陸屋根とは? 特徴によるメリット・デメリットや防水工事の施工費用などを紹介 | 株式会社新東亜工業  

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陸屋根とは? 特徴によるメリット・デメリットや防水工事の施工費用などを紹介

陸屋根(ろくやね)とは、一般的な住宅の傾斜屋根とは違い、ほぼ平らな構造を持つ屋根材のことです。特徴的な形状により屋上スペースとして活用できるメリットがある一方で、防水方法や定期的なメンテナンスが欠かせないというデメリットもあります。工事やリフォームの際には、建物の種類や用途に応じた施工方法の選択が重要で、費用面での検討も必要です。

そこで本記事では、陸屋根の基本的な構造から、具体的なメリット・デメリットの違い、さらに防水工事の種類や施工費用などを分かりやすく解説します。陸屋根に関する情報をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。

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陸屋根とは?

陸屋根(ろくやね・りくやね)とは、勾配がなく平らな形状をしている屋根のことです。

平屋根やフラット屋根、フラットルーフと呼ばれることもあります。

一般的な屋根は「勾配屋根」と呼ばれる傾斜のある屋根で、雨水が傾斜に沿って流れ落ちていきます。

一方で平らな形状をしている陸屋根は、床面にわずかな傾斜を形成して排水溝に集め、排水溝から雨水を排水することが大きな特徴です。

陸屋根は平らな形状をしていますが、傾斜はまったくないわけではなく、雨水の排水を促すための緩やかな傾斜が排水溝に向かって作られています。

また、平らな陸屋根は勾配屋根に比べて雨水が溜まりやすいため、床面には防水工事の施工が必須です。

陸屋根のメリット

陸屋根には、一般的な勾配屋根にはない陸屋根ならではのメリットがあります。

ここでは、人気が高まっている理由でもある陸屋根のメリットを、3つのポイントから紹介します。

陸屋根のメリット
  • 屋上として活用できる
  • 掃除がしやすい
  • 居住空間が広くなる

屋上として活用できる

陸屋根最大のメリットといっても過言ではないのが、陸屋根の平らなスペースを屋上として活用できることです。

ベランダやバルコニーよりも広くスペースを取れることも多く、日当たりもいいので家庭菜園などに活用することもできます。

このように、陸屋根の特徴である平らな形状を活かして、勾配屋根ではできない「屋上としての活用」ができるようになります。

ただし、構造によっては人が出入りして利用したり物を置いたりすることができない場合もあるので、注意が必要です。

太陽光発電の設置やガーデニングなど、さまざまな活用方法を楽しんでいる方も多いので、陸屋根の採用時に自分の思い通りの使い方ができるかどうか確認を取ることをおすすめします。

掃除がしやすい

陸屋根は平らな形状をしているので、足場なども必要なく掃除することができます。

屋根の補修工事の際にも足場が必要ないため、メンテナンスがしやすく費用も抑えることができるでしょう。

バルコニーや屋上のような感覚で立ち入って掃除できるので、掃除程度では業者を呼ぶ必要もなく自分で行えることが大きなメリットです。

また、勾配屋根の掃除やメンテナンスの際に気をつけたい転落のリスクも、陸屋根であればかなり軽減することができます。

雨風の影響を強く受ける屋根の掃除が比較的安全に自分でできることは、常にきれいな屋根の状態を保つことはもちろん、建物全体の劣化を予防することにもつながります。

居住空間が広くなる

陸屋根の場合は天井も平面になるため、一般的な勾配屋根に比べて建築スペースを広く取ることができ、同じ天井高でも居住空間を広く感じられるというメリットがあります。

天井が低いと圧迫感や窮屈な印象を感じる方も多いですが、居住空間を十分に広く確保することで開放的な印象を与えることができます。

陸屋根のデメリット

メリットも多い陸屋根ですが、実際に自宅に取り入れる際にはデメリットについても把握しておくことが重要です。

ここでは、陸屋根のデメリットを3つ紹介します。

陸屋根のデメリット
  • 最上階に熱がこもる
  • 水はけが悪い
  • 雨漏り対策・メンテナンスが必要

最上階に熱がこもる

陸屋根の構造上、屋根と天井の間には隙間がありません。

一般的な勾配屋根にはある屋根裏の空間が陸屋根にはないため、陸屋根に当たる日光の影響を受けて、最上階に熱がこもって室温が上昇してしまうことが多いです。

建物の構造や材質、断熱材などのさまざまな要因によって室温への影響は変化しますが、陸屋根の住宅の夏は最上階が蒸し暑いと感じやすいです。

ただしこのデメリットは、断熱材や遮熱塗料などを使用すれば軽減することができるので、施工時に対策を取るといいでしょう。

水はけが悪い

陸屋根の最大のデメリットともいわれているのが、水はけの悪さです。

勾配屋根であれば雨水は自然と流れ落ちていくのですが、平らな形状が特徴の陸屋根ではどうしても雨水が溜まりやすいです。

床面に溜まった雨水は雨漏りのリスクを高めるため、水はけの悪さが大きなデメリットだといわれています。

このような状況でも建物を雨漏りから守るため、陸屋根には防水工事が必須です。

雨漏り対策・メンテナンスが必要

陸屋根の特徴である平らな形状は、雨水が溜まりやすく水はけも悪いため、雨漏り対策や防水機能を維持するためのメンテナンスが欠かせません。

陸屋根は雨漏りリスクが高いことを理解して、しっかりと対策を行うことが重要です。

雨漏りが発生すると、建物の内部にも雨水が侵入して建物全体に悪影響を与えてしまうことも多くあります。

陸屋根の防水工事や定期的なメンテナンスなど、雨漏り対策を万全にして建物全体を守りましょう。

陸屋根に行う防水工事の種類

陸屋根には雨水が溜まりやすく雨漏りリスクが高いため、防水工事が必須です。

陸屋根に対して行う防水工事には種類があり、以下の4種類の防水工事が主流です。

防水工事耐用年数費用相場
ウレタン防水10〜12年7,600〜10,200円/㎡
FRP防水10〜12年12,000〜15,000円/㎡
シート防水10〜15年6,300〜8,400円/㎡
アスファルト防水15〜25年7,000〜10,000円/㎡

ここからは、それぞれの防水工事の施工内容や特徴について、さらに詳しく紹介していきます。

ウレタン防水

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を使用して防水層を形成する工法です。

液体状の防水塗料を使用するため、複雑な形状の場所に対しても施工できることがメリットです。

また、下地を選ばず施工できるため、既存防水層の種類にかかわらず上から重ねて施工することができます。

ただし、ウレタン樹脂を乾燥させる時間が必要となるため、工期が比較的長めです。

また、防水層を紫外線の刺激から保護する役割のあるトップコートの塗布が必須で、防水工事の施工後は5年に一度を目安としたトップコートの塗り替えが必要になります。

ウレタン防水の詳細を以下にまとめました。

ウレタン防水のメリット
  • 複雑な形状の場所にも施工できる
  • 継ぎ目のない防水層が形成できる
  • 既存防水層を選ばず重ねて施工できる
  • 施工費用が比較的安く、工期が短い
ウレタン防水のデメリット
  • 完成度が職人の技術に依存する
  • 施工不良によって膨れが発生することがある
  • 紫外線に弱い

工期:3〜10日程度
工法:密着工法 / 通気緩衝工法

FRP防水

FRP防水とは、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)を含む防水シートを使用して防水層を形成していく工法です。

優れた耐久性を持っているにもかかわらず軽量であることが特徴で、FRPは防水工事以外にもバスタブやロケットなどさまざまな場面で活用されています。

屋上駐車場の防水工事としても採用されるほど強度が高く、人の歩行が頻繁な陸屋根にも安心して採用できる防水工事です。

メリットが多い分、費用はやや高い傾向があることは覚えておきましょう。

FRP防水もウレタン防水と同様に、防水層を保護するためのトップコートが必須で、防水工事の施工後も5年に一度を目安としたトップコートの塗り替えが必要になります。

FRP防水の詳細を以下にまとめました。

FRP防水のメリット
  • 耐久性に優れている
  • 防水性が高い
  • 硬化にかかる時間が短いので、工期も短い
  • 素材が軽量で、建物への負担が少ない
FRP防水のデメリット
  • 伸縮性が少なく、ひび割れが起こりやすい
  • 施工場所を選ぶ(10㎡以上の広い木造には施工不可)

工期:1〜2日程度

シート防水

シート防水は、塩化ビニールや合成ゴムでできた防水シートを使用して防水層を形成する工法です。

施工費用が比較的安く、シートの色やデザインを選べることが大きな特徴です。

ただし、複雑な形状の場所や強風の地域などは施工に適さない場合があるので、注意しましょう。

シート防水は、シートの継ぎ目部分が弱点となりやすいほか、物理的な刺激で破れてしまうこともあります。

定期的にメンテナンスを行いながら、防水性能を維持していきましょう。

シート防水の詳細を以下にまとめました。

シート防水のメリット
  • シートを貼る工事なので、完成度に差が出ない
  • 熱や紫外線に強い
  • 既存防水層の種類を選ばず施工可能
  • 色やデザインが豊富
シート防水のデメリット
  • 複雑な形状の場所には施工できない
  • シートの継ぎ目が劣化しやすい

工期:1〜5日程度
工法:接着工法 / 機械的固定工法

アスファルト防水

アスファルト防水は、熱で溶かした液状のアスファルトを使用する工法です。

防水性や耐久性に優れていて、防水層の寿命も最も長いです。

しかし、アスファルトを使用する分重量があり建物への負担が大きいため、十分な対荷重があるかを確認する必要があります。

アスファルト防水は新築に施工することが基本で、他の種類の防水層からリフォームすることはあまりありません。

費用は高額になりますが、高い耐久性のおかげでメンテナンスの必要がほとんどないので、公共施設など大型の建物の屋上にもよく採用されます。

そのため、メンテナンスを頻繁に行えない陸屋根にも適した防水工事だといえるでしょう。

アスファルト防水の詳細を以下にまとめました。

アスファルト防水のメリット
  • 耐久性に優れている
  • 防水性能が高い
  • 耐用年数が長く、防水工事の回数を減らせる
アスファルト防水のデメリット
  • 施工費用が高額
  • 工法によっては、施工中に煙や臭いが発生する
  • 重量があり建物への負担が大きい

工期:3週間程度
工法:常温工法 / 熱工法 / トーチ工法

陸屋根のメンテナンス方法

陸屋根は雨漏りリスクが高いため、適切なメンテナンスを行なって雨漏りを予防することが重要です。

ここでは、陸屋根のメンテナンス方法を2つのポイントから紹介します。

陸屋根のメンテナンス方法
  • トップコートの塗り替え
  • ルーフドレン(排水溝)の掃除

陸屋根のメンテナンスを検討している方や、陸屋根を採用したいもののどんなメンテナンスが必要か気になるという方などは、チェックしてみてくださいね。

トップコートの塗り替え

防水工事の種類にもよりますが、トップコートを塗布している防水層の場合は、定期的なトップコートの塗り替えが必要です。

トップコートの塗り替え時期は、防水層の耐用年数にかかわらず、5年に一度が目安となっています。

トップコートには防水層を保護する役割があるので、トップコートの劣化を放置してしまうと、防水層が直接紫外線などの影響を受けて急速に劣化していってしまうでしょう。

防水層まで劣化が進んでしまうと、トップコートの塗り替えだけではなく防水層の補修や再工事が必要となってしまいます。

そのため、雨漏りなどの症状が現れていなくても、トップコートの塗り替えは5年に一度を目安に行うようにしましょう。

ただし、最近では強度の高いトップコートもあり、種類によっては10年ごとの塗り替えで問題ないものもあります。

そのほかにも遮熱効果のあるトップコートなどもあるので、塗布する際にはトップコートの種類も検討し、種類ごとの塗り替え時期を把握しておくようにしてくださいね。

ルーフドレン(排水溝)の掃除

陸屋根は平らな形状をしているため、雨水が自然に流れ落ちることはありません。

陸屋根の緩やかな傾斜によって集められた雨水は、ルーフドレン(排水溝)を通じて排水されていきます。

そのため、陸屋根に設置されているルーフドレンが詰まってしまうと、陸屋根は排水機能を失って雨水が床面に溜まってしまうことになります。

雨水が溜まると、防水層の劣化が急速に進んでしまったり雨漏りリスクが上がったりとさまざまな悪影響を与えてしまうでしょう。

このような事態を防ぐためにも、こまめなルーフドレンの掃除が欠かせません。

陸屋根には、土や落ち葉、ゴミなどさまざまなものが飛んでくることがあり、それによってルーフドレンが詰まってしまうことが多いです。

定期的に詰まりが生じていないかチェックし、汚れやゴミが蓄積して詰まらないように掃除しましょう。

とくに強い雨や台風などの影響を受けた日は、欠かさずチェックしてくださいね。

防水工事での助成金や補助金について【屋根防水や屋上防水】

大規模修繕に関わらず屋根防水、屋上防水などは場合によって多くの資金が必要になります。

そんな時に活用できるのが助成金や補助金です。各地方自治体では修繕工事や外壁塗装などにおいて補助金などを用意している場合があります。

防水工事の場合リフォーム補助金や住宅改修工事における助成金などがあり、該当する場合には防水工事の補助金を受けることが可能です。

以下の内容が基本的な補助金申請時の条件です。

  • 補助金申請できる地域に住んでいる
  • 以前同じ補助金や助成金を受け取っていない
  • 税金を滞納していない
  • 省エネに関するものや耐震補強など、その地方自治体の目的にあった工事であること

詳しくはお住まいの各自治体のホームページ、または問い合わせをして確認してみましょう。

防水工事に関してのよくある質問を紹介

ここでは防水工事に関してよくある質問を紹介していきます。

Q

防水工事前に何か準備は必要ですか?

A

防水工事前には、施工箇所の周りを整理し、私物や家具などは移動が必要になります。また、工事中の騒音や振動について、事前に確認しておきその時間帯の過ごし方などを決めておくとスムーズに対応できます。

Q

防水工事を行う周期はどのくらいですか?

A

一般的に、防水工事は10年から15年ごとに行うのが目安です。定期的な点検を行い、劣化が見られる場合は早めに工事を実施すると、建物の寿命を延ばすことができます。

Q

雨天時も防水工事は行いますか?

A

防水工事は晴天時に行うのが基本です。雨天時に施工すると、乾燥が不十分になり、防水効果が落ちることがあります。そのため、天気を見ながらスケジュールを調整し、品質を確保します。

Q

防水工事中に臭いがすることはありますか?

A

防水工事では、使用する材料によって臭いが発生することがあります。特に溶剤系の材料を使うと匂いが強くなることがあります。臭いについて気になる場合はご相談の上、水性材料を選べば臭いは抑えられます。工事中は換気をしっかり行い、匂いがこもらないようにしましょう。

陸屋根と防水工事についてのまとめ

今回は、陸屋根についての特徴やメリット・デメリット、陸屋根の防水工事について詳しく解説しました。

  • 陸屋根とは、平らな形状が特徴の屋根のこと
  • 屋上のように使用できて、メンテナンスや補修の際にも足場が必要ない
  • 平らな陸屋根には雨水が溜まりやすく雨漏りリスクが高いので、雨漏り対策が必須
  • 陸屋根に行う防水工事は、主にウレタン防水・FRP防水・シート防水・アスファルト防水の4種類

陸屋根にはさまざまなメリットがあり一般住宅でも人気が高まっていますが、雨漏りリスクが高いことに注意が必要です。

今回の記事を参考に、陸屋根の正しいメンテナンスや定期的な補修を行なって防水性能を維持し、建物を雨漏りリスクから守りましょう。

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