2024.04.07
ベランダ防水の費用はどれくらい?種類と最適な工法を選ぶポイントを解説
ベランダの劣化は、雨漏りやひび割れ、住まいの快適性を損なうだけでなく、建物の構造にも悪影響を及ぼします。
こうした問題を防ぐためには、定期的なベランダ防水工事が必要です。
しかし、ベランダ防水にはどんな種類があるのか、どれくらい費用がかかるのかなど、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ベランダ防水の費用相場と、種類ごとの特徴を詳しく解説します。
さらに、最適な工法を選ぶポイントや、費用を抑える方法もご紹介します。
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ベランダ防水種類ごとの費用相場
ベランダ防水には、大きく分けてウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水の4種類の工法があります。
各工法の費用相場、耐用年数は以下の通りです。
防水工事の種類 | 費用相場 | 耐用年数 |
---|---|---|
ウレタン防水 | 約4,000〜7,000円/㎡ | 8年〜12年 |
シート防水 | 約2,500〜7,500円/㎡ | 10年〜15年 |
アスファルト防水 | 約5,000〜8,000円/㎡ | 15年〜25年 |
FRP防水 | 約5,500〜8,500円/㎡ | 10年〜15年 |
費用はベランダの面積や下地の状態によって変動します。
ウレタン防水
ウレタン防水は、ベランダ防水に最もよく用いられる工法です。
塗布後に継ぎ目が出ない防水層を形成し、防水性の高い仕上がりになります。
コンクリート、モルタル、アスファルトなど、さまざまな下地に施工でき、ひび割れに強く、長持ちします。
また、軽量であるため、ベランダに負担がかからないのもメリットの1つです。
ただし、紫外線によって劣化するため、定期的にトップコートの塗り替えが必要です。
シート防水
シート防水は広い屋上や屋根によく用いられる防水工法です。
防水層を形成するシートは、塩ビシートとゴムシートの2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
塩ビシートは、耐久性・耐摩耗性に優れており、最低限の下地処理で施工可能です。
ただし、経年劣化で硬化し破断しやすいデメリットがあります。
ゴムシートは、伸縮性が高く、下地の変化にも柔軟に対応できます。
密着工法でしか使用できない点や、紫外線劣化しやすく、シートが薄いので衝撃に弱い点がデメリットです。
シート防水は、平坦なベランダへの施工に適しており、凹凸があるような複雑な形状のベランダには不向きです。
アスファルト防水
アスファルト防水は、アスファルトを防水層に敷設する長い歴史を持つ防水工法です。
他の防水工法に比べて高い防水性と耐久性を誇り、水密性の高い仕上がりになります。
比較的簡単な施工方法で短期間で完了し、複雑な形状の建物にも適用が可能です。
しかし、施工時にアスファルト特有の臭いが発生します。
また、高温になると軟化し、防水性が低下する可能性があります。
FRP防水
FRP防水は、ガラス繊維を強化材としたFRPシートと液体状の防水剤を組み合わせる工法です。
軽量で強度に優れ、戸建て住宅の狭いベランダからマンション、ビルの屋上まで幅広い用途で使用されています。
また、液体状の防水剤とFRPシートが一体化し、高い防水性を発揮します。
FRP防水は紫外線による劣化を防ぐために、トップコートが必要です。
下地のたわみなどに対応しにくいため、木材や鉄骨など動きのある下地には不向きとされています。
シート防水やウレタン防水に比べて費用が高い場合があるので、使用する際は予算と相談して決めましょう。
ベランダ防水の付帯費用
ベランダ防水の費用は、防水工法種類の他に、以下のような付帯費用についても考慮する必要があります。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
高圧洗浄 | 約200〜500円/㎡ |
下地処理 | 約100〜300円/㎡ |
下地補修 | 約1,000〜2,000円/㎡ |
改修用ドレン設置 | 約10,000〜20,000円/箇所 |
発生材処分費 | 約10,000〜30,000円/式 |
諸経費 | 約10,000〜30,000円/式 |
上記の費用は、業者によって異なります。
詳細な金額については、業者から見積もりを取って確認しましょう。
ベランダ防水の費用を左右する要素
ベランダ防水の費用は、さまざまな要素によって左右されます。
主な要素は、以下の通りです。
ベランダの広さ
一般的なベランダの広さは、4〜10㎡です。
当然、広いベランダほど多くの材料が必要となり、施工時間も長くなるため、費用が高くなります。
防水材の種類
防水材の種類は、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水が一般的です。
費用相場は、2,500円〜8,000円と幅広く、トップコートの塗り替えのみの場合はさらに安くなります。
下地の状態
既存の防水層が劣化していたり、下地の素材が防水性に適していなかったりする場合、下地処理が必要になります。
また、下地処理には、撤去、清掃、補修などの作業が含まれるため、その分費用も高くなります。
施工方法
防水材の種類によって施工方法が異なり、以下の施工方法によって費用がかされる場合があります。
- ウレタン防水:密着工法、通気緩衝工法
- シート工法:接着工法、機械的固定工法
- アスファルト工法:熱工法、常温工法、トーチ工法
周辺環境などに配慮して、適切な施工方法を採用することが重要です。
施工業者
防水工事は、専門知識と技術が必要な工事です。
依頼する施工業者によって費用が変動します。
費用の差が生じる理由は、施工経験と技術力、人件費、材料費、業者の規模などがあります。
また、実際の施工を下請け業者が行う場合は中間マージンが発生するため注意が必要です。
業者から見積もりを取り、記載されている単価や施工方法などをしっかり確認しましょう。
ベランダ防水の費用を抑える方法
ベランダ防水は、建物の維持管理において重要な役割を果たす工事です。
しかし、工事費用の高さが気になる方も多いでしょう。
そこで、ここではベランダ防水の費用を抑える方法についていくつかご紹介します。
早めにメンテナンスを行う
ベランダ防水の費用を抑えるためには、早めにメンテナンスを行うことが重要です。
軽微な劣化であれば、劣化が進行する前に補修することで、比較的安く施工費用を抑えることができます。
費用面の他に、定期的なメンテナンスを行うことで、防水層の寿命を延ばし、大規模な修繕を先延ばしにできます。
また、防水層が劣化すると、雨漏りなどのトラブルが発生する可能性があります。
早めにメンテナンスを行うことで、雨漏りを防ぎ、二次被害を防ぐことが可能です。
DIYで施工する
ベランダ防水の費用は、DIYで施工すれば、費用を大幅に抑えることが可能です。
DIYで施工すれば材料費のみで施工できるため、業者に依頼するよりも費用を大幅に抑えられます。
自分でできる範囲は自分で行い、難しいところだけ業者に施工してもらうと、全部施工してもらうより安く済みます。
ただし、防水工事には、ある程度の技術と知識が必要です。
失敗すると、雨漏りの原因になる可能性があり、かえって費用が高額になる可能性があるため注意しましょう。
複数の業者から見積もりを取る
ベランダ防水の費用は、複数の業者から見積もりを取ることで大幅に節約できます。
複数の業者から見積もりを取ることで、より正確なベランダ防水の費用相場が分かります。
相場を把握することで、不当に高い見積もりの判別が可能です。
また、複数の業者の見積もりを比較することで、施工内容や保証内容、対応などを比較できます。
見積もり内容を詳細に確認し、不明点は質問しましょう。
業者によって見積もり条件が異なる場合があるので、同じ条件で見積もりを取ることも重要です。
外壁塗装と同時に行う
ベランダ防水の費用を抑えるためには、外壁塗装と同時に行うことが効果的です。
外壁塗装と同時に行えば、足場を1回しか設置する必要がなく、足場代を節約できます。
また、ベランダと外壁をまとめて養生できるので、養生費用も節約できます。
作業する職人さんにベランダと外壁をまとめて施工してもらえるので、作業効率が向上します。
外壁塗装とベランダ防水、それぞれにかかる人件費を抑えられるのでおすすめです。
雨の日や寒い時期の工事を避ける
ベランダ防水の施工時期は、費用を抑える重要なポイントです。
雨の日や寒い時期は、防水工事の施工が難しくなるため、以下のような理由で費用が高くなります。
- 雨や雪から施工箇所を守るために、養生に手間と費用がかかる
- 雨や寒さの影響で、乾燥時間が長くなり、工期が延びてしまう可能性がある
- 悪天候での作業は危険を伴うため、人件費が高くなる
費用を抑えるためには、春か秋に施工するのがおすすめです。
春と秋は比較的天候が安定しており、雨の日や寒い時期に比べて費用を抑えられます。
トップコート塗装のみで修復可能か業者に相談する
ベランダ防水の劣化が軽微な場合は、トップコート塗装のみで修復できる場合があります。
トップコート塗装は、比較的安価な工法です。
業者に相談して、トップコート塗装のみで修復可能かどうか確認してみましょう。
防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】
大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。
そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。
防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。
以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。
- 補助金申請できる地域に住んでいる
- 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
- 税金を滞納していない
- 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること
詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。
ベランダ防水の業者選びのポイント
ベランダ防水は、雨漏りなどのトラブルを防ぐために重要な工事です。
しかし、業者によって技術や費用が大きく異なるため、慎重に選ぶ必要があります。
ここでは、業者選びのポイントについて解説します。
防水工事の実績
防水工事は、専門的な知識と技術が必要となる工事です。
そのため、豊富な実績を持つ業者を選ぶことが重要です。
ホームページや口コミなどを参考に、過去にどのような工事を手掛けてきたのか確認しましょう。
防水工事に関する資格
防水工事には、防水施工技能士などの国家資格や、防水工事施工管理技士などの民間資格があります。
防水工事の資格は、業者の技術力がある程度保証されるものです。
業者のホームページなどで、保有資格を確認しておきましょう。
保証内容
防水工事には、施工後の保証が付きます。
保証期間は業者によって異なりますが、一般的には10年~15年程度です。
見積書などに記載されている保証内容を、しっかりと確認しておきましょう。
見積書の内容
複数の業者から見積もりを取り、記載されている内容を比較しましょう。
具体的に比較する内容は、以下の通りです。
- 施工内容:具体的にどのような工事が含まれているのか
- 使用材料:どのような材料を使用するのか
- 費用:工事費用、材料費、諸経費など
- 保証:施工後の保証内容
担当者の対応
担当者の対応が丁寧で、質問にしっかりと答えられる業者を選びましょう。
また、見積もりや契約内容をしっかりと説明してくれる業者であれば安心です。
ベランダ防水はDIYできる?
結論から言うと、ベランダ防水はDIYで可能です。
ただし、いくつかの注意点があります。
ベランダ防水は、大きく分けて「防水層」と「トップコート」の2種類があります。
DIYできるのは、トップコートの塗り替えのみです。
塗布方法や乾燥時間などをしっかりと守り、高所作業になるため、安全に作業できる環境を整える必要があります。
ベランダに防水工事が必要な劣化サイン
ベランダの防水機能が低下すると、雨漏りなどのトラブルが発生する可能性があります。
以下のようなサインが見られたら、ベランダの防水工事を検討しましょう。
塗膜の剥がれ
ベランダの壁や床のひび割れから、塗装の膨れや剥がれに繋がることがあります。
雨水がひび割れから浸入すると、内側で水分が蒸発し塗膜が建材から剥がれてしまいます。
剥がれた箇所から雨漏りが発生したり、最悪の場合は鉄筋や木材など建物の構造部材を腐食させ、建物の強度低下に繋がる可能性が高いです。
また、塗装が剥がれると、ベランダの見た目も悪くなります。
ひび割れ
ベランダの壁や床にひび割れを見つけたら要注意です。
ひび割れは、雨漏りの原因となるだけでなく、建物の構造にも悪影響を与える可能性があります。
壁側のひび割れは、外壁塗装の劣化が主な原因です。
放置すると、雨水が浸入し、内部の腐食やカビの発生につながります。
また、床側のひび割れは、防水層の劣化が主な原因です。
放置すると、雨水が浸入し、雨漏りの原因となります。
雨漏り
ベランダからの雨漏りは、建物の構造や住環境に深刻な影響を与える可能性があります。
雨漏りを見逃さずに早期発見、早期対策することが重要です。
雨漏りによって、天井や壁のシミ、クロスの剥がれ、カビの発生などの被害が発生します。
雨漏りの水が建物の構造部材に浸入し、腐食や強度低下を引き起こす可能性もあります。
雨漏りを放置すると、被害が拡大し、修繕費用が高額になる可能性があるのでかなり危険です。
水たまり
ベランダに水たまりができるのは、防水機能が低下しているサインです。
放置すると、雨漏りなどの重大なトラブルに繋がる可能性があります。
水たまりができる原因は、排水口が詰まっている、排水勾配が不足しているなどが考えられます。
また、経年劣化や紫外線によるダメージ、風雨による摩耗などによって防水層が劣化する可能性があり、水たまりができる原因となるのです。
藻やカビの発生
ベランダに藻やカビが発生するのは、防水機能が低下しているサインです。
藻やカビは、以下のような原因で発生します。
- 防水機能の低下:雨水が浸入しやすく、湿度の高い状態になる
- 日当たりが悪い:湿気が溜まりやすく、藻やカビが繁殖しやすい環境になる
- 風通しが悪い:湿気が逃げにくく、藻やカビが繁殖しやすい環境になる
藻やカビの発生によって、建材を腐食させ、建物の強度低下に繋がる可能性があります。
藻やカビの胞子を吸い込むと、アレルギーや呼吸器系の病気の原因となる可能性があるため、幼児や高齢者のいる家庭では注意が必要です。
ベランダ防水のメンテナンス方法
ベランダ防水を長持ちさせるためには、以下のようなメンテナンスが有効です。
ここでは、ベランダの防水機能を長持ちさせる方法を紹介します。
定期的な点検
ベランダ防水の定期的な点検は、雨漏りなどのトラブルを防ぎ、建物の美観を維持するために重要です。
年に1回程度、点検を行い、劣化の兆候があれば早めに補修しましょう。
点検する項目は、防水層のひび割れ、剥がれ、藻やカビの発生、排水口の詰まりなどです。
ベランダ防水の点検は、目視、触診などの方法で行うことができます。
点検はご自身でも行えますが、より詳細に点検する必要があれば、業者に依頼しましょう。
必要に応じた補修
点検の結果、劣化の兆候が見られたら、必要に応じて補修しましょう。
軽微なひび割れであれば、シーリング材の注入による補修が可能です。
ただし、大きなひび割れや、防水層の膨れ、剥がれの場合は、防水層の全面的な貼り替えや塗り替えが必要となります。
ご自身では手に負えない劣化であれば、業者に依頼して補修してもらいましょう。
トップコートの塗り替え
トップコートは、防水層の表面を保護し、紫外線や風雨による劣化を防ぐ役割を果たしています。
トップコートが劣化すると、防水機能が低下し、雨漏りの原因となる可能性があります。
トップコートは5~10年に1度塗り替える必要があり、ひび割れや色あせなどの症状が見られたら、塗り替え時期の目安です。
トップコートの塗り替えだけであればDIYで行うことも可能ですが、難しい場合は業者にやってもらいましょう。
防水工事に関してのよくある質問を紹介
ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。
Q
防水工事前に何か準備は必要ですか?
A
防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。
Q
防水工事を行う周期はどのくらいですか?
A
一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。
Q
雨天時も防水工事は行いますか?
A
防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。
Q
防水工事中に臭いがすることはありますか?
A
防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。
ベランダ防水の費用についてまとめ
ここまで、ベランダ防水の費用について解説してきました。
この記事の要点は、以下の通りです。
- ベランダ防水の費用は、防水材の種類、ベランダの広さ、下地の状態、施工業者によって異なる
- 一般的な費用相場は、2,500円〜8,000円/㎡
- 付帯費用は、高圧洗浄、下地処理、改修用ドレン設置、発生材処分費、諸経費など
- 費用を抑える方法としては、早めにメンテナンスを行う、DIYで施工する、複数の業者から見積もりを取るなどの方法がある
- 主な防水材の種類は、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水の4種類
- 最適な工法を選ぶポイントは、ベランダの広さ、形状、下地の状態、予算、耐用年数など
- ベランダ防水の定期的な点検とメンテナンスが重要
- トップコートの塗り替えはDIYで行うことも可能
- 主な劣化サインは、塗膜の剥がれ、ひび割れ、雨漏り、水たまり、藻やカビの発生など
- 定期的な点検、必要に応じた補修、トップコートの塗り替えによって長持ちする
ベランダ防水は、建物の構造や住環境を守るために重要な工事です。
費用や種類、最適な工法を選ぶポイントなどを理解し、適切なメンテナンスを行いましょう。