2024.02.27
屋上防水の外断熱とは?断熱材は必要?内断熱との違いや施工方法を解説
日本では夏と冬の温度差が大きく、冷暖房機器を使用することが一般的です。
しかし、光熱費と環境への負荷を気にする方も多いのではないでしょうか。
近年、省エネ住宅の増加に伴い、屋根や屋上の断熱が見直されています。
そこで今回は、屋上防水の外断熱について、内断熱との違いやメリット、デメリットを詳しく解説します。

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目次
屋上防水の外断熱と内断熱の違い
屋上防水の外断熱は、近年では省エネ対策の一環として様々な建物に取り入れられています。
しかし、建物の断熱方法には、大きく分けて内断熱(充填断熱)と外断熱(外張り断熱)の2種類あります。
両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
最初に、外断熱と内断熱の仕組みから見る、それぞれの違いを解説します。
外断熱とは
外断熱とは、建物を断熱材で包むイメージで、外装材や屋根材と一緒に断熱材を施工します。
硬質ウレタンフォームなどの樹脂系断熱ボードを使用し、高い断熱効果を発揮します。
最大のメリットは、室内が外気の暑さや寒さの影響を受けにくいため、冷暖房効果を逃さないことです。
外断熱は、マンションの屋上や陸屋根の建物に施されます。
一番上のスラブ(コンクリート屋根)の上に断熱材を敷き、その上に防水層を設けて保護する仕組みです。
大規模ビルや集合住宅における外断熱は、空調負荷の低減によるCO2排出量削減効果が期待されています。
また、コンクリートの熱変動が原因の膨張・収縮を抑制し、熱による防水層の劣化を抑えることもメリットです。
内断熱とは
内断熱とは、柱と柱の間、壁の中に断熱材を入れる方法で、発泡ウレタンや繊維系断熱材などを使用します。
主に鉄筋コンクリート造や木造住宅の建物の室内側に採用される工法です。
外断熱に比べ、施工が簡単で低コストですが、壁体内や天井裏に結露が発生する危険性があります。
特に最近主流となっている高気密住宅では、結露は避けられない問題です。
壁内部に湿気が溜まると、木材の腐食やシロアリ被害の原因にもなります。
そのため、外断熱にしたり、適切な通気層を設けて内部の湿った空気を入れ替えたりしなければなりません。
断熱材の種類と特長について
断熱材は、建物の室温を一定に保ち、冷暖房効率を向上させる重要な建材です。種類ごとに特長や適した用途が異なり、住宅やビルの構造に合わせた選択が求められます。主な断熱材の種類と特長を紹介します。
① グラスウール
特長
- 断熱性能が高く、コストパフォーマンスに優れる
- 吸音性があり、防音効果が期待できる
- 不燃性が高く、火災時にも燃え広がりにくい
適用箇所 - 壁、天井、床下の断熱
② ロックウール
特長
- 高い耐熱性と防火性能を持つ
- 防音効果があり、遮音性能が求められる建物に適している
- 湿気に強く、カビや腐食のリスクが少ない
適用箇所 - 壁、屋根、床、工場やビルの断熱
③ 発泡ウレタン(硬質ウレタンフォーム)
特長
- 断熱性能が非常に高く、薄い層でも効果を発揮
- 施工時に隙間なく充填できるため、気密性が向上
- 耐水性があり、結露の発生を防ぐ
適用箇所 - 外壁、屋根、床の断熱
④ ポリスチレンフォーム(EPS・XPS)
特長
- 軽量で加工しやすく、施工が容易
- 水を吸収しにくく、湿気に強い
- 高い耐久性を持ち、長期間にわたり断熱効果を発揮
適用箇所 - 基礎部分や外断熱に適用
⑤ セルロースファイバー
特長
- 木質繊維を主原料とした自然素材で、環境に優しい
- 高い吸湿性があり、結露を防ぐ
- 防音性や防虫性にも優れている
適用箇所 - 壁、天井、床の断熱
断熱材の選択は、施工する場所や求める性能(断熱性・防音性・耐火性など)によって異なります。建物の用途や環境に合わせて適切な断熱材を選ぶことが、快適な住環境や省エネ性能の向上につながります。
屋上防水では外断熱は後付けできる
屋根の断熱改修というと、屋根材を葺き替えるというイメージがあるかもしれません。
そのため、ビルの屋上などに断熱性能を付加することは可能なのか疑問を抱く方もいるでしょう。
結論から言えば、既存建物の改修による改修は可能です。
屋上防水の定期的なメンテナンスの際に、断熱改修する方法は大きく分けて2つあります。
- 既存防水層の上から断熱・遮熱塗料を施工
- 既存防水層の上に断熱材を敷き、更に防水保護をする
上から断熱塗料を塗る方法は低コストですが、大きな効果は期待できません。
おすすめは、既存の防水層の上に断熱材を敷き、上に新しい防水層を形成する方法です。
平らな面に硬質ウレタンフォームを敷き、上にアスファルト防水を施します。
既存防水層を傷めることなく断熱性能を付加できるため、選択する方が多いです。
また、断熱性能を持たない防水層に比べ、コンクリート躯体の膨張・収縮を抑えることができます。
ひび割れなどのリスクを低減し、建物の寿命を延ばすことにもつながるでしょう。
屋上断熱が建物に与える効果とは?
屋上断熱は、建物内の温熱環境を変化させる効果が期待できます。
ここでは、屋上断熱による2つの効果を解説します。
室内に与える影響
屋上断熱が機能している期間は、夏は屋上から室内に入る日射熱を抑え、冬は室内の暖房熱が逃げるのを防ぎます。
しかし、断熱材が劣化すると、出入りする熱量が徐々に増え、外気温の影響を受ける割合も増え、冷暖房効率が下がります。
屋上防水改修工事を行い、同時に防水層下の断熱材を更新すれば、防水と断熱の2つの効果を得られるのです。
また、2025年からは新築ビルやマンション、住宅に省エネサインの表示が義務付けられます。
既存建物の資産価値を下げないためにも、断熱性能の向上が必要になるでしょう。
建物に与える影響
外気温の変化により、コンクリートは常に膨張・収縮を繰り返し、ひび割れを起こします。
防水と断熱を同時に行う場合、高反射塗料と断熱材を組み合わせた「サーモコントロール断熱」仕様にする方法が有効です。
冷房効率がさらに高まるだけではなく、コンクリートのひび割れを防ぎ、防水層の劣化も抑えられ、マンションの耐久性が向上します。
屋上断熱と屋上防水を同時に施工する方法
屋上断熱と屋上防水を同時に行う方法は、現在ある防水層の種類や屋上の使用方法によって異なります。
施工する場所ごとに適した工法の種類と、どのような施工なのかを解説します。
外断熱改修と内断熱改修の違いは?
外断熱改修は、屋上防水改修工事と同時に行う断熱方法です。
内断熱改修は、室内から天井まで断熱材を施工します。
外断熱改修と内断熱改修の主な違いは次のとおりです。
- 建物内部の温熱環境
- 外気や日射の影響の受け方
内断熱は、建物内部の環境にしか効果を得られません。
少ないエネルギーで冬は暖かく、夏は涼しい環境を作ることはできますが、外気温や日射による建物の傷みは防げない方法です。
一方、外断熱は遮熱効果もあるため、屋上にかかる外気温や日射熱の負担を軽減し、建物の劣化を遅らせることができます。
非歩行の屋上やメンテナンス程度の歩行をする屋上に用いる防水工事
最初に、不特定多数の人が日常的に出入りしない屋上で採用される工法を紹介します。
改質アスファルト断熱常温工法
従来のアスファルト防水の耐久性・柔軟性を向上させた改質アスファルトを主原料とし、裏面にゴムアスファルト系接着剤を使用して下地に貼り付けるシートです。
アスファルト、コンクリート、ウレタン、シートなど様々な下地に対応し、火を使わずに補修できる安全な防水補修工法です。
改質アスファルト断熱トーチ工法
改質アスファルトを主材としたシートで、裏面のアスファルトをトーチバーナーで加熱しながら下地に貼り付けます。
大がかりな建設機械を使わずにアスファルトに溶着できることが特徴です。
塩ビシート防水 断熱機械的固定工法
下地にアンカーを打ち込んで、塩ビ樹脂シートを固定する工法です。
単層防水シートではありますが、熱や溶剤で溶ける塩ビ樹脂の特性上、シート同士を溶かして一体化させられます。
そのため、水密性に優れた防水層を形成できることが特徴です。
サーモコントロール断熱
サーモコントロール断熱は、断熱材と高反射塗料を併用することで、外気からの熱の出入りを遮断し、室内を年間を通して快適に保つシステムです。
屋上防水改修工事では、断熱材を施工し、防水層を塗布した後、高反射塗料を塗布します。
アスファルト防水、ウレタンゴム塗膜防水、塩ビ樹脂シート防水などに使用可能です。
軽歩行仕様の屋上に用いる防水工事
軽歩行を目的とした屋上に適した工法を紹介します。
ウレタン塗膜防水複合工法
断熱材に通気緩衝複合シートと特殊樹脂ボードを接着し、液状ウレタン塗膜防水材を塗る工法です。
平面部や立上り部にシームレスな防水層を作れるため、複雑な形状の屋上でも施工できます。
軽歩行と断熱性の両方の効果を得られることがメリットです。
塩ビシート防水密着・機械的固定工法
硬質ウレタンフォームの上に特殊樹脂ボードを敷き、塩ビシート防水材を全面に接着する工法です。
断熱工法と防水層の上を歩ける機能を兼ね備えています。
防水工事で活用できる補助金・助成金制度【2025年最新】
防水工事は建物を長く快適に使うために必要ですが、費用負担も決して小さくはありません。そこで注目したいのが、国や自治体が提供する補助金・助成金制度です。2025年現在も、多くの地域で省エネ・劣化対策を目的とした防水工事が補助対象となっています。
以下に代表的な制度を紹介します。
【全国対象】住宅省エネ2025キャンペーン(国交省ほか)
- 対象工事:屋上・外壁・ベランダなどの防水工事(省エネ性能を高める改修が条件)
- 補助内容:1戸あたり上限120万円(戸建て)、15万円(集合住宅)
- 申請条件:
- 登録事業者による施工
- 補助対象の工事内容に合致すること(遮熱・断熱性を伴う防水工事など)
- 事前申請が必須
引用・詳細:住宅省エネ2025キャンペーン公式サイト
【東京都足立区】住宅リフォーム助成事業
- 対象工事:屋上・ベランダの防水、外壁塗装などの劣化対策リフォーム
- 補助内容:工事費の1/3(上限5万円)
- 申請条件:
- 足立区内の住宅に居住する個人
- 登録業者による工事
- 事前申請が必須
引用・詳細:足立区住宅リフォーム助成事業
【福岡市】住宅リフォーム助成金
- 対象工事:雨漏り防止、屋上・外壁の防水工事など
- 補助内容:工事費の10%(上限20万円)
- 申請条件:
- 市内に居住し、該当物件の所有者であること
- 工事費が30万円以上であること
- 登録事業者の施工であること
引用・詳細:福岡市住宅リフォーム支援
補助金活用の注意点
防水工事で補助金を利用する際は、以下の点に注意してください。
- 必ず工事前に申請(着工後では申請できない制度が大半です)
- 自治体ごとに条件が異なる(年齢・所得制限、地域要件、施工業者の登録条件など)
- 書類の準備が必要(見積書・図面・写真など)
- 受付期間に制限あり(予算枠があるため早めの申請が推奨されます)
※補助制度の対象条件や助成額は自治体ごとに異なり、最新の情報は市区町村のホームページや窓口で確認が必要です。多くの制度では、申請前の事前相談や書類提出が必須となっているため、スケジュールには十分な余裕をもって準備しましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
屋上防水で外断熱の特徴やメリットとデメリットまとめ
屋上防水の外断熱の特徴について解説しました。
- 断熱性を高める方法には外断熱と内断熱がある
- 外断熱で建物内の温熱環境が変化する
- 建物の耐久性が向上する
屋上防水工事を計画する際には、タイミングを逃さないことが大切です。
適切な時期に防水改修工事を行うことで、工期短縮やコストダウンにつながります。
劣化が深刻化する前に改修工事を行うのが理想的です。
屋上防水を検討している方は、専門業者に点検を依頼することから始めてみましょう。
大規模修繕工事・防水工事・外壁塗装・外壁補修参引用、参考サイト
国土交通省
特定非営利活動法人集合住宅管理組合センター
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会
一般社団協会マンション管理業協会
一般社団法人日本防水協会
日本ペイント
独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)
一般社団法人 マンション大規模修繕協議会
日本ウレタン建材工業会
FRP防水材工業会
株式会社ダイフレックス(シーカ・ジャパン株式会社)
おすすめサイト
ガイナ・断熱セラミックの取扱代理店心力舎

このサイトは、断熱セラミック塗料「ガイナ」 について紹介しています。宇宙ロケット開発の技術を応用 して生まれたこの塗料は、塗るだけで断熱、遮熱、結露防止など多岐にわたる機能 を発揮するとされています。