外壁材の種類・特徴を解説|人気の素材から価格・選び方・見分け方までご紹介
2023/10/13
マンションやビルの大規模修繕を検討する際、「外壁材にはどんな種類があるのだろう」「それぞれの違いや特徴を知りたい」と悩まれる方は少なくありません。
外壁材は建物の外観を決めるだけでなく、防水性や耐久性、メンテナンス費用にも大きく影響する重要な要素です。
外壁材の種類は大きく分けて7種類あり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
この記事では、窯業系サイディング、金属系サイディング、樹脂系サイディング、木質系サイディング、モルタル、タイル、ALCという7つの外壁材について、価格相場や耐用年数、メンテナンス周期まで解説しております。
私たち株式会社新東亜工業は、長年にわたり数多くのマンション・ビルの外壁工事に携わってきました。
この記事では、現場で培った実践的な知識をもとに、外壁材選びで後悔しないための情報を分かりやすくお伝えします。
修繕計画の担当者様や建物オーナー様が、自信を持って意思決定できるようサポートいたします。
「外壁塗装とは?」と基本的な流れや外壁塗装の費用相場、業者選びのポイントなどについて総合的なことを知りたい方は解説記事もぜひ一読ください。
目次
外壁材の7種類の特徴
外壁材を選ぶ第一歩は、どのような種類があるのかを正しく理解することです。
現在、日本の建築物で使用されている外壁材は、大きく7つに分類されます。
| 外壁材の種類 | 主な特徴 | メリット | デメリット | メンテナンス周期 |
|---|---|---|---|---|
| 窯業系サイディング | ・国内シェア70% ・デザイン豊富 | ・価格が手頃 ・デザイン多彩 ・施工性良好 | ・防水性なし ・メンテ頻度高 | 7~10年 |
| 金属系サイディング | ・軽量で耐震性高い | ・非常に軽量 ・断熱性高い ・錆びにくい | ・傷つきやすい ・初期費用やや高 | 10~15年 |
| 樹脂系サイディング | ・メンテナンスフリーに近い | ・再塗装不要 ・軽量 ・耐候性高 | ・耐火性低い ・施工業者少 ・デザイン限定 | 10~20年 |
| 木質系サイディング | ・自然な風合い | ・温もりある質感 ・断熱性良好 ・意匠性高い | ・水に弱い ・メンテ頻度高 ・コスト高 | 5~10年 |
| モルタル | ・デザイン自由度が高い | ・継ぎ目なし ・デザイン自由 ・耐火性高 | ・ひび割れ発生 ・職人技術依存 | 8~10年 |
| タイル | ・高級感と耐久性 | ・超高耐久 ・メンテ少ない ・高級感あり | ・初期費用高額 ・浮き剥がれリスク | 15~20年 |
| ALC | ・断熱・遮音・耐火性 | ・断熱性優秀 ・遮音性高い ・超長寿命 | ・防水性なし ・コーキング劣化 | 10~15年 |
窯業系サイディング|国内シェア70%の人気外壁材

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主原料 | セメント、繊維質 |
| 価格相場 | 3,500~5,000円/㎡ |
| 耐用年数 | 20~30年 |
| メンテナンス周期 | 7~10年ごとの塗り替え |
| 重量 | 標準的 |
| 国内シェア | 約70% |
窯業系(ようぎょうけい)サイディングは、セメントと繊維質を主原料とし、高温・高圧で板状に成形した外壁材です。
現在、日本の住宅やマンションの約70%で採用されており、最も高いシェアを誇ります。
この外壁材の最大の魅力は、デザインバリエーションの豊富さです。
レンガ調、タイル調、石材調、木目調など、さまざまな質感や色柄を選べるため、建物のイメージに合わせた外観づくりが可能です。
工場で製造されるため品質が安定しており、施工期間も比較的短く済みます。
窯業系サイディングには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 初期費用が比較的安価でコストパフォーマンスに優れる
- デザインや色柄のバリエーションが非常に豊富
- 工場生産のため品質が安定している
- 施工が比較的容易で工期が短い
- 防火性に優れている
- 施工できる業者が多く選択肢が広い
- サイディング自体に防水性がなく表面塗装が必須
- 7~10年ごとに塗り替えメンテナンスが必要
- 塗膜が劣化すると雨水が浸入し変形や反りが発生
- シーリングの劣化にも注意が必要
- 蓄熱性が高く夏場は室内が暑くなりやすい
コストパフォーマンスとデザイン性のバランスが良く、初めて外壁材を選ぶ方にもおすすめできる選択肢です。
金属系サイディング(ガルバリウム)|軽量で耐震性に優れる

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主原料 | ガルバリウム鋼板、アルミニウム合金など |
| 価格相場 | 4,000~6,000円/㎡ |
| 耐用年数 | 25~35年 |
| メンテナンス周期 | 10~15年ごと |
| 重量 | 非常に軽い(窯業系の約1/4) |
| 断熱性 | 高い(窯業系の約5倍) |
金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミニウム合金などの金属板に断熱材を裏打ちした外壁材です。
特にガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛のメッキ層により、優れた耐食性を発揮します。
この外壁材の特筆すべき点は、その軽量性です。
窯業系サイディングの約4分の1、モルタル外壁の約10分の1という軽さは、建物への負担を大幅に軽減し、耐震性の向上に貢献します。
金属系サイディングには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 非常に軽量で建物への負担が少なく耐震性が高い
- 断熱性が窯業系サイディングの約5倍と優秀
- 錆びにくく耐久性に優れる
- 凍害に強く寒冷地でも使用可能
- カバー工法(重ね張り)に最適
- 防水性が高く雨水の浸入リスクが低い
- 薄い金属板のため衝撃に弱く凹みや傷がつきやすい
- 初期費用が窯業系サイディングよりやや高い
- 海岸沿いでは塩害により錆びるリスクがある
- デザインのバリエーションが窯業系より少ない
- 遮音性が低く雨音が響きやすい
既存の外壁に重ね張りする「カバー工法」にも適しており、改修工事でよく採用される外壁材です。
樹脂系サイディング|メンテナンスフリーの次世代外壁材

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主原料 | 塩化ビニル樹脂 |
| 価格相場 | 7,000~10,000円/㎡ |
| 耐用年数 | 30~50年 |
| メンテナンス周期 | 10~20年ごと(主に点検) |
| 重量 | 非常に軽い(窯業系の約1/10) |
| 北米シェア | 約50% |
樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を主原料とした外壁材で、北米では約50%のシェアを占める一般的な素材です。
日本国内での普及率はまだ低いものの、その優れた性能から注目を集めています。
この外壁材の最大の特徴は、顔料が樹脂に練り込まれているため、基本的に再塗装が不要という点です。
表面に塗装を施していないため、塗膜の剥がれや色褪せが起きにくく、メンテナンスの手間とコストを大幅に削減できます。
樹脂系サイディングには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 顔料練り込みのため基本的に再塗装が不要
- シーリング不要の施工方法でメンテナンスフリーに近い
- 非常に軽量で耐震性に優れる
- 耐候性・耐久性が高く劣化しにくい
- 凍害や酸性雨に強くひび割れしにくい
- 長期的なメンテナンスコストが大幅に削減できる
- 耐火性能が低く防火地域では使用制限がある
- デザインや色のバリエーションが少ない
- 施工できる業者が限られている
- 初期費用が高額
- 日本国内での普及率が低く実績が少ない
初期費用は高めですが、長期的なメンテナンスコストを抑えたい方に適した外壁材です。
木質系サイディング|自然の温もりを感じる外壁材

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主原料 | 天然木、木材 |
| 価格相場 | 6,000~8,000円/㎡ |
| 耐用年数 | 10~15年 |
| メンテナンス周期 | 5~10年ごと |
| 重量 | 軽い |
| 断熱性 | 優れている |
木質系サイディングは、天然木や木材を加工した板材に塗装を施した外壁材です。
木の自然な風合いと温もりが魅力で、ナチュラルなデザインを好む方に人気があります。
木材特有の断熱性と調湿性により、夏は涼しく冬は暖かい環境づくりに貢献します。
木目の美しさや質感は、他の外壁材では再現できない独特の雰囲気を生み出します。
木質系サイディングには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 天然木ならではの自然な風合いと温もり
- 木材特有の高い断熱性と調湿性
- 木目の美しさで他では出せない意匠性
- 環境に優しい天然素材
- 冬は暖かく夏は涼しい快適な室内環境
- 木材のため水分に弱く腐食しやすい
- メンテナンス頻度が高く手間がかかる
- 耐用年数が短く10~15年程度
- 初期費用・メンテナンス費用ともに割高
- 防火地域・準防火地域では使用制限がある
- 施工できる業者が限られている
コストと手間はかかりますが、木の風合いにこだわりたい方には唯一無二の選択肢となります。
モルタル|デザインの自由度が高い塗り壁

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主原料 | セメント、砂、水 |
| 価格相場 | 4,000~6,000円/㎡ |
| 耐用年数 | 30年以上(モルタル自体) |
| メンテナンス周期 | 8~10年ごとの塗り替え |
| 仕上げ方法 | リシン、スタッコ、吹付けタイルなど |
| 国内シェア | 約13% |
モルタルは、セメント・砂・水を混ぜ合わせた素材を、現場で壁に塗り付けて仕上げる外壁材です。
1990年代まで日本の住宅で主流だった工法で、現在でも約13%のシェアを保っています。
モルタルの最大の魅力は、デザインの自由度の高さです。
継ぎ目がないため、どんな形状の建物にも対応でき、波模様や型押しなど、職人の技術による多彩な表現が可能です。
モルタルには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 継ぎ目がなく一体感のある美しい仕上がり
- デザインの自由度が高くオリジナリティを出せる
- シーリング材を使用しないため劣化の心配がない
- 耐火性に優れている
- 曲面や複雑な形状にも対応可能
- 職人技による独特の風合いが魅力
- モルタル自体に防水性がなく表面塗装が必須
- ひび割れが発生しやすい
- ひび割れを放置すると雨水浸入で構造部が腐食
- 汚れが目立ちやすい
- 施工品質が職人の技術に大きく左右される
- 左官工事のため施工費用が割高になる傾向
職人の技術に品質が左右されるため、経験豊富な業者選びが重要です。
タイル|高級感と耐久性を兼ね備えた外壁材

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主原料 | 粘土、石 |
| 価格相場 | 9,000~15,000円/㎡ |
| 耐用年数 | 40~60年 |
| メンテナンス周期 | 15~20年ごと(目地補修中心) |
| 重量 | やや重い |
| 吸水率 | 非常に低い |
タイルは、粘土や石を高温で焼き固めた陶器製の外壁材です。
薄い板状のタイルを壁に張り付けて仕上げる工法で、高級マンションや商業ビルでよく採用されています。
タイルの最大の強みは、圧倒的な耐久性です。硬く傷がつきにくく、紫外線による変色や褪色もほとんど起こりません。
経年劣化がほとんどなく、適切な施工とメンテナンスで50年以上美しさを保つことができます。
タイルには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 耐久性が非常に高く40~60年の長寿命
- 傷や摩耗に強く紫外線による変色もほとんどない
- 吸水率が低く雨の影響を受けにくい
- 汚れがつきにくくメンテナンスが少ない
- 高級感のある美しい外観
- 塗り替え不要で長期的なコストが抑えられる
- デザインバリエーションが豊富
- 初期費用が非常に高額
- 施工不良やコーキング劣化でタイルの浮き・剥がれリスク
- 剥落すると危険性が高い
- 定期的な点検と補修が必須
- 施工に高度な技術が必要
- 重量があるため建物への負荷がやや大きい
初期投資は必要ですが、長期的な視点で建物の価値を保ちたい方に最適な外壁材です。
ALC(軽量気泡コンクリート)|断熱・遮音性に優れる外壁材

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主原料 | ケイ酸質、石灰質、アルミニウム粉末 |
| 価格相場 | 7,000~10,000円/㎡ |
| 耐用年数 | 60年以上 |
| メンテナンス周期 | 10~15年ごと(塗装・シーリング補修) |
| 重量 | 軽い(一般コンクリートの約1/4) |
| 構造 | 多孔質(気泡を含む) |
ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)は、ケイ酸質・石灰質・アルミニウム粉末を主原料とし、高温高圧で蒸気養生された軽量気泡コンクリートパネルです。
内部に無数の気泡を含む多孔質構造が特徴です。
ALCの強みは、優れた断熱性・遮音性・耐火性です。
内部の気泡が空気層を作り、熱の伝わりを抑制するため、室温を一定に保ちやすく、冷暖房効率の向上に貢献します。
ALCには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- 断熱性が非常に高く省エネ効果が期待できる
- 遮音性に優れ外部の騒音を軽減
- 不燃材料で耐火性が高い
- 軽量で建物への負荷が少なく耐震性が高い
- 耐用年数が60年以上と非常に長い
- 加工性が良く施工しやすい
- 多孔質のため吸水性が高く防水性がほとんどない
- 表面塗装による保護が必須
- 塗装が劣化すると内部から劣化が進行
- シーリングの劣化にも注意が必要
- 初期費用がやや高め
- ひび割れや欠けが発生すると劣化が加速
断熱性や遮音性を重視したい建物に適した外壁材です。
外壁材の価格・耐用年数・メンテナンス一覧表
7種類の外壁材それぞれの特徴を理解したら、次は比較検討のステップです。
ここでは、価格や耐久性、メンテナンス性を一覧表でまとめ、実務的な判断材料を提供します。
外壁材7種類の特徴比較表
外壁材選びでは、複数の要素を総合的に判断する必要があります。
以下の比較表で、各外壁材の主な特徴を一目で確認できます。
| 外壁材の種類 | 単価(1㎡あたり) | 耐用年数 | メンテナンス周期 |
|---|---|---|---|
| 窯業系サイディング | 3,500~5,000円 | 20~30年 | 7~10年 |
| 金属系サイディング | 4,000~6,000円 | 25~35年 | 10~15年 |
| 樹脂系サイディング | 7,000~10,000円 | 30~50年 | 10~20年 |
| 木質系サイディング | 6,000~8,000円 | 10~15年 | 5~10年 |
| モルタル | 4,000~6,000円 | 30年以上 | 8~10年 |
| タイル | 9,000~15,000円 | 40~60年 | 15~20年 |
| ALC | 7,000~10,000円 | 60年以上 | 10~15年 |
この表からも分かるように、価格の安さだけで選ぶと、メンテナンス頻度が高くなる傾向があります。
一方、初期費用が高い外壁材は、耐用年数が長くメンテナンス周期も長いという特徴があります。
初期費用とランニングコスト
外壁材を選ぶ際、初期費用だけでなくランニングコスト(維持管理費用)まで含めたトータルコストで考えることが重要です。
30坪の建物(外壁面積約150㎡)で、30年間使用した場合のコスト試算例をご紹介します。
| 外壁材の種類 | 初期費用の目安 |
|---|---|
| 窯業系サイディング | 約53万~75万円 |
| 金属系サイディング | 約60万~90万円 |
| モルタル | 約60万~90万円 |
| 木質系サイディング | 約90万~120万円 |
| ALC | 約105万~150万円 |
| 樹脂系サイディング | 約105万~150万円 |
| タイル | 約135万~225万円 |
初期費用では窯業系サイディングが最も安価ですが、7~10年ごとに塗り替えが必要です。
1回の塗装費用を約100万円とすると、30年間で3回の塗り替えが必要となり、メンテナンス費用は約300万円になります。
一方、タイルは初期費用が最も高額ですが、30年間でのメンテナンスは目地補修程度で済むことが多く、費用は約50万~80万円程度です。
長期的に見ると、初期費用の差が縮まるケースもあります。
30年間のトータルコスト試算(概算)
| 外壁材の種類 | 初期費用 | メンテナンス費用(30年) | トータルコスト |
|---|---|---|---|
| 窯業系サイディング | 約75万円 | 約300万円 | 約375万円 |
| タイル | 約225万円 | 約80万円 | 約305万円 |
| 樹脂系サイディング | 約150万円 | 約100万円 | 約250万円 |
※ 初期費用だけでなく、長期的なメンテナンスコストを含めて比較することが重要です。
このように、長期的な視点で見ると、初期費用が高い外壁材の方がトータルコストでは有利になる場合もあります。
修繕計画を立てる際は、建物の使用予定期間や予算配分を考慮し、総合的に判断することが大切です。
「外壁塗装 種類」については、別記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。
外壁材の選び方|目的別のおすすめと判断基準
外壁材の種類と特徴を理解したら、次は「何を優先するか」を明確にしましょう。
目的に応じた選び方を知ることで、最適な外壁材を絞り込むことができます。
価格重視で選ぶなら|窯業系サイディング・モルタル
初期費用を抑えたい場合、窯業系サイディングとモルタルが有力な選択肢です。
窯業系サイディングは材料費・施工費ともに比較的安価で、デザインも豊富なため、コストパフォーマンスに優れています。
工期も短く、工事費用の削減にもつながります。
モルタルも材料費は安価ですが、職人による手作業のため、施工費は業者によって変動します。
ただし、継ぎ目がなく、シーリング補修が不要という点はメンテナンスコストの削減に寄与します。
価格重視で選ぶ際の注意点は、メンテナンス費用を見込んだ予算計画を立てることです。
初期費用が安い外壁材は、7~10年ごとに塗り替えが必要になります。長期修繕計画に組み込み、計画的にメンテナンス費用を積み立てておくことが重要です。
耐久性・メンテナンス性重視で選ぶなら|タイル・樹脂系サイディング
メンテナンスの手間と費用を抑えたい場合、タイルと樹脂系サイディングが最適です。
タイルは耐久性が非常に高く、40~60年という長い耐用年数を持ちます。
塗り替えも基本的に不要で、メンテナンスは目地の点検・補修が中心となります。
樹脂系サイディングも再塗装が不要で、シーリング補修も必要ありません。
メンテナンスフリーに近い外壁材として、長期的なランニングコストを大幅に削減できます。
特に管理組合の負担を減らしたいマンションでは、検討する価値が高い選択肢です。
これらの外壁材は初期費用が高額ですが、ライフサイクルコスト(建物の生涯にわたる総費用)で考えると、非常に経済的です。
建物を長期間保有する予定がある場合や、将来的な資産価値を重視する場合におすすめです。
デザイン性重視で選ぶなら|モルタル・窯業系サイディング
建物の外観デザインにこだわりたい場合、モルタルと窯業系サイディングが優れた選択肢です。
モルタルは現場で職人が塗り仕上げるため、デザインの自由度が非常に高く、オリジナリティのある外観を実現できます。
波模様、櫛引き模様、型押しなど、多彩な表現が可能です。
窯業系サイディングは、レンガ調、タイル調、石材調、木目調など、非常に豊富なデザインバリエーションから選べます。
天然素材の質感を再現した製品も多く、高級感のある外観を比較的手頃な価格で実現できます。
複数の柄を組み合わせることで、個性的なデザインも可能です。
デザイン重視で選ぶ際は、周辺環境との調和や経年変化による美観の保ち方も考慮しましょう。
定期的なメンテナンスで美しさを維持することが、建物の価値を守ることにつながります。
外壁のデザインについてもっと詳しく知りたい方は、「外壁塗装 色」や「外壁塗装 おしゃれ」「外壁塗装 ツートンカラー」の記事もぜひ参考にしてください。
耐震性重視で選ぶなら|金属系サイディング・ALC
地震の多い日本では、耐震性も外壁材選びの重要な要素です。
建物への負担を減らすため、軽量な外壁材が有利です。
金属系サイディングは窯業系サイディングの約4分の1の重量で、建物の揺れによる負担を大幅に軽減します。
ALCも一般的なコンクリートの4分の1という軽さで、耐震性に優れています。
さらに、割れにくい性質を持つため、地震時のダメージを受けにくいという特徴もあります。
鉄骨造の建物との相性も良く、マンションやビルで広く採用されています。
耐震性を高めるためには、外壁材の選択だけでなく、下地の状態や施工方法も重要です。
既存建物の改修では、カバー工法で軽量な金属系サイディングに変更することで、建物全体の耐震性向上が期待できます。
専門業者による建物診断を受け、総合的な耐震対策を検討することをおすすめします。
外壁材の見分け方|既存建物の外壁を判別する方法
既存のマンションやビルの大規模修繕を検討する際、まず現在の外壁材が何かを正確に把握する必要があります。
外壁材の種類によって、適切な補修方法や使用する材料が異なるためです。
外観・質感から見分ける基本ポイント
外壁材は、目視と触感である程度判別できます。
以下のポイントを参考に、お持ちの建物の外壁をチェックしてみてください。
サイディングの見分け方
| 種類 | 見た目の特徴 | 触った感触・チェック法 |
| 窯業系 | ●レンガ、石、木目など柄が豊富 ●現在、最も普及しているタイプ | ●表面はセメント質で硬い ●ザラつきがあるものが多い ●磁石はつかない |
| 金属系 | ●横長のラインやフラットな形状が多い ●スタイリッシュで現代的 | ●ツルツルして冷たい ●叩くと軽い音がする ●磁石がくっつく(アルミ製を除く) |
| 木質系 | ●天然木特有の不揃いな木目 ●ログハウスのような風合い | ●木の温かみがある ●経年変化で色が変わりやすい |
モルタル・タイル・ALCの見分け方
| 種類 | 見た目の特徴 | 触った感触・チェック法 |
| モルタル | ●継ぎ目がない一枚壁 ●職人の手仕事による模様がある | ●ザラザラ(リシン) ●ゴツゴツ(スタッコ) ●叩くとズッシリした音がする |
| タイル | ●正方形や長方形が規則的に並ぶ ●高級感と重厚感がある | ●非常に硬く、冷たい ●爪で弾くと高貴な硬い音がする |
| ALC (軽量気泡コンクリート) | ●パネルの幅が広め ●継ぎ目(シーリング)がある | ●表面に小さな気泡(穴)がある ●水に浮くほど軽量な素材感 |
正確な判別やメンテナンス時期については、必ず専門家の診断を受けてください。
「外壁塗装 時期」の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
図面・資料から確認する方法
建物の設計図書や竣工図があれば、外壁材の種類を正確に確認できます。
特に「仕上げ表」や「外部仕上げ表」には、使用されている外壁材の名称やメーカー、品番が記載されています。
購入時や建築時の資料、過去の修繕履歴なども有用な情報源です。
マンションの場合、管理組合が保管している長期修繕計画書や修繕履歴を確認することで、外壁材の情報が得られることがあります。
これらの資料は、今後のメンテナンス計画を立てる際にも重要な参考資料となります。
図面が見つからない場合や、図面の記載内容が不明確な場合は、専門業者に相談しましょう。
専門業者による診断の重要性
外壁材の種類を正確に見極めることは、適切な補修方法を選択する上で非常に重要です。
似た外観でも材質が異なる製品も多く、誤った判断をすると補修後に不具合が生じるリスクがあります。
専門業者による診断では、目視検査に加えて、打診調査(タイルやALCの浮きを確認)、赤外線調査(内部の劣化状況を把握)、サンプル採取による材質分析などが行われます。
これにより、外壁材の種類だけでなく、劣化の程度や補修の緊急度も正確に判断できます。
私たち新東亜工業では、豊富な経験を持つ技術者が、建物の外壁診断を実施しています。
外壁材の種類の特定から、劣化状況の詳細な調査、最適な補修方法のご提案まで、トータルでサポートいたします。
外壁材に関する注意点とアドバイス
外壁材選びや補修を検討する際、知っておくべき注意点と専門家としてのアドバイスをお伝えします。
これらを押さえることで、失敗のリスクを大幅に減らすことができます。
古い家の外壁材を張り替える場合の注意点
築年数が経過した建物の外壁改修では、まず既存外壁の状態を詳細に調査することが最優先です。
表面だけでなく、下地の劣化状況や構造体への影響も確認する必要があります。
雨水の浸入により、下地や構造材が腐食している場合もあるためです。
外壁改修の工法には「張り替え」と「カバー工法(重ね張り)」の2種類があります。
- 「張り替え」▶既存外壁を撤去して新しい外壁材を施工する方法
- 「カバー工法」▶既存外壁の上に新しい外壁材を重ね張りする方法
張り替えは、下地の補修も同時に行えます。費用は高額ですが、建物を根本から健全な状態に戻せます。
カバー工法は撤去費用がかからず、工期も短く済みますが、下地の劣化が進行している場合は採用できません。
また、建物の重量が増すため、軽量な金属系サイディングが適しています。
古い建物では、現在の建築基準に適合させるための補強工事が必要になる場合もあります。
特に旧耐震基準で建てられた建物では、耐震診断を受け、必要に応じて耐震補強と外壁改修を同時に行うことをおすすめします。
ホームセンターで買える外壁材と専門業者の違い
近年、ホームセンターでも外壁材が販売されており、DIYでの施工を検討される方もいらっしゃいます。
しかし、外壁工事は建物の防水性や耐久性に直結する重要な工事であり、専門的な知識と技術が必要です。
ホームセンターで販売されている外壁材は、主に小規模な補修用やDIY向けの製品です。
一部の張り替えや簡単な補修であれば対応できますが、建物全体の外壁工事には適していません。また、施工方法を誤ると、雨漏りや劣化の促進につながるリスクがあります。
専門業者に依頼する最大のメリットは、建物の状態に応じた適切な診断と確実な施工技術です。
下地処理、防水処理、シーリング施工など、目に見えない部分の品質が、外壁の耐久性を大きく左右します。
また、施工後の保証やアフターフォローも、安心して建物を維持するために重要な要素です。
外壁工事は建物を長期間保護するための投資です。確実な品質を求めるなら、実績豊富な専門業者への依頼をおすすめします。
外壁材選びで失敗しないための3つのチェックポイント
外壁材選びで後悔しないために、以下の3つのポイントを必ず確認しましょう。
- 建物の用途・立地条件を考慮する
- 予算とメンテナンス計画の整合性を確認する
- 施工実績豊富な業者を選ぶ
1.建物の用途・立地条件を考慮する
建物が置かれている環境によって、適した外壁材は異なります。
海岸に近い地域では塩害に強い材質、寒冷地では凍害に強い材質、日当たりの強い場所では紫外線に強い材質を選ぶ必要があります。
また、商業ビル、住宅、工場など、建物の用途によっても求められる性能は変わります。
2.予算とメンテナンス計画の整合性を確認する
初期費用だけでなく、長期的なメンテナンス費用まで含めた予算計画を立てましょう。
管理組合であれば、長期修繕計画との整合性を確認し、修繕積立金で対応可能かを検討します。
メンテナンス周期と費用を事前に把握することで、計画的な建物管理が可能になります。
3.施工実績豊富な業者を選ぶ
外壁工事の品質は、業者の技術力に大きく左右されます。
実績が豊富で、同種の建物での施工経験がある業者を選びましょう。
見積もり内容が明確で、施工方法や使用材料について丁寧に説明してくれる業者が信頼できます。
また、アフターフォロー体制や保証内容も重要な判断材料です。
外壁材に関するよくある質問【FAQ】
外壁材は種類によって費用や耐久性、メンテナンス性が大きく異なるため、選び方に悩む方も多いのではないでしょうか。
ここでは、外壁材を検討する際によく寄せられる質問と、そのポイントを分かりやすく解説します。
Q
外壁材で一番安いのはどれですか?
A
初期費用で最も安いのは「窯業系サイディング」です。
1㎡あたり3,500~5,000円程度で、デザインも豊富なためコストパフォーマンスに優れています。
ただし、7~10年ごとに塗り替えが必要なため、長期的なトータルコストでは必ずしも最安とは限りません。
初期費用とメンテナンス費用の両方を考慮して選びましょう。
Q
メンテナンスが少なくて済む外壁材は?
A
「樹脂系サイディング」と「タイル」がメンテナンスの少ない外壁材です。
樹脂系サイディングは再塗装が基本的に不要で、シーリング補修も必要ありません。
タイルは耐久性が非常に高く、塗り替え不要で、メンテナンスは目地の点検・補修が中心となります。
長期的な管理負担を減らしたい方におすすめです。
Q
マンションとビルで適した外壁材は違いますか?
A
基本的にはどちらも同じ外壁材を使用できますが、建物の規模や用途によって選ぶべき材質が異なる場合があります。
高層ビルでは軽量性と耐火性が重視され、「ALC」や「金属系サイディング」が多く採用されます。
低層マンションでは、タイルや窯業系サイディングも一般的です。
建物の構造や防火規制に応じて、適切な外壁材を選定する必要があります。
Q
外壁材の耐用年数が過ぎたらどうなりますか?
A
耐用年数を超えても、適切なメンテナンスを行っていれば、すぐに問題が発生するわけではありません。
ただし、劣化が進行しやすくなり、雨漏りや外壁の剥落などのリスクが高まります。
耐用年数は目安であり、実際の劣化状況は環境や使用条件によって異なります。
定期的な点検を行い、劣化の兆候が見られたら早めに補修や張り替えを検討しましょう。
Q
外壁材の色や柄は後から変えられますか?
A
塗装が可能な外壁材であれば、塗り替えによって色を変更できます。
窯業系サイディング、金属系サイディング、モルタル、ALCなどは、塗り替え時に色を変更できます。
ただし、タイルや樹脂系サイディングは塗装による色変更が困難です。
柄を変更したい場合は、張り替えやカバー工法による改修が必要になります。
Q
海の近くや寒冷地で適した外壁材は?
A
海岸に近い地域では、塩害に強い樹脂系サイディングやタイルがおすすめです。
金属系サイディングは錆びやすいため、定期的な洗浄と点検が必要です。
寒冷地では、凍害に強い金属系サイディングや樹脂系サイディングが適しています。
窯業系サイディングやALCは、吸水による凍害のリスクがあるため、防水性能の高い塗料でしっかりと保護する必要があります。
Q
外壁材の張り替えとカバー工法、どちらがおすすめですか?
A
既存外壁の劣化状況によって最適な工法が異なります。
下地が健全で外壁材の劣化が表面的な場合は、カバー工法が費用対効果に優れています。
一方、雨水の浸入により下地が傷んでいる場合や、建物を根本から健全な状態にしたい場合は、張り替えが適しています。
専門業者による建物診断を受け、劣化状況に応じた工法を選択することが重要です。
まとめ
外壁材の選び方について、7種類の特徴から選定基準、見分け方まで詳しく解説してきました。
最後に、重要なポイントをチェックリスト形式でまとめます。
- 外壁材は窯業系・金属系・樹脂系・木質系サイディング、モルタル、タイル、ALCの7種類
- 価格だけでなく、耐用年数とメンテナンス周期を含めたトータルコストで判断する
- 建物の用途・立地条件・使用期間に応じて、優先すべき性能を明確にする
- 既存建物の改修では、現在の外壁材と劣化状況を正確に診断する
- 専門業者による診断と、実績に基づいた提案を受けることが重要
外壁材は建物の顔であると同時に、雨風から建物を守る重要な役割を担っています。
適切な外壁材を選び、計画的にメンテナンスを行うことで、建物の資産価値を長期間維持することができます。
株式会社新東亜工業では、マンション・ビルの大規模修繕工事において、豊富な実績と専門知識を活かし、お客様の建物に最適な外壁材のご提案から施工、アフターフォローまで、一貫してサポートしております。
外壁材選びや修繕計画でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
建物診断は無料で承っておりますので、まずは現状を把握することから始めましょう。
確かな技術と誠実な対応で、皆様の大切な建物を長くお守りいたします。