2024.04.23
マンションの大規模修繕工事で老朽化対策を!周期時期・費用・建て替える際の注意点について解説
建物の屋上は常に雨風や紫外線の影響を受けるため、放置していると雨漏りや構造へのダメージを引き起こす原因となります。適切な防水工事を施すことで、こうしたトラブルを未然に防ぎ、建物の耐久性を向上させることが可能です。
そこで本記事では、屋上防水工事の重要性とそのメリットについて解説します。防水工事の種類やメンテナンスのタイミングについても触れ、屋上の劣化を防ぐための知識が得られます。建物の安心と資産価値を守るためのポイントを知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
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マンションが老朽化すると起こる問題点
マンションの老朽化は、建物の安全性や資産価値、居住環境に深刻な影響を及ぼします。
老朽化が進むと建物の構造や設備が劣化し、地震や火災への耐震性が低下する恐れがあります。また、配管や電気系統のトラブルが多発するようになり、居住者の安全や健康を脅かす可能性も高まります。
さらに、老朽化が進んだマンションは売却が困難になるケースが多く、資産価値が大幅に下落する恐れがあります。また、老朽化に伴う修繕費が高額になるため、居住費の負担も増大する傾向にあります。
老朽化の進行は、マンションの末路を悲惨なものにしてしまう恐れがあります。このまま放置すれば、居住者の安全や資産価値、居住環境は深刻な影響を受けざるを得ません。
これらの深刻な影響を回避するためには、適切な対策を講じることが重要です。定期的なメンテナンスや大規模修繕工事の実施、耐震補強工事などが有効ですが、これらの対策には多額の費用がかかることも事実です。
マンションの老朽化は、建物の安全性や資産価値、居住環境に深刻な影響を及ぼすため、適切な対策を講じることが重要です。
時代のニーズにマッチしなくなる
マンションの老朽化は、設備の陳腐化を意味します。
国土交通省によると、築25年を超えるマンションの比率は2018年で41.5%に上ります。
最新の設備が求められる現代では、居住性が低下し競争力を失ってしまいます。
単身世帯が増加する中で広めのワンルームが人気ですが、老朽化したマンションは主に3LDK仕様で、ニーズとのミスマッチが生じます。
インターネット通信環境の整備も遅れがちで、テレワークにも不向きです。
居住者の生活に影響する
建物が経年で劣化すると、設備トラブルが多発します。
居住者の快適性が損なわれ、管理組合も修繕費の負担が重くのしかかります。
マンション管理組合の調査(2021年)では、修繕積立金の平均額は673万円と巨額です。
排水管の詰まり、給排水設備の漏水、エレベーターの故障など、日常生活に支障をきたすトラブルが頻発します。
騒音や臭気の問題も起こりがちで、居住環境が著しく低下します。
居住者の安全性について
建物の老朽化は、居住者の生命や身体の安全を脅かす恐れがあります。
大規模修繕を行わない限り、建物の安全性を保てません。
国交省のデータによれば、昭和56年以前の旧耐震基準のマンションは273万戸あり、このうち90万戸は耐震性が不足しています。
阪神淡路大震災では、旧耐震基準のマンションが多数倒壊し、多くの人命が失われました。
東日本大震災でも、老朽化したマンションの一部が倒壊するなどの被害がありました。
売却時に買い手がつかない
老朽化が進むと資産価値が下がり、売却が困難になります。
2022年の民間調査では、築年数10年を境に売却価格が大きく下落することが分かっています。
20年を超えると8割以上の価格下落となります。
リフォームを施さずに売却する場合、希望価格の7割程度での販売となり、損失が大きくなります。
老朽化が著しいと、入居者確保も難しくなり、賃貸経営も成り立たなくなります。
以上のように、マンションの老朽化は深刻な問題につながります。
居住者・オーナー双方がリスクを認識し、適切な対策を講じることが不可欠です。
建物状況に応じて柔軟に判断し、事態の改善に努める必要があります。
マンション老朽化のサインとは
マンションは、経年劣化により様々な部分で不具合が発生する可能性があります。老朽化のサインを見逃してしまうと、住環境の悪化や資産価値の低下につながるおそれがあります。そこで、マンションの老朽化を早期に発見するための、以下のサインに注意しましょう。
- 外観の劣化
- 外壁のひび割れや剥落
- バルコニーや手すりなどのコンクリートの劣化
- 共用部分の汚れや損傷
- 設備の不具合
- 水漏れや排水不良
- 給湯設備の故障
- エレベーターの不具合
- 居住性の悪化
- 壁や床の汚れや傷
- 木部の腐食やシロアリ被害
- ドアや窓の開閉不良
- 異音や振動
- 床や壁からの異音
- 建物の振動
- 管理状況の悪化
- 清掃やメンテナンスが行き届いていない
- 規約やルールが守られていない
上記のようなサインが見られた場合は、早急に管理会社や専門家に相談する必要があります。老朽化が進むほど、修繕費用も高額になるため、早期に対処することが大切です。
マンションの大規模修繕工事の内容や費用を解説
マンションは築年数が経過すると老朽化が進み、安全性や快適性に影響を及ぼすようになります。そこで必要になるのが、大規模修繕工事です。
大規模修繕工事とは、マンションの主要構造部分や共用部分などを一括して補修・改修する工事のことです。建物の躯体、外壁、屋上、バルコニー、給排水管、電気設備、エレベーターなど、幅広い対象を対象に実施されます。
大規模修繕工事の内容はマンションによって異なりますが、一般的には以下のような項目が含まれます。
- 外壁塗装・防水工事
- 屋上防水工事
- バルコニー防水工事
- 給排水管更新工事
- 電気設備更新工事
- エレベーター更新工事
大規模修繕工事の費用は、マンションの規模、築年数、施工内容などによって異なりますが、一般的には1戸あたり300万円~500万円程度かかります。
工事内容 | 費用(1戸あたり) |
外壁塗装・防水工事 | 100万円~200万円 |
屋上防水工事 | 50万円~100万円 |
バルコニー防水工事 | 50万円~100万円 |
給排水管更新工事 | 50万円~100万円 |
電気設備更新工事 | 50万円~100万円 |
エレベーター更新工事 | 100万円~200万円 |
老朽化マンションを防ぐための管理状況の見直しも必要
マンションの老朽化は、安全性や資産価値に大きな影響を与えます。老朽化を防ぐためには、定期的な点検や適切な管理を行うことが重要です。また、管理状況を見直すことも必要です。適切な管理を行うことで、マンションの寿命を延ばし、資産価値を維持することができます。
マンションが老朽化してしまったら
老朽化したマンションは、安全性や居住性の低下が懸念されます。対策としては、改修工事・大規模修繕工事、マンションの売却、マンション建替えなどが挙げられます。
改修工事・大規模修繕工事は、建物の老朽化に伴う不具合を解消し、安全性の向上や居住性の改善を図るためのものです。しかし、費用が高額になるため、計画的な修繕積立金が必要です。
マンションの売却は、老朽化により売却価格が下落する可能性がありますが、買い替え資金を得る手段となります。売却先は、個人や事業者など、さまざまな選択肢があります。
どの対策を選ぶかは、マンションの状況や居住者の意向によって異なります。老朽化に対する対策を検討する際には、専門家に相談することをおすすめします。
資金を集めて修繕を行う
老朽化したマンションでは、居住者全員で資金を出し合い、大規模修繕を行うことが最も一般的な対応策となります。
マンション建物は区分所有となっているため、修繕の際には全員の合意が必要です。
マンションの老朽化対策としては、改修工事・大規模修繕工事を行うことが有効です。改修工事は、部分的に劣化が進む設備や建具の交換・補修を行うもので、定期的に実施する必要があります。一方、大規模修繕工事は、バルコニーや外壁、防水など建物の躯体に影響を及ぼすような箇所を全面的に改修する工事で、10~15年に1度の周期で行うのが一般的です。
改修工事・大規模修繕工事は、多額の費用が必要になるため、修繕積立金の積み立てが重要となります。また、工事内容や時期については、住民の合意が必要となるため、住民説明会などを開催して理解を得る必要があります。
マンションの老朽化は、安全性や資産価値に大きな影響を与えるため、計画的な改修工事・大規模修繕工事の実施が不可欠です。
マンション建て替え
老朽化したマンションを解体し、新たにマンションを建設する方法です。老朽化したままのマンションでは、居住性や安全性が低下するだけでなく、資産価値も低下していきます。建替えを行うことで、最新の設備や機能を備えたマンションに生まれ変わらせることができ、資産価値の向上にもつながります。
マンション建替えは、大規模な工事となるため、多くの住民の同意が必要となります。また、建替え期間中は仮住まいが必要となるなど、住民にとって負担が大きいことも事実です。しかし、長期的にはマンションの安全性や居住性を確保し、資産価値を向上させることができるため、老朽化したマンションの対策としては有効な手段と言えるでしょう。
マンション建替えのメリットは、最新の設備や機能を備えたマンションに生まれ変わる、安全性や居住性が向上する、資産価値が向上するなどです。
一方、デメリットとしては、大規模な工事となるため、多くの住民の同意が必要となる、建替え期間中は仮住まいが必要となるなど、住民にとって負担が大きい、莫大な費用がかかるなどがあります。
マンション建替えを検討する際には、建替えを行うための費用は住民が負担する必要がある、建替えを行うには多くの住民の同意が必要となる、建替え期間中は仮住まいが必要となるなど、住民にとって負担が大きいなどの点に注意する必要があります。
敷地を売却
マンション建物の老朽化が著しく進行し、修繕や建て替えの採算が取れない場合、敷地売却を選択せざるを得ないケースもあります。
建物があまりに老朽化していると、修繕や建て替えに多額の費用を要する一方で、建物の資産価値は限りなく低下します。
老朽化は、マンションの価値を低下させ、売却を困難にするなど様々な問題を引き起こします。早めの対策が必要です。特に、売却を検討している場合は、早めの対策が必要です。老朽化したマンションは、買い手がつきにくくなります。その理由は、以下の3つが挙げられます。
- 建物の価値が下がる: 老朽化によって建物の価値が下がるため、売却価格が下落します。
- 修繕費用の負担: 老朽化したマンションは、修繕費用の負担が大きくなります。買い手は、修繕費用を考慮して購入をためらう傾向があります。
- 安全性の問題: 老朽化によって建物の安全性に問題が生じる可能性があります。買い手は、安全性の問題を懸念して購入をためらう傾向があります。
老朽化したマンションの売却は、非常に困難です。売却を検討している場合は、早めの対策が必要です。
大規模修善工事でのよくある質問
ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。
Q
大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?
A
A: 10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう
Q
マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?
A
大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。
Q
マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?
A
大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。
Q
大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?
A
大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。
Q
大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?
A
大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。
この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください
マンション老朽化についてのまとめ
マンションの老朽化は、住環境の悪化や建物の安全性低下、資産価値の減少など、様々なリスクをもたらします。早期に対策を講じなければ、深刻な事態を招く可能性があります。
マンションの老朽化を防ぐためには、定期的な点検と修繕が重要です。特に、大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、安全性を確保するために必要不可欠です。しかし、大規模修繕工事は費用がかかるため、長期的な計画が必要です。
老朽化が著しいマンションは、売却や建て替えを検討する必要があります。売却は、買い手が見つからない可能性があるため、慎重に検討する必要があります。建て替えは、費用がかかりますが、最新の設備や耐震性を備えたマンションに住むことができます。
マンションの老朽化は、所有者にとって大きな問題です。早期に対策を講じて、快適で安全な住環境を維持しましょう。