2023.10.13
外壁材の種類やおすすめの選び方や費用を解説!外壁の重要性やチェックポイントも紹介
住宅の耐久性と美観を左右する外壁材の種類は、窯業系サイディングやALC、モルタルなど、多岐にわたります。近年特に人気が高いサイディングは、豊富なデザインと優れたコストパフォーマンスが特徴で、定期的な塗装によって長期間の維持が可能です。
しかし、それぞれの外壁材にはメリットとデメリットがあり、気候条件や予算に応じた適切な選び方が重要です。
そこで本記事では、代表的な外壁の種類とその特徴から、実際の施工例、維持管理の方法まで、詳しく解説していきます。
外壁材の重要性
外壁材は、人が生活する建物になくてはならないものです。
外壁材の重要性、必要性を確認しておきましょう。
災害から命を守る
外壁は、雨や風、紫外線、外気などから室内環境を守っているため、外の気候に関係なく快適に過ごすことができます。
また、地震や火災などの災害から家を守る役割もあり、基本的には耐震性、耐火性のような機能が求められます。
自然災害の多い日本では、災害に強い外壁の種類が求められているのです。
熱や音を遮断する
外壁は、断熱性と遮熱性、遮音性の有無が重要です。
冷暖房の効率や使用頻度を考えると、外に面する外壁や屋根、窓の素材は重視するポイントです。
外壁の断熱性・遮熱性が低ければ、夏は暑い中、冬は凍えるような寒さの中で過ごさなければなりません。
また、外壁には外部の騒音を遮断する遮音性があり、気兼ねなく静かに過ごすことができます。
外壁のおかげで、室内環境は暑さ、寒さ、騒音から守られているのです。
外観にデザイン性をプラス
外壁は屋根よりも目に入りやすく、建物の印象に影響する大切な要素といえます。
外壁材の種類によって外壁のデザイン雰囲気が大きく変わるため、理想の住まいに合った外壁材を選ぶことが大切です。
日本で使用される主な外壁の種類
外壁の種類は豊富で、それぞれ特徴が異なります。
そこで、特に日本の建物で採用されることが多い外壁材を紹介します。
主な外壁材の種類|窯業系サイディング
窯業系サイディングは、外壁材のなかで最もポピュラーなタイプで、工期が短く低コストな点が魅力です。
セメントに補強材として繊維を混ぜて型に入れ、高温で焼いて造られています。
成型や着色が容易なためバリエーションが豊富で、色やデザインの選択肢が多いのがメリットです。
外壁材自体のメンテナンスは7~10年ごとが一般的ですが、窯業系サイディングの目地に使用するコーキング材は劣化しやすく、約5~10年ごとにメンテナンスが必要になるでしょう。
主な外壁材の種類|モルタル外壁
モルタル外壁は、砂、セメント、水、砂利などを混ぜて作ったモルタルを塗り、左官仕上げや砂吹き付け、塗料吹き付けなどで仕上げた外壁です。
職人が現場で仕上げるため継ぎ目がなく、意匠性の高い外壁材として多くの建物に採用されています。
平滑に仕上げる左官仕上げ、独特の雰囲気を出す塗り残し仕上げ、質感や色味を出す吹き付け仕上げなど、仕上げのバリエーションも豊富です。
無機質な素材を使うため、難燃性が高いのもメリットだといえるでしょう。
デメリットは、職人の手作業で施工するため工期が長く人件費がかかることです。
また、ひび割れや剥がれが発生する可能性があるため5~10年ごとのメンテナンスをしなければなりません。
主な外壁材の種類|金属サイディング
金属サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミ合金、ステンレス鋼板などの芯材に断熱材を張り合わせた外壁材です。
窯業系サイディングと同様に工期が短く、豊富なデザインバリエーションから選べます。
軽量で防水性が高く、金属製のため割れにくいことがメリットです。
また、耐久性に優れた素材を使用しているため、メンテナンスサイクルが10~15年と長いことが特徴として挙げられます。
デメリットは、素材にもよりますが初期費用がやや高いことと、海岸近くに住んでいる場合、塩害、赤錆、白錆などが発生する可能性があることです。
なお、サイディング自体のメンテナンスサイクルは長いですが、目地部分のコーキングの早期劣化に注意しましょう。
主な外壁材の種類|ALC外壁
軽量気泡コンクリートであるALC外壁は、ケイ酸、石灰、発泡剤としてのアルミ粉末を原料とし、無数の微細な穴が空いた多孔質であるため、軽量な外壁材です。
種類が多くデザインのバリエーションも豊富で、耐火性、断熱性、耐久性にも優れています。
デメリットは、初期費用がかかること、コーキング材を使用するため、目地部分の定期的なメンテナンスが必要なことです。
さらに、メンテナンスをしないと内部から崩壊する危険性があることもデメリットとして挙げられます。
その他の外壁材
その他の外壁材には、タイル、木質サイディング、樹脂サイディングなどがあります。
タイルは硬度が高いため傷みにくく、水をあまり受けないため雨の影響を受けにくい耐久性の高い外壁材です。
ただし、初期費用は高い傾向があります。
木質サイディングは、木独特の風合いや温かみが魅力的な外壁材ですが、木材が高価で、こまめなメンテナンスが必要なのがデメリットです。
木製のデザインは日本家屋に合わせやすく、デザイン性の高い外壁を重視する方に適しているでしょう。
樹脂系サイディングは、価格が高い割に耐久性が高く、メンテナンスサイクルが長いというメリットがあります。
ただし、現在販売店が少なく、他のサイディングに比べてカラーバリエーションが少ないことがデメリットです。
外壁材の劣化症状と見分け方|塗り替えや張り替えのサインとは
外壁材は日々、雨風や紫外線にさらされており、時間の経過とともに必ず劣化が進行します。劣化を放置すると、防水性や断熱性が失われ、建物全体の寿命にも悪影響を与えるため、早期発見・早期対処が重要です。
ここでは、代表的な外壁材の劣化症状と、塗り替えや張り替えが必要となるサインを具体的に解説します。
チョーキング(白亜化)
外壁を手でこすったときに白い粉が付着する現象です。塗膜の樹脂成分が分解され、防水性や保護機能が低下しているサインです。外壁塗装を検討する目安となります。
クラック(ひび割れ)
髪の毛ほどの細いヒビ(ヘアークラック)から、下地まで到達する構造クラックまで様々です。水の浸入による躯体劣化や雨漏りの原因になるため、ひび割れの大きさに応じて補修・再塗装・張り替えが必要です。
塗膜のはがれ・膨れ
塗膜が剥がれたり、気泡のように膨れたりしている状態は、塗装層が外壁材に密着していない状態です。放置すると水の浸入経路になり、下地劣化につながります。
変色・色あせ
日射や雨によって外壁の色が薄くなっていたら、塗膜が紫外線に負けている証拠です。機能性塗料の場合、その性能も落ちている可能性があるため再塗装のタイミングです。
カビ・苔・藻の発生
北側や風通しの悪い場所に多く見られる症状です。表面だけでなく内部の湿気トラブルが進行していることもあるため、洗浄や防カビ塗料の塗り替えを検討する必要があります。
シーリングの割れ・剥離
サイディング外壁の場合、パネル間の目地に使われているシーリング材の劣化も重要なチェックポイントです。硬化・破断がある場合、打ち替え工事と同時に外壁塗装や張り替えが推奨されます。
劣化症状は外壁材の種類によっても異なるため、素材に適した対処法を選ぶことが大切です。劣化に気づいたら、まずは専門業者に調査を依頼し、塗り替え・張り替えどちらが適しているかを判断してもらいましょう。
外壁の種類ごとの費用相場
外壁の種類ごとの、費用相場を紹介します。以下に外壁の素材ごとの費用相場を表で紹介します
窯業系サイディング | 3,500~5,000円/㎡ |
金属系サイディング | 4,000~6,000円/㎡ |
モルタル | 1,500~4,000円/㎡ |
タイル | 7,000~9,000円/㎡ |
ALC | 7,000~15,000円/㎡ |
外壁の種類によって、安いものと高いもので1㎡あたり10,000円程度の差があります。
機能性や特徴だけではなく、予算に合うものを選びましょう。
外壁の種類を選ぶポイントについて
外壁の種類は豊富で、決められない、判断基準がわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、外壁の種類を選ぶためのステップ、外壁材を選ぶ際のポイントを紹介します。
優先したいことを明確にする
外壁材を選ぶ際には、優先順位をつけることが大切です。
外壁材には複数の種類があるため、どの素材にするか迷うでしょう。
そのため、優先順位をつけて外壁材を決めることが必要です。
例えば、色や柄にこだわりがある場合は、デザイン性に富んだ外壁材を選ぶか、業者に探してもらうと良いでしょう。
コストを抑えたいのであれば、外壁材によってメンテナンス費用が異なる点を理解し、初期費用を抑えたいのか、長期的にコストを抑えたいのかを決めます。
予算に合わせて選ぶ
外壁材は、種類によって価格が異なることもあるため、予算に合うものを選ぶことが大切です。
しかし、安すぎる外壁材(トタン壁など)には注意しましょう。
安すぎる外壁材は、外壁材自体に防火性能がなかったり、施工会社が手抜きで施工段階で基礎の補修をしていなかったりするケースがあります。
そのため、外壁材のコスト相場を把握し、予算内で標準的な価格帯の外壁材を選びましょう。
汚れが目立ちにくい素材や色から選ぶ
外壁材は、新築時はきれいでも、経年劣化で汚れが目立つことがあります。
素材や色によって、汚れがつきやすく目立ちやすい素材があるためです。
一般的に汚れが目立ちやすい色は白、黒、赤、青汚れが目立ちにくい色は灰色、茶色、緑です。
外壁材では、モルタルが汚れは目立ちやすいといわれています。
汚れが目立ちにくい外壁材を選ぶなら、モルタルは避け、汚れが目立ちにくい色を選びましょう。
メンテナンスの頻度
外壁の耐久性や寿命は、メンテナンスの有無によって大きく左右されます。
なお、メンテナンスフリーの外壁材はありません。
メンテナンスが少なくて済む外壁材は、価格も高い傾向があります。
そのため、優先順位や予算にあわせて外壁材の機能性を選びましょう。
外壁材別の外壁塗装を行う際の注意点
外壁塗装を行う際は、使用されている外壁材に適した塗料や施工方法を選ぶことが重要です。外壁材の種類によって、塗装の効果や耐久性が異なるため、それぞれの特性を理解し、適切な対策を講じる必要があります。
1. サイディング外壁の塗装時の注意点
- 主に窯業系(セメントと繊維を混ぜたもの)と金属系(ガルバリウム鋼板など)がある。
- 比較的耐久性が高いが、シーリング(コーキング)の劣化に注意が必要。
注意点
シーリングの補修を先に行う(塗装前に劣化した目地を補修しないと、防水性能が低下する)
通気性のある塗料を選ぶ(防水性が高すぎる塗料を使うと、内部結露の原因になる)
クリア塗装は劣化が進むと不可(チョーキング現象が発生しているとクリア塗装はできない)
2. モルタル外壁の塗装時の注意点
- セメントと砂、水を混ぜて施工された外壁で、主にリシン・スタッコ・吹き付けタイル仕上げがある。
- ひび割れが発生しやすいため、クラック補修が重要。
注意点
ひび割れ(クラック)の補修を徹底する(ヘアクラックならシーリング、構造クラックならエポキシ樹脂注入が必要)
弾性塗料を使用する(伸縮性のある塗料を使うことで、外壁塗装のひび割れが起こるのを防ぐ)
水を吸いやすいので防水性を強化する(適切な下塗りを行い、防水性能を確保する)
3. コンクリート外壁の塗装時の注意点
- 耐久性が高いが、雨水の影響で中性化しやすく、鉄筋の劣化につながる。
- 表面に汚れが付着しやすい。
注意点
中性化対策を行う(高耐久のシリコンやフッ素塗料で保護する)
防水塗装を強化する(雨水の侵入を防ぐ塗料を選び、コンクリート内部の鉄筋を守る)
下塗りを適切に行う(コンクリートは吸水性が高いため、シーラーで密着性を向上させる)
4. 金属外壁(ガルバリウム鋼板・アルミ・トタン)の塗装時の注意点
- 軽量で耐久性が高いが、サビや塗膜の剥がれに注意が必要。
注意点
ケレン作業(サビ落とし)を徹底する(サビが残ったまま塗装すると、すぐに剥がれる)
金属専用の下塗りを使用する(サビ止め効果のあるプライマーを使用する)
熱を反射する塗料を選ぶ(遮熱塗料を使うことで、室内温度の上昇を抑えられる)
5. 木材外壁の塗装時の注意点
- 自然素材で風合いが良いが、水分を吸収しやすく、塗膜が剥がれやすい。
注意点
防腐・防カビ対策を徹底する(木材専用の防腐塗料を使用)
塗料の吸い込みムラに注意(木材は吸水性が高いため、シーラーをしっかり塗る)
紫外線対策を行う(UVカット効果のある塗料で劣化を防ぐ)
外壁材ごとの適切な塗料の選び方
外壁材 | 適した塗料 | 注意点 |
---|---|---|
サイディング | シリコン・フッ素・クリア塗装 | シーリング補修必須 |
モルタル | 弾性塗料(シリコン・ウレタン) | ひび割れ補修を行う |
コンクリート | シリコン・フッ素・防水塗料 | 下塗り(シーラー)を重視 |
金属(トタン・ガルバリウム) | 金属用塗料・遮熱塗料 | サビ止めを徹底 |
木材 | 防腐塗料・UVカット塗料 | 防水・防虫対策を行う |
外壁塗装を行う際は、外壁材の特性に合った塗料を選び、適切な施工を行うことが重要です。サイディングやモルタル、コンクリートなど、それぞれの外壁材に適した補修・塗装を行い、長持ちさせるための対策を講じましょう。
外壁の種類ごとの特徴を理解して選ぼう
外壁材にはたくさんの種類があり、それぞれ特徴が異なるため選ぶことは難しいと感じる方が多いです。
安い外壁材を選択すると、メンテナンス頻度が高くなったり、想定以上に費用がかかったりすることもあります。
そのため、見た目や初期費用のほか、各外壁材の機能性やメンテナンスのしやすさなども考慮して選ぶことが大切です。
自分で決められない方、建物に適した外壁材を知りたい方は、外壁塗装業者に相談し、適した外壁材を提案してもらいましょう。
大規模修繕工事・防水工事・外壁塗装・外壁補修参引用、参考サイト
国土交通省
特定非営利活動法人集合住宅管理組合センター
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会
一般社団協会マンション管理業協会
一般社団法人日本防水協会
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一般社団法人 マンション大規模修繕協議会
日本ウレタン建材工業会
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