2024.03.19
マンション大規模修繕は減価償却できるの?耐用年数を用いた減価償却計算方法解説
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マンションでの大規模修繕費の減価償却はできるのか?修繕費や改修工事費はどれくらいかかるのか?減価償却の計算方法は?といった疑問を抱える方も多いでしょう。
大規模修繕工事は、マンションの価値を維持するために不可欠であり、計画的な実施が求められます。
修繕費の負担が大きいため、費用の計算方法や減価償却の理解は重要であり、大規模修繕費は資本的支出として扱われ、耐用年数表に基づいた減価償却が必要です。
適切な年数を設定し、計算を行うことで、税務申告時に経費として認められ、税負担を軽減できます。
本記事では、マンションの大規模修繕にかかる修繕費や経費、減価償却の計算方法について詳しく解説し、あなたの不安を解消します。これにより、安心して修繕を進めるためのポイントをお伝えします。
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大規模修繕は減価償却できるの?
大規模修繕費は減価償却が可能です。
ただし、減価償却できるかどうかは、その費用が資本的支出として計上されるか、修繕費として計上されるかによって異なります。
資本的支出は、固定資産の価値や耐久性を高めるための支出であり、減価償却の対象となります。
一方、修繕費は建物の損傷部分の原状回復や、定期的な維持管理を図るために支出した費用で、通常はその年の経費に計上されます。
減価償却を行う場合、建物の耐用年数に応じた償却率を用いて計算します。
マンションの資本的支出とは?
資本的支出とは、固定資産の価値や耐久性を高めるために行われる支出のことです。
これには、建物の改良や改装、機械の部品交換などが含まれ、通常の修繕費とは異なります。
資本的支出は固定資産の取得原価に加算され、その後は減価償却費として毎年の費用に計上されます。
例えば、以下のような支出が資本的支出に該当します:
- 建物に新しい避難階段を取り付ける
- 用途変更のための模様替え
- 機械の部品を品質や性能が高いものに交換する
これらの支出は、固定資産の価値を増加させるため、資本的支出として計上されるのです。
一方で、壊れたものを修理して元の状態に戻すような支出は、修繕費として計上されます。
マンションの修繕費とは
修繕費とは、事業のために必要な有形固定資産が故障した際の修理費用や保守点検費用、回収費用などを指す勘定科目です。
具体的には、建物や設備の修理費用、給排水設備の修理費用、営業車両の修理費用などが含まれます。
これらは、固定資産の維持管理や原状回復のために支出される費用で、通常はその年の経費に計上されます。
固定資産の価値を増加させたり、使用可能期間を延長させたりする資本的支出とは異なります。
資本的支出は、資産の取得原価に加算され、減価償却の対象となりますが、修繕費は資産の現状維持や原状回復のための費用として、その年度の経費として処理されるのです。
100万円以上の修繕・改修工事は修繕費としてみなされないという説がありますが、該当する工事であれば修繕費として認められます。
大規模修繕の減価償却費はどう計算する?
確定申告や節税に繋がるため、減価償却費の計算方法についてしっかり把握しましょう。
マンションやアパートなど建物の場合は定額法での計算が義務
建物の場合は定額法での計算が義務となります。
定額法での減価償却の計算式は下記となります。
減価償却費 = 取得価額 × 償却率
償却率については建物の耐用年数によって決定します。
大規模修繕費の減価償却の計算方法については、以下のステップで行います:
- 資本的支出か修繕費かの判断
- 耐用年数の確認
- 償却率の適用
- 減価償却費の計算
まず、支出が資本的支出に該当するか、それとも修繕費に該当するかを判断します。
マンションやアパートなどの大規模修繕費を減価償却する時の計算方法
資本的支出と判断された場合、建物の耐用年数を確認します。
耐用年数は、建物の構造や用途によって異なります。
国税庁が公表する「減価償却資産の償却率等表」から、建物の耐用年数別の償却率を参照します。
計算式は以下の通りです
減価償却費 = 取得価額 × 償却率
例えば、耐用年数が47年の鉄筋コンクリート造の建物に対して5,000万円の大規模修繕を行った場合、償却率が0.022であれば、減価償却費は次のように計算できます。
5,000万円×0.022=110万円
これがその年に計上する減価償却費となります。
自身の所有する建物が、いくらまで計上できるのか確定申告する前にしっかり把握しておきましょう。
※参考資料 国税庁「定額法と定率法による原価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)」
建物の耐用年数表について
建物の種類 | 耐用年数 |
---|---|
木造・合成樹脂造のもの | 22年 |
木骨モルタル造のもの | 20年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの | 47年 |
れんが造・石造・ブロック造のもの | 38年 |
金属造のもの(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの) | 38年 |
金属造のもの(骨格材の肉厚が3mmを超え、4mm以下のもの) | 30年 |
金属造のもの(骨格材の肉厚が3mm以下のもの) | 22年 |
減価償却とは、固定資産の価値が時間とともに減少することを会計上で表現する方法です。
具体的には、資産の取得費用をその資産の経済的な利用可能期間、つまり耐用年数にわたって分配し、毎期の費用として計上することを指します。
建物の耐用年数は、その建物の構造や材質、用途に基づいて国税庁によって定められた期間です。
耐用年数は、建物が経済的に利用可能と見込まれる期間を示し、この期間にわたって建物の取得費用を減価償却費として計上します。
耐用年数に注意し、確定申告する際の役立てましょう。
大規模修繕費を減価償却するメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
節税効果 キャッシュフローの改善 資産価値の維持・向上 | 会計処理の複雑化 償却期間の長さ 将来の財務負担 |
減価償却により、大規模修繕費を数年間にわたって経費として計上できるため、短期間での税負担を軽減できます。
初期投資の回収期間を長く設定できるため、一時的な資金の流出を抑え、キャッシュフローを安定させることができます。
ただ、会計処理が複雑になり、管理が煩雑になる可能性があります。
減価償却は耐用年数に基づいて行われるため、経費として計上できる期間が長くなり、短期間での費用回収ができない場合があります。
減価償却により初期の税負担は軽減されますが、将来にわたって財務負担が続くことになります。
税金は資本的支出の方が抑えられ、資金繰りの面では資本的支出のほうが悪くなると考えられることがあますが、修繕費と資本的資産のどちらがお得かは、建物の耐用年数によっても変わってくるため一概にいえません。
目先のキャッシュフローを考えるか、先々の全体的な税金を考えるかによって判断するのが良いでしょう。
大規模修善工事でのよくある質問
ここでは大規模修繕工事でよくある質問を紹介します。工事費用や施行中の疑問をまとめました。
Q
大規模修繕で10戸のマンションではどのくらいが費用目安?
A
A: 10戸のマンションの大規模修繕の費用は、規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、一般的には1000万円から1,500万円程度が目安とされています。具体的な費用は、外壁や共用部分の修繕内容、使用する材料の種類によって変動するため、詳細な見積もりを施工業者で確認しましょう
Q
マンション大規模修繕時にエアコンは使用できる?室外機はどうする?
A
大規模修繕中でも基本的にはエアコンの使用は可能ですが、外壁塗装や防水工事の際には一時的に使用を控える必要がある場合があります。室外機は、作業に支障がない限りそのまま設置された状態で保たれることが一般的です。ただし、工事の進捗によっては室外機を一時的に移動させる場合もあるため、管理組合や施工業者からの指示に従ってください。
Q
マンション大規模修繕の際のベランダの荷物やアンテナはどうすればいい?
A
大規模修繕の際には、ベランダの荷物は一時的に室内に移動させる必要があります。特に、外壁塗装や防水工事の影響を受けやすいものは、工事開始前に片付けてください。また、テレビアンテナや物干し竿も取り外しが必要になる場合がありますので、事前に管理組合や施工業者の指示に従い、適切に対応してください。
Q
大規模修繕の際に洗濯物は外に干せる?
A
大規模修繕期間中は、外壁工事や塗装の影響でベランダに洗濯物を干すことが制限されることがあります。工事用のネットやシートが張られるため、日光が遮られたり、塗料やホコリが付着する可能性があります。管理組合や施工業者からの案内に従い、洗濯物は室内で乾かすか、コインランドリーの利用を検討してください。
Q
大規模修繕の際に立ち会いや在宅が必要なことはある?
A
大規模修繕では、住戸内に立ち入る必要のある作業が発生する場合があります。例えば、配管の点検やベランダ側のサッシ工事などが該当します。その際には、居住者の立ち会いや在宅を求められることがあるため、事前に管理組合や施工業者からの連絡を確認し、予定を調整してください。それ以外の工事については基本的に在宅の必要はありませんが、作業内容によって異なるため、詳細は管理組合の案内を確認することが重要です。
この他、大規模修繕のよくある質問について知りたい方は以下の記事をご覧ください
マンションの大規模修繕の減価償却についてまとめ
マンションの大規模修繕は、建物の老朽化を防ぎ、資産価値を維持するために必要な工事です。しかし、修繕費用の金額は非常に高額であり、オーナーにとって大きな負担となります。
そこで、税務上、修繕費用の減価償却ができる場合があることで、節税効果が期待できます。減価償却とは、固定資産の価値が経年劣化によって減少していくことを費用として計上することで、税務上、利益を減らすことができる制度です。
減価償却費の計算方法は、取得価額から耐用年数で除した金額となります。取得価額は、工事費用の総額から消費税額を差し引いた金額です。耐用年数は、法定耐用年数または特例耐用年数を使用します。
減価償却により税務上の利益を減らすことで、法人税や所得税の節税効果が期待できます。ただし、減価償却の対象となる費用は限られているため、どちらがお得か事前に税務申告の専門家などに相談することをおすすめします。