2024.03.12
マンション大規模修繕で活用できるローンとは?
マンションの大規模修繕には多額の費用がかかります。
こうした時、ローンを活用することで、一時的な資金不足を補い、計画通りの修繕を実行できるのです。
住宅金融支援機構などから提供される専用ローンについて解説していきます。
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大規模修繕工事とは?
大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持・向上させるために非常に重要な工事です。
大規模修繕工事とは、経年劣化によって傷んだ建物の部分を補修し、新築時の機能を回復させる工事のことです。 12~15年ごとに、外壁の補修や塗装、屋上の防水工事などをまとめて行う大掛かりな工事となるため、足場を組んで行われることが一般的です。 工事の対象は、主にマンションの共有部分です。
大規模修繕工事は、建物の美観を回復させるだけでなく、安全性や快適性を向上させる効果もあります。 例えば、外壁のひび割れを放置すると、雨水が侵入し、鉄筋が錆びて建物の強度が低下する可能性があります。 また、防水工事を行うことで、雨漏りを防ぎ、建物の劣化を遅らせることができます。
さらに、大規模修繕工事は、時代の変化に合わせて、建物の機能や性能を向上させる良い機会でもあります。 例えば、バリアフリー化や省エネ対策など、現代のライフスタイルに合わせた改修を行うことで、より快適で暮らしやすい住まいを実現できます。
修繕工事と改修工事についての違い
修繕工事と改修工事は、どちらも建物の維持や改善を目的とした工事ですが、目的や内容にいくつかの違いがあります。
修繕工事
修繕工事は、建物の劣化や損傷を修復し、元の状態に戻すことを目的とした工事です。主に老朽化や経年劣化による不具合を修理するために行われ、建物の機能を維持することが重要視されます。例えば、外壁のひび割れ補修や、防水層の再施工、給排水設備の修理などが修繕工事に該当します。修繕工事は、建物の現状を保つために必要なもので、定期的に行うことが推奨されます。
改修工事
改修工事は、建物の機能やデザインを改善し、現状よりも良くすることを目的とした工事です。単なる修理に留まらず、設備の更新やレイアウトの変更、新たな機能の追加など、建物全体の性能向上を図るための工事です。例えば、古くなった設備の最新化や、内装デザインの変更、エネルギー効率の向上を目的としたリノベーションなどが改修工事に該当します。
地震や台風からマンションなどの減災・防災を考えるためにも大規模修繕工事を
大規模修繕工事ではタイルの修繕や、階段や屋上の防水など様々な部分に関わる工事を行います。予知保全や予防保全という観点でも地震や台風、大雨からの被害から守ることにつながります。
様々な災害が起きてからの修繕は困難なことが多いため、大規模修繕工事は計画を立ててしっかり行うことが重要です。
大規模修繕のマンションで活用できるローンの種類
大規模修繕は、マンションの価値を維持し、快適な居住環境を提供するために不可欠です。
しかし、その費用は高額になることが多く、計画的な資金調達が求められます。
ここでは、大規模修繕に適したローンの種類とその特徴を、初心者にも分かりやすく解説します。
ローンの種類と特徴
- マンション修繕積立金ローン
- マンション大規模修繕時に積立金が不足している場合に利用可能
- 低金利で長期の返済が可能
- マンションの管理組合が借り入れる形を取る
- フラット35S
- 国が定める耐震基準を満たす修繕に利用できる
- 最長35年の固定金利ローン
- 修繕後の建物価値の向上が見込める
- 自治体の助成金と併用可能なローン
- 一部の自治体では、修繕工事に対して助成金を出している
- 助成金と併用することで、実質的な負担を軽減
大規模修繕はマンションの長期的な価値を保つために重要であり、適切なローンの選択が資金調達の鍵となります。
マンション修繕積立金ローン、フラット35S、自治体の助成金と併用可能なローンなど、目的に応じたローン選びが大切です。
修繕計画の初期段階で金融機関や専門家と相談し、最適な資金計画を立てましょう。
- 全期間固定金利ローン
- 耐震改修工事特別ローン
- 省エネルギー対策特別ローン
これらのローンは、返済計画の立てやすさや、特定の工事を行うことで金利が下がるなどの特徴があります。
大規模修繕でローンを利用するメリット
ローンを使って修繕工事をおこなるメリットとはなんなのでしょうか?
以下にメリットをまとめました。
必要な修繕に取り組める
ローンを利用する最大のメリットは、修繕積立金だけでは不足する場合でも、必要な修繕を行えることです。
国土交通省のデータによると、大規模修繕には数千万円が必要になることが多く、修繕積立金だけでは賄えないケースがあります。
例えば、外壁塗装や防水工事など、大規模修繕でよく行われる工事は、高額になることが一般的です。
したがって、ローンを活用することで、これらの必要な工事を適切なタイミングで実施できます。
現金流の確保
ローンを利用することで、手元の現金を残しておくことができます。
突発的な出費や他の投資機会がある場合、現金を手元に残しておくことは経営上重要です。
災害などの緊急時に備えて、現金を確保しておくことは、マンション経営において安心感をもたらします。
ローンを活用することで、予期せぬ出費にも柔軟に対応できるため、経営の安定に寄与します。
大規模修繕でローンを利用するデメリット
利息の支払い
ローンを利用する最大のデメリットは、利息の支払いが発生することです。
ローンの金利は低いとはいえ、返済総額は借入額に利息が上乗せされるため、最終的な支払い額が増加します。
例えば、1億円のローンを1%の金利で借りた場合、10年間で約1000万円の利息が発生します。
このように、ローンを利用することで、長期にわたり追加の費用負担が生じることになります。
修繕積立金の増額
ローンを利用することで、将来の修繕積立金の増額が必要になる可能性があります。
修繕積立金は、将来の大規模修繕に備えて積み立てるものですが、ローンを利用するとその積立金だけでは不足することがあります。
ローンの利用により、次回の大規模修繕時には、より多くの修繕積立金が必要になるケースが考えられます。
したがって、ローンを利用することは、長期的な財務計画に影響を及ぼす可能性があります。
大規模修繕の新東亜工業はお客様満足度98%
お客様満足度98% ★★★★☆
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大規模修繕で現預金を活用するメリット
次に預金を利用するメリットです
金利負担がない
現預金を活用する最大のメリットは、金利負担が発生しないことです。
ローンを利用した場合、返済期間に応じた金利が発生しますが、現預金を使用するとそのコストがゼロになります。
例えば、1000万円の修繕費用に対して、金利が1%のローンを利用した場合、10年間で約100万円の金利が発生します。
これを現預金で賄えば、その分のコストを節約できます。
資金計画がシンプルになる
現預金を使用することで、資金計画がシンプルかつ明確になります。
ローンを組む際には、返済計画や金利変動リスクを考慮する必要がありますが、現預金を使う場合はそのような心配が不要です。
現預金を用いることで、将来のキャッシュフローを予測しやすくなり、他の投資や運用計画にも影響を与えません。
大規模修繕で現預金を活用するデメリット
次に預金を利用するデメリットはこちらです。
手元資金の減少
現預金を使うデメリットとして、大きな出費により手元資金が減少します。
大規模修繕には多額の費用がかかるため、現預金を使うとその分の流動性が低下します。
修繕費用に現預金を全額使用すると、他の緊急時に対応できる資金が不足する可能性があります。
他の緊急時に対応できる資金が不足する可能性
現預金を大規模修繕に充てることで、他の予期せぬ出費に対応できる余裕が減ります。
現預金は、緊急時の対応や機会資金としての役割も担っています。
例えば、自然災害や大規模な設備故障が発生した場合、迅速な対応が求められるため、現預金の重要性が増します。
以上の点を踏まえ、マンション大規模修繕で現預金を活用する際には、メリットとデメリットをしっかりと比較検討し、賢明な判断が求められます。
現預金の使用は、短期的な負担を避けることができますが、長期的な資金計画においては慎重な検討が必要です。
特に、将来的な資金需要や緊急時の対応能力を考慮に入れた上で、最適な選択を行うことが重要です。
修繕費用のローン借入れについての一般的な流れ
マンションの大規模修繕は高額な費用がかかるため、ローンを検討する方が多いです。ここでは、修繕費用のローン借入れに関する一般的な流れを紹介します。
修繕費用のローン借入れに関する一般的な流れ
- 情報収集 まずは、自分が利用できるローンの種類や金利について情報収集を行いましょう。大規模修繕ローンには、住宅金融支援機構の融資や民間の金融機関からの融資などがあります。それぞれの特徴や条件を比較検討することが重要です。
- 積立金不足の確認 次に、修繕積立金が不足しているかどうかを確認します。不足している場合は、修繕積立金の増額や返済計画の策定が必要となります。
- 融資申込み 選んだ金融機関に融資を申し込みます。この際、マンション管理組合の決議録や工事見積書などが必要になります。
- 審査 金融機関は、申込者の収入や資産状況、返済能力などを審査します。審査に通れば融資が実行されます。
- 返済 融資が実行されたら、返済が始まります。返済期間は、金融機関によって異なります。
こういった流れに沿って、計画的に融資を受けることが必要です。
大規模修繕でのローンの選び方について
マンションの大規模修繕工事を行う際には多額の費用がかかるため、ローンを利用して資金を調達するケースが多くあります。ローンを借り入れる際には、返済期間や金利、保証料などの条件を比較検討し、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
以下に、ローンの選び方のポイントを紹介します。
- 返済期間:返済期間が長くなるほど月々の返済額は少なくなり、家計への負担は軽減されます。しかし、総返済額は増えるため、金利負担も大きくなります。
- 金利:金利はローンの種類や借り入れ先によって異なります。一般的には、民間金融機関よりも住宅金融支援機構(フラット35)の方が金利が低く設定されています。
- 保証料:保証料は、ローンの返済が滞った場合に金融機関に代わって債務を履行する保証会社に支払う手数料です。保証料の有無や金額もローンの条件に含まれるため、確認が必要です。
自分に合ったローンを選ぶためには、複数の金融機関から見積もりを取り、条件を比較検討することが大切です。また、マンション管理組合や専門家に相談して、最適なローンのアドバイスを受けるのも良いでしょう。
マンション大規模修繕での補助金や助成金の種類と条件を紹介
マンションの大規模修繕には多額の費用がかかりますが、国や地方自治体からの補助金を利用することで、経済的負担を軽減することができます。ここでは、主要な補助金の種類とそれぞれの条件について詳しく解説します。
以下の表にまず簡単にまとめました。
補助金の種類 | 条件 | 対象工事例 |
---|---|---|
省エネ改修補助金 | 断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うこと 一定のエネルギー効率改善が見込まれること | 断熱材の追加、高効率給湯器の設置 LED照明への交換 |
耐震改修補助金 | 建物の耐震性を向上させる工事を行うこと 耐震診断の結果に基づいた改修であること | 耐震補強工事、柱や梁の補強 |
バリアフリー改修補助金 | 高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと 公共性が認められること | スロープの設置、エレベーターの設置 手すりの設置 |
それぞれの内容を詳しく解説します。
省エネ改修補助金
まず、省エネ改修補助金についてです。この補助金は、建物の断熱性能を向上させたり、省エネルギー設備を導入したりする場合に支給されます。具体的には、断熱材の追加や高効率給湯器の設置、LED照明への交換などが対象となります。この補助金を受けるための条件として、断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うことが求められ、さらに一定のエネルギー効率改善が見込まれることが必要です。
※参考資料:国土交通省マンションの省エネ改修事例・支援制度
耐震改修補助金
次に、耐震改修補助金があります。この補助金は、建物の耐震性を向上させるための工事に対して支給されます。対象となる工事には、耐震補強工事や柱や梁の補強などがあります。補助金を受けるためには、耐震診断の結果に基づいた改修であることが条件となります。これは、建物の耐震性を確保し、住民の安全を守るために非常に重要です。
バリアフリー改修補助金
最後に、バリアフリー改修補助金です。この補助金は、高齢者や障害者のためにバリアフリー化を行う場合に支給されます。対象となる工事には、スロープの設置、エレベーターの設置、手すりの設置などが含まれます。この補助金を受けるための条件としては、高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと、そして公共性が認められることが必要です。バリアフリー化は、高齢者や障害者が安全に快適に暮らせる環境を整えるために重要です。
以上のように、マンション大規模修繕に対する補助金にはさまざまな種類があり、それぞれに特有の条件があります。適切な補助金を選び、条件に合った工事を行うことで、補助金を有効に活用することができます。
大規模修善工事でのよくある質問
ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。
Q
大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?
A
A: 10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう
Q
マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?
A
大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。
Q
マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?
A
大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。
Q
大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?
A
大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。
Q
大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?
A
大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。
この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください
マンションの大規模修繕でのローンについてまとめ
マンションの大規模修繕は多額の費用がかかるため、修繕積立金だけでは賄いきれない場合があります。そのような場合は、ローンを借入して修繕費用を賄うという方法があります。
ローンを借入する際には、住宅金融支援機構や民間金融機関など、さまざまな金融機関から融資を受けることができます。それぞれの金融機関によって金利や返済期間などが異なるため、比較検討することが大切です。
ローンを借入すると、すぐにまとまった資金を手に入れることができます。しかし、借入には利息が発生するため、返済額は借入額よりも多くなります。また、借入によって返済の負担が大きくなるため、計画的に返済していくことが必要です。
修繕積立金の不足対策として、長期修繕計画の見直しやコストの見直しなどがあります。長期修繕計画を見直すことで、将来的な修繕費用をあらかじめ把握することができます。また、コストの見直しを行うことで、必要のない修繕を減らし、費用を抑えることができます。
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ご予算と現場調査の結果、長期的な視点での資産価値向上をバランスよく考慮し、お客様にとってベストな選択肢をご提案します。