しましょう。
また、既存の建物が重い瓦に耐える構造でない場合、軽量な金属屋根やスレートを選ぶ必要があります。構造計算が必要な場合もあるため、専門家に相談しましょう。
海沿いでは錆に強い材料、積雪地域では雪が滑り落ちやすい形状、台風が多い地域では風に強い固定方法など、立地に応じた選択が重要です。
これらのポイントを総合的に判断し、施工業者と十分に相談したうえで、最適な屋根材を選びましょう。
迷った場合は、耐久性とコストパフォーマンスのバランスに優れたガルバリウム鋼板やSGL鋼板がおすすめです。
屋根葺き替え工事の流れと工事期間
屋根葺き替え工事は大規模な工事であるため、施工の流れと各工程での作業内容を理解しておくことで、安心して工事を任せることができます。
工事前の準備と現地調査
屋根葺き替え工事を成功させるには、工事前の入念な準備と正確な現地調査が不可欠です。
この段階で屋根の劣化状況や下地の状態を正確に把握することで、適切な工事計画と正確な見積もりが可能になります。
- 屋根の点検:屋根に上がって屋根材・棟部分・板金部材の状態を確認
- 屋根裏調査:野地板・垂木・防水シートの劣化状況を内部から確認
- 屋根面積の測定:正確な施工面積を計測し、材料の発注量を決定
- 近隣への挨拶:工事の騒音や粉塵について事前に説明
- 廃材置き場の確保:敷地内に既存屋根材を一時的に置くスペースの確認
現地調査の結果、当初の想定よりも下地の劣化が進んでいる場合は、追加費用が発生する可能性があります。
信頼できる業者であれば、調査結果を写真付きで詳しく説明してくれます。
葺き替え工事の施工手順(7ステップ)
屋根葺き替え工事は、安全かつ確実に施工するため、定められた手順に従って進められます。
各工程を丁寧に行うことで、長持ちする屋根が完成します。
- STEP
足場の設置(1日)
作業員の安全確保と作業効率向上のため、建物周囲に足場を組みます。
- STEP
既存屋根材の撤去(1~2日)
古い屋根材を丁寧に取り外し、地上に降ろします。
瓦屋根の場合は土も撤去します。
- STEP
下地の点検と補修(1~2日)
野地板の状態を確認し、腐食部分の交換や増し張りを行います。
- STEP
防水シートの施工(1日)
高品質なルーフィング(防水シート)を隙間なく敷設します。
- STEP
新規屋根材の施工(2~3日)
下から順に新しい屋根材を取り付けていきます。
- STEP
板金部材の取り付け(1日)
棟板金、ケラバ板金、雨押さえなどを設置します。
- STEP
清掃・足場解体(1日)
現場を清掃し、足場を撤去して完了です。
各工程での品質チェックを怠らないことが、長期的な安心につながります。
施工中は定期的に進捗状況の報告を受け、疑問点があればすぐに確認しましょう。
工事期間の目安と天候による影響
屋根葺き替え工事の標準的な工期は、30坪程度の住宅で7~10日程度です。
ただし、天候や屋根の形状、下地の劣化状況によって変動します。
雨天時は作業ができないため、梅雨時期や台風シーズンは避けることが望ましいです。
工事期間に影響を与える主な要因は以下の通りです。
| 要因 | 影響 |
|---|---|
| 屋根の面積 | 面積が大きいほど工期は長くなる |
| 屋根の形状 | 複雑な形状は施工に時間がかかる |
| 屋根の勾配 | 急勾配は作業効率が低下する |
| 下地の劣化 | 補修範囲が広いと工期が延びる |
| 天候 | 雨天時は作業中断、工期延長の可能性 |
工事期間中は屋根が一時的に露出する時間帯もあるため、雨が降りそうな場合は養生シートで保護するなどの対策が取られます。
天候が不安定な時期の施工は避け、可能であれば春や秋の穏やかな季節を選ぶことをおすすめします。
工事中の生活への影響と対策
屋根葺き替え工事中は、騒音や振動、粉塵などが発生し、日常生活に一定の影響が出ます。
事前に影響の内容を把握し、適切な対策を講じることで、ストレスを最小限に抑えることができます。
工事中の主な影響と対策は次の通りです。
- 騒音:在宅勤務の方は外出するか、耳栓を用意するのがおすすめ
- 振動:棚の上の物を下ろしておくと安心です
- 粉塵:洗濯物は室内に干すのがおすすめです
- 駐車スペース:車の移動が必要になる場合がある
- プライバシー:カーテンを閉めておくと安心です
工事開始前に施工業者から詳しい説明があるはずですが、不安な点は事前に確認しておきましょう。
優良な業者であれば、生活への配慮を忘れず、丁寧なコミュニケーションを心がけています。
屋根葺き替えを成功させるための業者選び
屋根葺き替え工事は高額な投資であり、業者選びを誤ると品質面でもコスト面でも大きな損失につながります。
信頼できる業者を見極めるポイントを押さえましょう。
信頼できる業者を見極める5つのポイント
屋根工事は専門性が高く、施工品質が将来の住まいの耐久性に直結します。
以下のポイントを参考に、技術力と誠実さを兼ね備えた業者を選びましょう。
業者選びで確認すべき重要なポイントは次の通りです。
- 建設業許可の有無
- 施工実績と専門性
- 現地調査の丁寧さ
- 見積もりの明瞭さ
- 保証内容
訪問販売で突然やってきて「今すぐ工事が必要」と不安を煽る業者や、極端に安い見積もりを提示する業者には注意が必要です。
複数の業者を比較検討し、納得できる業者を選びましょう。
相見積もりで確認すべき項目
相見積もりを取る際は、単純に総額だけを比較するのではなく、工事内容の詳細まで確認することが重要です。
同じ「屋根葺き替え工事」でも、業者によって工事内容が異なる場合があります。
見積書で確認すべき主な項目は以下の通りです。
| 確認項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 使用する屋根材 | メーカー名・商品名・グレードが明記されているか |
| 防水シート | 種類(改質アスファルトルーフィングなど)と品質 |
| 野地板 | 増し張りか交換か、使用する板材の種類と厚み |
| 既存屋根材の処分方法 | 適切な廃棄処理が含まれているか |
| 保証内容 | 保証期間と保証範囲が明記されているか |
| 工期 | 着工から完成までの予定日数 |
見積もり内容に「一式」という表現が多用されている場合は、詳細な内訳を求めましょう。
誠実な業者であれば、詳細を説明してくれるはずです。
また、追加費用が発生する可能性についても事前に確認しておくと安心です。
屋根の葺き替えに関するよくある質問【FAQ】
屋根の葺き替えを検討する際は、「費用はどれくらいかかるのか」「工事期間はどのくらい必要か」など、さまざまな疑問が出てきます。
ここでは、屋根の葺き替えに関するよくある質問をまとめて解説します。
Q
屋根の葺き替えにかかる費用相場はいくらぐらい?
A
30坪程度の一般的な戸建て住宅の場合、屋根葺き替え工事の費用相場は100万円~200万円程度です。
この金額には足場設置費、既存屋根材の撤去・処分費、下地補修費、新規屋根材の施工費などが含まれます。
ただし、既存屋根材の種類(瓦・スレート・金属)や新規に採用する屋根材、屋根の形状や勾配、下地の劣化状況によって費用は変動します。
例えば、重い瓦屋根の撤去は処分費が高くなり、アスベストを含むスレートの場合は適切な処理費用が加算されます。
正確な費用を知るには、信頼できる業者に現地調査を依頼し、詳細な見積もりを取得することをおすすめします。
Q
屋根はスレートとガルバリウムのどちらがいいですか?
A
スレートとガルバリウム鋼板にはそれぞれ特徴があり、どちらが良いかはお客様の優先事項によって異なります。
| 項目 | スレート屋根 | ガルバリウム鋼板 |
|---|---|---|
| 初期費用の目安 | 1㎡あたり約4,500円~6,500円 | 1㎡あたり約6,000円~8,000円 |
| 施工性 | 施工しやすい 工期が比較的短い | 専用施工が必要 施工精度が高い |
| 耐用年数 | 約20~30年 | 約25~35年 |
| メンテナンス | 10~15年ごとに塗装が必要 | 錆びにくく、塗装はほぼ不要 |
| 重量 | 比較的重い | 軽量で建物への負担が少ない |
| 耐震性 | 標準的 | 軽量なため耐震性に優れる |
長期的なコストパフォーマンスを重視する場合や、メンテナンスの手間を減らしたい場合はガルバリウム鋼板、初期費用を抑えたい場合はスレートがおすすめです。
Q
屋根の葺き替えは何年ごとに行いますか?
A
屋根の葺き替え時期は使用されている屋根材によって大きく異なります。
| 屋根材の種類 | 耐用年数の目安 |
|---|---|
| 日本瓦(陶器瓦) | 約50~100年 |
| セメント瓦 | 約30~40年 |
| スレート(アスベスト含有) | 約30~35年 |
| スレート(アスベスト無し) | 約20~30年 |
| ガルバリウム鋼板 | 約25~35年 |
| トタン | 約10~20年 |
ただし、これらはあくまで目安であり、実際の葺き替え時期は定期的なメンテナンスの実施状況や立地環境(海沿い、積雪地域など)によって変動します。
一般的には、築30年を超えた住宅では下地の劣化も進んでいる可能性が高いため、葺き替え工事を検討する時期と言えます。
雨漏りが発生している場合や、屋根材の破損が広範囲に及んでいる場合は、耐用年数に関わらず早急な葺き替えが必要です。
Q
屋根葺き替えとカバー工法はどちらを選ぶべきですか?
A
屋根の状態と今後のライフプランによって選択が異なります。
| 項目 | 葺き替え工事 | カバー工法 |
|---|---|---|
| 工事内容 | 既存屋根材を撤去し、 下地から新しく施工 | 既存屋根の上に 新しい屋根材を重ねる |
| おすすめのケース | 雨漏りがある 築30年以上 下地劣化の可能性がある | 雨漏りなし 築20年以内 下地に問題がない |
| 費用相場 | 約100万~200万円 | 約80万~150万円 |
| 工期 | やや長い | 比較的短い |
| 下地確認 | 可能 (補修・交換ができる) | 不可 |
| 耐震性 | 屋根が軽くなり向上しやすい | 屋根が重くなりやや低下 |
| 適用できる屋根材 | すべての屋根材に対応可能 | スレート・金属屋根のみ (瓦屋根は不可) |
| 長期的な安心感 | 高い | 中程度 |
葺き替え工事は費用こそ高めですが、下地の状態を直接確認・補修できるため、屋根全体の寿命を大きく延ばせる点が最大のメリットです。
雨漏りが発生している場合や築年数が長い住宅では、根本的な解決につながります。
一方、カバー工法は費用と工期を抑えられる反面、下地の状態を確認できず、屋根重量が増す点に注意が必要です。
条件が合えば有効な選択肢ですが、長期的な安心を重視する場合は葺き替え工事が適しているといえます。
Q
屋根葺き替え工事の期間はどのくらいかかりますか?
A
30坪程度の一般的な戸建て住宅の場合、屋根葺き替え工事は7~10日程度が標準的な工期です。
- 足場設置:1日
- 既存屋根材の撤去:1~2日
- 下地の補修:1~2日
- 防水シートの施工:1日
- 新規屋根材の施工:2~3日
- 板金部材の取り付け:1日
- 清掃・足場解体:1日
ただし、屋根の面積が大きい場合や形状が複雑な場合、下地の劣化がひどく補修範囲が広い場合は、さらに時間がかかる可能性があります。
また、雨天時は作業ができないため、梅雨時期や台風シーズンは工期が延びる傾向にあります。
工事期間中は騒音や振動が発生するため、在宅勤務の方やペットを飼っている方は、事前に施工業者と相談し、スケジュールを調整することをおすすめします。
まとめ
屋根葺き替え工事は、住まいの寿命を大きく延ばし、家族の安全を守るための重要な投資です。
本記事でご紹介したように、費用相場は30坪で100万円~200万円程度ですが、2026年の補助金制度を活用することで負担を軽減できる可能性があります。
葺き替えの適切な時期は屋根材の種類によって異なりますが、築30年以上の住宅や雨漏りが発生している場合は、早急な検討をおすすめします。
屋根材の選択では、耐久性とメンテナンス性に優れたガルバリウム鋼板やSGL鋼板が人気です。
また、2025年の建築基準法改正により、野地板の交換を伴う工事では確認申請が必要になる可能性があるため、施工前に確認しましょう。
業者選びでは、建設業許可や施工実績、保証内容を確認し、相見積もりで工事内容を詳しく比較することが成功の鍵です。


