30年を超えるマンションに必要な大規模修繕工事の内容や修繕費とは? | 株式会社新東亜工業  

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30年を超えるマンションに必要な大規模修繕工事の内容や修繕費とは?

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築30年を超えるマンションは、経年劣化により様々な不具合が生じてきます。住環境の維持と安全性を確保するためには、大規模修繕工事が必要不可欠です。本記事では、大規模修繕工事の内容や補修ポイントに加え、業者選びや費用に関する情報を詳しく解説します。

築30年以上のマンションにお住まいの方や、将来の大規模修繕工事に備えたい方は、ぜひ参考にしてください。

30年を超えるマンションに必要な修繕工事は?

30年を超えるマンションでは、経年劣化により様々な部分に修繕が必要になります。

結論から申し上げますと、主な修繕箇所は以下の通りです。

  • 外壁や屋上防水層の修繕
  • 給排水管や電気設備の更新
  • エレベーターの設備更新
  • 共用部のリニューアルと改善

外壁・屋根の補修とメンテナンス

外壁は雨風や紫外線にさらされているため、経年劣化によってひび割れや塗装の剥がれなどが発生します。大規模修繕では、外壁の補修や塗装の塗り替えを行います。屋根も劣化によって雨漏りが発生することがあるため、点検と補修が必要です。

給排水管や電気設備の更新

給排水設備、電気設備は経年劣化によって水漏れや詰まりが発生しやすくなったり、電気設備は機器が故障する要因が高まったりします。大規模修繕では、給排水設備、電気設備の更新を行います。更新の際には、配管の交換や水栓の交換、電気設備の更新が必要です。

エレベーターの改修と更新作業

エレベーターは、経年劣化によって故障が発生することがあります。大規模修繕では、エレベーターの改修や更新を行います。改修の際には、制御盤の交換や駆動機の交換が必要です。

共用部のリニューアルと改善

共用部は、経年劣化によって汚れや傷などが発生します。大規模修繕では、共用部のリニューアルを行います。リニューアルの際には、床材の交換や照明の交換が必要です。

国土交通省によれば、マンションの主要構造部分の耐用年数は60年程度とされています。

一方で、給排水管や電気設備などの設備の耐用年数は20年から30年程度と短くなっています。

したがって、経年30年を超えるマンションでは、設備面での修繕が不可欠になるのです。

実例としては、2016年に行われた住宅・土地統計調査によると、築30年を超えるマンション戸数は全体の約21%に上っています。

このように、マンションの老朽化は大きな社会問題となっており、適切な修繕が求められています。

30年後の大規模修繕でかかる費用

マンションの大規模修繕工事は、30年を超えると必要になってくる大規模な工事です。この工事には多額の費用がかかるため、事前に費用を把握しておくことが重要です。

一般的に、大規模修繕工事の費用は、1戸あたり500万円~1,000万円程度かかると言われています。ただし、これはあくまでも目安であり、実際の費用は建物の規模や築年数、劣化状況などによって異なります。

そのほか以下の要因により修繕費用は大きく変動します。

  • マンションの規模や構造
  • 修繕箇所や工事内容
  • 使用する資材の種類
  • 所在地の工事単価

大規模修繕費用の負担は、マンションの管理規約によって異なります。一般的には、各戸が平等に負担するケースが多いですが、専有面積に応じて負担するケースや、所有権の割合に応じて負担するケースもあります。

大規模修繕工事は多額の費用がかかりますが、マンションの資産価値を維持するためには必要な工事です。事前に費用を把握し、計画的に修繕積立金を積み立てておくことが重要です。

また、修繕箇所によっても費用は変わってきます。

例えば、外壁のみの修繕であれば1戸当たり100万円程度ですが、給排水管の更新まで行えば600万円以上かかる可能性があります。

しっかりとした長期修繕計画を立て、毎月の修繕積立金を集めておけば、大規模修繕時の負担を軽減できるでしょう。

30年超えのマンションの建替えか修繕かの判断基準

経年30年を超えたマンションでは、建替えるのか大規模修繕を行うのかの選択を迫られます。

結論から申し上げますと、判断基準としては以下の点が重要です。

  • マンション全体の耐久性
  • 修繕に要する費用
  • 立地環境や資産価値
  • 区分所有者の合意形成

理由として、まずマンションの構造躯体の耐久性が最も重要な判断材料となります。

60年以上の長期使用が見込めれば修繕を、構造が危険な状態であれば建替えを選択することになります。

次に修繕費用とマンション価値を見比べる必要があります。

仮に1,000万円を超える高額修繕となるのに対し、マンションの資産価値が低ければ、建替えを選択する方が得策です。

また、周辺環境の変化によってマンションの立地価値が失われていれば、建替えを検討する材料になるでしょう。

建築基準法の規制強化で建替え後の容積率が下がるケースもあり得ます。

最後に、建替えの場合は全員の合意が必要なため、区分所有者間の調整が重要なポイントです。

修繕であれば委員会で可決できますが、建替えは全員一致の合意が必要になるためです。

このように、建物状況や費用対効果、環境の変化、合意形成など、多角的な観点から総合的に判断することが不可欠です。

30年を超えるマンションの大規模修繕費用を抑える方法

経年30年を超えるマンションにおいて、大規模修繕費用を抑える方法はいくつかあります。

結論から申し上げますと、主な方法は以下の通りです。

  • 修繕工事の内容や時期を工夫する
  • 補助金や税制優遇措置を活用する
  • 設備機器を高効率な物に更新する
  • 修繕積立金の上乗せや借入れを検討する

例えば、高額な設備機器の更新は分割して行うなどの工夫が考えられます。また、国や自治体による補助金制度や、固定資産税の軽減措置なども積極的に活用すべきです。

環境省の統計によると、2020年度の住宅関連の補助金受給件数は7万件を超えています。

さらに、大規模修繕時に設備機器を高効率な物に更新すれば、ランニングコストの削減も期待できます。

また、修繕積立金の一時的な上乗せや、マンション管理組合による修繕ローンの借入れなども選択肢として検討できます。

理事会での合意が前提となりますが、負担を分散化する有効な方法です。

このように、様々な工夫を施すことで、品質を維持しつつコストを抑制することが可能になります。

30年を超えるマンションの大規模修繕時の注意点

30年を超えるマンションで大規模修繕工事を行う際には、いくつかの注意点があります。

結論から申し上げますと、主な注意点は以下の通りです。

  • 長期修繕計画の見直しと合意形成
  • 工事業者の選定と工事監理
  • 入居者への配慮と安全対策
  • アフターメンテナンスと定期点検

理由として、まず修繕の手順や優先順位、工事費用の見積もりなどを反映して、長期修繕計画の改定が不可欠です。

区分所有者の合意を経て正式に決定する必要があります。

次に、適切な工事業者の選定が重要になります。実績や価格のみならず、マンション修繕に対する専門性も重視すべきです。

さらに、第三者による工事監理を設けることで、工事の品質を担保できます。

また、工事期間中の入居者への配慮も欠かせません。

生活環境への影響を最小限に抑え、安全対策を怠らないことが求められ、騒音や振動対策、養生措置、非常時の避難経路の確保などが考えられます。

最後に、修繕完了後も、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。交通省の調査では、約7割の管理組合が1年以内に修繕後の点検を実施しています。

こうした点検を怠ると、早期に不具合が発生する恐れがあります。

実際の事例としては、東京都内の老朽マンションで大規模修繕工事中に外壁がはがれ落ちる事故が発生しました。

工事業者の選定ミスとモニタリング不足が原因とされ、工事の一時中断を余儀なくされました。

このように、大規模修繕には多くの注意点がありますが、入念な準備と適切な対応により、マンション資産の延命化と資産価値維持につながります。

見落としがあれば、入居者の生活環境や財産に多大な影響を及ぼしかねません。関係者一丸となった取り組みが何より重要となります。

大規模修繕工事の流れを紹介

大規模修繕工事は、マンションやビルの寿命を延ばし、快適な住環境を維持するために欠かせません。以下では、その流れを詳しく説明します。

修繕委員会を発足

まず、大規模修繕工事の計画を進めるために修繕委員会を発足します。この委員会は、住民の代表や管理組合のメンバーで構成され、工事の計画から実施、監督までの一連の流れを管理します。委員会があることで、住民全体の意見を反映した透明性の高い意思決定が可能になります。委員会のメンバーは、定期的に会議を開き、工事の進捗や問題点について話し合います。

状態確認・劣化診断

次に、専門家による建物の状態確認と劣化診断が行われます。技術者が外壁、屋根、配管、共用部分などを詳しく調査し、劣化や損傷の状態を把握します。この診断結果を基に、どの部分を修繕する必要があるかを決定します。調査は、住民の安全を確保しながら行われ、結果は詳細な報告書としてまとめられます。この報告書は、今後の修繕計画の重要な基礎資料となります。

予算・工事計画

劣化診断の結果を基に、修繕に必要な予算と具体的な工事計画を立案します。この計画には、修繕の範囲、工事内容、スケジュール、予算などが含まれます。住民の生活に与える影響を最小限に抑えるための対策も考慮されます。管理組合や住民と協議を重ね、最適な修繕計画を確定します。この段階で、計画に対する住民の理解と同意を得ることが重要です。

施工会社の選定

工事を実施する施工会社を選定します。複数の施工会社から見積もりを取り、技術力、実績、費用、サービス内容などを総合的に比較検討します。信頼性の高い施工会社を選ぶことが、工事の品質とスムーズな進行を確保するための鍵となります。選定された会社と具体的な工事内容について確認し、契約を結びます。

総会決議

修繕計画と施工会社の選定が完了したら、管理組合の総会で計画を承認する決議を行います。全住民に計画の詳細を説明し、同意を得ることで、計画の透明性と住民の理解を深めます。総会では、質疑応答の時間を設け、住民の疑問や不安を解消することが重要です。この総会決議をもって、修繕工事の正式なスタートが切られます。

工事説明会の開催

総会決議の後、工事説明会を開催します。施工会社の担当者が出席し、工事の具体的な内容、スケジュール、安全対策などを住民に説明します。住民からの質問や意見に対応し、工事への理解と協力を求めます。説明会では、工事中の生活への影響や安全対策についても詳しく説明し、住民の協力を得るための信頼関係を築きます。

大規模修繕工事の契約・着工

工事説明会が終了したら、施工会社との契約を締結し、いよいよ修繕工事が着工されます。工事は計画に基づいて進行し、安全管理と品質管理が徹底されます。工事中は定期的に進捗状況が確認され、住民への影響を最小限に抑えるための対策が講じられます。住民への定期的な報告も行い、安心して工事を見守れるようにします。

工事完了

工事が完了したら、最終検査を行い、修繕が計画通りに実施されたことを確認します。専門の検査員が工事箇所を詳細にチェックし、すべての修繕が適切に行われていることを確認します。最終検査に合格した後、工事は正式に完了となります。工事完了後には、アフターケアとして一定期間内に発生した不具合に対して施工会社が対応します。引き渡しの際には、工事の詳細な報告書や保証書が提供され、今後のメンテナンス計画についての説明も行われます。

大規模修繕工事は、建物の価値を維持し、住環境を向上させるための重要です。計画的に実施し、住民の理解と協力を得ることで、成功に導くことができます。

マンション大規模修繕での補助金や助成金の種類と条件を紹介

マンションの大規模修繕には多額の費用がかかりますが、国や地方自治体からの補助金を利用することで、経済的負担を軽減することができます。ここでは、主要な補助金の種類とそれぞれの条件について詳しく解説します。

以下の表にまず簡単にまとめました。

補助金の種類条件対象工事例
省エネ改修補助金断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うこと
一定のエネルギー効率改善が見込まれること
断熱材の追加、高効率給湯器の設置
LED照明への交換
耐震改修補助金建物の耐震性を向上させる工事を行うこと
耐震診断の結果に基づいた改修であること
耐震補強工事、柱や梁の補強
バリアフリー改修補助金高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと
公共性が認められること
スロープの設置、エレベーターの設置
手すりの設置
条件、対象工事例は一般的な内容となります。自治体によって条件が変わることがあるため詳しくは各自治体へお問い合わせください

それぞれの内容を詳しく解説します。

省エネ改修補助金

まず、省エネ改修補助金についてです。この補助金は、建物の断熱性能を向上させたり、省エネルギー設備を導入したりする場合に支給されます。具体的には、断熱材の追加や高効率給湯器の設置、LED照明への交換などが対象となります。この補助金を受けるための条件として、断熱材の追加や省エネルギー設備の導入を行うことが求められ、さらに一定のエネルギー効率改善が見込まれることが必要です。

※参考資料:国土交通省マンションの省エネ改修事例・支援制度

耐震改修補助金

次に、耐震改修補助金があります。この補助金は、建物の耐震性を向上させるための工事に対して支給されます。対象となる工事には、耐震補強工事や柱や梁の補強などがあります。補助金を受けるためには、耐震診断の結果に基づいた改修であることが条件となります。これは、建物の耐震性を確保し、住民の安全を守るために非常に重要です。

バリアフリー改修補助金

最後に、バリアフリー改修補助金です。この補助金は、高齢者や障害者のためにバリアフリー化を行う場合に支給されます。対象となる工事には、スロープの設置、エレベーターの設置、手すりの設置などが含まれます。この補助金を受けるための条件としては、高齢者や障害者のためのバリアフリー化を行うこと、そして公共性が認められることが必要です。バリアフリー化は、高齢者や障害者が安全に快適に暮らせる環境を整えるために重要です。

以上のように、マンション大規模修繕に対する補助金にはさまざまな種類があり、それぞれに特有の条件があります。適切な補助金を選び、条件に合った工事を行うことで、補助金を有効に活用することができます。

大規模修善工事でのよくある質問

ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。

Q

大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?

A

A: 10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう

Q

マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?

A

大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。

Q

マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?

A

大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。

Q

大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?

A

大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。

Q

大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?

A

大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。

この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください

まとめ

30年を超えるマンションは、経年劣化によって様々な不具合が発生する可能性があります。そのため、安全で快適な生活を維持するためには、定期的な大規模修繕工事が必要です。

大規模修繕工事では、外壁や屋根の補修、給排水設備の更新、エレベーターの改修、共用部のリニューアル、防災対策など、様々な工事が行われます。これらの工事を適切に実施することで、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持することができます。

大規模修繕工事を行う際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。業者の施工実績や評判、取得資格、見積もり内容などを比較検討し、最適な業者を選びましょう。

また、大規模修繕工事には多額の費用がかかります。事前に資金計画を立てて、資金繰りをしっかりと行うことが大切です。

適切な大規模修繕工事を実施することで、マンションの価値を維持し、安全で快適な生活を確保することができます。

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