2024.04.23
賃貸マンションの修理費用は誰が負担する?相場や設備故障時の対応策を解説!
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マンションの修理費用は、入居者やオーナーにとって大きな関心事です。
特に、賃貸マンションでは設備の故障や修理が発生した場合、「誰が」「いくら負担するのか」が問題になることが多くあります。
例えば、水漏れなどのトラブルが発生した際、その修理費用はどのように分担されるのでしょうか?
この記事では、修理費や修繕費の金額や負担範囲、賃貸マンションの初期設備や残留物とは?について詳しく解説し、賃貸物件で知っておくべきポイントをわかりやすくご紹介します。
また、トラブル時の対応方法についても解説します。
賃貸物件で設備故障した場合、入居者やオーナーどちらが負担するのか、トラブルになりやすい問題なので、この記事を読んで、事前に対策できるようにしましょう。
賃貸マンションの修理費用は誰が負担する?
賃貸マンションの修理費用は、状況によって高額になってしまうこともあります。
その費用について、誰が負担するのか?はとても重要な問題です。
賃貸マンションの修理費用について解説していきます。
賃貸マンションの修理費|貸主が負担するケース
通常の使用による経年劣化や老朽化が原因で設備にトラブルが発生した場合、賃貸人(貸主)が修理費用を負担する必要があります。
借地借家法第8条では、「賃借人は、借りた目的物を、修繕を加えなければ、返還することができない」と定められています。
つまり、賃貸期間中の設備の維持管理は貸主の義務となっているのです。
国土交通省の調査によれば、2022年の賃貸住宅の平均修繕費は19,380円でした。
実例として上げると、下記のような修理は基本的に貸主の負担になることが想定されます。
- 空調設備の経年劣化による故障
- 排水管の老朽化による詰まり
- 玄関扉の鍵の破損(借主に過失がない場合)
- 漏水による天井や壁の損傷(借主に過失がない場合)
- 給湯器や電気温水器の故障
- ユニットバスの劣化による浴室トラブル
賃貸マンションの修理費|借主が負担するケース
一方で、借主自身の過失や不注意による損傷・汚損については、借主側が修理費用を負担しなければなりません。
民法第415条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、損害を賠償する責任を負う」と定めています。
つまり、借主の責任に帰すべきトラブルが発生した場合、借主が修理代を払わなければならないということです。
民間調査会社の推計では、2021年の借主過失による修理費平均額は6万2,100円でした。
- キッチンコンロの火災による天井や壁の損傷
- 洗面台の水漏れによる床や壁の損傷
- クロゼットのドアの破損
- ペットによる床やカーテンの損傷
- 大型家具の移動による壁や床の傷
- タバコの火による畳やカーペットの焼け穴
以上のように、賃貸マンションの修理費負担は、トラブルの原因が経年劣化なのか借主の過失なのかによって区別されます。
双方でその原因を特定し、法令に則って適切に対応することが重要になります。
賃貸物件の初期設備とは?
賃貸物件の初期設備とは、賃貸人(貸主)が最初から備え付けている設備のことを指します。
建物に付随する基本的な設備が含まれます。
国土交通省の賃貸住宅標準管理委託契約書によると、賃貸借契約時に賃貸人が最初から用意している設備が「初期設備」と定義されています。
賃貸人は初期設備の維持管理を適切に行う義務があります。
初期設備には以下のようなものが含まれます。
- キッチン設備(コンロ、レンジフード、流し台)
- 浴室設備(ユニットバス、シャワー、換気扇)
- 洗面設備(洗面化粧台、鏡、照明)
- トイレ設備(トイレ本体、収納棚)
- 照明器具
- 空調設備(エアコン、換気扇)
- 収納設備(クローゼット、下駄箱など)
- 給湯設備(給湯器、温水器など)
通常の使用による経年劣化が原因で初期設備にトラブルが発生した場合、貸主側が修繕費を負担する必要があります。
初期設備は建物の一部としての性質を持つため、適切な維持管理が義務付けられているのです。
賃貸マンションの残留物とは?
残留物とは、借主(入居者)が賃貸借期間中に付け加えた設備や物品のことを指します。
退去時に残置したものが該当します。
民法第617条では「賃借人が賃借物に付け加えた物については、附合の規定を準用する」と定められています。
つまり、借主が設置した残留物は、従物とみなされるため、貸主の所有となります。
残留物の具体例としては、以下のようなものがあります。
- 家具(ベッド、タンス、テレビ台など)
- 照明器具
- カーテン、ブラインド
- 室内物干し竿
- 洗濯機、冷蔵庫などの家電製品
原状回復の義務がある借主は、退去時にこれらの残留物を撤去するか、貸主の承諾を得る必要があります。
撤去費用は借主が負担します。
以上のように、初期設備と残留物は区別されますが、双方ともに借主が退去時の適切な処理を行わなければなりません。
経年劣化や老朽化による修理は初期設備についての責任であり、残留物の撤去費用は借主が負担することになります。
賃貸物件の設備トラブル時の対応方法
設備の故障が発生した場合、修理費用は入居者と大家さんのどちらが負担するのかが問題となります。一般的には、通常の経年劣化による故障であれば大家さんが、入居者の故意・過失による故障であれば入居者が修理費用を負担することになります。
ただし、契約書に特約が設けられている場合や、故障の原因が特定できないケースなど、費用負担の判断が難しい場合もあります。そのような場合は、大家さんと話し合って解決することが大切です。
設備が故障した場合、まずは大家さんに連絡することが重要です。連絡時には、故障状況や発生日時をできるだけ詳しく伝えましょう。大家さんは、状況に応じて修理業者を手配したり、修理方法を提案したりしてくれます。
また、修理費用が発生する場合は、事前に見積もりを取ってもらうことが大切です。見積もり金額に納得できない場合は、大家さんと交渉することもできます。
設備トラブルを未然に防ぐためには、日頃から設備を大切に使用することが大切です。また、入居時に設備の状態を写真に撮っておくことで、故障の原因が特定しやすくなります。
さらに、定期的に点検を行い、異常があればすぐに大家さんに報告することも重要です。
賃貸物件の設備トラブルは、入居者と大家さんの双方が協力して解決することが大切です。故障が発生した場合には、慌てずに落ち着いて対応し、大家さんと話し合って解決を図りましょう。
賃貸物件の修繕費についてまとめ
賃貸物件で設備が故障した場合の修理費用は、入居者とオーナーのどちらが負担するのか、トラブルになりやすい問題です。
今回は、設備故障の修理費用について、入居者とオーナーのそれぞれの負担割合や、どのような場合にどちらが負担するのかについて解説しました。
入居者とオーナーは、契約書の内容や設備の故障原因などを確認し、お互いに納得できる形で修理費用の負担を決めることが大切です。
また、設備故障を未然に防ぐための対策や、故障が発生した場合の対応方法についても紹介しました。
設備トラブルは、入居者とオーナー双方にとって大きな負担となるため、事前にしっかりと対策を講じ、トラブルを未然に防ぐことが重要です。