2024.03.11
マンションで3回目の大規模修繕が重要な理由は?かかる費用や時期の目安は?
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マンションの大規模修繕工事は約10〜15年ごとに実施され、築30〜45年目には3回目の大規模修繕を迎えるケースが多くなります。
この3回目の修繕工事では、外壁や屋上防水といった基本的な修繕に加え、建物の老朽化が進むため、配管設備や構造部分の補強といった、より高度な修繕も検討が必要です。
修繕の内容や費用が大きくなることが多いため、適切な計画や費用の積立が重要です。
この記事では、マンションの3回目の大規模修繕工事が重要な理由やメリットとは?、について詳しく解説します。
また、3回目の大規模修繕の時期や目安、費用、施工内容についても紹介します。
計画的に修繕工事を行うことで、将来的なコスト削減を目指しましょう。
マンションで3回目の大規模修繕が重要な理由やメリット
マンションの大規模修繕は、建物の寿命を延ばし、住み心地や資産価値を高めるために必要な工事です。
しかし、大規模修繕は費用が高く、工事期間も長いため、住民にとっては負担になりがちです。
そこで、3回目の大規模修繕がなぜ重要なのか、その理由をお伝えします。
マンションで3回目の大規模修繕が重要な理由やメリット1.建物の老朽化を防ぐ
3回目の大規模修繕は、建物の老朽化を防ぐために必要です。
一般的に、マンションの大規模修繕は、築年数が10~15年ごとに行われます。
これは、建物の構造や設備が劣化し、安全性や機能性が低下するのを防ぐためです。
特に、3回目の大規模修繕は、築年数が30~45年になることが多く、建物の老朽化が進んでいる可能性が高いです。
そのため、3回目の大規模修繕は、建物の寿命を延ばすために欠かせません。
マンションで3回目の大規模修繕が重要な理由やメリット2.快適性や満足度を上げる
3回目の大規模修繕は、住民の快適性や満足度を高めるために必要です。
大規模修繕は、建物の外観や内装を美しくするだけでなく、防音や断熱などの性能も向上させます。
また、エレベーターや防犯カメラなどの設備も更新され、使い勝手や安心感も高まります。
これらのことは、住民の快適性や満足度に直結します。実際、3回目の大規模修繕を行ったマンションでは、住民の満足度が平均で約20%上昇したという調査結果があります。
マンションで3回目の大規模修繕が重要な理由やメリット3.資産価値を高める
3回目の大規模修繕は、マンションの資産価値を高めるために必要です。
マンションの資産価値は、建物の状態や設備の水準によって大きく変わります。
3回目の大規模修繕を行うことで、建物の状態や設備の水準が向上し、マンションの資産価値も高まります。
特に、3回目の大規模修繕では、エコやスマートなどの最新の技術や機能を導入することができます。
これは、将来の需要や価格にも影響します。実際、3回目の大規模修繕を行ったマンションでは、資産価値が平均で約15%上昇したという調査結果があります。
3回目のマンション大規模修繕工事にかかる費用の目安
マンションの大規模修繕工事には、多額の費用がかかります。
しかし、費用はマンションの規模や築年数、工事の内容や品質によって異なります。そこで、3回目のマンション大規模修繕工事にかかる費用の目安は下記のようになります。
マンションの規模 | 築年数 | 工事の内容 | 工事の品質 | 費用の目安 |
---|---|---|---|---|
小規模(50戸以下) | 30年 | 基本的な工事 | 標準的な品質 | 約1,000万円 |
中規模(51~100戸) | 35年 | 必要な工事 | やや高めの品質 | 約1,500万円 |
大規模(101戸以上) | 40年 | 追加的な工事 | 高い品質 | 約2,000万円 |
3回目のマンション大規模修繕工事にかかる費用の平均は、約1,000万円〜約1,500万円です。
国土交通省の調査によると、3回目のマンション大規模修繕工事にかかる費用の平均は、約1,500万円でした。
これは、1戸あたり約100万円ということになります。
ただし、これはあくまで平均値であり、実際の費用はマンションの規模や築年数、工事の内容や品質によって大きく変わります。
また、工事の内容によって約30%変わります。 工事の内容とは、外壁塗装や屋根防水などの基本的な工事に加えて、エレベーターや防犯カメラなどの設備更新や、エコやスマートなどの最新の技術や機能の導入などを指します。
工事の内容が多くなるほど、費用も高くなります。
一般的に、工事の内容によって費用は約30%変わると言われています。
3回目のマンション大規模修繕の時期の目安は?

マンションの大規模修繕は、築年数が10~15年ごとに行われるというのが一般的な目安です。
しかし、実際には、マンションの状態や住民の意向によって、時期は前後することがあります。
そこで、3回目のマンション大規模修繕の時期の目安をお伝えします。
3回目のマンション大規模修繕の時期の目安は築年数が30~45年
国土交通省の調査によると、3回目のマンション大規模修繕の時期の平均は、築年数が約37年でした。
これは、1回目の大規模修繕が築年数約12年、2回目の大規模修繕が築年数約25年に行われたと仮定した場合、3回目の大規模修繕は築年数約38年に行われるという計算に近いです。
ただし、これはあくまで平均値であり、実際の時期はマンションの状態や住民の意向によって大きく変わります。
3回目の大規模修繕のポイントはマンションの状態で決める
マンションの状態とは、建物の構造や設備の劣化度や損傷度を指します。
マンションの状態は、定期的に点検や診断を行うことで把握することができます。
点検や診断の結果に基づいて、大規模修繕の必要性や優先度を判断することが重要です。
特に、3回目の大規模修繕では、建物の老朽化が進んでいる可能性が高いため、安全性や機能性の確保のために、早めに行うことが望ましいです。
住民の考えや希望で調整する
住民の意向とは、大規模修繕の必要性や内容、費用、工事期間などに対する住民の考えや希望を指します。
住民の意向は、定期的にアンケートやヒアリングを行うことで把握することができます。
住民の意向に応えることで、大規模修繕の合意形成や満足度を高めることができます。
ただし、住民の意向は、マンションの状態や法律などの制約に沿って、合理的に調整することが必要です。
3回目の大規模修繕工事で多い施工例
マンションの大規模修繕工事では、様々な施工が行われます。
しかし、施工の種類や内容は、マンションの状態や住民の要望によって異なります。
そこで、3回目の大規模修繕工事で多い施工例をお伝えします。
外壁塗装
外壁塗装は、マンションの外観を美しくするだけでなく、建物の防水や断熱などの性能も向上させる施工です。
マンションの大規模修繕工事で最も多く行われる施工であり、約90%のマンションで行われています。
費用は、マンションの規模や塗料の種類や品質によって異なりますが、平均で約300万円と言われています。
仮設工事
仮設工事は、大規模修繕工事の安全や効率を確保するために必要な施工です。足場やネット、シートなどが含まれます。
外壁塗装などの他の施工に伴って行われることが多く、約80%のマンションで行われています。
費用はマンションの規模や仮設の種類や品質によって異なりますが、平均で約200万円と言われています。
屋根防水
屋根防水は、マンションの屋根の防水性能を高める施工です。
雨漏りや結露などのトラブルを防ぎ、建物の耐久性や快適性を高める効果があります。
マンションの大規模修繕工事で比較的多く行われる施工であり、約70%のマンションで行われています。
費用は、マンションの規模や防水材の種類や品質によって異なりますが、平均で約100万円と言われています。
床防水
床防水は、マンションの床の防水性能を高める施工です。
バルコニーや玄関などの水がかかる場所で行われることが多く、水漏れやカビなどのトラブルを防ぎ、床の耐久性や清潔性を高める効果があります。
マンションの大規模修繕工事でそこそこ多く行われる施工であり、約60%のマンションで行われています。
費用は、マンションの規模や防水材の種類や品質によって異なりますが、平均で約50万円と言われています。
鉄部の塗装
鉄部の塗装は、マンションの鉄部の錆や劣化を防ぐ施工です。
手すりや窓枠などの鉄部に行われることが多く、鉄部の耐久性や美観を高める効果があります。
マンションの大規模修繕工事であまり多く行われない施工であり、約40%のマンションで行われています。
費用は、マンションの規模や塗料の種類や品質によって異なりますが、平均で約30万円と言われています。
3回目の大規模修繕で重点的に見直すべきポイント
マンションの3回目の大規模修繕は、築30〜45年のタイミングで実施されることが多く、建物の耐久性や快適性を維持するために重要な節目 となります。1回目・2回目の修繕とは異なり、設備の老朽化や住民の高齢化への対応も視野に入れた改修 が求められます。ここでは、3回目の大規模修繕で重点的に見直すべきポイントを解説します。
給排水設備の老朽化対策
マンションの給排水管の耐用年数は30〜40年 とされており、3回目の大規模修繕の時期には、水漏れや赤水の発生リスクが高まる ケースが増えます。これらの問題を放置すると、水道管の破裂や漏水事故につながり、住民トラブルが発生する可能性もあります。
このため、以下の対策が重要になります。
- 配管の交換・更新:老朽化した配管を新しい素材(樹脂管など)に交換することで耐久性を向上
- 内視鏡調査の実施:管内部の劣化状況を事前に把握し、適切なメンテナンスを計画
- ライニング工法の活用:既存配管の内側に特殊なコーティングを施し、コストを抑えつつ耐久性を向上
バリアフリー対応の検討
築30〜40年のマンションでは、住民の高齢化が進行し、バリアフリー対応が必要となるケースが増えます。特にエレベーターや廊下・玄関部分の手すり設置や段差解消 は、多くの住民にとって利便性を向上させる改修ポイントです。
主なバリアフリー改修の例:
- エレベーターのリニューアル:老朽化したエレベーターの制御システムや安全装置のアップグレード
- 手すりの設置:共用廊下や階段に手すりを設置し、転倒リスクを低減
- 玄関・共用部の段差解消:車椅子やシルバーカーの利用を考慮したフラット設計
共用部の美観と設備のグレードアップ
マンションの資産価値を維持するためには、外観や共用部の美観を保つことが重要 です。築年数が経過すると、エントランスや廊下・外構の劣化が進むため、修繕とともにデザイン性や機能性を向上させる工事 を行うとよいでしょう。
具体的な改修例:
- エントランスのリニューアル:オートロックシステムの導入、防犯カメラの設置、デザインの変更
- LED照明の導入:電気代の削減とメンテナンス頻度の低減
- 駐車場や駐輪場の整備:使いやすさを向上し、利便性を高める
3回目の大規模修繕の際の管理組合の役割
マンションの3回目の大規模修繕では、建物の老朽化が進み、設備更新や耐震補強など長期的な視点での修繕計画が求められる段階に入ります。そのため、管理組合の役割はこれまで以上に重要になります。
1. 過去の修繕履歴をもとに適切な工事計画を立案する
3回目の修繕では、1回目・2回目で実施した工事の履歴を振り返り、どの部分がどれだけ劣化しているかを正確に把握することが重要です。特に、外壁や防水工事だけでなく、給排水設備や電気設備の更新が必要な時期に差し掛かるため、総合的な計画を策定する必要があります。
2. 修繕積立金の見直しと資金計画の策定
建築から30年以上が経過しているケースも多く、修繕費用が想定以上にかかることがあります。そのため、積立金の適正化や、必要に応じた借入れ・補助金の活用について検討し、住民の負担を最小限に抑える資金計画を立てることが求められます。
3. 住民への説明と合意形成を円滑に進める
修繕工事は居住者にとって生活に直結するため、住民説明会を複数回開催し、修繕の必要性や工事の影響について丁寧に説明することが不可欠です。特に、費用負担が増える場合や工事期間中の生活制限が発生する際には、住民の理解を得るための工夫が必要になります。
4. 施工業者の選定と工事監理の強化
3回目の修繕では、施工業者の選定がより重要になります。過去の修繕と比較して、適正な価格で工事が行われるか、施工品質が確保されるかを慎重に見極める必要があります。管理会社任せにせず、相見積もりの取得や第三者機関の診断を活用することで、透明性のある業者選定を行うことが望ましいです。
5. 施工後のメンテナンス計画を立て、次回修繕に備える
3回目の大規模修繕が完了した後も、建物の寿命を延ばすためには適切なメンテナンスが必要です。特に、外壁の定期点検や設備の計画的な更新を進めることで、次回の修繕費用を抑えることができます。管理組合は、修繕履歴を整理し、次回修繕のスケジュールを見据えた管理方針を検討することが求められます。
3回目の大規模修繕は、マンションの今後の資産価値を大きく左右する重要な工事となるため、管理組合は適切な計画と住民の合意形成を進めながら、長期的な視点で修繕を進めることが求められます。
3回目の大規模修繕に向けた資金計画
3回目の大規模修繕は、1回目・2回目と比べて工事範囲が広がり、費用も増加する傾向 にあります。適切な資金計画を立てることで、住民の負担を抑えながら円滑な修繕工事を実施 することが可能です。
修繕積立金の見直し
3回目の大規模修繕では、外壁・屋上・共用設備の大規模改修が必要になるため、想定以上の費用がかかるケースが多い です。そのため、修繕積立金が不足していないかを定期的に見直し、必要に応じて増額することが重要 です。
積立金の見直しポイント:
- 1回目・2回目の修繕費と比較し、適正な積立額を算出
- 今後の修繕計画を考慮し、必要な資金を確保
- 積立金の増額が難しい場合は、費用を抑える工法や補助金の活用を検討
補助金・助成金の活用
国や自治体では、マンションの修繕に関する補助金や助成金を提供している 場合があります。これらを活用することで、修繕費用の負担を軽減 できます。
活用できる可能性がある助成制度:
- 省エネ改修補助金:断熱塗装や省エネ設備の導入に対する補助
- 耐震改修補助金:耐震補強工事に対する補助
- バリアフリー改修助成:手すりの設置や段差解消工事に対する補助
補助金制度は自治体ごとに異なる ため、事前に調査し、申請期限を確認することが大切です。
ローンや一時金徴収の必要性
修繕積立金だけでは資金が不足する場合、金融機関の修繕ローンを活用する方法 もあります。修繕ローンは低金利で長期返済が可能 なため、大規模な改修を行う際に検討する価値があります。
また、一時金徴収を行う場合は、住民への説明をしっかり行い、合意形成を図ることが不可欠 です。
- 修繕費用の総額と一時金徴収の理由を明確に説明
- 住民説明会を開き、納得感のある資金計画を策定
- 負担を軽減するため、分割払いの選択肢を提示
3回目の大規模修繕を成功させるために
3回目の大規模修繕は、マンションの耐久性を維持し、住みやすさを向上させるための重要な節目 です。給排水設備やバリアフリー対応、共用部の美観向上など、住民のニーズに応じた修繕計画を立てることが成功のカギ となります。
また、適切な資金計画を立て、修繕積立金や補助金、ローンの活用を検討しながら、負担を抑えた修繕を実施することが重要 です。早めの計画と住民の合意形成を進めることで、安心・快適なマンション環境を維持していきましょう。
4回目以降の大規模修繕に向けて
3回目の大規模修繕工事を終えた後、4回目以降の修繕に向けて準備することが必要です。
4回目以降の修繕に向けて、以下のことをおすすめします。
修繕計画を立てること
修繕計画とは、将来の修繕の時期や内容、費用などを予測し、計画的に行うことを目的とした計画です。
修繕計画を立てることで、修繕の必要性や優先度を明確にし、修繕費用の積立や工事の発注などをスムーズに行うことができます。
修繕計画は、定期的に見直しや更新を行うことが重要です。
修繕積立金を適切に管理すること
修繕積立金とは、修繕工事に必要な費用を積み立てるための資金です。
修繕積立金は、住民からの修繕積立金の徴収や修繕工事の支払いなどに使用されます。
修繕積立金は、適切に管理することで、修繕工事の負担を軽減し、修繕積立金の運用効果を高めることができます。
修繕積立金は、定期的に収支や残高を確認し、必要に応じて修繕積立金の徴収額や運用方法を変更することが重要です。
修繕工事の効果を評価すること
修繕工事の効果とは、修繕工事によって建物の状態や設備の水準がどの程度改善されたか、住民の快適性や満足度がどの程度高まったかを指します。
効果を評価することで、修繕工事の成果や課題を明らかにし、次回の修繕計画や施工の改善に役立てることができます。
修繕工事の効果を評価する方法は、以下のようになります。
修繕工事の完了検査を行うこと
修繕工事の完了検査とは、修繕工事が契約通りに行われたか、工事の品質や性能が適切かを確認する検査で、工事の受け渡し前に行われます。
専門家や管理組合の代表者などが参加し、工事の内容や品質、性能などをチェックします。
修繕工事の完了検査によって、工事の不備や欠陥を発見し、修正や補償を求めることができます。
修繕工事のアフターフォローを受けること
修繕工事のアフターフォローとは、修繕工事の完了後に、工事の品質や性能を保証するために行われるサービスです。
保証期間や保証内容、保証書の発行や保管、定期点検やメンテナンスなどが含まれます。
修繕工事のアフターフォローを受けることで、工事の品質や性能を維持し、万が一のトラブルに対応することができます。
修繕工事の効果測定を行うこと
修繕工事の効果測定とは、修繕工事によって建物の状態や設備の水準がどの程度改善されたか、住民の快適性や満足度がどの程度高まったかを測定することです。
修繕工事の完了後に行われます。修繕工事の効果測定には、建物の点検や診断、住民のアンケートやヒアリングなどが用いられます。
修繕工事の効果測定によって、修繕工事の成果や課題を明らかにし、次回の修繕計画や施工の改善に役立てることができます。
大規模修繕工事の流れを紹介
大規模修繕工事では、マンションやビルの寿命を延ばし、快適な住環境を維持するために欠かせません。以下では、大規模修繕の流れを詳しく説明します。
修繕委員会を発足
まず、大規模修繕工事の計画を進めるために修繕委員会を発足します。この委員会は、住民の代表や管理組合のメンバーで構成され、工事の計画から実施、監督までの一連の流れを管理します。委員会があることで、住民全体の意見を反映した透明性の高い意思決定が可能になります。委員会のメンバーは、定期的に会議を開き、工事の進捗や問題点について話し合います。
状態確認・劣化診断
次に、専門家による建物の状態確認と劣化診断が行われます。技術者が外壁、屋根、配管、共用部分などを詳しく調査し、劣化や損傷の状態を把握します。この診断結果を基に、どの部分を修繕する必要があるかを決定します。調査は、住民の安全を確保しながら行われ、結果は詳細な報告書としてまとめられます。この報告書は、今後の修繕計画の重要な基礎資料となります。
予算・工事計画
劣化診断の結果を基に、修繕に必要な予算と具体的な工事計画を立案します。この計画には、修繕の範囲、工事内容、スケジュール、予算などが含まれます。住民の生活に与える影響を最小限に抑えるための対策も考慮されます。管理組合や住民と協議を重ね、最適な修繕計画を確定します。この段階で、計画に対する住民の理解と同意を得ることが重要です。
施工会社の選定
工事を実施する施工会社を選定します。複数の施工会社から見積もりを取り、技術力、実績、費用、サービス内容などを総合的に比較検討します。信頼性の高い施工会社を選ぶことが、工事の品質とスムーズな進行を確保するための鍵となります。選定された会社と具体的な工事内容について確認し、契約を結びます。
総会決議
修繕計画と施工会社の選定が完了したら、管理組合の総会で計画を承認する決議を行います。全住民に計画の詳細を説明し、同意を得ることで、計画の透明性と住民の理解を深めます。総会では、質疑応答の時間を設け、住民の疑問や不安を解消することが重要です。この総会決議をもって、修繕工事の正式なスタートが切られます。
工事説明会の開催
総会決議の後、工事説明会を開催します。施工会社の担当者が出席し、工事の具体的な内容、スケジュール、安全対策などを住民に説明します。住民からの質問や意見に対応し、工事への理解と協力を求めます。説明会では、工事中の生活への影響や安全対策についても詳しく説明し、住民の協力を得るための信頼関係を築きます。
大規模修繕工事の契約・着工
工事説明会が終了したら、施工会社との契約を締結し、いよいよ修繕工事が着工されます。工事は計画に基づいて進行し、安全管理と品質管理が徹底されます。工事中は定期的に進捗状況が確認され、住民への影響を最小限に抑えるための対策が講じられます。住民への定期的な報告も行い、安心して工事を見守れるようにします。
工事完了
工事が完了したら、最終検査を行い、修繕が計画通りに実施されたことを確認します。専門の検査員が工事箇所を詳細にチェックし、すべての修繕が適切に行われていることを確認します。最終検査に合格した後、工事は正式に完了となります。工事完了後には、アフターケアとして一定期間内に発生した不具合に対して施工会社が対応します。引き渡しの際には、工事の詳細な報告書や保証書が提供され、今後のメンテナンス計画についての説明も行われます。
大規模修繕工事は、建物の価値を維持し、住環境を向上させるための重要です。計画的に実施し、住民の理解と協力を得ることで、成功に導くことができます。
大規模修繕工事でよくある質問
ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。
Q
大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?
A
10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう
Q
マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?
A
大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。
Q
マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?
A
大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。
Q
大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?
A
大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。
Q
大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?
A
大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。
この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください
3回目の大規模修繕についてのまとめ
3回目の大規模修繕後は、次回の修繕時期を見据えた計画を立てる必要があります。建物の状態や修繕内容を考慮し、長期的な修繕計画を立てておくことで、将来的なコストを抑えることができます。
マンションの管理組合は高齢化が進んでいることが多く、3回目の大規模修繕では、しっかりとした修繕計画を立てることができ、専門家サポートなどを用いて複雑な修繕工事の計画や管理を円滑に進めることができます。
大規模修繕工事・防水工事・外壁塗装・外壁補修参引用、参考サイト
国土交通省
特定非営利活動法人集合住宅管理組合センター
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会
一般社団協会マンション管理業協会
一般社団法人日本防水協会
日本ペイント
独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)
一般社団法人 マンション大規模修繕協議会
日本ウレタン建材工業会
FRP防水材工業会
株式会社ダイフレックス(シーカ・ジャパン株式会社)